はじめに
美味しいパンを決めるのは、小麦やバターなどの原材料だけではありません。
パンづくりに欠かせない「発酵」の過程で働く酵母も、その美味しさを大きく左右する重要な存在です。
これまで製パンで広く使用されてきた一般的なパン酵母は、炭酸ガスを多く発生させ、生地をしっかりと膨らませる能力に優れています。そのため、安定した製パン性を実現できることから、世界中で広く利用されています。
一方で、パンの風味や旨味を生み出す香り成分の生成能力については、必ずしも十分とはいえません。
イメージ画像です
また、近年、果物や穀物、野菜などの農作物から酵母を採取し、自家製酵母でパンを焼くパン屋さんが増えています。
それぞれの素材には異なる微生物が生息しているため、素材ごとに香りや風味、旨味に個性が生まれ、その土地ならではの味わいを表現できることが大きな魅力です。
しかし、その一方で、自然界から採取した発酵液には酵母だけでなく、乳酸菌や酢酸菌など、さまざまな微生物が共存しています。また、採取や培養の条件によっては、発酵に望ましくない微生物が増殖する可能性もあります。
これらの微生物が必ずしも有害というわけではありませんが、微生物の種類やバランスを適切に管理することは、安全で品質の安定したパンづくりにおいて非常に重要です。
そこで必要となるのが、発酵に有用な酵母だけを選び出し、純粋培養する技術です。
無菌培養装置(クリーンベンチ)
分離した酵母
純粋培養を行うことで、天然由来の豊かな香りや旨味といった個性を活かしながら、品質を安定させ、安心してお召し上がりいただけるパンづくりが可能になります。
私は20年以上にわたり微生物の分離・培養を研究してきました。その経験を生かし、「素材の個性」と「科学的な品質管理」を両立させるパン酵母の開発に取り組んでいます。
このプロジェクトで実現したいこと
私が開発したパン酵母種は、ゆっくりと時間をかけて発酵させることで、パンの風味と旨味を増していく特徴があります。この性質は、短時間で大量に作るパンには向いていません。むしろ、時間をかけて丁寧に作るパンにこそ向いています。
このプロジェクトで実現したいことは、このパン酵母種を全国のパン屋さんへ届けることです。
効率や量だけを追い求めるのではなく、一つひとつのパンに時間をかけ、素材と発酵の力を大切にするパン職人の方々に、この酵母種を使っていただきたいと考えています。
そして、そのパンを食べた人に「おいしい」と感じてもらえる幸せを届けたい。
私は、量より質を大切にしながら、酵母の力で、日本中のパンづくりに新しい選択肢を広げていきたいと思っています。
発酵する酵母液

自己紹介
函館でパン用の酵母種を開発しております、荻田佑(オギタ タスク)と申します。

私の天命は人のために研究で役に立つことと思っております。開発したパン酵母種を日本中に届けて美味しい幸せをみんなに届けたいと思っております。
私が発酵という現象に出会ったのは高校生の時でした。実家が洋菓子店を営んでおり、パンが発酵して膨らむ現象に興味を持ち、小さな酵母が美味しいパンを作り出すことに感動し、研究者という道を選びました。
大学では発酵食品の研究に明け暮れ、乳酸菌の研究で博士の学位を取得しました。その後、文部科学省、農林水産省の博士研究員として働いた後、信州大学で教鞭を取りました。研究者として絶頂にあった頃、鬱を患い、退職、今の函館の地に辿り着きました。
鬱から立ち上がる時、研究者になる原点となったパン酵母の研究から再起をはかることとし、4年前、パン酵母種の開発に着手いたしました。そして、今年、パン酵母種を開発する会社を設立いたしました。
なぜクラウドファンディングに挑戦するのか
私はこれまで、研究者として歩んできました。
研究には自信があります。しかし、営業や販売という分野では、自分一人の力では限界があることも痛感しています。
どれほど良いパン酵母種を開発しても、その存在を知っていただかなければ、パン職人のもとへ届けることはできません。
私一人が全国を回れる店舗数には限りがあります。
だからこそ、インターネットの力を借り、多くの方々にこのパン酵母種の存在を知っていただきたい。そして、その想いに共感してくださる方々と一緒に、このプロジェクトを育てていきたいと考えました。
皆様からいただいたご支援は、パン酵母種の品質管理体制の充実、培養設備の整備、そして全国へ安定してお届けするための配送体制の構築に活用させていただきます。
