エストニアの原風景と、日本への愛
はじめまして。シーム・ライネルと申します。
シーム・ライネルです
私は北欧のバルト三国の一つ、エストニアで生まれ育ちました。森と湖に囲まれた故郷で、家族の食卓にはいつも乳製品がありました。
エストニアの自然日本に来てから20年以上がたちました。日本の大学院で学び、この国で働き、生活の基盤を築いてきました。四季の風景、繊細な和食、そして日本の人々の勤勉さと温かさに触れ、今では日本を第二の故郷と感じています。
日本に来た頃は多くの方に温かく受け入れてもらいました(もちろん今もです!)
一方で、日本で暮らす中、故郷では日常的に食べていた乳製品が、日本ではほとんど知られていないことに気づきました。それがクワルクです。
皆さんは「クワルク(Quark)」という名前のチーズをご存知でしょうか?
クワルクとは?
クワルクは、私の故郷エストニアをはじめ、ドイツや北欧などのヨーロッパ諸国では、誰もが知っている最も身近なフレッシュチーズです。エストニアではkohupiim(コフピーム)と呼ばれ、朝食、料理、お菓子などに幅広く使われています。
生乳を殺菌し、乳酸菌と少量のレンネットを加えて発酵・凝固させ、ホエイを水切りしてつくります。穏やかな酸味と、驚くほどさっぱりしながらも濃厚なミルクのコクを感じる味わいが特徴です。製法や配合によって栄養成分は異なりますが、乳由来のタンパク質を含み、食事からデザートまで使いやすい食品です。パンに塗る、果物や蜂蜜と合わせる、料理のソースに使う、チーズケーキに焼き込むなど、毎日の食卓で自由に楽しめます。
我が家のクワルク
エストニアの人々にとって、クワルクは「特別な日の贅沢品」ではありません。
朝、冷たい空気の中で起き抜けに、黒パンにたっぷりのクワルクを塗り、地元のハチミツをかけて頬張る。
午後のおやつには、お母さんがクワルクをたっぷり練り込んだ、空気のように軽いチーズケーキを焼いてくれる。高タンパクで低脂肪なクワルクは、離乳食からお年寄りの食事まで、まさに日本人にとっての「お豆腐」や「お味噌汁」のように、冷蔵庫に当たり前に入っている「毎日のインフラ」なのです。
私が日本でクワルクを作る理由
日本の乳製品売場には多様な商品が並んでいますが、ヨーロッパで日常的に食べられているクワルクは、まだほとんど知られていません。また、小規模な工房が地域の生乳を使って手作りのチーズを継続的に届けるには、原材料費や設備投資など、多くの課題があります。
「日本の生乳は、世界中のどこに出しても恥ずかしくないほど高品質で美味しい。」
「それなのに、なぜ誰もが毎日食べられる『美味しくて無添加な、日常の手作りチーズ』が食卓にないのだろう?」
この素朴な疑問と、もどかしさ。
しかし、小規模なチーズ工房が地域の生乳を使い、手作りの商品を日常的な価格で届け続けることは簡単ではありません。
小さな工房が日常的な価格で届ける上での課題
① 生乳価格や製造コストの上昇
チーズの主原料である生乳の取引価格は、飼料価格やエネルギー費の上昇などを背景に、近年上昇しています。農林水産省および農畜産業振興機構の資料によると、2024年度の生乳取引価格の全国加重平均は、1kg当たり112.6円となっています。生乳価格の上昇は、酪農家の経営を支えるために必要なものです。一方、生乳を仕入れてチーズを製造する小規模工房にとっては、原材料費に加えて、電気代、包装費、配送費などの上昇も大きな負担になります。
出所:農林水産省および農畜産業振興機構
② 衛生的なチーズ工房をつくるための設備投資
乳製品を安全に製造するためには、保健所の基準に対応した製造区域、防水性のある床や壁、給排水・給湯設備、手洗い設備、換気・空調、十分な電気容量などが必要です。
さらに、生乳の殺菌設備、チーズバット、冷却設備、冷蔵設備など、チーズ製造特有の機器も必要になります。そのため、小規模な工房であっても、開業時には大きな設備投資が必要です。
③ 販売価格と「日常的に買える価格」の両立
原材料費や製造コストが上がれば販売価格にも影響します。しかし、価格が高くなりすぎると、手作りチーズは毎日の食品ではなく、特別な日に買うものになってしまいます。作り手が事業を継続できる価格と、お客様が日常的に楽しめる価格を両立させることが大きな課題です。
だから、私はクワルクを中心にします
クワルクの大きな特徴の一つは、ゴーダなどの熟成チーズのように長期間の熟成を必要としないことです。発酵・凝固させ、ホエイを水切りしてつくるフレッシュチーズなので、長い熟成期間を前提としません。
そして、クワルクはそのまま食べるだけではなく、料理にもお菓子にも使えます。私はこの特徴を生かし、クワルクを製造するだけでなく、チーズケーキや焼き菓子、料理へ加工し、同じ場所でお客様へ届けます。
