ご挨拶
私たちは創団59年を迎え、大学生を中心に沖縄や硫黄島、アジア太平洋地域において先の大戦で亡くなられた戦没者の遺骨収集活動や慰霊巡拝などを行う「特定非営利活動法人JYMA日本青年遺骨収集団(以下JYMA)」と申します。全国の大学生を中心に政府の戦没者遺骨収集事業に参加・協力しているNPO団体です。
全国各地から約70名の学生が集い、「戦没者のご遺骨を1日でも早く収集し、ご遺族のもとへお帰ししたい」という熱い思いで日々、活動に取り組んでおります。
当団は名を「遺骨収集団」と申しますが、その使命は「慰霊」と「伝承」にあります。単に収集活動に従事するだけでなく、収集活動の実施に向けた文献や現場の事前調査、地権者との調整、ご遺族との面会など多岐にわたる活動に取り組んでおります。コロナ禍後は各地で遺骨収集活動に関する講演等も行い、戦没者が祖国日本から遠く離れた地に残されている現状や、学生がその現状を憂いて活動していることをお伝えしています。
戦後81年を迎えた現在、戦争を知る世代や慰霊活動を担ってこられた方々の高齢化が進み、これまで積み重ねられてきた活動を次世代へ引き継ぐことが求められています。
そこで今年度、当団は戦友会である全国ソロモン会様と共に、ソロモン諸島・ガダルカナル島において慰霊巡拝事業を実施することとなりました。本ページでは、その目的と私たちの思いについてご紹介いたします。
当団ホームページより
目次
ガダルカナル島自主派遣にて▶当団が昨年実施した慰霊巡拝事業(レイテ島)
▶ソロモン諸島・ガダルカナル島とは
▶JYMAとのこれまでの関わり
▶なぜ今、ガダルカナルへと向かうのか?
▶本プロジェクト概要、資金の使い道
▶現在の準備状況
▶過去2回のクラファン成果
▶最後に/今後の展望
~戦後81年、その先の「慰霊」と「伝承」にむけて~
当団が昨年実施した慰霊巡拝事業(レイテ島)
当団は昨年度も、学生による慰霊巡拝を全国ソロモン会様と共に実施しています。派遣地はフィリピン・レイテ島で、学生3名が参加いたしました。
歩兵第41連隊が編制された広島県福山市出身の学生が訪れた
レイテ島は先の大戦で約8万人が戦没した激戦地であり、福山歩兵第41連隊の終焉の地でもあります。

現地では慰霊碑の清掃や法要を行い、カンギポット山に向けて戦没者に慰霊を捧げました。また、最終日には現地の中高生・同世代との交流も行い、国際交流を実践する機会にもなりました。
現在遺骨収集が困難とされているこの地で、終戦80年の節目に慰霊巡拝を行えたことは、戦没者への慰霊だけでなく、次世代への継承という意味でも大きな意義がありました。

慰霊碑を管理してくださっているご家族と

工兵碑の前での慰霊法要
ソロモン諸島・ガダルカナル島とは
ガダルカナル島はオセアニア・ソロモン諸島の首都ホニアラが置かれる島です。現在のガダルカナル島は、豊かな自然と美しい海に囲まれた南国の島として知られています。首都ホニアラには穏やかな暮らしを営む人々や色鮮やかなサンゴ礁の風景が広がっています。
しかし、その美しい景色の下には日米両軍の激戦が繰り広げられた歴史があります。
「ガダルカナル島の戦い」は先の大戦において、1942年から連合国軍と日本軍の間で行われた初の大規模な陸海空の総力戦であり、日本兵は過酷な熱帯の環境や補給不足、疫病により疲弊し、2万人以上の戦死者や病死者を出す結果となりました。ガダルカナル島の戦いは連合軍の反攻開始を象徴する歴史的な戦いであり、先の大戦におけるターニングポイントとされています。

JYMAとのこれまでの関わり
ガダルカナル島自主派遣の様子当団では、厚生労働省の遺骨収集事業の活動で、ガダルカナル島でも遺骨収集を行っています。
平成23年度(2011年度)からは全国ソロモン会様と当団の協同活動として「ガダルカナル島自主派遣」をこれまでに6回実施し、現地で遺骨収集活動を行いました。
さらに、過去に当団が主催した「戦史検定」の収益を活用し、平成22年(2010年度)にアウステン山慰霊碑の保全、平成27年(2015年度)には陸軍第二師団勇会が建立したタンベアの慰霊碑の補強工事を行いました。
タンベアにある日本人慰霊碑は、当団に関わりの深い慰霊碑の一つであり、今回の派遣でも重要な訪問先となります。

