
みなさんは、宇宙エレベーターを知っていますでしょうか。
宇宙エレベーターは、地上と宇宙を1本のケーブル(テザー)で結び、「クライマー」と呼ばれる昇降機で人や物資を輸送するシステムです。赤道上の地表から高度約36,000kmの静止軌道を経て、さらに上空のカウンターウェイトまで伸びるケーブルを、クライマーが自走で昇降します。

ロケットと比べて圧倒的に低コスト・低環境負荷で宇宙にアクセスできる可能性を秘めており、大量輸送も可能になります。1991年のカーボンナノチューブ(CNT)発見以降、「SFの夢物語」から「理論的に実現可能な輸送システム」へと位置づけが変わり、世界中で本格的な研究開発が進んでいます。大林組は2012年に「2050年までに宇宙エレベーターを建設する」構想を発表し、国際的に大きな反響を呼びました。

宇宙エレベーターが実現すれば、宇宙は「選ばれた宇宙飛行士だけが行く場所」から「誰もが行ける場所」になります。宇宙太陽光発電の建設、月や火星への物資輸送、宇宙観光などなど。その先に広がる可能性は計り知れません。
しかし、宇宙エレベーターの実現には多くの課題が残っています。自走式昇降機の技術が未発達であること、ケーブルの挙動が複雑であること、材料技術の限界、宇宙デブリとの衝突リスク、法的な検討などが課題として挙げられますが、どれも一筋縄ではいきません。
だからこそ、SELECTは「開発部」と「研究部」に分かれて活動しています。クライマーを実際に設計・製作して技術を磨く開発部と、テザーの力学解析やアクセシビリティ評価に取り組む研究部。実現に向けた課題の両面から挑むこの体制が、私たちの活動の特徴です。

あまり知られていませんが、日本は宇宙エレベーターの研究・開発、とくにクライマー実験や技術競技会の分野で、世界的にも活発なコミュニティを持つ国の一つです。
2008年に有志によって発足した宇宙エレベーター協会は、2009年からクライマーの技術競技会「SPEC」を継続的に開催してきました。バルーンなどから吊るしたテザーを、クライマーが実際に昇降する実験が行われており、2013年には高度1,200mに到達し、時速100kmを超えるクライマーも開発されています。
この競技会には、神奈川大学、京都大学、日本大学、新潟工科大学、東北大学など、全国各地の大学や社会人チームが参加してきました。また、神奈川大学などによる小中高校生向けの宇宙エレベーターロボット競技会も行われており、教育面でも裾野が広がっています。
そして私たち東北大学SELECTもまた、このコミュニティの一員です。SELECTの特徴は、クライマー開発だけでなく、研究部を持ち、宇宙エレベーターの力学や社会受容性を学術的に探求していることにあります。私たちは、日本の宇宙エレベーターコミュニティの中で、開発と研究の両分野でその先駆者になりたいと考えています。

はじめまして。東北大学大学院工学研究科修士1年の古庄悠樹です。宇宙エレベーターチャレンジトーホク(SELECT)の代表を務めています。
SELECTは、「宇宙エレベーターの実現」という壮大なテーマに挑む、東北大学の学生団体です。2019年に有志学生数名で立ち上げ、現在はメンバー約30名の組織に成長しました。
私たちの特徴は、「開発部」と「研究部」の2本柱で活動していることです。
「つくる」と「知る」の両輪で宇宙エレベーターに取り組むんでいることが、我々SELECTの強みです。
SELECTについてもっと詳しく知りたい方は、部員が制作した紹介動画もご覧ください!

2026年、SELECTは2つの国際舞台に挑みます。

🔗WSPEC 公式サイト: 🔗IAC 2026 公式サイト
https://www.wspec.org/ https://iac2026.org/

SELECTは、WSPECと正式にパートナーシップを結んでいます。広報キャラクター「ECTo」が宇宙エレベーターを紹介する四コマ漫画「Ippuku ECTo」を描き、大会の認知拡大に貢献しています。私たちは、日本の宇宙エレベーターコミュニティを代表する存在として、WSPECの世界舞台に臨みます。

カザフスタンの空を駆け上るクライマー
WSPECに向けて、開発部は新しいクライマーを開発中です。

今回開発しているクライマー「SELECT-4」は、走行スピードに特化した機体です。これまでは重量物の運搬を目的とした機体を開発していましたが、本大会に挑戦するにあたり、より速くロープを上ることを目標に開発を進めています。また、これまではパソコンから指令を送ってクライマーを操作していましたが、直感的な操作を実現するべく、コントローラーでの操縦を行えるようにしています。

