【はじめに・ご挨拶】
みなさん、はじめまして。
私たちは、プロジェクトオーナーを務めています「株式会社55634」のメンバーです。
私たちは、浜松市に拠点を置き、地域の中小企業のブランディングをサポートさせていただいています。
会社名が55634?なんて、きっと思われますよね。最初はよく不思議がられることも多いのですが、55634=ココロザシという語呂が由来です。
目に見えないクライアントさまの「志(ココロザシ)」を、「数字(55634)」のように分かりやすく伝える。そのような想いを込めています。
私たちは、自分たちの住む遠州地域で【中小企業のブランディング】を専門とし、デザイン制作やアドバイザーなどの業務を通して、クライアントのみなさまの活動を支援させていただいてきました。
また、企業のブランディングとともに、【地域のブランディング】を目指して、遠州地域がより良くなる活動にも力を入れてきました。
その柱となるのが、2014年3月に創刊した当社が運営するウェブマガジン、TOWTOWMI.JPです。TOWTOWMI.JPでは、「遠州が誇る、ひと・もの・かたり」をコンセプトに、浜松をはじめとする遠州地域の魅力的な情報を日々、発信しています。
55634では、中小企業のブランディングでの収益の一部を、TOWTOWMI.JPの運営費にあてています。自分たちの活動を通して、企業も地域も付加価値が高まるような【地域循環型】のブランディングに挑戦してきました。
今回、創刊させていただく「はままつ仕事図鑑」は、こうした活動をさせていただく中で、自然に生まれたプロジェクトです。
さまざまな産業が育まれてきた「浜松」という地域で”はたらく”ということ。活動している企業と、そこではたらいているみなさんには、それぞれにストーリーがあり、想いがあり、目指している先があります。
はたらく魅力をしっかりとお伝えしたい企業のみなさんと、自分らしいはたらき方を模索する地域のみなさんの想いを、この書籍を通してつないでいきたいと思っています。
【プロジェクトが生まれたきっかけ】
現在、日本全国のはたらく現場で、人手不足が深刻化しています。
地域で活動する中小企業にとっても、人材の採用、人手の確保は年々大きな課題となっており、ブランディングの現場でもこうした悩みを数多くお聞きしてきました。
大手企業と比べ、露出が少なく採用に予算をかけられない中小企業にとっては、一層深刻な問題です。一方で、素晴らしい技術や理念を持ち、いきいきとスタッフが働いている中小企業が数多くあります。
ただ、魅力を伝えられる方法がない、そう嘆かれる経営者のみなさんの声をお聞きしてきました。行政機関等を中心に、UターンやIターンなどの取り組みはなされていますが、学校を卒業後、都市部に就職する若者がまだまだ多いのが現状です。
一方で、はたらく現場を知りたい、企業の本当の魅力を知りたいという気持ちは、はたらく場を探している方にとっても同じだと思います。地域にどんな企業があるのか?どんな人がはたらいているのか?
これから就職をする方、また、現在はたらきながらも悩み・葛藤している方にとって、一番知りたいのは、こうした生の声だと思います。
そんな中、私たちは企業の魅力を伝えられる形として、「TOWTOWMI.jp」において取材記事の配信をスタートしました。
取材、撮影、編集などを自ら行い、労働条件面だけでなく、企業の志や想いに共感してくれる人に届けることで、そうした人材を望む企業と、自分らしいはたらきかたを求める方の、本当の意味でのマッチングが実現できると考えています。
おかげさまで、「TOWTOWMI.jp」でこうしたマッチングの事例がいくつも生まれてきました。
ただ、WEB上でお伝えできるのは一部の限られた層でもあります。もっと多くの方が身近に感じ、手軽に読むことができる「書籍」という形にすることで、地域内外のもっともっと多くの方にこうした魅力をお届けできると考えています。
今回、自費出版いたします書籍の販売については、浜松を中心に書店を展開されている『谷島屋』さんとの連携により、市内外での販売の展開を計画しているところです。谷島屋さんには、こうした私たちの想いに共感をしていただけて、プロジェクトの連携が実現しました。
今までもこれからも、地域にとって大切なのは、そこで暮らし・はたらく人たちです。
浜松という地域ではたらくことの魅力を、ひたむきに伝えることが、これから先も続く魅力ある地域づくりにつながると考えています。
【浜松という地域】
遠州地域の中心にあたる静岡県浜松市は、東京と大阪のちょうど中間に位置しています。
南は美しい海岸線を有する『遠州灘』、北部の天竜地域には豊かな山林が広がります。東は赤石山脈・木曽山脈に挟まれて流れる『天竜川』、そして西には600種類の命を育むといわれる汽水湖『浜名湖』など、四方に豊かな自然が広がっています。
海、川、山、湖に囲まれた、国土の縮図ともいわれるこうした浜松地域には、多様な産業が育まれてきました。
まずは豊富な日照量と水資源、多彩な自然環境を基にした、農業・林業・水産業。いずれも国内有数の特産品や生産量を誇る、一次産業がとても盛んな地域です。
また江戸時代に農作物のひとつ「綿花」の一大産地であったことから、綿織物を中心とする繊維業が生まれました。今でも高い技術を基に、高品質な生地がたくさん生産されています。
そして、動力織機で育まれた技術とものづくりの気質は、自動車産業、楽器産業などへと発展していきました。