「特別な日のチーズ」だけではなく、朝食やおやつ、毎日の料理に自然に使えるチーズへ。これが、私がつくりたい新しい日常です。
そして、私の目標は、ヨーロッパの商品をそのまま日本へ持ち込むことではありません。エストニアで受け継がれてきた食べ方と、日本の食材や菓子づくりの技術を組み合わせ、日本の暮らしに合うクワルク文化を育てることです。
まずは、チーズケーキや焼き菓子など、親しみのある形からクワルクを知っていただきたい。そしてクワルクを手にした方から、「こんな食べ方をしてみた」「この料理にも合った」というアイデアが生まれたら、その声を次の商品づくりにも生かしていきたいです。
店の商品を見たお客様が、「これなら私も家で作ってみたい」「こんな食べ方もしてみたい」と感じてくださったら、私は何より嬉しいです。
朝食に:トーストにバター代わりにたっぷりと。ジャムを添えれば、罪悪感のない極上のスイーツトーストに
夕食に:オリーブオイルと塩胡椒、刻んだハーブを混ぜるだけで、レストラン級の万能ディップソースが3分で完成
お菓子作りに:生クリームやクリームチーズの代わりにクワルクを使えば、濃厚なのに重すぎない、しっとり軽やかなチーズケーキが焼き上がります
一度工房を閉じたからこそ、今回は違う形で挑戦します
私は食の世界に入り、日本の専門学校(町田製菓専門学校)で製菓と衛生管理の基礎を学び直しました。そして2014年、神奈川県愛川町に小さなチーズ工房「フレッシュチーズ工房 TASUYA」を立ち上げました。
当時の「フレッシュチーズ工房 TASUYA」
クワルクやクワルクデザートを製造し、クイーンズ伊勢丹や紀ノ国屋などのスーパーで販売した際に、お客様から「さっぱりしていて食べやすい」とのお声をいただきました。その言葉は、今でも私の心に残っています。
「フレッシュチーズ工房TASUYA」時代の商品
「フレッシュチーズ工房TASUYA」時代は卸先で即売で大好評でした
しかし、小規模な乳製品製造業は初期投資が大きく、当時の私には、将来性や返済可能性を十分に説明できる事業計画と経営基盤がありませんでした。事業を継続・拡大するための資金調達も難しく、2023年に工房を閉じることになりました。
しかし、どうしても、どうしても諦めきれなかったのです
催事のとき、私の作ったクワルクを一口食べて、パッと表情を明るくしてくれた日本のお客様の笑顔が脳裏から離れませんでした。「ライネルさんのチーズ、次はいつ買えるの?」と待ってくれている人がいる。
「このまま終われば、ただの敗北者だ。日本の生乳で作った最高のクワルクを、日本人の日常食にする。その夢を叶えるまでは絶対に終われない」
愛川町の工房を閉鎖してから、これまでの経験から、味の良い商品をつくるだけでは事業を継続できないことを学びました。また、経営やマーケティングを勉強し、「製造・加工・販売までを一体で計画する必要」があり、それこそが、生き残っていく手段だと悟る事になりました。だからこそ、今一度、やり直す、そして、従来の常識を覆す、まったく新しい戦い方を決意したのです。
今回は、以前の挑戦と同じ状態から始めるわけではありません。2014年から法人を経営してきた経験、これまでの製造・販売実績、前回の反省をもとに事業計画を作り直しました。クワルクを中心とした新事業については、神奈川県の経営革新計画の承認も受けています。
経営革新計画の認定書
再起の地は神奈川県大和市
ここに新しく工房を立ち上げます。
新しい工房の場所は、神奈川県大和市西鶴間です。鶴間駅から徒歩約4分の新築建物の1階に、約77平方メートルの工房と店舗を整備します。
賃貸した工房予定地の外観
菓子製造スペース
チーズ工房スペース
調理スペース
この場所は、建物が完成してから偶然見つけた場所ではありません。数年前から所有者と交渉を重ね、建築会社にも相談しながら、1階部分を将来のチーズ工房兼店舗として使うことを前提に計画を進めてきました。
今回募集する650万円の使い道
開業に必要な資金は約2,300万円を見込んでいます。内訳は、工房と店舗の内装工事費が約1,300万円、製造・厨房・店舗などの設備資金が約820万円、開業時の運転資金が約180万円です。製造設備や厨房機器の購入費は、内装工事の見積りには含まれていません。
今回のクラウドファンディングでは、内装工事費1,305万(税込)の約半分に当たる650万円を目標に募集します。皆様からのご支援は、内装工事費の一部に充てます。残る工事費と設備・運転資金については、自宅マンションの売却、補助金、金融機関からの融資などを組み合わせて調達する計画です。
施工会社の見積書では、建築工事約509万円、電気設備工事約194万円、給排水衛生設備工事約51万円、空調換気設備工事約308万円、諸経費125万円が計上されています。消費税を含む総額は1,305万円です。
なぜ、工事費だけで1,300万円かかるのか?
