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コロナ禍で延期されたヴェネチア・ビエンナーレ建築展の日本館関連企画を盛り上げたい

コロナ禍で延期され、2021年5月22日~11月21日に開催されることとなったヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館の展示として、半年間の会期中にわたって展示物がつくり続けられる、参加型の展覧会を実現します。閉幕後も、展示物が別の建物やプロダクトへと転用され、未来へとつながる展示を目指します。

現在の支援総額

4,825,888

160%

目標金額は3,000,000円

支援者数

259

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2020/08/11に募集を開始し、 259人の支援により 4,825,888円の資金を集め、 2020/10/01に募集を終了しました

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現在の支援総額

4,825,888

160%達成

終了

目標金額3,000,000

支援者数259

このプロジェクトは、2020/08/11に募集を開始し、 259人の支援により 4,825,888円の資金を集め、 2020/10/01に募集を終了しました

コロナ禍で延期され、2021年5月22日~11月21日に開催されることとなったヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館の展示として、半年間の会期中にわたって展示物がつくり続けられる、参加型の展覧会を実現します。閉幕後も、展示物が別の建物やプロダクトへと転用され、未来へとつながる展示を目指します。

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残り6日というところで、目標額に達することができました!ご支援くださったたくさんのみなさま、本当にありがとうございました!!みなさまからいただいたコメントに力づけられ、励まされています。
現在は展覧会で使った木材をコミューナルな文化施設へと活用するプロジェクトを進めつつあり、さらなるご支援をいただけますとたいへんありがたい状況です。
最後まで全力で走りきりたいと思いますので、どうか引き続きぜひお力添えください!

はじめに

わたしたち門脇耕三・長坂常・岩瀬諒子・木内俊克・砂山太一・元木大輔・長嶋りかこ・福元成武は、ふだんは別々にそれぞれの創作活動をしていますが、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館展示の出展者として選定していただくことになり、2020年5月の開幕に向けて、これまで一丸となって準備を進めてきました。

ところが、このコロナ禍で、ヴェネチア・ビエンナーレの開幕が1年延期することになりました。しかしわたしたち日本館展示チームは、より良い展示を安全に実施すべく、延期になった期間も休まずに活動を続けています。また、延期によって生じた時間をつかって、日本館展示とは別に、関連する新たな企画にも取り組んでいます。そこで、この新たな企画を中心とした1年間の活動予算について、みなさまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングを立ち上げることといたしました。

このクラウドファンディングが、わたしたちの活動をより多くのみなさまにお伝えできる機会になれば幸いです。


ヴェネチア・ビエンナーレと日本館の展示について

ヴェネチア・ビエンナーレとは、イタリアの水上都市ヴェネチアで開催される、国際的な展覧会です。世界最大規模の国際美術展として著名なこの展覧会は、歴史も長く、第1回の開催は1895年。当初は美術展からスタートしましたが、1980年からは建築展も開かれるようになり、現在では、美術展と建築展が毎年交互に開かれています。

水上都市ヴェネチアの街並み

ヴェネチア・ビエンナーレは、たいへん古い起源をもつ展覧会ですから、その形式も古式ゆかしく、参加の単位は「国」です。同じく19世紀末に始まったオリンピックと同様に、各国がそれぞれ、国を代表する出展作家を選び、独自の展覧会の企画を立てて競演するのです。

各国が独自の展覧会の企画を立てて競演するヴェネチア・ビエンナーレそして、コロナ禍で空白となった2020年の1年間を経て、2021年には建築展が開かれます。

期間中は、ヴェネチアの至るところで関連の展覧会が開催されます。まさに「美術のオリンピック」と呼ぶべき状況が出現するわけです。日本は、メイン会場となる「ジャルディーニ」(イタリア語で「公園」という意味で、実際にヴェネチア市最大の公園です)のなかに、独自のパビリオンである「日本館」を持っています。

ヴェネチア・ビエンナーレ日本館

2021年は、この日本館で、わたしたち門脇耕三、長坂常、岩瀬諒子、木内俊克、砂山太一、元木大輔、長嶋りかこ、福元成武らのチームにより、『Co-ownership of Action : Trajectories of Elements』(邦題『ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡』)と題した展覧会を開催する運びとなりました。

建築展では、一般的に、建築家の作品である建物そのものを展示することができません。建物はあまりに大きく、移設することが難しいからです。そこで、多くの建築展では、建物に代わって、模型や図面やドローイングを展示します。