県庁所在地でもなく、大都市の近郊にも位置していない都市としては、戦後、全国的にも珍しい発展を遂げた地域でもあります。
これほど多彩な産業が根付く浜松で、“はたらく”人たちは様々な仕事に携わっています。仕事の種類も、はたらき方もまた多様です。
【「はままつ仕事図鑑」について】
今回、私たちが創刊する「はままつ仕事図鑑」は、浜松市内を中心に様々な産業に関わる会社さんを取材し、ご紹介するものです。
会社の理念や特徴、携わる方の働く様子などを、経営者さんやスタッフのみなさんにお話を伺って第三者からの視点で伝えるもので、仕事内容や働きがい、社会とのつながりなどをしっかりと取材して、“はたらく“ことをお伝えします。
また、地域ではたらく様々な方の“はたらき方”を掘り下げて伝えることで、次代を担う若い世代のみなさんに、はたらくことの意義を再認識してもらうことを狙いとしています。
一般的な企業紹介とは違い、地域で活動する企業の魅力や、はたらくみなさん一人ひとりのストーリーをしっかりと伝えることができるよう、ひとつひとつ丁寧に取材を重ねてきました。取材させていただいたのは合計17社、1社あたりの文字数は5,000〜7,500字にわたります。
キャッチコピーは「自分の天職みつけよう!」。
世の中には、本当にたくさんの仕事があります。同じ職種でも、会社がちがえば、やり方も違いますし、社風も異なります。就職サイトに載っている情報は、ごく一部です。
人生の大半を費やす仕事が楽しければ、人生もきっと楽しくなるはず。たとえ、他の人がやりたくない仕事であっても、自分に合っていれば、自分にとっては正解といえます。
そんな自分の「天職」を見つけるきっかけは、はたらく人たちの声にヒントがあるかもしれません。
取材させていただいた多くのみなさんは、それぞれにいろいろな経緯を経て就職し、苦労を乗り越え、目指す先に向かってハツラツとはたらかれています。
お話を聞く中で、自分自身に置き換えて、共感することもたくさんありました。はたらく姿を見ているだけではとても知ることがなかったようなことが、じっくりとお話を伺うことで垣間見えてくることがたくさんあります。
こんな経験があったから、今こんなふうに考えて取り組んでいるんだと、理解できる場面もたくさんありました。
人によってはたきがいはそれぞれです。働く環境や、仕事の内容も、様々です。
多くの産業があり、たくさんの仕事がある中で、みなさんは自分自身の仕事・はたらきがいを見出して、自分の人生を過ごしています。ひたむきに、夢をもって取り組むみなさんの姿は、地域の明るい未来を感じられるものばかりです。
その人の人生が少し垣間見えるような、これからの活動を応援したくなるような、そんなはたらく人や企業のことを、できる限りたくさんの人に届けていきたい。それが、私たちの想いです。
【資金の使い道】
みなさまからご支援いただいた資金については、書籍化の費用としてのほか、学生のみなさんが通学路線として利用している「路線バスへの広告掲示」や「広報はままつへの広告掲載」、販売書店における「POP」「チラシ」の制作費に活用させていただきます。
これからの次代を担う若い世代に、より興味を持ってもらえることが大切だと考えています。
地域ではたらいている方々のこと、その魅力を届け、将来の夢や選択肢のひとつとして、地元ではたらくことを少しでも感じてもらいたいと思っています。
【実施スケジュール】
7月上旬に書籍の出版を予定しています。その後、書店やオンラインサイトでの販売をスタートします。
(ご支援いただけた方への書籍の発送は、できあがり次第、一般販売より前にさせていただきます)
【最後に】
インターネットが誕生して以来、情報発信の主軸はWEBになりました。近年では、雑誌をはじめとする出版物の発行部数が減り続けています。
この傾向は日本だけでなく、海外でも同様で、むしろ海外のほうが減少が加速しているようです。
理由はもちろん、スマートフォンなどのデジタルデバイスの影響です。もはや、紙で情報を得るということが、非日常になってきているのかもしれません。私たちも、ブランディングの大きな軸の一つとしてWEBをとらえています。
一方、そんな時代の中にあっても、紙媒体である「本」が持つ力は大きいと私たちは考えています。
たとえば、農作業が「体験」となったり、古民家再生が「体験」となったり、これまでは作業だったものの価値が、体験を軸とした価値に置き換えられることも増えてきました。
本には情報を集約するという価値、紙という手ざわりの価値、本棚に飾っておける価値など、ただの印刷物ではない価値があると思っています。
そして、不特定多数の大勢の人に届くだけが価値ではなく、特定の人に届く価値もあります。ギフトという価値もあるでしょう。何年も物質として残る価値もあります。
誰しも、青春時代を共にしたような、苦労の中で道を示してくれたような、そんな大切にしている本があるのではないかと思います。
私たちは、この「はままつ仕事図鑑」をそんなふうに長く大切にしてもらえる本として、地域の中で親しまれるものとして、次代を担う方々に届けていきたいと思っています。
そんな私たちの想いに、ご支援いただければとても嬉しいです。
長文にもかかわらず、最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。
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