日本では「玻璃版(はりばん)」と呼ばれる写真プリント技法のひとつ「コロタイプ」。その伝統と文化を次の世代に伝えるために、国際写真コンペティション「HARIBAN AWARD 2014」を開催します!
■「Hariban Award」プロジェクトとは?
「Hariban Award」プロジェクトは、広く世界からコロタイプで作品を作ってみたい写真家やクリエイターにエントリーしてもらい、最優秀者は工房のある京都に招待され、滞在しながら自分の思い描くプリント、あるいは新たな発見となるプリントを職人と共に作り上げるという、便利堂コロタイプ工房でしか味わえない体験ができます。
※くわしい開催概要はこちら⇒公式HP http://bit.ly/haribanaward14
■コロタイプCollotypeとは?
コロタイプは、写真草創期の19世紀中頃に多彩に存在した写真プリント技法のひとつです。当時の写真プリントは画像の保存性が低く、次第に退色変色する欠点がありました。それを補うために顔料を用いるさまざまなプリント方法が考案されましたが、そのなかで確立された技法のひとつがコロタイプです。ガラス板を使うことから、日本では「玻璃版(はりばん)」と呼ばれていました。
※コロタイプについてくわしくはこちら⇒「コロタイプとは」http://bit.ly/what-is-collotype
■職人の技と感性に支えられた伝統技法
便利堂コロタイプ工房は、明治38年の工房開設以来、1世紀以上にわたってこの技法を継承してきました。現在では、カラーコロタイプができる工房は世界でも便利堂だけになりました。職人の手作業による大変手間暇のかかる技法ですが、最新のデジタル技法が日進月歩する時代であるからこそ、人の手による確かな風合いが求められ、再び見直されつつあると感じています。
⇒便利堂公式HP http://www.benrido.co.jp/
■コロタイプ独自の表現力
コロタイプは歴史的なプリント技法に属しながらも、写真作品の表現メディアとしては、いままで十分にその活用の場をあたえられてきませんでした。しかし、深いシャードーからハイライトにかけての滑らかな階調をもつモノクロ表現、独特の温かみをもつカラー表現、顔料を使うため可能となる自在な色表現など、コロタイプしか持ちえない、多くの表現力があります。
■プロジェクトの目的
最近のデジタル技術一辺倒の風潮は、こうしたアナログ技術の継承に困難な時代といえるかもしれません。我々は、コロタイプの伝統と文化を次の世代に伝えるためにも、より多くの方々にコロタイプを知っていただき、活用していただくことが重要だと考えています。このコンペティションは、その格好の機会となると信じ企画しました。実現のためには、趣旨に賛同していただける皆さまのサポートが必要です。資金はコンペの開催費、プリントの制作費、作家の滞在費、展覧会の開催費の一部に充てられます。
■推薦のことば
サイモン・ベーカー氏 Dr Simon Baker
(英国国立美術館テートモダン、写真・国際美術部門チーフキュレーター)
「コロタイプの持つ不動の美しさや複雑さ、様々な奥行きや色彩に反応できる力は現在でも重要です。現代の写真作品と、プリント過程に熟達している技法との融合は非常に独特なものであり、それが未だに可能な場所は世界中を見てもほんのわずかにしか存在していません。
若手の写真家を便利堂に招待し便利堂のスタッフの方々と作業する利点は、彼らエキスパート達とアイデアや専門知識を交換できることです。自分の作品をまだ模索していて、印画技法に興味があり、様々なモノクロプリント技法やカラープリント技法を試行錯誤しているような人には素晴らしい経験となることと思います。このコンペに入選するとコロタイプで素晴らしい作品を作るだけでなく、自分の作品の制作を新たな視点で見る機会も与えられると思います。」
⇒インタビュー(2013年9月24日)全文 http://bit.ly/interview_DrBaker
■賛同者へのリターン
・お名前の掲示
お名前を展覧会会場と公式カタログならびにwebに掲載させていただきます。
・公式カタログの贈呈
本アワードの入賞作品を収録した限定版の公式カタログを贈呈します。10000円以上ご賛同いただいた方には、作家のサインが入った特別版をお贈りします。
10月頃の刊行、お届けとなります。
・コロタイプサンプルセット(数量限定)
雁皮紙・楮紙・鳥の子紙・麻紙などの和紙、仏製・伊製のコットン紙などの洋紙にそれぞれモノクロ写真とカラー写真をプリントしたコロタイプの印刷サンプルセットを贈呈します。10月頃の制作、お届けとなります。
サンプルセットのイメージ。同じ写真をいろんな和紙・洋紙に刷ったものをセットにします。紙の違いによる発色や風合いの違いを見比べていただくことができます。
・工房見学+コロタイプワークショップ(レギュラーコース)限定50名
コロタイプ工房の見学とワークショップ(レギュラーコース)を体験していただけます。京都市内の工房にて、6月~10月の土曜日に開催(9時から5時の全日 日程は要相談 ※6月は28日のみ)します。
ご自身が撮影された写真をプレス機で絵はがきサイズにプリントできるコロタイプ体験ができます。
ワークショップ(レギュラーコース)についてくわしくはこちら
⇒http://bit.ly/collo_workshop_r
・工房見学+コロタイプワークショップ(フルコース)+内覧会ご招待 限定2名
コロタイプ工房の見学と本格的なフルコースのワークショップを体験していただけます。マンツーマンの個人レッスンとなります。京都市内の工房にて、6月~10月に開催(1日目の午後半日と2日目9時から5時の全日が必要です。日程は要相談)します。また2015年春に京都市内にて開催予定の受賞作展の内覧会にご招待いたします。
コロタイプ感光溶液の調合や天日露光など、工程のすべてを体験できます。
ワークショップ(フルコース)についてくわしくはこちら
⇒http://bit.ly/collo_workshop
■さいごに
歴史と伝統、そしてさまざまな職人の仕事が息づく京都。そしてここに受け継がれている「コロタイプ」という技術。京都の奥深さとこの技術の面白さを、ぜひ世界中の方々に知っていただきたい、味わっていただきたいと思っています。より少しでも内容を充実させるために、皆様のご支援をお願い申し上げます。また情報の拡散につきましても、あわせてお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。
最新の活動報告
もっと見る京都グラフィーはじまりました!
2014/04/25 15:39先週19日より京都グラフィーが好評開催中です。コロタイプの作品展示も下記の2か所で行っております。HARIBAN AWARDの最優秀賞者は、来年の京都グラフィー2015の公式プログラムとして展観されます! 「瀧澤明子写真展 Where We Belong」虎屋京都ギャラリー http://www.kyotographie.jp/artists/145.html 「安井仲治コロタイプ写真展」便利堂コロタイプギャラリー http://www.kyotographie.jp/kgplus/artists/454.html ※写真は安井仲治作品を後ろにした瀧澤明子氏 もっと見る
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