~ はじめに・ご挨拶 ~

 はじめまして、写真家の綾順博(あや のぶひろ)です。

 生まれも育ちも宮崎県。20歳の頃から写真を撮りはじめ、様々なコンテストで入賞、受賞し、定期的に個展を開催してきました。ブライダルや商業写真など、様々な撮影で経験を積み、2013年に写真家として独立して、2014年Art Photo AYAを設立。今現在は、宮崎県内の観光ポスターやカレンダーなどに使用される風景写真や、企業向けの宣材写真の他に、個人向けの記念写真撮影などでも精力的に活動しています。

(日向市クルスの海)

 生まれてからずっと宮崎で生活してきた私にとって、宮崎は大事な故郷であり、宝です。大人になって、全国各地・時には海外を旅するようになって、その思いはますます強くなってきています。旅先から宮崎に帰ってくると、海の青さ・空の広さ・山の温かさ・人の優しさに、毎回「やっぱり宮崎はいいな~!」と感じるのです。そんな宮崎の素晴らしさを伝えることも写真家として活動する中での私のモチベーションとなっています。沢山の方に、宮崎の魅力を届けていきたい。そんな思いで日々活動しています。


~ このプロジェクトで実現したいこと ~

 今回、私は「銀鏡(しろみ)神楽のカレンダーを作って、神楽を守り・伝えていくための資金を作りたい!」と思い、このプロジェクトを立ち上げました。

(銀鏡神社への階段)


【銀鏡(しろみ)神楽とは…】

 宮崎県西都市は宮崎県の真ん中にあります。その西都の山の中、九州山地に連なる龍房山(りゅうふさやま)のふもとにあるのが、東米良(ひがしめら)銀鏡地区です。この地区の歴史は古く、銀鏡神社周辺の台地からは縄文後期の土器片が出土しているそうです。

(銀鏡地区から見る龍房山)

 この銀鏡地区で脈々と祖先から受け継がれてきたのが銀鏡神楽です。銀鏡神楽は、1977年(昭和52年)に国指定重要無形民俗文化財となりました。宮崎県内に数多くある神楽の中で一番最初に国指定となっています。

(神楽を習う)

 銀鏡神楽は毎年12月14日の夜に、星空を仰ぐ外神屋と呼ぶ舞台で祝子(ほうり)という舞手によって奉納されます。神楽の準備は12日の朝から始まり、13日の夕方に神楽式一番「星の舞」を舞い、14日の夜から式二番「清山」を舞いはじめ、式三十二番の「ししとぎり」・式三十三番「神送り」が終わるのは15日のお昼頃です。この間、休むことなく舞は続けられるのです。翌16日の朝から河原で「ししば祭り」が行われ、大祭の奉納は終わります。

(式八番 西之宮大明神)


(式十番 宿神三宝荒神) 


(式十四番 七社稲荷大明神)

 この5日間の為に、銀鏡地区の人々は何カ月も前から準備しています。そして、「舞は教えてもらうものではなく、習いおぼえる」ものといわれているそうで、練習ではなく「神楽習い」という言葉になっているそうです。この「神楽習い」はとても厳しいのだそうです。先祖から受け継いだ美しい舞を守るために、みなさん必死で習い、受け継いでいらっしゃいます。式三十三番まである舞・笛・太鼓など全てを身に付けるというのは、一朝一夕にできることではありません。皆さん小学生の頃から習いはじめ、60代70代になっても舞っているのです。

(御幣の作り方を習う)


【カレンダーの売り上げで資金を作りたい】

 この伝統を守っていくのは、並大抵の努力では続けることは出来ません。銀鏡地区の人口も年々減り続け、神楽を守っていくための人も資金もとにかく足りないのが現実です。

(御幣作りは神職の仕事)

 私は2016年から銀鏡神楽の撮影をさせて頂いています。毎年撮影し、銀鏡地区の皆さんと親しくさせてもらうようになって、その苦労を知るに至りました。どうにか助けになりたいと考えたのですが、私に出来る事は写真を撮ることだけです。だったら!その写真で資金を作って、活動費に使ってもらおう!!そう思いこのプロジェクトを立ち上げました。


(藁縄あみ)

 今回のプロジェクトでは過去3年で撮ってきた銀鏡神楽の写真を使ってカレンダーを作り、そのカレンダーの売り上げで神楽を守っていくための資金を作りたいと思います。出来上がったカレンダーを銀鏡神楽大祭にて販売します。もちろん、支援してくださった皆様へのリターン品としてもカレンダーをお送りします。

 クラウドファンディングで集まった資金でカレンダーを制作し、返礼品等を差し引いた残りのカレンダーの売り上げは、全て銀鏡神楽保存会へ寄付いたします。

 カレンダーは600部(卓上300部・壁掛け300部)を印刷する予定ですが、それ以上に支援してくださる人数が増えた場合は、カレンダーを増刷することも検討したいと思います。

 銀鏡神楽を守り、この先に伝えていくために皆さんのご支援をよろしく願いします!!