ところが、わたしたちは今回、日本に建っていた建物をヴェネチアまで運び、世界中から来る観客に向けて展示するという、前代未聞の試みに挑むことにしました。

とはいえ、ヴェネチアまで運ぶのは、わたしたち自身の作品というわけではありません。戦後にたくさん建てられた、どこか懐かしい、日本ではごくあたり前の木造住宅を運びます。

ヴェネチアへと運ぶ住宅 ⒸJan Vranovský

あたり前に見えるこうした住宅も、現在はどんどんと姿を消しています。この住宅も、建替えのため壊されようとしているところを譲り受けたものでした。

かわいらしくも愛らしいこの住宅を、いったん解体してヴェネチアへと運ぶ。それだけではなく、わたしたちなりにこの住宅を組み立てなおして展示する。これが今回の展覧会の骨子です。


このプロジェクトで実現したいこと

しかし、なぜわざわざこんなことをするのでしょうか。

その理由は、第一に、わたしたちが現代の大量消費社会に大きな違和感を抱いていることにあります。

とどまるところをしらない大量消費は、モノの大量輸送によって助長されている側面があります。 そこで、不要になった住宅を移動させ、異なる文脈と創造的に結びつけることにより、別の特別な見え方を持つものへと変容させることを試みます。

たとえるならば、海外に行くと何もかもが珍しく見えるような状況を、積極的につくろうというわけですが、これによって、移動がむしろみずみずしい再生の契機となり得ることを示したいと思っています。

住宅を解体して出た資材。そのままにしておくと大量のゴミになります ⒸJan Vranovský 

また、わたしたちは、これまでの「作品」のあり方にも大きな疑問を持っています。

建築「作品」と聞くと、どことなく作家である建築家だけのもののように感じてしまいます。しかし実際には、施工者や職人やクライアントと議論を重ね、さまざまな人たちの創意工夫が積み重なって、建物はようやく実現するものです。

わたしたちがヴェネチアへと運ぶ住宅も、まさにそうしたものでした。しかもこの住宅には、40年近くという長い時間にわたって、多くの人たちの創意工夫が積み重ねられてきました。わたしたちが行ったリサーチによれば、この住宅では、1954年に平屋として建てられてから、2019年に取り壊されるまでのあいだに、少なくとも4回の大きな増改築が行われたことがわかっています。

ヴェネチアへと運ぶ住宅が建設中だった1954年当時の姿(右)平屋として建てられた新築当初の姿

今回、この住宅にふたたび命を吹き込もうとしている建築家は、この長いリレーのように続く「建築」のバトンを、たったひととき受け継いだ存在に過ぎません。だとするならば、このリレーを、もっとずっと長く続けることはできないか。このプロジェクトで実現したいことは、わたしたちが過去から受け継いだバトンを、さらなる未来へと受け渡すことにほかなりません。

解体された住宅の東京湾の倉庫での輸出作業風景 ⒸJan Vranovský

そのために、何を計画しているのか、具体的に説明します。

展覧会には、組み立てなおされた木造住宅が展示物として並びます。とはいえ、住宅として再生するのではなく、ある部分は映像を投影するスクリーンへ、ある部分は展示壁面へといった具合に、別の用途を持つ展示物として組み立てなおします。

組み立てにあたっては、日本の職人がヴェネチアへと渡り、建築家とともに創意工夫を重ねます。机の上だけで設計を完結させるのではなく、現場に出て、つくりながら考えること。これがわたしたちが大事にしている姿勢です。

また、ヴェネチアへと運んだ住宅をかたちづくっていた資材は膨大で、使わずにあまってしまう資材も生じます。そこで、こうした資材を使って、作業テーブルやベンチ、スツールなどの家具をつくり、会場内に展示していきます。これによって、会期中も成長を続ける展覧会を実現させます。

展覧会のイメージ。木造住宅は日本館の屋外で組み立てなおされ、別の用途で活躍する ⒸDDAA + villageⓇ

家具の制作は、ワークショップ形式で、出展建築家以外の参加者も募って行います。さまざまな人たちが、それぞれに工夫を凝らして展示物の一部をつくる。そうしたことを通じて、建築家ばかりではなく、職人や、観客でさえも、いつの間にか出展者になってしまうような枠組みをつくりたいのです。

家具制作ワークショップのイメージ Ⓒ明治大学構法計画研究室

つまり、みなさんにご覧いただきたいのは、「建物」や「展覧会」などといった時間的・空間的に限定された範囲を大きく超えて存在する、建築の生き生きとしたあり方にほかなりません。

