
2026年4月22日13時53分、岩手県大槌町小鎚地区にて山林火災が発生。そのおよそ2時間30分後に、同じ大槌町内の別の吉里吉里地区でも山林火災が確認され、2日経った現在もそれぞれ延焼は続き被害が広がっています。
この山林火災により、大槌町は24日15時の時点で1,541世帯3,233名に避難指示を発令。大槌町には、20日に三陸沖を震源とするマグニチュード7.7の地震により、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたばかりで、その注意報がまだ解除されていないなかで今回の山林火災は起きました。地元の人びとは深い不安のなか、避難生活を余儀なくされています。

この事態を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、2名の看護師の出動を決定。24日早朝に本部のある広島県神石高原町から大槌町に向け出発し夕方に現地入り。先遣隊とも合流し情報共有を行いながら、25日から支援活動を開始します。
1,541世帯3,233名に避難指示を発表
ここ数日間、大槌町には、乾燥注意報が継続して発表され、山林火災が発生した22日は最小湿度が10%を下回るほど乾燥し、わずかな火種でも火災が起きやすい状況だったといいます。
2025年2月、隣接する大船渡市で起きた大規模な山林火災は、発災から一気に燃え広がり、短期間で広い範囲に甚大な被害をもたらしました。それに対し今回の大槌町の山林火災は初日こそ延焼は収まっていましたが、23日から24日にかけては乾燥状態に加えて強風が加わり、23日朝の時点では201haだった焼損面積は、翌24日には1,176haまで一気に拡大しました。


大槌町役場周辺の中心部にまで山林火災による煙が薄っすらと漂い、街中から山を望めば、山あいが燃えているのがわかります。山林火災の煙やすすまでが、町の日常に入り込んでいる状況です。
先に現地入りし視察していたメンバーによると、吉里吉里のる地区では民家のかなり近い所まで煙が立ち上っているにもかかわらず、そのなかで犬の散歩をしていたり、子どもが駆けまわっている様子が見られ、本当に近くまで脅威が忍び寄っているのに、いつもと変わらない平穏な日常があることに、大きな違和感と恐怖を感じたといいます。
「(1年前の)大船渡での経験から林野火災の火は風向きと風速次第で一気に事態は悪化する。今の吉里吉里は昨年の3月4日未明に風向きが変わり一気に焼けてしまった外口(大船渡)のように、前日3月3日まで避難せず住み続けていた状況と同じ印象」と報告されました。
まとまった降雨の見込みはなく、延焼はさらに拡大予想

4月24日の時点で1,541世帯3,233名に避難指示が出されていますが、実際に町内に開設された7つの避難所には、93世帯255人の方しか避難していません。今後数日間はまとまった降雨の見込みはなく、風速が高まる予報で、延焼はさらに加速されることが予想されるなか、避難所支援のニーズも高まることが想定されます。
この日、空飛ぶ捜索医療団の看護師2名は、到着してすぐに地域保健医療福祉調整本部会議に参加。地域保健医療福祉調整本部と共同して避難所アセスメントを行い、要配慮者の実態把握の任務を担うとともに、引き続き被災地の情報収集に努めていきます。

現地入りした新谷看護師からの報告
「現地に入ると、火災特有の匂いと煙が町全体に広がり、大槌町役場にも煙が薄っすら立ち込めている。その環境に強い違和感と危機感を覚えながらも、限られたリソースの中で、誰もが懸命に状況と向き合っています。現地の人たちとどのような距離感、どのようなスタンスで関わるべきか。じわじわと忍び寄る火の手を前に、今やるべきことを見極め、スピード感を持ちつつも、ミッションを一つひとつ着実に進めていきたいと思います」
空飛ぶ捜索医療団では、今回の岩手県大槌町 山林火災にて被害を受けた方々を支援するために、緊急募金を開始しました。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。