研究部は、IAC 2026で宇宙エレベーターに関する2本の研究を発表します。いずれも機械学習・AI技術を宇宙エレベーターの解析に応用した、先端的な研究です。

Mr. Akinari OGAWA et al.
"A Data-Driven Framework for Space Elevator Port Accessibility Based on LEO Dynamics"
本研究内容に関連する論文は先日国際学術誌に掲載されました。ぜひご覧ください。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0094576526003747
現在、地球低軌道(LEO)は人工衛星やスペースデブリの増加によって急速に混雑しており、次世代宇宙輸送インフラである宇宙エレベーターにも安全な接続地点の設計が求められています。本研究では、LEO衛星の軌道運動を大規模に解析し、機械学習を用いることで、衝突リスクを最小化しながら効率的にアクセス可能な宇宙エレベーターポート位置を特定する解析手法を開発します。宇宙交通を最適化するこの研究は、宇宙エレベーターを未来の宇宙物流・探査を支える宇宙交通ハブへと進化させることを目指しています。
Mr. Yunosuke KUDO et al.
"A Physics-Informed Neural Network Framework for Dynamic Analysis of Space Elevator Tethers"
宇宙エレベータのテザーは、コリオリ力・重力勾配・環境外乱などによって複雑な非線形挙動を示すため、安全運用には高精度かつ高速な動的予測が必要です。本研究では、従来の有限要素法より高速で、通常の機械学習より物理的妥当性を保ちやすい物理情報ニューラルネットワークを用いた解析手法を提案しています。有限要素法との比較により、提案手法は計算速度を大幅に向上させつつ、工学的に許容できる誤差範囲で物理的に不自然な振動や挙動を抑制できることを示しています。
昨年のIAC 2025では、メンバーの小川がセッション最優秀論文賞を受賞しました。この成果に続き、2026年はさらに研究の幅を広げて臨みます。

2019年、宇宙エレベーターの実現に挑むべく、東北大学の有志学生3名がSELECTを立ち上げました。ここでは、SELECTが開発してきたクライマーと、これまでの歩みを紹介します。
▼ 初号機

▼ SELECT-1
SELECT-1は、宇宙エレベーターのクライマー技術を地上で応用するプロジェクト「LIFT」の基盤にもなりました。建設現場での資材輸送や、洋上風力発電のブレード点検作業への応用を検討し、コンセプト動画の作成やデモンストレーションも行いました。
▼ SELECT-2

▼ mini climber

▼ SELECT-3




今回の2つの国際挑戦にかかる費用の内訳です。すべての費用はメンバーの自己負担で既に支払い済みであり、大会出場は確定しています。クラウドファンディングは、この費用を補填し、活動を持続可能にするためのものです。




サポータープラン以上のリターンに含まれる、web掲載イメージを下図に示します。

また、プレミアムスポンサープランのリターンに含まれる、学会発表スライドへの掲載イメージを下図に示します。





2026年7月15日 クラウドファンディング開始
2026年8月 WSPEC出場(8/9〜11、カザフスタン・アルマトイ)
2026年8月末 クラウドファンディング終了
2026年10月 IAC出場(10/5〜9、トルコ・アンタルヤ)
2026年11月 リターン対応開始(お礼メール・活動報告書PDF送付) / Webサイトへのお名前・ロゴ掲載完了
11月以降のSELECTの予定:
開発部:1年生ミニクライマープロジェクトの推進、SPEC参加に向けた機体の改良
研究部:2027年ISECコンペ応募、11月の宇科連参加

2019年、メンバー数名で始めた私たちの挑戦は、失敗と試行錯誤を繰り返しながら、ここまで来ました。一歩ずつ積み重ねてきた実績が、今年、2つの世界舞台への挑戦につながっています。
日本には、宇宙エレベーターに本気で取り組む人たちのコミュニティがあります。大学の研究室をはじめとして、学生団体、企業、協会など、それぞれの立場から、この壮大な構想の実現に向けて力を注いでいます。私たちSELECTは、その中で「開発」と「研究」の両方を担う団体として、日本の宇宙エレベーターの未来を牽引する存在になりたいと考えています。
参加費用は既に自己負担で支払い済みです。大会には必ず行きます。これまでSELECTは、国内の競技会や学会を中心に参加してきました。徐々にその活動や実績が認められ、今回のような国際的な場へ招待いただく機会も増えてきています。今回の大会・学会への渡航費や参加費用は既に自己負担で支払い済みです。大会と学会には必ず行きます。皆さまからのご支援は、この挑戦の経済的負担を軽くし、私たちが技術開発と研究に集中できる環境をつくり、そして次の挑戦へと挑みやすくするためのものです。
宇宙エレベーターの実現は、まだ遠い未来の話かもしれません。でも、世界中で「本気でやろうとしている」人たちがいます。私たちもその一員として貢献していきます。いつか本当に宇宙と地上がケーブルでつながる日が来たとき、「あのとき応援してよかった」と思ってもらえるように、目の前のチャンスを最大限に活かしていく所存です。
私たちの挑戦を支えていただけるみなさまの温かいご支援・ご協力をお待ちしております。
SELECT代表 古庄 悠樹










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