(式十九番 神和)


~ プロジェクトをやろうと思った理由 ~

【銀鏡神楽に観覧料はない】

 宮崎県には350箇所余りの神楽があると言われますが、最近では観光客向けの神楽が多くなってきています。そんな中、銀鏡神楽だけは「ショーではなく神に奉納するもの」と言う点にこだわり、銀鏡からはほとんど神楽を持ち出さないそうです。

 この「ショーでなはく」という部分に違和感を持つ方もおられるかもしれません。神楽は本来、神様の為に舞うものです。なので、神楽を観た対価として金銭を受け取ることはありません。銀鏡神楽では大祭に来られた観客から神社への奉納を受け取ってはいますが、観覧料は一切ありません(神楽歌の歌詞を書いた紙や書籍は販売しています)。観覧料をとったり、多くの観客を呼び込むためにツアーを組んだりすれば、神楽を維持するための資金は確保できるかもしれません。現に、そういうやり方で維持している地域は多数あります。そうなってはいけないのだという思いが「ショーではなく」という表現になっているのだと私は受け取っています。

 とはいっても、国指定重要無形民俗文化財です。日本の貴重な文化を多くの人に知ってもらうという目的で、2015年ミラノ万博の会場にて奉納、2019年10月国立能楽堂の能舞台にて神楽公演など、銀鏡以外で舞うこともあります。来年2020年は、国民文化祭が宮崎県で開催される事もあり、その関連イベントなど県内各地で舞を披露することも増えてきています。

 この銀鏡地区以外で神楽を舞わなければならない現状が、さらに大きな負担になってきているように、私には感じられます。


【神楽を維持する難しさ】

 銀鏡神楽を舞う事が出来るのは、祝子(ほうり)と呼ばれる神楽の舞人だけです。以前は銀鏡出身の人でなければ舞う事は出来なかったそうですが、今では厳しい修行を積めば地区外の人も祝子になれるそうです。しかし、その伝承者の数は年々減っています。

(稲刈りが終わった銀鏡地区)

 秘境と言われるほどの山里は林業によって支えられていました。ですが近年、林業は衰退の一途をたどっています。このままだと銀鏡地区がなくなってしまう。銀鏡が消滅すれば、国指定重要無形民俗文化財の銀鏡神楽をはじめとする集落の伝統文化や歴史もまた消滅してしまいます。危機を感じ、生き残りの道を探し、もともと東米良に自生していた柚子に着目し、柚子栽培を始めたのが(株)かぐらの里です。栽培した柚子や唐辛子などを加工し販売する6次産業化を取り入れ、雇用と所得を確保することで、若者や子どもが銀鏡地区に定住できる社会の構築を目指して設立されました。

(収穫を待つ柚子)

 銀鏡神楽の舞手をはじめ、神楽を守るために活動している多くの人が、この かぐらの里で働いています。前述したとおり、この会社の主力商品は柚子です。青柚子の収穫期は10月末~11月上旬。黄柚子の収穫期は11月中旬~12月です。銀鏡神楽の大祭は毎年12月12~16日に行われます。ということは、柚子の収穫期と銀鏡神楽の稽古は同じ時期になるのです。仕事も繁忙期、そして舞も習わなくてはいけない。とても大変です。それに加えて、銀鏡地区外での神楽公演があるのですから、年間を通してほぼ休みなく稽古を重ねている状況です。

(その米の美味しさから米良(めら)という地名がついたとか…)

 銀鏡神楽を守るために皆さん必死に頑張っていらっしゃいます。仕事を休んで地区外のイベント等へ神楽を舞いにいかれています。ですが…仕事をしなければ収入はありません。イベントへの出演はほぼボランティアです。出るのは交通費程度であると聞いた時には大変驚きました。神楽は「ショーではなく神に奉納するもの」という考えなのですから、イベント出演で報酬を得ることがないのは、当然と言えば当然です。しかし、神楽を守るために舞っているのに収入がない。みなさん、口には出されませんが…きっと相当辛いはずです。これでは伝統文化を子どもたちに伝えていくことは出来ないのではないか。どうにかここまで続いてきた歴史を守る事は出来ないだろうか。その思いが沸々と湧いてきたのです。

