「生きて。それだけでいい。」

「20歳まで生きられるかわからない」と告げられた息子は、21歳になりました。何度も命の危機を越えた20年と、母として泣き、怒り、それでも歩き続けた日々を一冊の本にしました。原稿は完成しています。あと一歩、製本するための費用が足りません。どうか、この本を世に送り出す力を貸してください。

現在の支援総額

164,000円

58%

目標金額は280,000円

支援者数

6人

募集終了まで残り

49日

「生きて。それだけでいい。」

現在の支援総額

164,000円

58%達成

あと 49日

目標金額280,000円

支援者数6人

「20歳まで生きられるかわからない」と告げられた息子は、21歳になりました。何度も命の危機を越えた20年と、母として泣き、怒り、それでも歩き続けた日々を一冊の本にしました。原稿は完成しています。あと一歩、製本するための費用が足りません。どうか、この本を世に送り出す力を貸してください。

私はリムーバーになりたい


「リムーバー」というものをご存じでしょうか。

マネキュアのリムーバーとは違います。

医療用のストーマ装具や、粘着力の強いテープ、絆創膏などを、皮膚を傷つけないように優しく剥がすための剥離剤です。


今、転んでケガをした私の足には、水に濡れても大丈夫なように、粘着力の強いシートが貼ってあります。

でも、私は皮膚が薄いので、そのまま剥がすと痛い。

ケガをして痛いのに、シートを剥がすときにまで皮膚を傷めたら、痛みが二つになってしまいます。

そんなとき、リムーバーを使います。

少しずつなじませていくと、あれほどしっかり貼りついていたシートが、つるり、つるりと剥がれていく。

無理やり引っ張らない。

力ずくで剥がさない。

ただ、そっと間に入って、離れるのを助けてくれる。

ありがたい存在です。

リムーバーを使いながら、ふと20年ほど前のことを思い出しました。

息子が幼い頃、在宅酸素をしていました。

小さな子どもですから、鼻につけたカニューラを自分で外してしまいます。

だから、外れないように頬にテープで固定していました。

病院にはリムーバーがありました。

けれど、家にはありませんでした。

子どもの皮膚は柔らかくて薄い。

毎日のように貼って、剥がしてを繰り返すのですから、できるだけ傷つけたくありませんでした。

私は看護師さんに、

「これは、どこのものですか?」

とメーカーと商品名を教えてもらいました。

そしてメーカーに直接電話をして、どうにか手に入れました。


今なら、リムーバーは比較的簡単に手に入ります。

でも20年ほど前は、ひとつ手に入れるのにも、結構苦労したんですよ。

懐かしいなあ。

あの頃の私は、ただ必死でした。

息子が少しでも痛くないように。

小さな皮膚を、できるだけ傷つけないように。

そんなことばかり考えていました。

そして今、自分のケガにリムーバーを使いながら思います。

人にも、こんな存在があったらいいな、と。

誰かが傷ついているとき、

無理に引っ張るのではなく。

「頑張れ」と力を加えるのでもなく。

痛いところと、つらいものとの間に、そっと入り込む。

そして、できるだけ痛くないように、

つるりと離れるのを手伝う。


目立たなくていい。

大きなことができなくてもいい。


誰かの痛みを、もう一つ増やさない人。


できることなら、


私は、そんなリムーバーになりたい。

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