19歳、世界最高峰の舞台へ。
“Her work shines a light that the world needs.” — Audrey Tang
監督のナカダリオです。 このたび、私が監督・開発をしたイマーシブ映画『Nox』が、第83回ヴェネチア国際映画祭 Venice Immersive コンペティション部門に公式選出されました!
世界三大映画祭のひとつであり、世界最古の歴史を持つヴェネチア国際映画祭。そのXR・イマーシブ作品のコンペティション部門で、今年9月に『Nox』が上映されます。
こんな夢みたいな報告ができるなんて、胸がいっぱいです!
本当に嬉しい!!!

photo by KAORU IZIMA
XR映画『Nox』について
『Nox』は、複雑性PTSDや解離、不思議の国のアリス症候群といった当事者の実体験から生まれた、約20分間のVR/MR作品です。
現実と自分との境界が揺らぐ感覚や、記憶・意識の分断。言葉だけでは説明しきれない感覚を、体験者自身の手や視線を通じて追体験します。スクリーンの向こう側の物語を鑑賞するのではなく、テクノロジーによって「誰かの心の内面世界」へ直接没入する、新しい試みの映像作品です。
オードリー・タン氏からのコメント
Her work shines a light that the world needs.
彼女の作品は、世界が必要としている光を照らし出しています。
台湾の初代デジタル担当大臣を務めたプログラマー・政治家のオードリー・タン氏からコメントをいただきました!
ご本人より『Nox』クラウドファンディングページへの掲載許可をいただきましたので、ご紹介します。
Photo: Rosiestep / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
『Nox』について
『Nox』が、精神疾患をめぐって生まれがちな距離を拒んでいる点に、私はとても惹かれました。
リオさんは、トラウマ、PTSD、解離、そして不思議の国のアリス症候群(AIWS)という自身の実体験をもとに、この作品をつくっています。だからこそ、手の歪み、断片化された記憶、生き延びるために分裂する自己が、外側から想像されたものではなく、内側から感じられるものとして伝わってきます。
ソフトボディ表現を用いたハンドトラッキングから、触れたり形を変えたりできる無重力の水の身体へと移行するVRからMRへの展開に至るまで、その技術や表現は、感情とは別のものとして添えられているのではなく、感情そのものを伝えるために機能しています。
作品の核心について
それでも、この作品の核心にある『経験によって変化した身体を通して、再び世界とつながることとしての癒やし』という考えを、私はとても大切に感じています。
そこには、孤立を生むスティグマを、テクノロジーによって他者と共有できる理解へと変えていくための誠実さがあります。
クラウドファンディングへのメッセージ
リオさんのノミネートとクラウドファンディングの資金調達が素晴らしい結果になることを心から祈っています。彼女の作品は、世界が必要としている光を照らし出しています。
それでは。Audrey
About Nox
I really like how Nox refuses the distance that usually surrounds mental illness. Rio built it from her own lived experience of trauma, PTSD, dissociation, and AIWS, so the hand distortion, fragmented memories, and a self that splits to survive are felt from the inside, not imagined from the outside. The craft, from hand tracking with soft-body effects to the VR-to-MR shift into a zero-gravity body of water you can touch and reshape, serves the feeling rather than sitting beside it.
On the Heart of the Work
That said, I deeply value how the heart of this work—healing as reconnecting with the world through a body transformed by its experiences—captures the kind of honesty that allows technology to transform isolated stigma into a shared understanding.
A Message for the Crowdfunding Campaign
Wishing Rio the very best with the nomination and the crowdfunding raise. Her work shines a light that the world needs.
