
劇団Nの舞台を、いつも写真という形で残してくださっている成田さん。
公演や稽古のたびに劇場へ足を運び、そのとき、その瞬間にしかない役者の表情や動きを、写真に収めてくださっています。
私たち劇団員は、「自分たちは舞台の上で、こんなふうに見えているんだ」と、終演後にしみじみ眺めることになります。
今回は、劇団Nを長く見続けてくださっている成田さんに、カメラマンの視点から見た劇団Nの魅力を伺いました。
写真歴50年以上。元・劇団員という意外な素顔
成田さんがカメラを始めたのは大学1年のとき。フィルムの現像から暗室でのプリントまで経験し、現在まで50年以上、カメラを続けています。
また、かつては劇団員として活動し、舞台づくりに関わるさまざまな仕事を経験してきました。
そんな成田さんが劇団Nの写真を撮るようになったきっかけは、剣道仲間から劇団Nの話を聞いたことでした。
「撮りたい」と思わせる役者

得意とするのは人物、そしてスナップ撮影。
役者に近づき、「かぶりつき」といえる距離やローアングルから、その瞬間の迫力を狙います。
部分稽古、通し稽古、リハーサルと何度も舞台を見て、役者がどこで動き、どんな表情を見せ、どの瞬間に掛け合いが生まれるのかを把握していきます。
そのうえで、「ここを撮りたい」という瞬間を狙う。
成田さんには、カメラマンだからこそ見える「絵になる役者」がいるそうです。
表情や立ち姿、ふとしたしぐさやその人が持っている空気まで含めて、シャッターを切りたくなる。
それは、単に「写真映えする」ということだけでなく、舞台上で、その人自身の魅力がきちんと表れているということなのでしょう。
成田さんが感じる「劇団Nらしさ」
成田さんが劇団Nの舞台を見て感じるのは、役者一人ひとりの個性が、作品の中で生きていること。
セリフの言い方や間、立ち姿、相手との掛け合いにも、その人らしさが自然ににじみ出る。
それが役柄と重なったとき、狙ってつくったものとは違う、その人にしか出せない味わいが生まれるといいます。
脚本と役柄、キャスト、そして、その人がもともと持っている人間性。
それらが重なったときに生まれるものこそ、「劇団Nらしさ」。
そんなところに市民劇団ならではの魅力を感じています。
それぞれの役者が自分の持ち味を生かしながら作品の中で役割を果たすことで、舞台全体としてひとつの世界が立ち上がっていく。
長く舞台を見てきた成田さんだからこそ見えている、劇団Nの魅力です。
市民が舞台に立つ「演る」文化こそ資産
七尾が「演劇のまち」と呼ばれる理由のひとつに、能登演劇堂で市民が一年に一度、役者として舞台に立つ「演る(やる)演劇」があるからだと考えています。
観るだけでなく、市民も舞台に立つ。
プロの指導を受けながら演劇をつくる。
劇団Nは、市民演劇を29年にわたって積み重ねてきました。
それこそが劇団Nの価値であり、未来につなぐ資産である、と。
これからも市民が演劇を「演る(やる)」文化が、七尾の地で途切れることなく続いていくことを願っています。
今回お話を伺って、舞台の流れや役者の動きを見ながら、撮影する場所やアングルを考えてくださっていることを改めて知りました。
写真は、私たち自身にも、舞台上では気づかなかった表情や瞬間を教えてくれます。
そして、劇団Nをこれからも存続させたいと願っているのは、私たちも同じ思いです。
いつも劇団Nを支えてくださって、本当にありがとうございます!
12月の本番でも、写真撮影よろしくお願いいたします。成田さんを驚かせるくらいの演技と熱量で挑みます。