(本殿祭 にて)

 そこで2016年から撮影し続けてきた銀鏡神楽の写真で、神楽を守り伝えていくための資金を作ろうと思い立ちました。銀鏡神社や神楽保存会、かぐらの里の皆様にもこの思いをお伝えした所、賛成していただけたので、このプロジェクトを立ち上げた次第です。


~ これまでの活動 ~

 私が銀鏡での撮影を始めたのは2016年12月、銀鏡神楽の準備段階から撮影をさせて頂くようになりました。初日は「誰だ?こいつ」と遠巻きに見られていました。文字通りの余所者扱いでした。

(撮影初日、少し(かなり?)距離感があります)

 当然と言えば当然です。ほぼ銀鏡地区の人々だけで準備し、奉納される銀鏡神楽なのですから、突然やって来たカメラマンに親しくしてくれる人はいないのが普通です。ですが、12日から始まった準備を撮影し、その合間に手伝いをし、一緒に食事をし、会話をしていく中で徐々に皆さんが打ち解けて下さいました。16日のししば祭りでは、まるでその場にいるのが当たり前かのように接してくださったのがとても嬉しかったのを覚えています。

(ほんの数日で距離感が縮まりました)

 それから毎年、12月12日~16日は銀鏡に毎日通っています。今年で4回目になります。最近では、神楽以外の地区の行事を撮影したり、普段の生活の中での農作業だったり、何気ない風景も撮影しています。こうやって受け入れてもらえ、撮影させてもらえている事に大変感謝しています。


~ 資金の使い道 ~

 今回のクラウドファンディングを立ち上げるにあたり、私たち(Art Photo AYA)の負担になるような事があっては心苦しいとの銀鏡の皆様からの申し出がありましたので、資金には写真使用料を含ませて頂きます。ご了承ください。

写真データ(使用写真13枚)  … 130,000円
 表紙1枚+12ヶ月分の写真を使用します

カレンダー印刷・デザイン費  … 180,000円
 卓上タイプCDプラケースサイズ  300部
 壁掛けタイプA4(見開きA3)サイズ  300部

返礼品等(送料その他諸経費) …  30,000円

クラウドファンディング手数料 …  57,800円

合計                397,800円


~ カレンダーイメージ ~

【卓上タイプ】

 卓上13ページ
 (プラケース付き卓上カレンダー)
 プラスチックケース付、机上で使用する卓上カレンダーです。
 128×129mmのコンパクトな正方形サイズです。


【壁掛けタイプ】

 中綴じ28ページ
 (見開き中綴じカレンダー)
 冊子タイプで持ち運びに便利な壁掛けカレンダーです。
 開いて壁にかけて使用します。
 A4サイズ(見開きA3サイズ)


~ リターンについて ~

 全てのリターン品に銀鏡神社のお守りをお入れします(感謝の年賀ハガキを除く)。このお守りは通常、銀鏡神社に参拝された方にのみ販売される物です。今回は特別にリターン品の中に入れることをご了承いただきました。支援してくださった皆様に、銀鏡神社のご祭神 大山衹命(おおやまずみのみこと)、磐長姫命(いわながひめのみこと)、懐良親王(かねながしんのう) のご加護がありますように。

①感謝の年賀ハガキ…500円

②卓上カレンダー1冊+銀鏡神社お守りコース …2,500円
 (税込・送料込)

③壁掛けカレンダー1冊+銀鏡神社お守りコース…3,000円
 (税込・送料込)

④卓上1冊+壁掛け1冊+銀鏡神社お守りコース…4,500円
 (税込・送料込)

⑤卓上カレンダー3冊+銀鏡神社お守りコース …5,000円
 (税込・送料込)

⑥壁掛けカレンダー3冊+銀鏡神社お守りコース…5,500円
 (税込・送料込)

⑦卓上3冊+壁掛3冊+銀鏡神社お守りコース …10,500円
  (税込・送料込)