こうしたダイナミックな様相は、ふだんは微動だにしない建物のあり方に反しているように思えるかもしれません。しかしどんな建物も、実際には、数多くの材料のひとときだけの集合であるということもできます。建築は、時間と空間の広大なひろがりのなかに生きているのです。

だとするならば、建築はけっして、特定の誰かだけに帰属するようなものではありません。建物は、無数の人びとによる、無数のふるまいの積み重ねの上に建っています。建物や、その集合体である都市も、みんなでつくりあげた共同の制作物であるということができるでしょう。また、建築資材をはじめとするマテリアルは、わたしたちのあいだを行き交う社会的な共有物であると捉えられそうです。

そんな意識が芽生えれば、環境問題などといった社会正義を持ち出さなくとも、この世界は、これまでとは少しだけ違った、より良い方向に歩みだすはずです。

以上が、わたしたちが実現したいことであり、この展覧会を通じて投げかけたいことです。


プロジェクトをやろうと思った理由:コロナ禍と、展覧会後の資材のゆくえ

冒頭でご説明したとおり、この展覧会は、当初2020年5月に開幕する予定でした。しかしご存じの通り、2020年2月末頃から、新型コロナウイルスがイタリアでも猛威を振るいはじめます。そのため、展覧会全体の主催者であるヴェネチア・ビエンナーレ財団は、開幕の1年延期を決定しました。観光都市ヴェネチアの顔ともいえる祭典の延期は、財団にとって苦渋の決断だったと思います。

しかしこの決定のあとも、より良い展示を実現するため、わたしたちは休まず活動を続けています。また、延期によって生じた時間を使って、展示に使用したマテリアルのその後のゆくえをデザインする新たな企画にも取り組んでいます。そこで、この新たな企画を中心とした1年間の活動予算について、みなさまからのご支援をお願いしたく、クラウドファンディングを立ち上げることといたしました。

新型感染症は収束の兆しも見えておらず、ほかにも支援を必要とされている方々が大勢いらっしゃるなか、このようなお願いをすることには躊躇もありました。しかしわたしたちは、このクラウドファンディングに、展覧会のコンセプトをより明確にする積極的な意味も見いだしており、公開を決意するに至りました。

ヴェネチア・ビエンナーレは注目度が高い反面、いかんせん開催地が遠く、現地での盛り上がりがどうしても日本まで伝わってきません。展覧会には興味があるものの、さすがにヴェネチアまでは行けないという方もたくさんいらっしゃることでしょう。クラウドファンディングは、こうした方々にも、展覧会への「参加」の道筋を提供するものだとわたしたちは考えています。

展覧会の枠組みを超えたプロジェクトの広がりと多様な参加のあり方 ⒸDDAA + villageⓇ

またわたしたちは、このクラウドファンディングを、展示物をさらに別の場所へと移動させ、生まれ変わらせる好機だとも捉えています。具体的には、展示物を構成していた住宅の木材などのマテリアルを転用(アップサイクル)し、ご支援いただいた方々にリターンとしてお届けする計画を新たに立ち上げました。その裏には、わざわざヴェネチアまで持っていったものを、ゴミとして現地に捨てたくはないという素朴な思いもあります。 

このプロジェクトは、時間的にも大きな広がりをもったものですから、展覧会の終わりが、プロジェクトの終わりではありません。展覧会閉幕後の展示物のゆくえを考えることは、したがって、わたしたちにとってはごく自然なことでした。

展覧会終了後に出る廃材を使ったアップサイクル・プロダクトのスタディ Ⓒ木内建築計画事務所

さらに、これらのマテリアルを使って、ヴェネチア近くの移民コミュニティのための、社会的なプログラムをもった建物をつくる計画も持ち上がっており、クラウドファンディングの資金は、こうした展覧会終了後の活動にも充てさせていただきたいと思っています。

この無名の木造住宅が、長い旅を経て、そのさらに先へと届く道筋もつくることも、展覧会への多様な参加のあり方を切りひらくことだとわたしたちは考えています。


これまでの活動

わたしたちのこれまでの活動を知っていただくために、まずチームのメンバーをご紹介します。

門脇耕三

今回のヴェネチア・ビエンナーレで日本館のキュレーター(企画責任者)を務めます。明治大学の准教授として研究と教育にたずさわるのと同時に、自身の建築設計事務所をもつ建築家でもあります。2018年に完成した自邸《門脇邸》は、建築作品誌はもちろんのこと、SNS上でも大きな話題となりました。

《門脇邸》(2018) ⒸTakeshiYAMAGISHI

長坂常

出展者として参加する建築家です。鋭い観察眼で今回のデザインチームの牽引役を果たしてくれています。その活躍はめざましく、代表作は、おなじみのBlue Bottle Coffeeなど。建築ばかりではなく、家具のデザインも手がけ、海外ブランドからも作品を発表しています。