Cheers,
Audrey
株式会社STYLY 代表取締役CEO・山口征浩氏からのコメント
『Nox』に救われた人間の一人として
株式会社STYLY 代表取締役CEO・山口征浩さんより、『Nox』のヴェネチア国際映画祭 Venice Immersive選出に寄せて、コメントをいただきました。
山口さんは、XR/空間コンピューティングプラットフォーム「STYLY」を率い、XRクリエイターの発掘・育成プロジェクト「NEWVIEW」などを通じて、テクノロジーとアート、カルチャーが交差する新たな表現領域を切り拓いてこられました。
ナカダリオさん、『Nox』のヴェネチア国際映画祭選出、本当におめでとうございます。
痛みを作品にすることは、傷口を他人に見せることとは違う。その形も温度も、触れたときの恐怖さえも、誰かが入れる世界として設計し直すことなのだと思う。その世界を深部まで自分の手で組み上げた。テクノロジーが表現を支えるのではなく、テクノロジーそのものが彼女の言葉になっている。
『Nox』に触れたことで、言葉にできなかった自分の感覚も、ここに存在していいのだと思えました。
『Nox』に救われた人間の一人として、この作品がヴェネツィアまで届いたことを、とても嬉しく美しいと思います。
株式会社STYLY 代表取締役CEO 山口征浩

【作品概要】・作品名:Nox(ノックス)
・体験形式:Meta Quest 3(VRヘッドセット)装着による没入体験
・体験時間:約20分
・推奨年齢:16歳以上
(※心理的な不安、孤立感、解離的な感覚を扱う演出が含まれます)
『Tactus』から『Nox』へ
2024年にクラウドファンディングで130人の方々にご支援いただいた前作『Tactus』は、私の聴覚過敏と母のAPD(聴覚情報処理障害)をきっかけに制作したインタラクティブアート作品でした。個展や学会発表(NICOGRAPH2024デモ展示賞受賞)を経て、『Tactus』で培った技術と経験を土台に、より深い内面の世界へ踏み込んで完成させたのが本作『Nox』です。

制作の舞台裏
監督・脚本・演出・CG・プログラミング・サウンドなど、制作の大部分を自分で手掛けました。もちろん、自分ひとりの力だけではありません。企画や脚本は母に壁打ちになってもらい、インタラクション設計はメディアアーティストの先輩に相談し、軽量化や仕上げをエンジニアの方にサポートしてもらいながら、そして困った時はプロデューサーに助けていただきながら完成させました。
体調や薬の副作用と戦いながら、執念で完成させた作品がヴェネチアまで届いたことを、本当に嬉しく思います。
ヴェネチアから世界へ。そのために必要なこと
夢のような機会をいただき、さらに今回の選出をきっかけに、多くの方から支援の手を差し伸べていただいています。
プリンシパルパートナーとしてケイエスティ・イベンツ株式会社様より大きなご支援もいただけることになりました。このご支援がなければ、ヴェネチアへの挑戦そのものが非常に難しい状況でした。心より感謝しています。
一方で、『Nox』をヴェネチアへ届け、そこで終わらせず、次の国際映画祭へ展開し、さらに日本で多くの方に体験していただくところまで実現するには、まだ大きな費用が必要です。
今回のクラウドファンディングは、ゼロから渡航費を集めるためだけのものではありません。
ヴェネチア選出という一度きりの機会を、Noxが世界へ進んでいくための出発点にするためのプロジェクトです。
① ヴェネチアへの渡航・滞在
選出が発表された7月時点で、今回のヴェネチア渡航に利用でき、選出後でも申請可能だった公的助成制度は、私たちが確認した範囲では実質1つでした。その申請予定の支援も、対象経費の2分の1、上限30万円です。
ヴェネチア国際映画祭では渡航費は支給されず、Venice Immersive Grand Prizeにも賞金はありません。宿泊サポートも2名分・各3泊です。
監督・プロデューサー・スタッフで渡航するため、それ以外の航空券や宿泊費、現地交通費などは自分たちで負担する必要があります。
② レッドカーペットの衣装
レッドカーペットや公式行事のための衣装も課題でしたが、今回の挑戦を知ってくださったご縁から、東京・恵比寿のブライダルサロン MAISON TRACY(メゾン・トレイシー) さんにドレスをご協力いただけることになりました。