私がつくろうとしているのは、単なるチーズ工房でも、単なるカフェでもありません。
- ・生乳からクワルクやその他のチーズをつくる
- ・クワルクを使ってチーズケーキや焼き菓子をつくる
- ・料理や軽食に加工する
- ・コーヒーなどと一緒にテイクアウトで提供する
- ・出来上がった商品を、その場所でお客様へ届ける
「つくる・加工する・販売する・食べてもらう」までを一つの場所で実現することが、新しい工房の大きな特徴です。
▸製造から提供まで、複数の営業機能を一つの施設に!
お客様に商品を安全に提供するためには、それぞれの営業内容に応じて、保健所の許可基準を満たす施設を整備する必要があります。今回の計画では、乳製品製造、菓子製造、飲食店営業に対応できるよう、店舗全体を設計・施工します。
● 乳製品製造スペース:生乳を受け入れ、殺菌し、クワルクやナチュラルチーズを製造するための衛生的な製造区域。
● 菓子製造スペース:クワルクを使ったチーズケーキや焼き菓子などを製造するための区域。
● 飲食提供のための厨房:クワルクを使った料理や軽食、ドリンクなどをお客様に提供するための厨房。
● 販売・店舗スペース:出来立ての商品を販売し、お客様にクワルクの魅力を直接体験していただくための空間。テイクアウト専門店。
▸一般的な店舗以上に必要となる専門工事
店舗・工房はスケルトン状態からの工事です。
そのため、製造区域と厨房・店舗の区画、食品製造に対応した床・壁、防水、給水・給湯・排水、手洗い・シンク、換気・空調、電気容量の確保、100V・200V電源、製造機械や厨房機器のための配管など、多くの専門工事が必要になります。
1,300万円は、見た目を豪華にするための内装費ではありません。乳製品を製造し、お菓子や料理へ加工し、安全にお客様へ届けるための「店舗全体の基盤」をつくる費用です。
リターンについて
私(シーム・ライネル)が現時点で提供できる内容を、周りの知人や友人に相談しながら考えてみました。以下がその内容です。丁寧にご提供しますので、ぜひ、ご協力をお願いします。

私が特におススメしたいのは、次の3つのリターンです。
15,000円「クワルク満喫セット」:商品の魅力を最も分かりやすく伝える中心商品。クワルククリーム、スプレッド、チーズケーキ、熟成チーズという、私が実際に作れる代表商品を一度に体験してもらえるため、商品型リターンの中心にしたいと考えています。
30,000円「工房創設メンバー」:商品を受け取るだけではなく、新商品モニターや限定イベントへの参加を通じて、新しい工房の立ち上げに関わってもらうコースにしたいと考えています。商品価値に加え、「新しいクワルク工房を一緒につくる」というクラウドファンディングならではの参加価値を、皆さんと共有したいです。
200,000円以上の高額帯:商品の量を増やすのではなく、私が実際に提供できる法人向け共同開発、スポンサー、共同プロデュース、アンバサダー活動を中心にします。ぜひ、一緒に取り組みましょう。
スケジュール
- 2026年11月 クラウドファンディング終了予定
- 2026年12月〜2027年2月 工事
- 2027年3月 工房・店舗オープン予定
- 2027年3月以降 リターンを順次提供・発送予定(皆さんと末永くつながりたい!!)
