二度目のクラウドファンディングに挑戦したのは、「利益」をすべて失ったから。

Picklestoneは、いままでになかった画期的なお漬物ポットです。2016年に実施した、初めてのクラウドファンディングで400万近い支援を集めました。順調に見えたこのプロダクトのローンチでしたが、去年パートナーとして組んでいた会社がまったく予告無しに倒産し、利益、権利、国内外の取引先まで、本当にすべてを失ってしまいました。

ある程度、保身のための契約書は交わしていたのですが、商標、特許、売り上げの債権回収は難しく、また庵治石職人への多額の未払い金などが発覚したにも関わらず、元パートナーの会社は大きな債務を残して、法人破産で免責になったと聞いています。本当にゼロになってしまったんです。

ようやく今年に入り、破産管財人との長い交渉の末、すべての権利を買取り、製品出荷のための製造ラインを整え、いまようやく再スタートを切ることができました。

あまりに恥ずかしい出来事で、公表もしたくなかった

もう起きてしまったことは仕方ないですし、死ぬような大怪我したか?と言われれば、今日もちゃんと生きております。自分の甘さに落ち込みながらも「芸の肥やし」と尊敬する先輩に言われ、今では「それもそうか」と開きなおって再販までの半年間、突っ走りました。

だって、お漬物はいまも僕を魅了し続けていますから!

△こんなお漬物が自宅であっという間に漬けれるのがPicklestoneなんです。

▼Picklestoneを初めて知った!という方へ

無類の料理好きである僕は、2年前にお漬物の世界にどっぷりとはまりました。最初はプラスチック容器でプレスする製品を購入し、様々なお漬物を作っていました。塩と昆布だけでつけたお漬物は、市販のそれとはまったく違う優しい味。時間をかけて作った白菜漬、白いご飯に、赤だし。日本人だけが共感できる、質素な食事の愉しみを見つけたのと同時に、いままで知らず知らずのうちに、「不自然な味」に慣れ親しんでしまった自分の舌に気づいたのです。

それからというものカブ、ごぼう、壬生菜、ミョウガ、千枚漬け、そしてザワークラウトや、インドのアチャールなど世界にフィールドを広げ、「自然なお漬物」を自分の手で漬けてみることで、古来の保存食を学ぶ生活が始まりました。

▼自分が使いたい漬物専用容器がない!

しかし、プラスチック容器は、使い勝手も悪くいまいち自分の暮らしに馴染みません。サイズも大きすぎて冷蔵庫に収まらず、もっと手軽に、もっと身近に漬物を愉しむには、いまの生活に合わせた漬物容器が必要で、それには自分でデザインするしかありませんでした。

▼スペースを取らず、自然と暮らしに溶け込むようなプロダクトを。

このプロダクトの最大の発見は、お漬物の新しい居場所をみつけたこと。いまの生活環境では、大きな樽を置く場所も、一日中ひんやりとした日陰もマンションではなかなか探すのが難しい。ならば、形を変えて冷蔵庫のポケットにペットボトルと一緒に並ぶような形に変えてしまうことにしました。野菜を入れて、塩と鷹の爪、昆布を入れる。あとは上から漬物石を乗せるだけ。

△石と木は、引っ張るだけで簡単に外せる仕様で衛生的。使用後は、陰干ししてから保管してください。

△冷蔵庫の中に、お漬物の新しい居場所を作りました。

▼新しいサイズが選べるようになりました!

いままで色々な方に使っていただいたPicklestoneですが、冷蔵庫のサイズも、食生活もいろいろ。ライフスタイルに合わせて選べる、3つのラインナップをご用意しました。

【Picklestone220は、牛乳パックサイズ】

大きな乱切り野菜が相手でも、短時間できっちり結果にコミットする220は、一番頼れるしっかり者。ボリッボリッと、キュウリのにんにく醤油漬けを、餃子と一緒に白飯で食べて欲しいんです。たぶん僕の知る限り、最も美味しい組み合わせ。

【Picklestone115は、ドレッシングサイズ】

小松菜なんかを細かく切って、あっさり仕上げで食べてほしい。女性の手にぴったりで、スマートなデザインがテーブルを華やかにしてくれる美人の115。


【Picklestone150は、ちょっと大きい缶詰サイズ】

115より面積が大きくて、背は小さいけれどしっかり浸かります。ちょうど食べ切れるミドルサイズで、しかも漬物が圧倒的に取り出しやすい。末っ子で目立たないけど一番気がきく子。うちでは福神漬けを漬けてます。

△220、150、115は「匁」で重さを表記した数字。それぞれ石の重さは約825g、560g、430g。


▼Picklestoneは、材質にもこだわって。

■大阪城築城や、東京1964の聖火台、そして道後温泉の天皇陛下専用の温泉にも使われている日本が誇る香川県産最高級の「庵治石」を使用しています。https://ja.ajiproject.com/

■麻紐と当て木を一体型でデザインした前作から、木綿紐とヒノキで別パーツに仕様変更しました。より手軽に交換しやすく、衛生的にお使いいただけるようになりました。

■木は国産天然ヒノキに、天然素材を使ったナチュラルワックスで加工を施しています。永くお使いいただくために、使用後はよく乾かしたあとにナチュラルワックスを塗ってお手入れしてください。

■日本最大のデザイン賞2018も受賞

ちゃんとデザインもオフィシャルに評価してもらえました!https://www.g-mark.org/award/describe/47247

▼食べ物のこと、ちょっと考えるきっかけに

昔ながらの石で漬ける方法で、じっくりと水を抜き、発酵し、手をかけて、野菜が漬物に変わっていく時間を楽しんでください。また、このポットが身近にあることで、いつもは捨ててしまうような野菜の切れ端やちょっと古くなった野菜も、傷んだところを取ってしまってポットに入れていけば立派な漬物になります。小さな気づきかもしれませんが、こんなちょっとしたコトが日本のフードロス削減にも、そして保存料や着色料を使わない安全な食について考えるきっかけにも繋がってるんだと実感します。

また、野菜からじっくりと水があがってくる様子は、まさに食育の教材にぴったり。ガラス越しに見える野菜が、漬物に変わる瞬間、こんなに水が出るんだ?と驚くでしょう。ぜひお子様と一緒に試してみてください。

▼リターンについて

このプロジェクトのゴールは、みなさまの食卓に漬物をつけたくなる専用ポットを再びお届けすること。できる限り早く量産を進めます。なお支援者の皆様への「Picklestone」各サイズのお届けは2019年7月頃を予定しております。(生産状況の都合により遅延の可能性もございます。何卒ご了承ください。)

▼最後に

このクラウドファンディング実施にあたり、事前に2年前に支援してくださった方々に、先んじて今回の「事情」をお伝えしました。ガラスが割れてしまったが、交換品が売ってない、問い合わせしたいが連絡先がなくなっている、などたくさんのご迷惑をおかけしてしまったにも関わらず、数々の温かい応援メッセージに本当に涙が出ました。

漬物といえば、Picklestoneでしょと言われるくらい、売りたいです。届けたいです。

もうハンドルは自分でしか握りません。

どうか、みなさんのご支援をよろしくお願いいたします。

そしてこんな時こそ、と誰よりも応援してくれる妻と息子に感謝。ありがとう!


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