タンベアの慰霊碑 陸軍第二師団勇会建立
慰霊碑紹介 | 全国ソロモン会 より
なぜ今、ガダルカナルへと向かうのか?
これまで主に戦没者遺族の方々を中心にして多くの慰霊事業が国内外で行われてきました。慰霊事業は、戦没者遺族の方々ご自身の心のよりどころとなっただけでなく、戦争の記憶を次世代に繋ぐ意義もありました。さらに、それらを通して現地の方々との交流や、医療・教育面での支援なども行われてきました。
しかしながら、今年で戦後81年を迎える中で、遺族の方々の高齢化によりこのような慰霊事業の継続は難しくなっており、実際に(一般財団法人)日本遺族会によって過去30年以上にわたり行われてきた「慰霊友好親善事業」が昨年度を最後に終了しました。このような中で、今日まで積み重ねられてきた活動を我々次世代が継承していくことが期待されています。
また、木原稔官房長官が記者会見において「閣僚などは日程が許す限り戦没者慰霊碑を訪問いただきたい」と述べられた後にその後の閣議でも正式に了解が取られるなど、政府として慰霊碑訪問を重視する流れが出来ております。🔗日本経済新聞記事 閣僚は出張時に戦没者慰霊碑を訪問、閣議了解
その背景には、これまで国内外で建立されてきた数多くの慰霊碑の老朽化や管理状態の悪化があります。
昨今、慰霊事業が数多くの困難に直面する中、次世代であり遺骨収集活動を続けてきた私たちだからこそ取り組むべき活動を考えた結果、当団と深い関わりを持つガダルカナル島での慰霊巡拝派遣を実施することに決めました。
本プロジェクト概要、資金の使い道
JYMAでは今年度、6月23日から7月1日にかけて、戦友会である全国ソロモン会様と共にガダルカナル島慰霊巡拝派遣を行います。
現地では慰霊碑の巡拝・清掃を行い、戦没者への慰霊を捧げます。また、鬼怒川丸やムカデ高地などの戦跡も訪問し、ガダルカナル島の戦史や戦没者の足跡について理解を深める予定です。
加えて、当団が平成27年(2015年)に補強工事を行ったタンベアの慰霊碑については、現状確認も実施いたします。近年は劣化や落書きが報告されており、今後の維持管理や修繕の必要性について検討するための重要な機会になると考えております。
また、現地住民やJOCV(青年海外協力隊)関係者との交流を通じて国際交流を図る予定です。現地の子どもたちとのスポーツ交流や意見交換などを通じて、国際理解の深化や次世代への継承を図るだけでなく、慰霊事業への理解を得られるよう努めます。さらに、継続的な慰霊巡拝の実施や将来的な遺骨収集・慰霊事業の発展に向けた関係構築も目指しております。
本派遣は当団の学生3名が参加予定であり、価格高騰が続く国際航空券や宿泊費、現地移動費、活動費等を含めておよそ70万円が必要になると見込んでおります(自己負担額差し引き済み)。
▶タンベアの慰霊碑(昨年撮影)

落書きされた慰霊碑(表面)
波の浸食で土台が崩れかかっている(背面)
現在の準備状況
現在、航空券やホテル等の予約をしており、行動計画を立案している次第です。
全国ソロモン会様との協議も進めており、先日は対面にて打ち合わせを実施しました。現地に詳しい全国ソロモン会様との連携を密にし、円滑な派遣実施を目指しております。
また、ガダルカナル島にてタンベアの慰霊碑を建立した第二師団勇会関係者の方からお話を聞くといった準備も進めております。慰霊碑建立の経緯や戦友の方々の思いを知り、慰霊巡拝の重要性を痛感いたしました。
加えて、現地での国際交流に向けて、現地ホニアラでソロモン諸島の方々のために尽力されているJOCV(海外青年協力隊)現地派遣員とのミーティングも行いました。現地在住者から、ガダルカナル島の子どもたちとの交流等へのアドバイスをいただき、着々と準備を進めております。
クラウドファンディング実施の背景
戦後81年を迎えようとする今、戦争体験者やご遺族の高齢化が進み、「戦争を知る世代」から「戦争を知らない世代」へ記憶を継承していくことは時間との戦いとなっています。
当団の活動理念は「慰霊」と「伝承」にありますが、次世代へ記憶を繋いでいく役割は、いまや我々のような若い世代に託されつつあります。
今回のガダルカナル島慰霊巡拝は、戦没者への慰霊だけでなく、今後の継続的な慰霊事業や遺骨収集活動に向けた調査・関係構築を行う重要な取り組みです。また、慰霊碑の現状確認を通じて、将来的な維持管理や修繕のあり方についても検討してまいります。
しかしながら、学生主体のボランティア団体である私たちにとって、海外での活動には多くの費用が必要となります。近年はメディア等に取り上げていただく機会も増え、活動への関心が高まりつつある一方で、航空券や宿泊費等の高騰も続いており、活動資金の確保は年々厳しさを増しています。
それでも私たちは、この活動を資金難を理由に途絶えさせたくありません。
戦争を知らない世代だからこそできる「慰霊」と「伝承」を未来へ繋ぐため、皆様からのご支援をよろしくお願いいたします。
過去2回のクラファン成果
私たちはこれまで2度CAMPFIREにおいてクラウドファンディングを実施してきました。そしてそのどちらも当団が毎年独自に実施している沖縄での遺骨収集活動、「沖縄自主派遣」の継続を目的としたものでした。

