いのり、ひびけ。
このたび、熊本地震により亡くなられた方々に、謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。
また、被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今もなお、不安の中で過ごされている方がいらっしゃることと思います。
どうか、ほんのわずかな時間でも、心穏やかに、深く息をつけますように。安心して身を休められる時間がありますように。
このクラウドファンディングの公開を目前に控えた、まさにその矢先。熊本で、大きな地震が起こりました。
このような状況のなかで、予定どおりプロジェクトを公開してよいのだろうか。
正直なところ、私たちはクラウドファンディングの実施自体を、とても迷いました。
まず、何より祈りました。
どうか、一人でも多くの方が無事でありますように。どうか、これ以上被害が広がりませんように。
そして、今の自分たちにできることは何なのか、何度も問いかけました。
辿り着いたのは、自分たちに与えられた役割に誠実に向き合い、今ある命を精いっぱい生きること。
そして、日本に受け継がれてきた「いのり」の心を、この舞台を通して未来へつないでいくことでした。
今回の舞台の題目は、『いのり、ひびく。』
私たちは、「いのり」の根にあるものは、生かされていることへの感謝だと考えています。
自然のなかで生かされ、人と人とが支え合いながら生きる。
自然も、動物も、人も。目に見えるものも、見えないものも。万物がつながり合い、ともに生きているという感覚。
異なるものを排除するのではなく、受け入れ、支え合いながら生きていく精神。
このような時だからこそ、その原点を見つめ直し、自分たちにできる表現を止めることなく、未来へ届けていきたい。
そう考え、このクラウドファンディングを公開することを決めました。
私たちのいのりが、皆さまのいのりと響き合い、少しでも穏やかな未来へとつながっていきますように。
—いのり、ひびけ。—
プロジェクトの内容をご紹介する前に、まず、この想いをお伝えさせていただきました。
ここからは、私たちがこの公演を通して何を未来へ届けたいのか、お話しさせてください。
このプロジェクトで実現したいこと
改めまして、太鼓芸術家の日ノHayatoです。
このたび、高知・物部に伝わる「いざなぎ流御祈祷神楽」と、私が取り組んできた古神道の祝詞と和太鼓を掛け合わせ、日本古来の「いのり」の感性を現代にあらわす公演『いのり、ひびく。』を開催します。
このプロジェクトで実現したいのは、長い年月をかけて地域に受け継がれてきた日本古来の精神文化と、現代を生きる私たち、そして次の世代をつなぐことです。
なかでも、この文化を未来へつなぐために、地域の子どもたちを公演へ招待したいと考えています。
知識として学ぶだけではなく、本物の文化に触れる体験を通して、子どもたちの心に小さな種を届けたい。
それが、今回のクラウドファンディングで、皆さまとともに実現したいことです。
「いのり」と古神道
「いのり」と聞くと、何かをお願いすることや、特別な行為を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、「いのり」は、「生宣り」や「意乗り」とも表されます。
生きていることに感謝する。自らの意志を、言葉と行動に乗せていく。自然や人、目に見えないものへ感謝を向ける。
日本には古くから、山にも、川にも、草木にも、石にも、ありとあらゆるものに神が宿るという「八百万の神」の感性があります。
それは、万物を尊び、大切にすること。そして、自分自身の命も大切にすること。
古神道は、日本に古くから息づいてきた、自然や生命を大切にする精神文化です。
山や川、火や水、風や大地。太陽や月、ご先祖さま、そして、あらゆる命。
万物に神さまを見出し、人間も自然の一部として生かされていることを感じる。
そこには、自然の恵みに感謝すること、生命を尊ぶこと、自分の内側に耳を澄ませることなど、日本人が古くから大切にしてきた精神性があります。
