
2026年8月29日から30日にかけての大雨で、西洋菓子倶楽部の丸岡店と、本社スタジオ(製造拠点)が浸水しました。
これほど大きな水害は、私たちにとって初めての経験でした。
店舗や製造現場に水が入り、商品や包材、製造機械、パソコンや電子機器など、多くのものが被害を受けました。丸岡店は営業を停止し、本社スタジオでもお菓子を作れない状態になりました。

8月30日朝の丸岡店。駐車場から店の前まで水に覆われました

店の周辺一帯が冠水し、車での出入りができない状態でした

お菓子を作る本社スタジオ。床から30〜40cmまで水が入りました

今回の被害の中で特にきつかったのが、作ったお菓子を大量に廃棄しなければならなかったことです。
水に直接浸かったものだけではなく、一見すると問題がなさそうに見える商品もありました。それでも、食品を扱っている以上、「たぶん大丈夫だろう」でお客様に商品をお渡しすることはできません。少しでも安全性に不安があるものは、すべて廃棄することにしました。
本社スタジオだけでも、廃棄した商品は約400万円分になりました。
美味しいお菓子を作ることはもちろん大切です。ただ、それ以上に、安心して食べてもらえるお菓子を届けることの方が大切だと考えています。

水に触れていない商品も、安全性に不安があるものはすべて廃棄しました

現時点で把握している被害・事業への影響は以下の通りです。

実際に浸かった高さを測った記録です

床材は泥水で浮き上がり、張り替えが必要になりました
| 本社スタジオ 商品廃棄 | 約400万円 |
| 丸岡店 商品廃棄 | 約50万円 |
| 丸岡店・本社スタジオ 包材等廃棄 | 約300万円 |
| 製造機械関係 | 約300万円 |
| パソコン・電子機器関係 | 約114万円 |
| 丸岡店 設備修繕 | 約70万円 |
| 本社事務所 修繕 | 約100万円 |
| 直接的な物的被害 | 約1,334万円 |
| 直接的な物的被害(上の表より) | 約1,334万円 |
| 復旧作業に伴う人件費 | 約408万円 |
| 丸岡店 約20日間の営業停止による売上への影響 | 約470万円 |
| 本社スタジオ 約10日間の製造停止による生産額への影響 | 約1,000万円 |
| 事業への影響 合計 | 約3,212万円 |
直接的な物的被害だけでも、現時点で約1,300万円を超えています。復旧作業に伴う費用や、営業・製造停止による影響まで含めると、現在把握している事業への影響は約3,200万円規模です。
現在も設備や建物の被害確認、修繕や交換の見積りを進めているため、今後金額が増える可能性があります。
また、保険には加入していましたが、補償の対象となるのは丸岡店の建物の部分のみで、設備や備品、本社スタジオは対象外でした。そのため、今回の復旧を保険で賄いきることはできません。

このプロジェクトは、株式会社西洋菓子倶楽部が立ち上げる豪雨災害からの復旧プロジェクトです。
私たちのルーツは、明治34年(1901年)に福井県坂井市丸岡町で創業した和菓子屋「中村屋」です。曽祖父・髙倉常太郎が始め、祖父が3代目、父が4代目。そして私が5代目にあたります。

学校から帰ると、祖父と祖母が和菓子を作っていて、番重が並び、蒸し器の音がして、甘い匂いがしている。それが私にとっての当たり前の風景でした。棚にしまってあるまっさらなあんこを、こっそり指ですくって食べては、指の跡が残って毎回バレて怒られていました。今でも、あの頃の祖父母が作ったお菓子を食べたいと思うことがあります。
そして1985年5月1日、当時26歳だった父と母が、この丸岡の地に西洋菓子倶楽部をオープンしました。まだ洋菓子店の少なかったこの地で、「コーヒーの隣には美味しいケーキがないと」と、お茶とお菓子の文化を根付かせたいという想いでの独立でした。



「西洋菓子倶楽部」という名前は、カタカナではなく、年配の方にも覚えていただけるように。そして、いつか「洋菓子の老舗」と呼ばれるように。そんな願いを込めて、父が学生の頃から温めていた名前です。
私たちの基本理念は、今も「我々は洋菓子の老舗を目指します」です。毎朝、スタッフ全員で唱和しています。
旧丸岡店は、大きなガラス窓から厨房がそのまま見えるお店でした。今でもお客様から「子どもの頃、いつもあの窓から見てました」と声をかけていただきます。