《Blue Bottle Coffee Kyoto Cafe》(2018)

岩瀬諒子

建築家。新進気鋭の若手建築家でありながら、堤防のリノベーションであるデビュー作《トコトコダンダン》では、これまでの建築という範囲を軽々と乗り越え、土木やランドスケープとシームレスなデザインを実現させて、世間を驚かせました。

《トコトコダンダン》(2017)

木内俊克

建築家。ヨーロッパとアメリカの建築設計事務所での勤務を経て独立。大学でコンピュテーショナルデザイン教育にたずさわるかたわら、建築ばかりではなく舞台美術のデザインも手がけるなど、その活動はアカデミズムやアートなど広範囲にわたり、守備範囲の広さを活かした作品を制作しています。

《オブジェクトディスコ》(2016)

砂山太一

今回は建築家として参加していますが、京都市立芸術大学で教鞭をとる、建築学と芸術学を専門とする研究者でもあります。芸術とデジタル技術の交錯点を制作側の視点から追求する姿勢には定評があり、このプロジェクトでも、デジタル的・情報学的なアプローチを主導する役割をはたしています。

《かみのいし》(中山英之と協働、2017)元木大輔
建築家。モノが飽和状態にある現代、身近にごくあたり前のもののあり方を、デザインによって軽やかに変質させて、見慣れないものへと変えてしまう手つきは、日々鮮やかさを増していっています。ありふれた日常を、どこか楽しいものへと変えてしまう、注目度ナンバーワンの若手建築家です。

《BANG & OLUFSEN Ginza Flagship Store》(2019)

長嶋りかこ

出展者として参加するグラフィックデザイナーで、カタログやサイン計画など、このプロジェクトのグラフィクス全般を担当しています。デザインがもたらしてきた環境負荷に自覚的であり、積極的に廃棄物や環境配慮のあるマテリアルをデザインに取り込みながら活動しています。このプロジェクトでも、随所でコンセプトにかかわるような決定的な役割をはたしています。

《scrap_CMYK》(2019) Ⓒkinnasand
使用済みペットボトル100%を原料とした再生ポリエステル生地に
印刷の損紙のインク汚れをパターン化してプリントしたテキスタイル

福元成武
施工会社TANKを率いる凄腕の現場監督。時には建築家として腕を振るい、時にはキックボクシングで鍛えた肉体で工事にも参加するスーパーマンです。「つくりながら考える」このプロジェクトでは絶対不可欠な存在です。ヴェネチアの現場でも大いに活躍してくれるはずです。

《A Dog Run》(2015)

ここでご紹介したほかにも、研究者の青柳憲昌(立命館大学 准教授)、樋渡彩(近畿大学 講師)、松本直之(東京大学 助教)、編集者の飯尾次郎(スペルプラーツ 代表)、建築キュレーターの太田佳代子、写真家としても活動する建築家ヤン・ブラノブセキ、映像作家の仲本拡史など、多種多様な専門をもったメンバーが参加していることも、このプロジェクトの大きな特徴です。

日本館の出展者は、指名コンペを通じて選ばれます。わたしたちが選出されたのは2019年7月。それから何度もミーティングを持ち、議論を重ね、展示計画を練り上げてきました。

ミーティングの風景 ⒸJan Vranovský

延期が決まってからは、チーム内での議論だけではなく、この状況に危機感を持った各国館のメンバーと、オンラインで議論するようになりました。そこで頻出するキーワードは"Solidarity"(連帯)。延期によって生まれた1年間の時間を使って、各国が競争するのではなく、協調を目指す新しいビエンナーレの枠組みの模索が始まっているのです。2021年のヴェネチア・ビエンナーレは、世界の連帯への強い意思を示す歴史的な回となりそうです。

各国館とのオンライン会議

日本館から出た木材を、移民コミュニティの建物の建設資材として活用するプロジェクトは、こうした国際的なやりとりから始まったものです。わたしたちの活動は、展覧会という枠組みをさらにはみ出しつつあり、ご支援いただいたみなさまには、展覧会後の動きもお伝えしていきたいと思っています。


リターンについて

いただいたご支援に対するリターンとして、このプロジェクトでしか手に入らないオリジナルのグッズやプロダクトを用意させていただきました。

(1)オリジナルてぬぐい
まずは協賛企業である「かまわぬ」さん謹製のオリジナルてぬぐい。「つくり続ける」という展覧会のコンセプトを表現するため、工事現場で使われているフォントやグラフィクスをモチーフに、長嶋りかこがデザインしました。

かまわぬ謹製・長嶋りかこデザインのオリジナルてぬぐい。「ストライプ」と「安全第一」の2種類ご用意しましたちなみに、このてぬぐいはヴェネチア・ビエンナーレ公式グッズとして認定されたため、よく見るとヴェネチアのシンボルである「有翼のライオン」が見つかります!