自然との距離が遠くなり、人と人とのつながりも変化し、多くの情報に囲まれて生きる現代だからこそ、古神道に息づく感性は、私たちに大切なことを思い出させてくれます。
そして、古神道の祝詞には、言葉そのもののうつくしさと力強さがあります。
言葉の響き。音の連なり。そこに宿る言霊と「いのり」。
私は、その祝詞を和太鼓を掛け合わせて演奏を行なっています。言霊と音の振動を重ね、全身で感じていただく。
現代の暮らしのなかで少しずつ遠ざかっているその感性を、もう一度憶い出す場をつくりたい。
それが、このプロジェクトの出発点です。

いざなぎ流御祈祷神楽との出逢い
古神道の祝詞と和太鼓を掛け合わせた表現に取り組むなかで、私は、物部いざなぎ流神楽保存会の皆さんと出逢い、日本最古ともいわれる「いざなぎ流御祈祷神楽」を知りました。
いざなぎ流御祈祷神楽は、高知県香美市物部町に伝わる、御祈祷と神楽が一体となった、極めて独特な民間信仰です。
神道、陰陽道、修験道、密教など、さまざまな信仰の要素が複雑に重なり合い、中世以来の祈りの熱気を現在まで伝えています。
国の重要無形民俗文化財に指定された大変貴重な文化でありながら、担い手の高齢化や後継者不足、活動を続けていくための運営資金など、継承に関わる課題を抱えています。
この文化を、まずは多くの方に知っていただき、実際に触れていただく機会をつくりたい。
舞台芸術の力を通して、いざなぎ流御祈祷神楽をはじめとする伝統芸能と現代をつなぎ、次の世代が関心を持つきっかけを生み出したい。
その想いから、『いのり、ひびく。』を企画しました。
『いのり、ひびく。』とは
『いのり、ひびく。』は、国指定重要無形民俗文化財である「いざなぎ流御祈祷神楽」と、古神道の祝詞と和太鼓を融合した演奏が、響き合う舞台です。
私はこれまで、和太鼓奏者として国内外の舞台で演奏を重ねてきました。
そこで感じてきたのは、太鼓の音には、国境を越え、人の心や「場」そのものへ深く響く力があるということです。
神楽の舞。太鼓の響き。祝詞の言霊。
それらが重なることで、現代を生きる私たちの内側に、日本に古くから流れてきた「いのり」の感覚が呼び起こされます。
物部の山深い土地に息づく空気を舞台上に立ち上げるため、音響・照明・映像演出にも工夫を凝らします。
初めて神楽に触れる方や子どもたちにも、その世界へ自然に入っていただけるよう、ナレーションを交えながら進行します。
神楽の舞を間近に感じ、太鼓の響きを身体で受け取り、まるで物部の祭りの場に身を置いているような体験を目指しています。
子どもの頃、祭りへ出かけたときに感じた、あの感覚。自然のなかで、大人たちが日常とは少し違う空気を醸し出している、あの感じ。あの匂い。太鼓の音に人々が集まり、世代を越えて楽しむ時間。
そんな日本の祭りの原風景を、現代の舞台芸術としてあらわします。
知識として学ぶだけではなく、観て、聴いて、身体で感じる。
『いのり、ひびく。』は、日本人が古来より大切にしてきた感性を、五感で受け取るための公演です。
文化を守ることは、暮らしを守ること
神楽や祈りを受け継いできたのは、特別な職業の人たちだけではありません。
その土地に暮らす人々が、日々の生活を営みながら神楽を唱え、舞い、祭りを支えてきました。
山や川の変化を読み、季節の巡りを感じ、自然への畏敬を暮らしのなかで育む。
そこで培われた生活の知恵や精神は、神楽や祭りとともに、地域の子どもたちへ伝えられてきました。
季節の節目に祈ること。自然の恵みや収穫に感謝すること。災いや困難のなかにも意味を見出し、支え合って生きること。
神楽や祭りは、日常から切り離された特別なものではなく、人々の暮らしや心を支える営みそのものでした。
その文化が失われていくことは、自然や生命と向き合ってきた日本人の感性や、地域に根づく知恵、人と人とのつながりが失われていくことでもあります。
文化を守ることは、暮らしを守ること。
この公演をきっかけに、世代や立場を越えた交流が生まれ、文化を次の世代へつなぐ新しい輪が広がることを願っています。
子どもたちへ、原体験を届けたい
文化は、知識だけでは受け継がれていきません。
神楽の舞を、目の前で見る。和太鼓の響きを、身体で感じる。日本古来の言霊を、同じ空間で聴く。