2019年に父が急な病で亡くなったあと、母が代表を引き継いで店を守り、2024年6月、私が西洋菓子倶楽部の3代目の代表に就任しました。

2025年、西洋菓子倶楽部は創業40周年を迎えました。
節目に何を残そうかと考えたとき、私たちはお菓子屋なのだから、お菓子というかたちで届けたいと思いました。そうして生まれたのが「羽二重結びバウム」です。
このお菓子は、3つのものを結んでいます。
・羽二重もち ── 福井の伝統銘菓であり、地域を代表するもの
・あんこ ── 祖父母の時代から続く和菓子屋「中村屋」の、私自身の原点
・バウムクーヘン ── 西洋菓子倶楽部が40年かけて磨いてきた看板商品

「福井の伝統」「自分たちのルーツ」「西洋菓子倶楽部の歴史」。その3つが重なって生まれた味です。
簡単にはできませんでした。当初は芯棒に巻いて焼く通常のバウムクーヘンで試作を重ねましたが、高温・短時間で焼くとどうしても水分が飛び、羽二重もちに合うしっとり・もっちりの食感になりません。「バウムクーヘンはこうあるべきだ」という自分たちの思い込みに気づき、層を重ねて焼くという方法にたどり着いて、ようやく今のかたちになりました。あんこも中村屋のあんこをベースに、甘さを控えて小豆の香りが立つ粒餡に炊き直しています。
そして「結び」には、もうひとつの意味を込めています。贈る人の想いと、受け取る人の気持ちを結ぶということです。手土産に、引き出物に、お祝いの場にも、仏事の場にも。「離れていても、つながっている」。そんな気持ちに寄り添うお菓子でありたいと思っています。


ありがたいことに、40周年の感謝祭では当初26,000個の想定に対して約40,000個をお届けし、連日完売が続きました。販売開始から2ヶ月で10万個、1年で70万個を、たくさんの方に手に取っていただきました。
そのすべてを作ってきたのが、今回浸水した本社スタジオです。

被災してからは、まず製造と営業を再開することを優先して復旧作業を進めてきました。
復旧には、スタッフだけでなく、元スタッフ、日頃からお世話になっている協力企業の皆さま、地域の皆さま、福井県洋菓子協会をはじめとする県内洋菓子店の皆さまにも手伝っていただきました。泥や水を出し、浸水した商品や資材を運び出し、洗浄や清掃を繰り返しました。

水に浸かった設備や資材を、屋外へ運び出しました

壁の中まで水が回っているため、壁紙と壁材を剥がしています
また、お客様からもSNSや店頭、電話などで、営業再開を待っているという声や、応援の言葉をたくさんいただきました。その中には、
「お菓子を買って応援したい」
「営業再開したらまた買いに行きます」
「クラウドファンディングをするなら応援したい」
といった声もありました。
被災した直後は、クラウドファンディングのことまでは考えていませんでした。まず片付けること。もう一度お菓子を作れるようにすること。店を開けること。そこまで戻すことで精一杯でした。
復旧を進める中で被害の大きさも少しずつ見えてきて、その一方で「応援したいけれど、どう応援したらいいのかわからない」という方もいるのではないか、という話が出ました。それなら、応援していただける方法の一つとしてクラウドファンディングをやってみようと考え、今回このプロジェクトを立ち上げることにしました。
今回の被害すべてをクラウドファンディングで補ってもらおうとは考えていません。会社として負担するところは、自分たちで負担していきます。そのうえで、応援していただける方がいれば、その力を借りながら復旧を進めていきたいと考えています。

