▼はじめに▼

<プロジェクトのきっかけ>
”読みやすい”を追求して活字は進化してきましたが、活版印刷が本格的に導入される明治までは個性が強く魅力的な手書きの文字が現役で活躍していました。

この時代の残り香のような文字が明治時代の教科書に印刷され古書として今も残っています。しかし古書に印刷された文字は時代とともに劣化し、ゆっくりと、そして確実に失われつつあります。

この貴重な文字のアンティークを後世に残していくにはどうしたらよいか。
ここからスタートしたのがこのプロジェクトです。

<プロジェクトの壁>
長持ちする商品に印刷すれば、その商品とともに残っていくという仮説を立てました。収集された数百の古書を参考に足掛け20年かけてデジタルフォント化された書体を、長く使われる商品に載せて世に送り出す、こんなアイデアを実践するのに最適なアイテムとは一体何か。そして、”文字を残す”というコンセプトを貫くため残したい文字をすべて使うことができるアイテムは何か。こんな条件がプロジェクトに課せられました。

①たくさんの文字が印刷できる
②普段から使われている
③長持ちする
④文化的な活動と好相性

<コラボレーションの相手>
上記の条件を満たすアイテムとして「傘」が選ばれ、今回のコラボ企画につながりました。

”あえて折れる”という逆転の発想でゴミ問題を解決しようという傘が全国の郵便局や量販店で販売されています。1年半で24万本売れている「ポキッと折れるんです®」という傘です。あえて折れることで力を逃し、破損を防ぐ独自の構造を実装(特許取得)しています。一度折れるとすぐゴミになってしまう使い捨て傘とは違い、ゴミになりにくく環境問題に取組む商品としてマスコミに取り上げられ話題になっています。

<文字を残すという試み>
一つの商品として長持ちするだけでなく、よい環境を後世に残していくために開発されたこの傘に、”残したい文字”を載せて世に送りだしてみよう。そんなチャレンジが本プロジェクトの主旨です。

”文字を残す”というコンセプトのもと、デジタル収録された全6355文字を1本の傘に配置するという膨大な作業がはじまりました。この文字数が多いのか少ないのか判断に迷うかもしれませんが、現在日本の小学校、中学校で習う漢字は合わせて2136文字です。その約3倍の漢字が、たった一本の傘にすべて印刷されていることになります。習ったことがない漢字、見たこともない漢字がきっとたくさんあるはずです。

<前代未聞の傘>
分かりやすさを追求した現代の文字とは一線を画す素朴で力強い文字。現代の日本人にはむしろ新鮮に映る個性的な書体。ディープで難解な漢字が満載です。デザインとして見ると、遠目にはシンプルでありながら近寄ってみると大胆。和にも洋にも相性が良い上品なアイテムに仕上がりました。

傘布に印刷するという特性上ある程度まとまった生産量が必要になり、この度クラウドファンディングで商品生産への賛同を募ることに致しました。

-晴耕雨読-とは「晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家にこもって読書をすること」の意味ですが「晴れた日には田畑を耕し、雨の日は読める傘で出かけよう」に引っ掛けて命名しました。

<文化活動として>
”長持ちすることで次世代に良い環境を残す傘”に、”絶滅の危機にある「文字」” を印刷することにより、文字を後世に残していくという本プロジェクトをよろしくお願い致します。


▼このプロジェクトの目的▼
”失われつつある日本の書体”を後世に残す

古書として残っている明治時代の書体

▼文字は文化▼
どうしたら残していけるのか

残したい文字を全部まるごと配置 その数6355文字

▼明治時代の活字を蘇らせた書体▼
絶滅➡覆刻➡未来へ

明治時代に活版印刷本格化で画一化、合理化

▼メディアで話題 ポキッと折れるんです®▼

2017年6月に販売を開始して、21ヵ月で24万本以上を売り上げている傘です。使い捨てのビニール傘のゴミが環境に与える悪影響を軽減するような傘として開発されました。その特徴は”折れても元に戻る”構造です。あえて折れるという逆転の発想で話題になり、各種メディアに取り上げられています。

よい環境を次世代に”残す”ための傘


▼リターンは「Made in JAPAN モデル」▼

本プロジェクトは”日本のよいものを遺す”という共通目標から実現したコラボレーションです。
今回のクラウドファンディングのリターンには「ポキッと折れるんです®」を日本で製造し
Made in JAPANの製品として皆様にお届けいたします!

※通常の「ポキッと折れるんです®」は中国製です


▼モデルについて▼

撮影中のさわぐちけいすけ氏

さわぐちけいすけ
岩手県出身、東京在住30歳。漫画家。2018年「妻は他人」(KADOKAWA)をはじめ、夫婦円満の秘訣や人付き合いの極意を描いた漫画がSNSで話題に。ツイッターのフォロワー数20万人を突破。晴耕雨読傘のデザイナー大谷はさわぐち氏のウェブサイトなどを手がけており最近和装に目覚めたさわぐち氏をモデルに起用。

「妻は他人」「僕たちはもう帰りたい」

Q.この傘を知った時、どう感じましたか?
A.さわぐち氏:身近にある製品だけれども斬新で新しいものに映りました。漢字を並べただけのシンプルかつ大胆さがいさぎよい。この傘をさして和装してみるのも粋で面白いかなと思いました。