このパン酵母種は、私が長年の研究と経験を重ね、我が子のように愛情を注いで育ててきた存在です。
だから私が求めているのは、資金だけではありません。
この酵母に込めた想いを理解し、ともに育て、ともに日本中へ届けてくださる仲間と出会いたいのです。
このプロジェクトが成功すれば、一つの酵母が全国のパン屋さんへ広がり、そのパンを囲む家族の食卓に笑顔が生まれます。
私の想い、そして支援してくださる皆様の想いが一つになり、日本中へ「おいしい幸せ」の輪が広がっていく。
私は、その未来を皆様と一緒に実現したいと心から願っています。
現在の準備状況
このプロジェクトは、構想だけではありません。
パン酵母種の開発はすでに完了し、製造・販売に必要な保健所の許可も取得しています。現在は実際に製造できる体制を整え、事業としてスタートを切っています。
製パン試験では、バゲットなどのパン製造に成功しており、このパン酵母種を使用することで、パンの風味や旨味がより豊かになることを確認しています。短時間で効率よく発酵させる酵母ではなく、ゆっくりと発酵させることで、おいしさを引き出す酵母です。
開発したパン酵母種
現在、正式な導入店舗はまだありませんが、パン屋さん・お菓子屋さんにモニターとしてご協力いただき、試作品の評価を進めています。現場の声を反映しながら、さらに品質を高めている段階です。
また、2026年6月15日にはパン酵母種の研究・開発・供給を目的とした会社を設立し、法人として新たな一歩を踏み出しました。
現在の製造能力は週あたり最大2kgです。品質を維持しながら、一つひとつ丁寧に培養・製造を行っています。
現在は、パン屋さんやお菓子屋さんへの営業活動を続けるとともに、酵母の魅力を知っていただくための活動にも力を入れています。
このクラウドファンディングでご支援いただけましたら、営業活動をさらに強化し、より多くのパン職人へパン酵母種を届けられる体制を整えます。また、大切な菌株を長期にわたり安定して維持するための保存体制の構築や、培養設備・品質管理体制の充実にも取り組んでまいります。
研究室で育ててきた酵母を、全国のパンづくりの現場へ届ける。その準備は、すでに始まっています。
このプロジェクトが目指す未来
私が目指しているのは、パン酵母を販売することではありません。
私が本当に実現したいのは、日本各地のパン屋さんが、その土地ならではの魅力をパンで表現できる未来です。
パン屋さんは、地域の食文化を支える大切な存在です。
その土地で育った小麦、その土地で実った果物、その土地だからこそ手に入る農産物。
地域の恵みを生かしたパンは、その土地に暮らす人々の誇りとなり、訪れる人々には地域の魅力を伝える一つの文化になります。
私のパン酵母事業も、この「地産地消」の理念を大切に育てていきたいと考えています。
全国へ同じ酵母を届けるだけではなく、その土地で採れた作物や果物からパン酵母種を分離・開発し、それぞれの地域だけが持つ「発酵の個性」を生み出していきたいのです。
北海道には北海道の酵母。
九州には九州の酵母。
その土地の自然が育んだ微生物が、その土地のパンをつくる。
そんな文化が日本中に広がれば、地域の魅力はさらに豊かになり、食を通じて地域を愛する心も育まれていくと信じています。
私は、この取り組みは子どもたちの食育にもつながると考えています。
「このパンは、この町で採れた果物から生まれた酵母で焼かれているんだよ。」
そんな会話が食卓で交わされることで、子どもたちは食べ物の背景にある自然や地域、人の想いに触れることができます。
食べることは、生きることです。
その土地を知り、その土地を大切に思う心は、一つのパンから育まれるかもしれません。
もし10年後、一人の子どもが私のパン酵母で焼かれたパンを食べ、「おいしい!」と笑顔になってくれたなら、私は研究者として歩んできた道は間違っていなかったと心から思えるでしょう。
その笑顔の中に、私が酵母へ込めた想いが受け継がれていると感じられるはずです。
私は、一つの酵母を届けたいのではありません。
発酵の力で地域を元気にし、人と人をつなぎ、おいしい幸せを未来へ受け継ぐ文化を育てたいのです。
この挑戦は、私一人では実現できません。
ぜひ皆様にも、この未来をともにつくる仲間になっていただけたら幸いです。
リターンについて