令和7年度沖縄自主派遣
「沖縄自主派遣」は、当団の創団当初昭和42年(1967年)から続く歴史ある活動です。海外を中心とする遺骨収集派遣とは異なり、企画立案から現地調査、日程調整、関係機関との連携、そして実際の収集活動に至るまで、すべての行程を学生が自主的に運営する点に大きな特徴があります。これまで遺骨収集や慰霊、史料・現地調査などで実効性のある確かな実績を積み上げてきただけでなく、参加する学生の責任感や当事者意識を高める効果も高く、次世代への継承という意味でも重要な役割を果たしてきました。
一方で参加人数が多く活動の規模も大きいことから実施には多大な資金が必要でした。また、直接的な支援者の方々の減少や、遺族の方々が鬼籍に入られることにより従来の手法による活動資金の調達が年々難しくなっていました。しかし未収集のご遺骨が多く残されている中で、資金難を理由に沖縄自主派遣を我々の代で絶やすことはできないという思いが、過去2回のクラウドファンディングの実施に至った背景でした。
一昨年実施した1回目のクラウドファンディングでは、目標金額80万円を上回る約94万円のご支援をいただきました。
昨年度は目標金額を100万円に設定しましたが、それを大きく上回る約165万円ものご支援を頂き、NEXTゴールも達成することが出来ました。また、20代から70代の幅広い世代の方々がご支援者となってくださり、遺骨収集活動を多くの方々に知っていただく貴重な機会ともなりました。

ガマ内の調査
昨年度の沖縄自主派遣では、学生団員及び社会人団員、そして他団体からの参加者を含めた延べ249名で、糸満市に所在するアバタガマ・荒崎海岸・西原町呉屋にて活動を行い、推定3柱(収容柱数)のご遺骨を収容することができました。

現地追悼式
特に当団が近年活動を実施してこなかった西原町での遺骨収集は今後に繋がる重要な意味を持っており、これはクラウドファンディングで多くのご支援を頂いたことでプロジェクトチームによる予備調査を入念に行えたからこそ、成しえた成果であると考えております。過去2回のクラウドファンディングにご支援くださった皆様には、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
また、当団は今年度以降も引き続き沖縄での遺骨収集活動にも全力で取り組んでまいります。
令和8年4月17日~23日にかけて実施された「令和8年度 第1次 沖縄プロジェクトチーム派遣」
最後に/今後の展望
~戦後81年、その先の「慰霊」と「伝承」にむけて~

これまで半世紀以上にわたり、戦没者の遺骨収集・慰霊活動を続けてきた当団は、戦友や戦没者のご遺族、多くの有志の方々に支えられてきました。世間では若者の戦争への関心が希薄化していると言われている一方で、当団では近年、多くの学生団員が新たに加入し、活動はむしろ活発化しております。その新たな挑戦が、今回のガダルカナル島での慰霊巡拝事業です。
資金難や物価高騰により活動の継続が極めて厳しい状態にあるのは事実です。それでも私たちは、今回の派遣を単発の活動で終わらせるつもりはありません。これを機に、現地での継承活動を軌道に乗せ、将来的にはガダルカナル島に留まらず、世界各地の慰霊巡拝事業をさらに発展させていくための確かな基盤を築きます。
今なお世界中に眠る多くの戦没者の方々のために、戦争を知らない世代である私たちが責任を持って「慰霊」と「伝承」の灯を未来へ繋いでいく。その強い決意を持って、私たちは行動し続けます。
世界各地に残された戦没者のため、帰りを待ち続けるご遺族のため、そして未来へ記憶を繋ぐためにも、皆様からのご支援をお待ちしております。









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