(2)ブルーシート・プロダクト
展覧会場全体のイメージをつくる重要な素材として、今回はブルーシートを採用しています。ブルーシートは、工事現場などでよく見る日本特有のマテリアルですが、これをあえてイタリアの展覧会で用いることで、いつのまにか「カッコよく」見えるような、意味の変容を伴う会場デザインを計画中です。そこで、この会場デザインのコンセプトを体現するブルーシート・プロダクトを、今回の限定品としてご用意しました。なお、このブルーシート・プロダクトは、展覧会場のスタディに用いたブルーシートサンプルをアップサイクルしたものです。

会場デザインの検討に用いたブルーシートのアップサイクル・プロダクト(モックアップ)2020年8月に、わたしたちの展覧会のカタログが発売されましたが、バッグはカタログを入れるのにもぴったりです!

(3)展覧会カタログ・第2弾(クラウドファンディング限定)
上記のカタログには、展覧会のコンセプトに関わる論考や充実したリサーチの成果が掲載されていますが、開幕後の会場のようすは収録されていません。そこで、展覧会のようすやヴェネチアへと運んだ住宅のその後の計画をおさめた「その2」を部数限定のZINE形式で出版します。第1弾のカタログと同じく、デザインは長嶋りかこ、編集は飯尾次郎が担当します。

実際に展覧会で使われたシート素材を装丁に使った第2弾カタログ(モックアップ)第2弾のカタログは、実際の展示物に用いたブルーシートやターポリンなどのシート素材が装丁に使われる予定で、一冊一冊が異なる表情を持つものになりそうです。
市販の予定はありませんので、この機会にぜひご予約ください。お届けは2021年末になる予定です。

(4)出展建築家オリジナル・展示物アップサイクルプロダクト(クラウドファンディング限定)
目玉のリターンです!ヴェネチア・ビエンナーレで実際に展示された木造住宅の部材や、展示に用いたマテリアルをアップサイクルしたオリジナル・プロダクトの数々をご用意しました。
展覧会で使用したマテリアルを使って制作するため、お届けは2021年夏以降になる予定です。

長坂常率いるスキーマ建築計画によるデスクランプ(左)、
元木大輔率いるDDAAによるフラワーベース(中央)、
岩瀬諒子によるコースター(右)、いずれもモックアップ

(5)超希少!ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展内覧会・日本館オープニングペアご招待券
数には限りがありますが、一般公開に先立ち、2021年5月20日・21日に関係者およびプレス向けに開催予定のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展内覧会のペアご招待券をご用意しました。21日には日本館独自のオープニングを予定していますが、もちろんこちらにもご招待いたします。歴史的なビエンナーレの開幕を、ぜひ一緒にお祝いしてください!

2018年の建築展における日本館のオープニング。世界中からVIPが集まります
ⒸAndrea Sarti/CAST1466 提供:国際交流基金

(6)あの名作家具のヴェネチア・ビエンナーレ版を制作!
今回の出展建築家がデザインした超有名家具を、実際に展示された木材を使ったビエンナーレ・バージョンとして、新たに制作します!コレクション価値も高いプロダクトになりそうですが、数には限りがありますので、お早めにご予約ください。

長坂常率いるスキーマ建築計画による《Flat Table》。こちらもビエンナーレバージョンを制作します!なお、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。 また、万が一の可能性として、コロナ禍の影響でヴェネチア・ビエンナーレそのものが延期や中止となる可能性も考えられますが、その場合にも、てぬぐい、オリジナルプロダクトは必ずお届けできるようにいたします(お届けの時期については相談させていただく可能性があります)。第2弾カタログも、内容を一部変更してお届けする予定です。内覧会ご招待券については、中止の場合は返金等の対応をさせていただきます。

見通しが十分にきかない中ではありますが、最良のかたちでオープニングを迎えられるように、あらゆる可能性を考慮して準備を進めていくつもりです。


展覧会の概要とスケジュール

第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示の概要は、以下の通りです。

日本館テーマ
ふるまいの連鎖:エレメントの軌跡

会期
2021年5月22日(土曜日)から11月21日(日曜日)

