
広島市動物愛護センターから、エターナル・ホームへやって来たピカソちゃん。
新しい場所。知らない匂い。知らない人。
きっと、何もかもが怖かったのでしょう。
キャリーの扉を開けても、ピカソちゃんは出てきませんでした。
ただ、じっとキャリーの中に身を隠していました。
「怖いよね……。」
そう思い、しばらくそっとしておくことにしました。
しばらくして、代表理事がそっとキャリーの中をのぞいてみると……
そこには、体を小さく丸めて、不安そうにこちらを見つめるピカソちゃんの姿がありました。
代表理事が、静かに声をかけました。
「大丈夫だよ。」
すると、不思議なことに……
ピカソちゃんの張りつめていた緊張が、少しずつ解けていきました。
そして代表理事が、そっと手を差し出すと――
ピカソちゃんは、その手を受け入れてくれました。
そして……
そっと、なでさせてくれたのです。
ほんの小さな出来事かもしれません。
でも、私たちにとっては、とても大きな一歩でした。
人を怖がっていたピカソちゃんが、もう一度、人の手を信じてみようと思ってくれた瞬間だったのかもしれません。
私たちは、代表理事の声と手を、
「魔法の声と手」
と呼んでいます。
これまでのピカソちゃんに、どんなことがあったのかは分かりません。
でも、これからは違います。
怖いときには「大丈夫だよ」と言ってくれる人がいる。
ゆっくりでいい。焦らなくていい。
少しずつ、人との絆を取り戻していこうね。
ピカソちゃん。
ここから、新しい猫生を一緒に歩いていこう。
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