▼クラウドファンディングの先輩から応援▼

フロップデザイン加藤雅士氏
フォントを作って20 年目のグラフィックデザイナーです。ただフォントが好きという気持ちだけで作っています。今まで300 書体以上作ってきましたが漢字フォントを作り始めた時から1 書体に2 年という根気のいる制作期間が必要になりました。

「活字文化を伝えるというだけでなく、デザイン全体が町の風景の一部として機能しそうでプロダクトとして気持ちが良いです。この傘を差している人が歩いている情景を思い浮かべるとワクワクします。長年、書体と真摯に向き合い活動されてきた方なので、書体の美しさは折り紙付きなのですが、プロダクトデザイナーとしてのセンスも昔から感じていました。今回の企画も形として残すべき良いものになると確信しています。」

レトロな看板やノボリに自然と溶け込む

▼使用イメージ▼
※赤、青は製品テストのイメージカラーです
(今回のリターン設定はありません)

洋服とあわせてもイケます!

折れても元に戻る「ポキッと構造」実装(特許取得)

▼スペック▼
サイズ
65cm

仕様
■本体サイズ(H×W×D): 900×108×20(mm)
■重量: 410g
■傘の長さ: 65cm
■材質 生地: ポリエステル、ボタン: プラスチック、骨組: グラスファイバー

▼実施スケジュール▼

クラウドファンディング実施 :~5/17(金)
工場生産&輸送       :7月末
配送            :8月上旬


▼明治教科書明朝について▼

百年以上前の書物に触れその活字の美しさに魅了され、滅びてしまった活字を百年後の未来に残したいという強い思いからデータ化されたフォントです。明治期の教科書活字をもとに基本に忠実にレタリングし、現代流にデザインして蘇らせました。

数百冊におよぶ明治時代の教科書を収集、その中から数十冊のエッセンスを抽出して足掛け20年ほどかけてデジタルフォント化されました。

100年以上前の教科書

明治教科書明朝文字見本


明治教科書明朝の特徴 繊細な墨溜まり

墨溜(すみだ)まり処理がされているのも特徴です。拡大すると、全ての角が丸く柔らかく処理されているのがわかります。滲んだような雰囲気で明治期の活版で刷ったインクのような風合いを持ちます。


デジタルフォントパッケージ化

明治教科書明朝の特徴として、新字体で入力したテキストを旧漢字で表示させるというユニークな仕様を持たせています。新字体を収録した「FGP明治教科書明朝」と旧漢字を収録した「FGP明治教科書旧字明朝」の二つのフォントをご用意。フォントメニューで切り替えるだけで、新字体と旧漢字を自由に表示できます。

新字体→旧字体

該当するユニコード漢字を入れ替えているため、逆に旧漢字で入力すると新字体となります。また、しんにょうが二点しんにょうに、「工」、「世」などのいくつかの漢字を異体字として作り、計450字以上にのぼる漢字を旧字・異体字としてフォント化しています。

明治教科書旧字明朝で組むと現代文でも明治期の活字書籍のようになるという他に類を見ない特殊フォントとなります。新字体のテキストのまま旧漢字に変換される仕様は、おそらく日本(世界)初の試みでしょう。


▼デザイナーについて▼

大谷秀映(オオタニヒデアキ)

明治教科書明朝作者。フォント文字を核としたデザイナー。阿佐ヶ谷のカフェ「ザグリ」のオーナーでもある。カフェ店舗では明治時代からの貴重な文字書物をコレクションしそれらの資料を元に古い文字を復刻開発している。店舗規模は小さいが全てセルフリノベーション。オリジナル珈琲アイデアグッズなども製作中で雑誌などでも紹介され、2019年2月には湘南蔦屋Tサイトでのイベント展示販売を実施。著書に「続・和文フリーフォント集、和文フリーフォント集」(翔泳社)、「ヘルベチカの本」(MdN)など。東京TDC賞2011入選、通産省(現経済産業省)マルチメディアグランプリ海外優秀賞、キャノンデジタルクリエーターズコンテスト・アドビ賞受賞

「漢字仮名全文字を傘の八角形に散りばめる壮大な作業はとにかく挑戦でしたが傘の面に漢字を規則正しく羅列して作りあげました。傘という誰でも持っている製品に文字を表示させるのは作り手冥利に尽きるものだと思いました。」

阿佐ヶ谷のカフェ ザグリ


▼100年プロジェクトについて▼

 わたしは百年以上前の書物に触れ、その活字の美しさに魅了され、昔の教科書を数多く収集してまいりました。そして滅びてしまった活字を百年後の未来に残したいという強い思いにかられフォントとしてデータ化。昔の偉人たちの功績を後世に残したい、そんな一心で造り上げたのが明治教科書明朝なのです。

この文字は単なるフォントパッケージとしてではなく、教科書歴史資料、活字の成り立ちをも含めた文化、「100年プロジェクト」として考えており、明治教科書明朝展示やワークショップなどいくつかの活動を始めています。

▼最後に▼
本プロジェクトへのご質問があれば
お気軽にお問い合わせください。
明治教科書明朝 × ポキッと折れるんです®
制作委員会


ポキッと折れるんです®傘については下記を参照ください
http://www.pokkit-kasa.com/


Special Thanks!

撮影協力:和Cafe&ぎゃらりー伊砂
友情出演:竹村 眞        


着付け:組紐作家 ひろ美   


撮影・映像編集:Tak Photo/飯岡拓馬      


※本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。

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