
「隠岐の島で風を待つ――4回目のキャンプに寄せて」
子どもたちに『逃げ場』ではなく『希望の場所』を届けたい
こんにちは。一般社団法人アナザーステージの有澤和歌子です。
いつもクラウドファンディングへのご支援や応援、そしてキャンプを支えてくださり、本当にありがとうございます。
私は横浜に住んでいるのですが、ご縁があって第1回目からこのキャンプに関わっています。役員やスタッフの中で、島外に住んでいるのは私だけです。そのため、隠岐の島の魅力を外から見つめる視点や、少し離れた場所から活動全体を眺める役割が、私にはあるのかもしれないと感じています。
そんな立場から、これまで3回のキャンプを振り返りながら、4回目への思いをお伝えしたいと思います。
2023年6月に設立したアナザーステージの最初の不登校サポートキャンプは、「島流しキャンプ」という名前でスタートしました。
隠岐の島は、かつて後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流された場所として知られています。しかしそれは単なる流刑地ではなく、豊かな自然と温かな人々に支えられながら生きることのできる場所でもありました。特に後醍醐天皇は、島の人々に支えられながら希望を失わず、自ら未来を切り開いていったと言われています。
私たちもまた、「不登校の子どもたちが大自然と人の温かさに包まれながら、本来の元気な自分を取り戻してほしい」という願いを込めて、その名前をつけました。もっとも、「島流し」という言葉のインパクトが強すぎたため(笑)、第2回からは現在の「風待ちキャンプ」という名前になりました。
第1回のキャンプには、日本各地から4組のご家族が参加してくださいました。島根大学の学生ボランティアや島の皆さんと一緒に過ごした3日間は、とても穏やかでありながら、たくさんの笑顔と発見にあふれた時間でした。
初日は緊張した表情を見せていた子どもたちも、数時間後には笑顔いっぱい。ある保護者の方が、「こんな笑顔を見るのは幼稚園以来です」と涙ぐみながら話してくださったことを、今でもよく覚えています。その子は今、元気な高校生として毎日を過ごしています。
また、キャンプが終わった後も、「ボクには隠岐の島がついているから大丈夫」と思いながら日々を過ごしている子どもたちがいると聞くたびに、私たちも大きな励ましをいただいています。
2回目は近県の不登校支援団体との合同開催、3回目は原点に立ち返った少人数での開催と、少しずつ形を変えながら歩んできました。そして今回、4回目を迎えます。
私自身は、このキャンプで得た学びや気づきを広く発信することで、参加した子どもたちだけでなく、日本中の不登校の子どもたちや保護者の皆さんの力になれたらと願っています。隠岐の島で生まれた小さな取り組みが、全国各地で参考にされたり、新しい挑戦のきっかけになったりする未来も描いています。
そんな思いを胸に、スタッフ一同、4回目の風待ちキャンプの準備を進めています。
子どもたちが安心して風を待ち、自分らしい一歩を踏み出せる場所を、これからも大切に育てていきたいと思います。
引き続き、温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。
もちろん、このキャンプは多くの方々の善意によって支えられています。島の皆さんが時間をつくって子どもたちを迎えてくださり、学生ボランティアが寄り添い、スタッフもそれぞれの仕事や家庭の合間を縫って準備を進めています。しかし、それだけでは日本各地から参加する子どもたちや保護者の皆さんを安心して受け入れ続けることはできません。私たちが目指しているのは、単なる「楽しいキャンプ」ではありません。子どもたちが「ここなら自分のままでいていい」と感じられる場所をつくること。そして保護者の方が「ひとりじゃない」と思える仲間や希望を見つけることです。たった3日間の体験かもしれません。しかし、その3日間が、その後の人生を支える「心のふるさと」になることがあります。実際に参加した子どもたちの中には、学校に戻った子もいます。新しい学び方を見つけた子もいます。そして何より、「また隠岐の島に行きたい」「隠岐の島があるから大丈夫」と思いながら毎日を過ごしている子どもたちがいます。私たちは、そんな子どもたちを一人でも増やしたいのです。そして将来的には、この風待ちキャンプで得た経験や学びを全国へ届けたいと考えています。隠岐の島で生まれた小さな希望の種が、日本各地で子どもたちを支える新しい取り組みへと広がっていくことを願っています。皆さまからいただくご支援は、子どもたちの体験を支えるだけでなく、その未来を支える大切な力になります。
「不登校は、子どもが悪いわけでも、親が悪いわけでもありません。だからこそ私たちは、子どもたちに『逃げ場』ではなく『希望の場所』を届けたいのです。どうか、この挑戦の仲間になっていただけたら嬉しいです。