すべての意味が分からなくてもいい。
「あの音は何だったんだろう」
「あの舞には、どんな意味があるんだろう」
「自分たちの地域に、こんな文化があったんだ」
その小さな種が、いつか芽を出し、自分たちの地域や日本の文化へ目を向けるきっかけになるはずです。
今回のクラウドファンディングでは、ご支援2,000円につき、地域の子ども1名を公演へ招待します。
皆さまからのご支援は、子どもたちの招待席と、本物の伝統芸能や芸術に触れる舞台体験を実現するための制作費として活用させていただきます。
皆さまのご支援によって、子どもたちと日本の文化が出逢うための席が、一つずつ用意されます。

この公演をつくる人たち
神楽|物部いざなぎ流神楽保存会
高知県香美市物部町に伝わる、いざなぎ流御祈祷神楽を継承する保存会。
地域の暮らしとともに受け継がれてきた、神楽の文化を現在へ伝えています。
和太鼓・祝詞|日ノHayato
国内外の舞台で演奏を重ねてきた太鼓芸術家。
現在は高知を拠点に、和太鼓、古神道の祝詞、アンビエント音楽を掛け合わせ、日本の精神性や自然の営みを、音や舞台として表現しています。
ナレーション|日ノAiko
フリーアナウンサー。
本公演では、物部の風土や舞台の情景を言葉で紡ぎ、初めて神楽に触れる方や子どもたちを、その世界へ導きます。
企画・制作|株式会社おとたまかぜ
日本古来の精神文化や、自然とともに生きる感性を、音楽・舞台・映像などの表現を通して現代へ届ける活動を行っています。
支援金の使い道
皆さまからいただいたご支援は、地域の子どもたちの招待と、その舞台体験を実現するための公演制作費を中心に活用させていただきます。
主な使い道は、次のとおりです。
・地域の子どもたちを招待するための費用
・会場費、舞台運営費
・出演費、楽器運搬などに必要な費用
・音響、照明、映像などの制作費
・チラシ、ポスターなどの広報費
・記録映像、写真の撮影費
・リターンの制作、発送費
・クラウドファンディングに必要な諸経費 など
また、この公演を一過性のものにせず、今後の文化継承や教育的な発信へつなげるため、当日の映像や写真を記録として残します。
公演へ来られなかった方にも届けられる形をつくり、今回の取り組みを次の活動へつないでいきます。
リターンについて
ご支援いただく皆さまには、公演への招待券、記録映像、活動レポート、感謝状など、プロジェクトへの想いをかたちにしたリターンをご用意しています。
また、お名前や企業名を公演パンフレット、公式サイト、記録映像などへ掲載する協賛プランのほか、舞や演奏を個別に体験していただける特別なプラン、皆さまの地域へ伺う体験型のプランもご用意しました。
このプロジェクトは、日本古来の「いのり」の文化を、子どもたちへ、未来へ、ともにつないでいく仲間を募るプロジェクトです。
遠方で当日ご来場が難しい方も、それぞれの形でご参加いただけましたら、たいへん励みになりますし、嬉しく思います。
実施スケジュール
2026年8月 クラウドファンディング実施
2026年9月 最終調整・リハーサル
2026年9月23日(水・祝) 『いのり、ひびく。』本番
公演終了後 リターンの準備・発送、記録映像などの整理
最後に
自然とともに生き、自分も他者も大切にする。
それは、今の時代にこそ必要な、日本古来の精神文化だと感じています。
『いのり、ひびく。』を通して、子どもたちに、本物の神楽、和太鼓、日本の文化と出逢ってほしい。
その体験はきっと、記憶に刻まれ、地域や日本の文化を想う種になると信じています。
そして、このプロジェクトを通して集まった想いが、今、困難のなかにいる方々を支える力にもつながってほしい。
皆さまからのご支援が、子どもたちと日本の精神文化をつなぎ、人と人とが支え合う未来への架け橋になります。
どうか、皆さまのお力をお貸しください。
ご支援、応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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