このプロジェクトのリターンは、単に「商品を受け取る」ものではありません。
私は、支援してくださる皆様と一緒に、日本のパン文化と地域の食文化を未来へつないでいきたいと考えています。
そのため、応援してくださるすべての方に、プロジェクトの歩みを感じていただけるリターンをご用意します。
このプロジェクトへのご支援は、パン酵母を広めるためだけではありません。
日本各地の豊かな自然や食文化を未来へつなぎ、地域に根ざしたパンづくりを支える力になります。
一つひとつのリターンに、私の感謝と、「おいしい幸せを全国へ届けたい」という想いを込めてお届けいたします。
皆様とともに、新しいパン酵母の物語を育んでいけることを、心より楽しみにしております。
リターン一覧
5,000円 プロジェクト応援コース
プロジェクトへの感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお届けします。また、パン酵母が誕生するまでの開発ストーリーや研究への想いをまとめた冊子をお届けします。
10,000円 パン酵母スターターコース
パン酵母種のスターターセットと、培養・活用方法をまとめたマニュアルをお届けします。ご家庭や小規模な製パンに挑戦したい方にもおすすめです。
300,000円 地域パン酵母プロジェクト参加コース
ご希望の地域で採れる果物や農作物を活用した酵母の探索・分離に挑戦する特別なコースです。地域ならではの酵母づくりを一緒に進めます。
スケジュール
2026年7月
クラウドファンディング開始
パン酵母プロジェクトの情報発信
パン屋・製菓店への営業活動継続
モニター店舗からの評価・意見収集
2026年8月
クラウドファンディング終了
ご支援へのお礼
品質管理体制の強化
培養設備・研究機器の整備開始
2026年9月
パン酵母種の培養体制を充実
菌株の保存体制を構築
保存試験・品質評価を実施
リターン品の製造準備
2026年10月
リターンの発送開始
酵母種スターターセットの発送
2026年11月~12月
全国のパン屋・製菓店への営業活動を本格化
モニター店舗での実績を活用した導入提案
新たな酵母種の研究・開発
2027年以降
地域の果物や農作物を活用した酵母の開発
地域ごとのパン酵母プロジェクトを推進
パン職人との共同開発
酵母の活用セミナー・勉強会の開催
日本全国へ酵母種の供給体制を拡大
最後に
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
私はこれまで研究者として歩んできました。
私が本当に大切にしたいのは、一人ひとりのパン職人と向き合い、対話を重ねながら、そのお店ならではのパンづくりを支えていくことです。
だからこそ、この想いを全国へ届けるためには、私に代わってこのプロジェクトの価値を伝えてくださる「仲間」が必要です。
私は、その仲間を探すために、このクラウドファンディングへ挑戦しています。
ご支援いただくことは、資金をご提供いただくことだけではありません。
私の想いに共感し、日本のパン文化を未来へつないでいく仲間になっていただくことだと考えています。
酵母は、小さな微生物です。
しかし、その小さな命は、パンをおいしくし、人を笑顔にし、家族の食卓を温かくする力を持っています。
その感動を日本中へ届けることが、私の使命だと信じています。
私は、おいしいパンには、人を幸せにする力があると信じています。
その幸せが全国へ広がれば、日本はもっと笑顔あふれる国になる。
その未来を、私は本気で目指しています。
どうか、この挑戦に力を貸してください。
皆様のご支援は、酵母を育てるだけではありません。
パン職人の挑戦を支え、地域の食文化を育み、未来の子どもたちへ「おいしい」という幸せを届ける大きな力になります。
いつの日か、日本のどこかで一人の子どもが独自のパン酵母で焼かれたパンを食べ、「おいしい!」と笑ってくれる。
その笑顔を思い描きながら、私はこれからも研究を続けてまいります。
皆様とともに、日本中へ「おいしい幸せ」を届けられる日を、心より楽しみにしております。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。





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