
皆様、温かいご支援と応援をいただき、本当にありがとうございます。
本日は、本プロジェクトへ寄せられた、とても胸が熱くなる「推薦文」をご紹介させていただきます。
昨年のイワン・ワシリーエフの奇跡的な舞台から、今回の『クリスマス・キャロル』上演の魅力、そして本クラウドファンディングの大きな目的の一つである「児童養護施設の子どもたちへのご招待」について、深く共感し、美しい言葉で綴ってくださいました。
メッセージをお寄せくださったのは、バレエ評論家の森菜穂美様です。ぜひ、ご一読ください。
森菜穂美様 (バレエ評論家)
昨年夏のイワン・ワシリーエフ引退公演は、その熱狂的な盛り上がり方とバレエへの情熱が詰まった奇跡的なパフォーマンス、まさに伝説を作り上げました。日本の観客の熱い歓声は、ワシリーエフの気持ちを動かし、彼は引退の撤回を決意。そして今年の夏は、さらにパワーアップして、/スーパースターたちが再び集結したAlexandrite Galaと世界初演の新作、彼がこよなく愛するクイーンの楽曲をフィーチャーした『Love of My Life』という二つの舞台が生まれたのです。昨年より身体を絞ってテクニックをブラッシュアップしたワシリーエフは、彼を代表する作品『パリの炎』で往年を彷彿とさせる爆発する弾丸のようなジャンプを見せる一方、自信を失ったロックスターが家族の愛や仲間の応援で再び立ち上がるという、彼の自伝的な要素もある『Love of My Life』ではクイーンの楽曲でのダンス対決もあり、チャーミングな彼の魅力がじわじわくる楽しい舞台となりました。
日本のファンへの恩返しの意味も込めたAlexandrite Galaと『Love of My Life』の成功を経て、ワシリーエフが次に贈ってくれるのが『クリスマス・キャロル』。文豪ディケンズによる原作は、世界中で愛されているクリスマスの物語で、この11月には、ジョニー・デップ主演の映画『クリスマス・キャロル~+3人のゴーストたち』が世界同時公開されることで大きな話題を呼んでいます。その前にもディズニー版の映画やアニメ映画『スクルージ: クリスマス・キャロル』がNetflixで公開されるなど何回も映画化、舞台化されています。
バレエでは、デヴィッド・ビントレーがフィンランド国立バレエのために2023年に振り付けた作品も知られていますが、イワン・ワシリーエフ自身も2016年にミハイロフスキー劇場のために『クリスマス・キャロル』を振り付け、大好評を得て劇場のレパートリーとなりました。実はワシリーエフは振付家としては相当な実績を積んでいるのですが、それはこの『クリスマス・キャロル』の成功によるところも大きいのです。チャイコフスキーの交響曲を使った音楽や映像効果との融合も素晴らしいうえ、ワシリーエフ自身が演じる金の亡者である老人スクルージがクリスマスを前に、3人の精霊に出会うことで生き方を見つめ直して、自分のために生きるだけではなく人に与えることの大切さに気が付くというメッセージが心を打ちました。
今回の日本の上演にあたっては、作品をさらにブラッシュアップした上に、ミハイロフスキー劇場でも『クリスマス・キャロル』に出演したイリーナ・ペレンをはじめ、ヴァレリア・ザパスニコワ、イワン・ザイツェフという同劇場のスターダンサーたちが出演します。日本からは三木雄馬、小林美奈などにトップダンサーも参加。今年オープンしたばかりの高輪ゲートウェイにある新しい劇場MoN Takanawa: The Museum of Narrativesならではの、最新技術を駆使した映像効果も使われて、クリスマスの気分が高まることでしょう。
そしてまた、今回のクラウドファンディングでは、児童養護施設の子どもたちをこの舞台に招待するというリターンがあります。日本では、様々な事情で親元を離れて児童養護施設で暮らす子供たちが約2万3千人もいるという現状があります。私も社会的養護に個人的に関わっているのですが、以前児童養護施設でボランティアをしたときに、洗濯物をたたんでいたら女の子のレオタードとバレエタイツがありました。バレエ教室に通うのを楽しみにしている子どもがいたのです。バレエはこのような子どもたちにとっては夢の一つです。芸術に触れる機会の少ない子どもたちに、一生ものの体験を贈ることができたら…「善意を人に与えることの大切さ」をテーマとしている『クリスマス・キャロル』はぴったりの作品です。冬の高輪ゲートウェイは、クリスマス・イルミネーションに彩られた夢の世界となっていることでしょう。その中で一流のダンサーたちによる『クリスマス・キャロル』を観る体験、ぜひ一人でも多くの方に贈りたいですね。