多くの方の力を借りながら、ヴェネチアへの準備が少しずつ整っています。本当にありがとうございます。
③ ヴェネチアの先へ――他の国際映画祭への展開
ヴェネチアへの選出をきっかけに、すでに複数の海外映画祭から応募の案内や出展に向けたお声がけをいただいています。
映画祭によってはデータを送るだけで上映できますが、機材や展示スタッフが必要な場合もあります。また、上映だけでなく、現地での商談やネットワーキングも国際展開には重要です。
今後も世界各地の映画祭へ積極的に応募し、ヴェネチアをゴールではなく、Noxを世界へ届けていく出発点にしたいと考えています。
大手資本と国家プロジェクトがひしめく世界最高峰に挑む
Venice Immersiveには、国の文化政策や公的ファンド、大手企業の資金を背景に、数千万円、時にはそれを大きく超える規模で制作された作品が世界中から集まります。
過去に日本から選出された作品も、WOWOW、バンダイナムコ、SONY、講談社など、日本を代表する企業がバックアップしてきました。
その舞台に、『Nox』は個人制作の作品として挑みます。
もちろん、『Nox』も完全な自己資金だけでつくった作品ではありません。経済産業省のコンテンツ制作支援事業「創風」に採択されたことで、制作を実現することができました。この支援には心から感謝しています。けれど、作品を完成させることと、完成した作品を世界へ送り出すことは別の挑戦でした。
ヴェネチアに選ばれた瞬間から、渡航、滞在、現地での活動、次の映画祭への応募と出展――今度は「世界へ届けるための資金」が必要になります。
そしてその先でも、大企業や国家規模の支援を受けた作品たちと、同じ舞台で競っていくことになります。
せっかく開いた世界への扉を、ヴェネチアだけで終わらせたくありません。
ここから先へ進む力を、どうか貸してください。

クラウドファンディングで実現したいこと
海外へ作品を届けること。
そこで起きたことを、日本の皆さんへ持ち帰ること。
そして、ヴェネチアを一度きりの出来事にせず、次の国際映画祭、次の作品へつなげること。
そのためにクラウドファンディングに挑戦します。
ご支援いただいた資金は、以下の用途に大切に使用させていただきます。
資金の使い道
・監督・プロデューサー・スタッフの航空券、現地滞在費、交通費
・海外渡航時の保険・通信費
・機材輸送費
・今後の国際映画祭への応募費・出展費・渡航費
・MAISON TRACYさんよりお借りする衣装のクリーニング費
・帰国後の国内体験会の会場費、設備費、人件費
・パンフレット・リターン制作費、発送費
・CAMPFIRE手数料
※目標金額を超えた場合は、追加の国際映画祭への応募・出展や、国内体験会の拡充に充てさせていただきます。
帰国後の『Nox』国内体験会について
ヴェネチア国際映画祭選出作品『Nox』を、日本で体験できる機会をつくります。
形式:Meta Quest 3を装着し、一人ずつ体験
所要時間:約30分(装着・説明含め/本編約20分)
会場:東京都内
時期:2027年1〜2月(前期)
募集人数:前期100名
※海外映画祭への参加日程や会場の状況により、開催時期が変更となる場合があります。出展予定や運営体制を確認したうえで、2027年4月以降に後期体験会の追加募集を検討します。
※『Nox』は1名につきMeta Quest 3とハイエンドPCを1セット使用するPCVR作品のため、通常体験会では2台同時稼働を予定しています。
※貸切で周囲を気にせず鑑賞できる「プレミアム・プライベート体験会(1台稼働)」もご用意しています。
※大きなフレームの眼鏡は装着できない場合があります。コンタクトレンズまたは裸眼での体験を推奨します。
リターンについて
【オンラインで応援する】
・ヴェネチア現地レポートコース 5,000円ヴェネチアでの展示の様子や、現地で起きたことを、写真と文章、動画配信でお届けします。
【ナカダリオと直接交流する】
・ヴェネチア帰国報告会+サイン入りパンフレット 18,000円
帰国報告会では、映画祭の舞台裏、現地での反応、制作ノートや映画祭用資料の抜粋などを共有します。
体験会チケットを含みません。
【日本で『Nox』を体験する】