今回のクラウドファンディングでは、【第一目標 200万円】を目標としています。
直接的な物的被害だけでも約1,300万円を超えているため、200万円ですべてを賄えるわけではありません。いただいたご支援は、今回の水害から事業を立て直すため、主に以下の費用の一部として使わせていただきます。
・浸水により被害を受けた製造機械、パソコン、電子機器等の復旧・再購入
・丸岡店、本社スタジオの修繕
・通常の製造や販売を続けるために必要な原材料や包材等の再調達
・商品、原材料、包材等の保管位置の嵩上げや止水対策など、今後の水害への備え
・クラウドファンディングの手数料、リターン、送料等
現在も修繕や設備交換にかかる費用を確認しているため、その時点で必要性の高いものから順に使わせていただく予定です。目標金額を超えるご支援をいただいた場合についても、引き続き復旧費用や今後の水害対策に使わせていただきます。
今回の損失がある中でも事業を安定させ、スタッフの雇用を守ること。そして、これからも福井でお菓子を作り続けられる状態に戻していくこと。そこにつなげていきます。


今回のクラウドファンディングのために、新しい商品を作る予定はありません。今はまず、普段のお菓子を普段通り作り、お客様に届けられる状態へ戻すことを優先したいと考えています。
一方で、お客様からは「お菓子を買うことで応援したい」という声もいただきました。そのため、リターンには西洋菓子倶楽部が普段から作っているお菓子をご用意しました。その中心が「羽二重結びバウム」です。

また、「リターンはいらないので、その分を復旧に使ってほしい」という方にも参加していただけるよう、リターンなしの支援コースもご用意しています。
11月・12月は洋菓子店にとって一年で最も忙しい時期です。復旧したばかりの製造現場に無理をかけないため、お菓子のリターンは2027年1月以降の発送を基本としております。お待たせしてしまいますが、ご理解いただけますと幸いです。
なお、ご支援いただいた皆さまには、復旧の進み具合を「活動報告」で随時お届けします。商品が届くまでの間も、私たちがどこまで戻れたかを見ていただけるようにします。

これまでの復旧作業と、今後の予定です。
| 8月29日〜30日 | 豪雨により丸岡店・本社スタジオが浸水 |
| 8月31日〜9月4日 | 本社スタジオの清掃、電気系統の修繕復旧、製造機械の洗浄・復旧工事 |
| 9月7日 | 本社スタジオ 除菌作業 |
| 9月9日 | 本社スタジオ 製造再開(通常時の5割) |
| 9月10日〜11日 | 丸岡店 床・棚の補修工事 |
| 9月11日 | 丸岡店 電気修繕工事 |
| 9月14日 | 丸岡店 冷蔵ショーケース・チョコレートケースの修理、清掃 |
| 9月15日 | 丸岡店 ショーケース搬入・設置工事 |
| 9月16日 | 丸岡店 除菌作業 |
| 9月17日 | 丸岡店 レジ・勤怠管理システム・電話の設置工事/焼き菓子・包材の搬入準備 |
| 9月18日 | 丸岡店 機械設備類の一斉点検 |
| 9月19日 | 丸岡店 復旧オープン/クラウドファンディング開始 |
| 9月19日以降 | 製造機械・冷凍ケースの修理作業を随時(時期は未定) |
| 11月30日 | クラウドファンディング終了 |
| 2027年1月以降 | リターン商品を順次発送 |
本社スタジオの製造能力は、再開当初の5割から、現在は約7割まで戻りました。ただし残る約3割を担う機械は今も復旧しておらず、完全復旧の見通しは立っていません。
丸岡店が営業を再開しても、それで今回の水害からの復旧が終わるわけではありません。営業を続けながら、設備や建物、製造環境を少しずつ戻していき、今回の経験を踏まえた水害対策も進めていきます。