会場
ヴェネチア市ジャルディーニ地区 ヴェネチア・ビエンナーレ日本館

主催/コミッショナー
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)

特別助成
公益財団法人石橋財団

協賛
株式会社ストローグ
株式会社ジンズホールディングス
医療法人翠光会(まつもと皮膚科クリニック)
株式会社かまわぬ
一般財団法人 窓研究所

協力
アンダーデザイン株式会社
岩崎電気株式会社
株式会社NBCメッシュテック
クモノスコーポレーション株式会社
大光電機株式会社
日本3Dプリンター株式会社
ロトブラース

詳しくはこちらをご覧ください。

最後に

メンバーからもお願いのコメントが届いています。必ず良い展示にしたいと意気込んでいますので、ご支援をいただけますとたいへん幸いです。

デザインチーム全体での集合写真(2020年2月22日のミーティングにて)

1年伸びなければ、そこまで考えられなかったことを考える機会をいただけました。工事の注意喚起サインの有用性とデザイン性の高さ、工事現場で職人さんがさりげなく作る名作家具、「まかない家具」の機能性とデザイン性の高さに関して。その時間を支えてくださる方を募集しています。どうかご協力ください。(長坂常

「グローバルな移動」をテーマにした計画が、奇しくも移動の制限により新たな局面を迎えています。またひとつ、われわれの目の前に大きな課題があらわれてしまいました。真摯に向き合っていきたいと思いますので応援いただけたらとてもうれしいです。 (岩瀬諒子

出展者だけでなく、より多くの皆さんに国際展という営みの当事者になっていただく、またとない機会を得たのだと思っています。営みによって動いたお金、時間、人のふるまいの結実が、当事者になる皆さんの手元に届き、別の営みの起点になる、新しいチャレンジです。奮ってご参加下さい! (木内俊克

世田谷にあった住宅は、解体され、ヴェネチアに運ばれることになりました。屋根だった部分はベンチになり、その後どこかでスタンドライトになるかもしれません。「竣工しない」ということについて、コロナによる延期によって、じっくりと考えることになりました。みなさまにも、展示後のものづくりの連鎖に参加して頂けるととても嬉しいです。多くのご支援どうぞよろしくお願いいたします。 (元木大輔

解体されるはずだった大量の廃棄物から見えてくるものは、名もないつくり手と産業の歴史だけでなく、枯渇しないかの如く絶え間なく自然資本を採取しては、つくり、そして壊し、大量に廃棄してきた人新世の営みかもしれません。メンバーそれぞれがそれらをオブジェクトとして捉え直し、再び人々と共有するための可能性を探っています。活動をご支援いただけたら嬉しいです。(長嶋りかこ) 

紆余曲折が続くプロジェクトですが、困難を好機に変える姿勢をこれまで貫いてきました。クラウドファンディングへの挑戦も何度も議論を重ねて決意したことですが、みなさまからの応援が一番の励みになります。多くのご支援をいただけますようお願い申し上げます。(門脇耕三

最新の活動報告

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  • ご報告がたいへん遅くなってしまいました…!2021年11月23日に、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が閉幕しました。ビエンナーレ最終日、閉幕間近の日本館のようす。韓国館キュレーターのシン・へウォンさんが送ってくれた映像です5月23日に先行きも十分に見えないなかで開幕したビエンナーレでしたが、夏に入った頃にはヴェネチアの観光客もある程度回復し、日本館の最終的な入館者数も、ふたを開けてみれば前回の2018年とほぼ同じ数字にまで達したようです。(詳しい数字は公表されていないので控えますが、15万人を大幅に超える方々に観ていただきました!)8月には日本から建築家たちが渡航し、当初からの念願だった、ヴェネチアの職人さんたちとのオンサイトでのコラボレーションも実現することができました。活躍してくれたヴェネチアの職人のみなさんビジターが観ているなか、建築家と職人が協働して展覧会のバージョンアップを行いましたビジターの皆さんがより楽しめるように随所にバージョンアップを施しましたが、実際に楽しんでいただいている様子を間近で見られて、とても幸せでした。屋根ベンチで思いっきりくつろぐビジターの皆さん ⒸMusashi Makiyama屋根ベンチに追加したコーヒーテーブルでお茶を点てる猛者も!Instagramの投稿より余った材料を使用して、新作家具もたくさん制作しました。長坂常さんデザインのT字型のスツール。旋盤加工によるシンプルなジョイントで古材を組み合わせるというアイデアで、多種多様なスツールが生まれました ⒸMusashi Makiyama砂山太一さん・木内俊克さんデザインのポリカ波板と古材を組み合わせたスツール。宙に浮いた古材の上に座っているような不思議なデザイン元木大輔さんがアップサイクルしたビニール床。マガジンラックや植木鉢として使えます岩瀬諒子さんデザインのスツール。今回制作した家具のなかで一番人気で、何とか手に入れられないかという問い合わせが相次ぎました ⒸMusashi Makiyama バージョンアップ後の展覧会のようすは、archi.toursというウェブサイトがバーチャルツアーtoとして記録してくれました。ぜひ体験してみてください!https://archi.tours/360/venice-biennale-japan/そして、この年末まで時間がかかってしまいましたが、閉幕後に解体した資材の大部分は、オスロへと送る算段をつけることができました。来年は、日本の木造住宅〈高見澤邸〉の記憶をとどめたコミュニティ施設が、オスロ郊外の集合住宅団地の一角に生まれる予定です。オスロにつくられるコミュニティ施設のイメージ ⒸDDAAまた…こちらも予定していた以上の時間がかかってしまいましたが、資材の一部をようやく日本に送り返すことができました!お待たせしてしまっているアップサイクル・プロダクトをはじめとするリターンは、こちらの資材が日本に届き次第、順次制作を開始し、お届けする予定です。あと少しだけお待ちいただけますと幸いです。荷詰めが終わり、日本へと送られるのを待つクレートそういうわけで、このプロジェクトはまだあと少しだけ続きます。来年もお付き合いいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。それでは、どうぞ良いお年をお迎えください。 もっと見る