⑧Art Photo AYA撮影1時間+卓上+壁掛け+銀鏡神社お守りコース…20,000円
 (税込・送料込)
 ※撮影は全てロケーション撮影です。
 ※宮崎市内は交通費無料です。
  その他宮崎市外・宮崎県外の交通費についてはコチラをご覧ください。
    →https://www.artphotoaya.com/traveling-expense
 ※チケットの有効期限は1年です(期間:2020年1月1日~2020年12月31日)

⑨Art Photo AYA撮影1日(5時間)+卓上+壁掛け+銀鏡神社お守りコース…50,000円
 (税込・送料込)
 ※チケットの有効期限は1年
 ※撮影は全てロケーション撮影です。
 ※宮崎市内は交通費無料です。
  その他宮崎市外・宮崎県外の交通費についてはコチラをご覧ください。
    →https://www.artphotoaya.com/traveling-expense
 ※チケットの有効期限は1年です(期間:2020年1月1日~2020年12月31日)


~ 実施スケジュール ~

2019年11月10日 プロジェクト開始

2019年11月下旬 カレンダーデザイン決定

2019年11月29日 クラウドファンディング募集終了

2019年11月30日 カレンダーデータ入稿

2019年12月10日 カレンダー完成(予定)

2019年12月11日 返礼品準備開始(12月20日ころまでに発送完了予定)

2019年12月14日 銀鏡神楽大祭にてカレンダー販売

2020年1月 カレンダー売上等のご報告


~ 最後に ~

 毎年、銀鏡神楽に魅せられた多くの人が、全国各地から12月の寒い日に銀鏡地区を訪れます。その魅せられた中の一人が私です。多くの神楽がある中で、銀鏡神楽には特別な何かを感じています。私の母方の祖母が米良出身なので、その血がそうさせているのかもしれません。もしかしたら、私の先祖の中にも、この神楽に関わっていた人がいたのかもしれません。今回、私が銀鏡神楽の為に、銀鏡地区の皆さんの為に行動しようと思ったのには、その先祖たちからの願いも影響していたのかもしれません。

(銀鏡地区の桜)

 銀鏡神楽は、銀鏡に産まれ・銀鏡で育ち・幼いころから神楽に関わり・先祖からの文化と歴史と意思を受け継いだ人が、12月14日の夜・あの場所で舞うからこそ銀鏡神楽なのです。私に神楽を舞う事は出来ませんが、守る事のお手伝いは出来ます。銀鏡神楽を撮影するようになってまだ4年目です。ですが、この神楽を守りたいと言う思いは誰よりも強いと思っています。


 私が唯一出来る事。

写真を撮る事。

それを通じて銀鏡神楽を守っていきたい。


 この思いを実現させるために、皆さんのお力をお貸しください。どうかよろしくお願いします。


(川遊びをする子どもたち・この子たちが将来の銀鏡神楽伝承者です)




~ 募集方式 ~

 本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

 

~お問合せ先 ~

Art Photo AYA
写真家 綾 順博(アヤ ノブヒロ)
 ℡ 090-3192-1969
 ✉ nob01@nifty.com

 ※直接ご支援いただける場合もこちらにご連絡ください。


このプロジェクト内で掲載している写真・動画の著作権は全て綾順博にあります。
また、銀鏡地区・銀鏡神楽保存会からプロジェクトでの写真・動画の掲載許可を得ています。

  • 2019/12/17 15:44

    こんにちは。写真家の綾 順博(あや のぶひろ)です。2019年銀鏡神楽が終了いたしました。12月12日の門〆祭に始まり12月13日の星の舞12月14日の大祭12月15日の本殿祭12月16日のししば祭まで全ての神事を撮影し、最後の直会まで参加させていただき今日帰宅しました。今回のクラウドファンデ...

  • 2019/12/09 15:59

     皆さんの応援・ご支援のお陰で 銀鏡神楽のカレンダーが無事に完成しました! 今回は短い期間での制作でしたのでシンプルなカレンダーです。シンプルながらも厳選した写真を使用しました。 少しでも神楽の雰囲気が伝わると嬉しいです。 このカレンダーは、12月14日の銀鏡神楽大祭にて 販売開始致します。 ...

  • 2019/11/30 01:51

    こんばんは。写真家の綾 順博(あや のぶひろ)です。2019年11月29日23:59「銀鏡神楽のカレンダーを作って、神楽を守り・伝えていくための資金を作りたい!」クラウドファンディング募集が終了いたしました。支援総額 517,500円達成率 129%支援人数 66人取り急ぎ、無事に終了したご報...

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