だいぶ間が空いてしまいました。クラウドファンディングの期間は終わりましたが、撮影は進めています。
リターンの「お礼のメール」ですが、20人の撮影が終わってから送らせていただきます。
撮影の旅をしながら、写真のこと、工芸のこと、日本のことなどをいろいろと考えています。
そんなことも含めた「お礼のメール」に出来ればと思っています。もう少々お時間をください。
映像からの切り出し画像をアップしておきます。
9人目、輪島木地師、辻さん
部屋から廊下に溢れ出る粗木地たち。
削る道具の方も自分の使いやすいように自分で作る。鍛冶屋さんでもあります。
用途によって道具を使い分けます。木屑がかかってて使ってなさそうだけど、現役の道具たち。僕のカメラにもあっという間に木屑が積もってました。
木地師さんは、表に名前の出ない仕事でした。名のある作家さんも、自分で木地を削る人は少ない。縁の下の力持ち的な存在。全国的に見ても、木地師さんはかなり少なくなっているようです。
10人目、名古屋尾張七宝、池田さん。
銀線を立てて壁のようにして
下絵に合わせながら一つ一つ置いていきます。
そこにガラスの釉薬を挿していきます。
気の遠くなるような細かい作業。たくさんの色を使いながら。
池田さんは、名古屋城本丸御殿を復元した際に、襖の取っ手などを制作したそう。歴史に残る作品が作れるのは素晴らしい。
11人目、京地張り提灯、小嶋さん。
小嶋さんは家族で分業をしている。お兄さんが竹割り。
弟さんが和紙を貼る。
イベントなどで使用する巨大な提灯なども手がけていて、大活躍中。
工房は子供達の遊び場にもある。
小嶋さん曰く、これが何代も続く理由だと。
お兄さんも弟さんも、提灯をやる以外の道を考えたことがないと言っていた。
10年前は撮影しなかったけど、今回は弟さんの肖像も撮影させてもらった。
12人目(13人目)京仕立て、殿村さん
着物の仕立て屋さん。
着物は何度でも仕立て直せるように、全て手縫い。
使う道具も、針一本と絹糸だけ。使いにくくなった針はマチ針に。
生地にハサミは必要な分しか入れない。お婆さんから孫に。仕立てをほどいて、洗張りして、仕立て直す。若い頃の派手な色を、少し抑えて染め直すことも出来る。
着物は見た目だけじゃなく、循環の形も素敵な民族衣装。
13人目、土佐典具帖紙、濵田さん。
濵田さんは0,03mmのとても薄い手漉き和紙を漉くことの出来る、日本で唯一の人物。職人仕事であるその仕事ももちろん続けられているけど、和紙のアーティストとしても活躍中。僕が訪ねたタイミングは作品の打ち合わせ中で、実作業をしていなかった。なので、映像は撮影せず、アンブロタイプだけを撮影した。15年間、土佐典具帖紙を漉き続けた経験があるからこそ生きるアートワーク。スカスカじゃない、職人からはみ出した作家さんたちは、本当にかっこいい。
神宮前のTRUNK HOTELに作品があるそうなので、戻ったら観に行こうと思う。
明日は兵庫の三木打刃物、鉋の鍛冶屋さんを撮影してきます。