  • 第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展がぶじ開幕しました!会期は11月21日までです。コロナ禍での設営にはとても苦労したので、一同感無量です…ただ、まだまだ自由に渡航できる状況ではありませんから、日本館展示では、どこからでも楽しめるウェブサイトも制作しました。少し重いサイトなのですが、ぜひ訪れてお楽しみください!https://vba2020.jp/完成写真も一部公開します。自然と溶けあう美しい写真はアルベルト・ストラーダさんによる撮影です。日本館の外観。日本の普通のブルーシートが広告幕がわりになっていて、「移動によって新しい価値をつくる」このプロジェクトの導入の役目を果たしています。デザインの担当は長坂常さんです ⒸAlbetro Strada日本館の庭園入口に置かれた屋根を転用したベンチ。デザインは元木大輔さん。住宅の「部分」を違ったものへと生まれ変わらせるという試みを、言葉を使わず完璧に説明しています ⒸAlbetro Strada岩瀬諒子さんがデザインしたスクリーン。ヴェネチアへと運んだ住宅で印象的だったエメラルド・グリーンの外壁を再構築したものです ⒸAlbetro Strada 岩瀬さんのスクリーンは内部もたいへん印象的です ⒸAlberto Strada木内俊克さんと砂山太一さんが再構築した住宅の外壁。3Dスキャン技術を使った展示幕はここでの生活の面影を伝えています ⒸAlbetro Strada 館内には使われなかった部材が年代順に並んでいます ⒸAlbetro Strada 壁面にはこの住宅が建てられてからヴェネチアへと旅立つまでの写真も年代順に貼られています。観客はここで住宅が生きた歴史を追体験します ⒸAlbetro Strada 館内を出てスロープと階段を下りると、この住宅で使われていた階段に出会います。こちらのデザインは木内俊克さんと砂山太一さん ⒸAlbetro Strada 展示室の下のピロティは工房に見立てられた展示がされていて、すべての展示物がこの場所で再構築されたものであることを伝えています。この部分は長坂常さんがデザインを担当しました ⒸAlbetro Strada 長坂常さんのアイデアで、一部の古材には旋盤加工が施されていますが、ピロティには加工に失敗した木材も並んでいます ⒸAlberto Strada少しだけでも展示の雰囲気が感じられたでしょうか?すでに多くの海外メディアに好意的に取りあげていただいていますが、今後は国内での紹介もたくさん予定されています。建築家チームでは、なんとか夏には渡航したいと話しています。渡航が実現すれば、そのようすはここでもレポートしたいと思っていますので、ぜひ楽しみにお待ちください!---<Exhibition>Theme | How will we live together?Director | Hashim SarkisVenues | Giardini di Castello, Arsenale, etc.Dates | Saturday, May 22 – Sunday, November 21, 2021Website | http://www.labiennale.org/<The Japan Pavilion>Theme | Co-ownership of Action: Trajectories of ElementsCommissioner | The Japan Foundation (JF)Curator | Kozo KadowakiParticipants | Jo Nagasaka / Ryoko Iwase / Toshikatsu Kiuchi / Taichi Sunayama / Daisuke Motogi / Rikako NagashimaExhibition Construction | TANK, etc.Website | https://vba2020.jp/ もっと見る