今回の水害では、本当に多くの方に助けていただきました。
泥だらけになりながら復旧作業を手伝ってくださった方、必要なものを届けてくださった方、声をかけてくださった方。そして、「また買いに行くよ」「再開を待っています」「何かできることがあれば」と言ってくださったお客様。
被災してからの毎日の中で、これだけ多くの方に支えていただいていることを改めて感じました。本当にありがとうございます。
今回の被害は大きいですが、私たちはここで商売を続けていきます。
製造を再開し、店を開け、少しずつ元の状態に戻していく。今回のような水害がまた起きた時に、同じ被害を繰り返さないための対策もしていく。そこは会社として、自分たちがやらなければいけないことだと思っています。
クラウドファンディングを始めることには、正直なところ迷いもありました。
ただ、今回たくさんの方から「何か力になりたい」「応援したい」という言葉をいただきました。
そう言ってくださる方がいるのであれば、そのお気持ちをありがたく受け取り、今回の復旧を少し後押ししていただけたらと思い、このプロジェクトを立ち上げました。
もちろん、クラウドファンディングだけが応援だとは思っていません。
また店に来ていただくこと、お菓子を手に取っていただくことも、私たちにとって大きな力になります。
今回いただいたご支援は、復旧とこれからの備えにしっかり使わせていただきます。
そして私たちは、これからも福井でお菓子を作り続けます。
安心して食べてもらえる美味しいお菓子を、これまでと変わらずお客様に届けていきます。
株式会社 西洋菓子倶楽部
代表取締役 髙倉 竜馬

今回の復旧では、協力企業や関係者の方にも手伝っていただきました。実際に被災直後の状況や復旧作業を見てくださった方から、コメントをいただきました。

株式会社福井銀行 丸岡支店 行員一同
今回の水害の報を受け、すぐに現地へ駆けつけました。店舗・工場内まで浸水し多くの設備や商品が被害を受けた状況は、言葉にならないほど深刻なものでした。
復旧作業のボランティアにも参加させていただき、スタッフの皆様が懸命に前を向いて取り組まれる姿に大きな感動を覚えました。
西洋菓子倶楽部様は、地域に根ざした企業として長年にわたり福井の皆様に笑顔をお届けしてきた大切なパートナーです。
メインバンクとして、また地域を共に支える仲間として、一日も早く本来の生産体制に戻り西洋菓子倶楽部様のお菓子が皆様のもとへ届けられる日常が戻ることを心より願っております。
私たちも全力でご支援してまいります。

福井県洋菓子協会 会長
和洋菓子 志保重 代表取締役 清水 雅彦
西洋菓子倶楽部さんの今回、被災された工場は我々福井県洋菓子協会のメンバーにとって特別な場所であります。
創業者の髙倉さんが協会の会長をされていた頃は地域のイベントで販売するお菓子をコチラで作ったりと思い出深い場所です。
地域のお客様はもちろん、業界の発展のためにも少しでも早く復旧していただけるよう出来る限りの応援をしていきたいと思っています。

株式会社カリョー 代表取締役 新谷 雅嗣
今回の大雨は弊社の周りでも、水が道路を覆いつくしていましたが、それ以上に水位が上がる事も無かったので安心していました。しかしその後、お店近隣の状況がテレビ映像で流れ衝撃を受けました。店舗工場を訪問させて頂いてその被害の大きさに言葉を失いました。
すでに社員全員全力で工場の清掃・整理に取り組まれていましたが、元の状態に戻るまでにはかなりの日数・労力・お金が必要な事も直ぐに判りました。
福井を代表する洋菓子店『西洋菓子倶楽部』を速やかに復活させ、日常を取り戻して頂く事が地元の方々や多くのファンの方の望みだと思います。弊社としても出来る限り応援させて頂きます。

株式会社森八大名閣 取締役 営業部長 北嶋 勇介
同じ地域でお菓子作りに携わる者として、今回の豪雨による本店・工場の被災は本当に胸が痛みます。
普段から親しくさせていただいていますが、髙倉さんの作るお菓子への情熱や、お客様を笑顔にするあのお店が水魔に襲われてしまったことは、言葉にできないほどのショックでした。
再建の道のりには計り知れないご苦労があると思います。
一日も早く元のようにお菓子が焼ける日々が戻るよう、同業者として、後輩として、そして一人のファンとして全力で応援しています!
皆さまの温かいご支援を、どうかよろしくお願いいたします。

能崎物産株式会社 専務取締役 能崎 将明
今回の水害の連絡を受け、被災後の現場を見せていただきました。店舗や工場の中まで水が入り、多くの商品や資材、設備が被害を受けている状況は、想像していた以上のものでした。
工場と店舗の復旧にはまだ時間も費用も掛かると思いますが、またお菓子作りの現場や、お店が活気を取り戻すことを願い、お付き合いさせていただいている企業として応援させていただきたいと思います。
募集方式について
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。




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