・【早割】体験会+パンフレット 9,800円
・『Nox』前期体験会+パンフレット 10,000円
・プレミアム・プライベート体験会 50,000円
プライベート体験会では、予約時間中の会場を貸切にし、最も静かで深い鑑賞環境をご用意します。
【企業・団体として支援する】
・ブロンズスポンサー 100,000円
・シルバースポンサー 300,000円
・ゴールドスポンサー 1,000,000円
小規模企業、店舗、個人事業主の方にも参加していただけるコースから、支援企業内での出張体験会を含むゴールドスポンサーまでご用意しています。

これまでの歩みと今後のスケジュール
2024年7月:創風採択により『Nox』制作開始
2026年1月:第55回ロッテルダム国際映画祭 IFFR CineMart Lightroom 選出
2026年3月:Beyond the Frame Festival 2026(東京藝術大学)展示
2026年8月 クラウドファンディング開始
2026年9月2日〜9月12日 第83回ヴェネチア国際映画祭
2026年9月末 クラウドファンディング終了
2026年10月〜11月 追加の国際映画祭への出展・渡航予定
2026年12月 帰国報告会
2027年1月〜2月 『Nox』前期体験会、プレミアム・プライベート体験会
2027年3月 リターン履行完了予定
※『Nox』は、ヴェネチア以外の国際映画祭にも応募しているため、アジア、欧州などで開催される映画祭への出展が決まる可能性があります。新たな選出が決まり次第、活動報告でお知らせします。
クリエイター
ナカダリオ
メディアアーティスト/エンジニア/映像作家
小中高を通じて長期にわたる不登校を経験。自宅で過ごす長い時間のなかで、プログラミングや映像制作、コンピュータグラフィックスを独学で学び、テクノロジーと表現への関心を深めてきた。その経験を創作の原点に、没入型テクノロジーを用いて、知覚、意識、記憶、身体感覚を探究する作品を制作している。 インタラクティブアート作品『Tactus』では、その成果を筆頭著者として芸術科学会NICOGRAPH2024で口頭発表、デモ展示賞を受賞。作品制作と学術研究の両面から、没入型テクノロジーによる知覚や身体感覚の表現を探究している。 現在、慶應義塾大学環境情報学部に在籍。
最後に
『Nox』は、一人で体験する作品です。
けれど、この作品をここまで運んでくれたのは、一人の力ではありません。
制作を支えてくれた人、作品を体験してくれた人、言葉をかけてくれた人、前回のクラウドファンディングで応援してくれた人。そして今回、ヴェネチアへの挑戦に手を差し伸べてくださった企業や助けてくださった皆さん。
多くの方の力によって、『Nox』はここまで辿り着きました。
そして今、ヴェネチアはゴールではなく、次の始まりになろうとしています。
この先、どんな人と出会い、どんな反応が生まれ、『Nox』がどこへ進んでいくのか。まだ誰にもわかりません。
だからこそ、その過程を、応援してくださる皆さんと一緒に歩みたいと思っています。
『Nox』をヴェネチアへ、そしてその先の世界へ。
この挑戦を一緒に送り出すチームの一員になっていただけたら、これ以上に心強いことはありません。
ナカダリオ
ご注意事項
・ご支援確定後の返金・キャンセルには対応できません。やむを得ない場合はお問い合わせフォームよりご相談ください。
・イベント、体験会は完全予約制です。
・交通費・宿泊費等は、各リターンに明記されている場合を除き、支援者様のご負担となります。
・本作の推奨年齢は16歳以上です。
・本作には、心理的な不安、孤立感、解離的な感覚を扱う演出が含まれます。体調に合わせてご判断ください。
・天災、感染症、交通機関の停止、本人の体調、映画祭・会場の都合など、やむを得ない事情が生じた場合は、日程の変更・延期・代替内容での実施となる場合があります。
・エンドクレジットや企業名等の掲載内容は、法令、公序良俗、第三者の権利を侵害しないものに限ります。
・ヴェネチア展示版へのクレジット掲載は、指定期限までに掲載名等をご提出いただき、映画祭側の規定・技術的事情・提出期限等の条件を満たした場合に限ります。掲載ができない場合は、帰国後の展示版から掲載します。








コメント
もっと見る