
フィリピン南部・ミンダナオ島沖で発生した地震を受け、現地入りした緊急支援チーム。大きな被害が出ている被災地へのアクセスがひとまず復旧したとの一報を受け、11日、急きょ支援物資をピックアップトラックに積み込んで現場に向かいました。そこで目にしたのは想像以上の被害と、被災地をさらに襲う困難でした。
薄氷の支援ルート、地震と雨が物資輸送のハードルに
水・食料の支援を求める張り紙
前回の報告で訪れたゼネラル・サントス市からさらに海沿いを南下した先に、今回の目的地の町、グランがあります。途中の道路はあちこちでひび割れするなど地震の被害が色濃く、グランに向かう唯一の道に架かっていた橋も崩落。被災直後は陸路が完全に遮断された状況でしたが、11日、急ごしらえの迂回路から現地に向かうことができました。
まず訪れたのが、現地の災害対応の中心でもあり、「セーフティー・ゾーン」と呼ばれている避難所です。通常の避難所と違い避難者の登録などはせず、避難を必要とする人たちが自由に出入りできる仕組みです。私たちが訪れた際には、自宅に戻れなくなったり、不足する生活物資の支援を求める避難者が数百人規模でこの場所に集まっていました。
被災した人びとが避難所に集まる
現地を訪れて明らかになったのは、食料、水といった命をつなぐための最優先の物資すら不足しているという実態です。陸路がようやく復旧したばかりなうえ、急造の代替ルートは1本しかなく、被災地に向かう車両が集中して物資輸送が早くも滞り始めています。私たちがトラックで持ち込んだ水などの支援物資は被災地の物資集積所に届けることができましたが、膨大な被災地のニーズを満たすにはもちろん至りません。
さらに、雨季を迎えたフィリピンの天候の脅威も目の当たりにしました。グランを訪れた私たちを襲ったのがスコールです。大雨にさらされた避難テントは水浸しになり、スコールが去った後に被災者たちが力を合わせて水をかき出す姿が見られました。
スコール後、避難テント周りの地面も水浸しに
少しでも雨を防げるよう、支援物資として持ち込んだターポリン(ビニールシート素材でできた大判の布)を提供しましたが、日常を失った被災者をさらに追い詰めるかのような雨に、グランの直面している困難を痛感しました。お話を伺った各集落のリーダーたちの疲弊した様子に、私たちに出来る限りのサポートを行おうという気持ちを新たにしています。
「迂回路も不安定で、雨で土砂災害などが発生すればまたアクセスが途絶えてしまう可能性もあります。現場に行けるうちに早く支援を入れることが必要」。緊急支援チームの坂本は、厳しい状況におかれたグランへの支援について、こう話します。
空路での物資支援も開始

グラン中心地への陸路が復旧したといっても、すべての周辺集落の人びとがそこにたどり着けるわけではありません。グラン中心部の31の集落のうち、8つは今もまだ陸路が寸断された状況にあるといいます。
こうした集落に物資を届けるために計画されているのが、フィリピン空軍によるヘリコプターを使った輸送です。私たちは空軍と連携し、食料や生活用品などの緊急支援物資を孤立が続く集落に届ける準備も進めています。
連携して孤立集落に支援物資を届けます
膨大な支援ニーズを前に、私たちに最大限できることを見極めながら、必要とされる支援を着実に届けています。引き続き、皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。