お客様ではなくパートナーになってください!
私が新工房で目指すのは、単に「チーズを製造して販売するお店」ではありません。
支援してくださる皆様と共に、日本における「クワルクのある新しいライフスタイル」を発見し、育て、広めていく「実験場」です。
皆様はお客様ではなく、この新しい食文化を日本に根付かせる「仲間」です。
① 「お菓子」という最強の翻訳機を通じたアプローチ
日本ではまだ「クワルク」という言葉すら知られていません。知らないものを「美味しいから買って」と言っても、誰も振り向いてはくれません。
そこで、まずは日本人に深く愛されている「チーズケーキ」や「焼き菓子」という形に翻訳してご提供します。私が製菓学校で培った技術と、クワルクの特性を掛け合わせ、圧倒的に軽やかで、いくらでも食べられる新感覚のチーズケーキを工房で毎日焼き上げます。まずは「このお菓子、すごく美味しい! 何が入っているの?」という感動から、クワルクの世界へご招待します。
② オープンなレシピ開発と、アイディアの循環システム
商品をお届けして終わり、という関係は作りません。皆様のご家庭に届いたクワルクが、どのように使われたか。
「休日の朝、イチジクと合わせたら最高だった」
「ハンバーグの隠し味に入れたら、子供が喜んで食べた」
そうした皆様のリアルな食卓のアイディアを、専用のオンラインコミュニティやSNSで集約します。そして、皆様から寄せられたアイディアを元に、工房の新しいお菓子や、新しいディップソースなどの商品開発を行います。
あなたのアイディアが、来月の店頭に並ぶ新商品になる。作り手と食べ手の境界線を溶かし、全員で「クワルクの美味しい食べ方」を追求していくエコシステムを構築します。

最後に日本の新しい食文化の歴史を、大和市から共に刻んでください
- 私は、一度工房を閉じる経験をしました。
- それでも、もう一度この日本で、チーズづくりに人生を懸ける覚悟を決めました。
- 外国籍の私が、日本の皆さんに、美味しいクワルクを届けたい。これは、私一人の力では絶対に不可能な、あまりにも無謀な挑戦です。
- 今この長い文章を最後まで読んでくださり、私の情熱とビジョンに少しでも心を動かしてくださった「あなた」だけが、このプロジェクトを実現させる唯一の希望です。
どうか、私にチャンスをください。
数ヶ月後、大和市の工房がオープンしたその日に、「クラファンの時から応援してたよ! 諦めなくて本当によかったね」と笑顔でお店に足を運んでくださる方がもし一人でもいたら、私は間違いなく、これまでのすべての苦労を思い出してカウンターの中で泣き崩れてしまうと思います。
いつか、数年後、数十年後。
日本のスーパーマーケットに当たり前のように色々なクワルクが並び、休日の朝食に日本の家族が笑顔でクワルクを囲んでいる未来。
「ああ、あのクワルクという文化は、数年前に大和市の小さな工房から始まったんだよ。そして私は、その工房の最初の立ち上げメンバーだったんだ」
皆様にそう誇っていただけるような、最高のブランドを必ず創り上げます。
「クワルク」を、日本の新しい日常へ。
ここから、もう一度始めます。大和市から始まる最初の一歩を、どうか一緒につくってください。
熱い、熱いご支援を、心よりお願い申し上げます。
最後の御願いを動画より
お時間が許すようであれば是非、ご覧ください。
シーム・ライネル
最新の活動報告
もっと見る公開のご報告と、最初のご支援への感謝
2026/10/20 09:57約2か月の準備を経て、ようやくクラウドファンディングのページを公開することができました。公開初日から、さっそくご支援をいただきました。本当にありがとうございます。私の挑戦を応援してくださる方がいることを実感し、大きな励みになりました。また、公開まで支えてくださった皆さまにも、心より感謝申し上げます。「ライネルのクワルク」の工房開業まで、まだ道のりは続きますが、一歩ずつ着実に進んでいきます。これからも応援していただけたら嬉しいです。ページのシェアも大きな力になります。どうぞよろしくお願いいたします。ライネル もっと見る





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