  • 前回の活動報告からだいぶ間が空いてしまいました。申し訳ありません…!この間、実にさまざまなことがありました。大きなニュースから順にご報告させていただければと思います。第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展、2021年5月22日開幕!コロナ禍が依然として収束しないなか、どうなることかと危ぶまれていた第17回国際建築展ですが、公式にアナウンスされているとおり、2021年5月22日(土)の開幕が確実な情勢です!とはいえ、もちろん、例年とまったく同じように開催というわけにはいきません。ヴェネチア・ビエンナーレ財団からは、COVID-19対策のプロトコルが届き、これにしたがった展示計画が求められています。しかしビエンナーレ財団は、このプロトコルを用いて、国際映画祭をはじめとする大きなイベントをコロナ禍以後も複数回開催することに成功しており、その実績が大きな自信につながっているようです。よっぽどのことがない限り、5月開幕は揺るがないことでしょう。そういうわけで、日本館展示チームも準備に追われる毎日です。残念ながら設営のためにヴェネチアに行くことは叶わないのですが、現地の職人さんともやりとりできるオンラインの通信システムを構築し、万全の体制を整えて準備を進めています。施工チームは現地の職人さんたちで編成しましたが、みんなやるき満々。施工が始まる直前には、こんな動画を撮って送ってくれました。2021年4月22日より、高田馬場の実験スタジオ「BaBaBa」にて関連展開催!そして、もうひとつ大きなニュースです!東京・高田馬場に新しくオープンするケーススタディスタジオ「BaBaBa」にて、日本館展示の関連展を開催させていただくことになりました!!!展覧会のフライヤー展覧会のタイトルは『Dear Takamizawa House』。ヴェネチアへと運んだ《高見澤邸》のヤン・ヴラノブセキさんによる写真と、ビエンナーレのために建築家たちが日本でつくっているモックアップが展示されます。展覧会の詳細は、プレスリリースをご覧ください。モックアップはいまもつくっている最中ですから、会期中は毎週、制作したものを会場に運び込む予定です。こちらは準備展という位置付けですが、ヴェネチアでの展示のコンセプトを引き継いで、会期中に成長していく展覧会となりそうです。スキーマ建築計画によるモックアップ。オリジナルの工具をつくって古材を旋盤加工していますなお、会場である「BaBaBa」は、日本館展示の協力企業であるアンダーデザイン株式会社さんがオープンされたもの。リノベーションの設計は出展建築家である長坂常さんが率いるスキーマ建築計画ですが、実はリノベーションの工事が始まる前に、解体された高見澤邸の部材などを整理する倉庫として使わせていただいた、思い出深い場所です。「BaBaBa」の外観。リノベーションの設計はスキーマ建築計画です ⒸTakumi Otaアンダーデザインさんは通信インフラの構築などを手がける企業ですが、今回のヴェネチアと東京を結ぶ通信システムも、アンダーデザインさんが準備してくださいました!現地とやりとりしながら施工をすすめているようすも、動画でご紹介できそうです。展覧会の詳細は以下のとおりです。実際の展示の雰囲気が感じられるものになると思いますので、ぜひ足を運んでみてください。◆BaBaBa Exhibition vol.1「Dear Takamizawa House」会期:2021年4月22日(木)-5月30日(日)会場:BaBaBa 東京都新宿区下落合2-5-15 1F時間:12:00-19:00 (土・日・祝 11:00 - 18:00 )主催:アンダーデザイン株式会社協力:第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示チーム→ プレスリリース高見澤邸をオスロへ移動するプロジェクトに大きな前進がありました!ところで、ビエンナーレの会期終了後は、ヴェネチアで展示した《高見澤邸》を、ノルウェーのオスロまで運ぶプロジェクトをすすめていることを以前ご報告しました。このプロジェクトはフィリピン館と一緒に進めているものですが、フィリピン館のみなさんと一緒に、公共の場に置かれるアートを支援する団体であるパブリック・アート・ノルウェーの助成に申し込んだところ、なんと60万クローネ(約780万円)もの助成が決定しました!この金額は、今年のノルウェーでもっとも大きなもので、たいへん名誉なことだと伺いました。オスロに移動した《高見澤邸》のイメージ ⒸDDAAそういうわけで、この一連のプロジェクトはまだまだ終わりそうにありませんが、引き続きご支援いただけますとうれしい限りです! もっと見る

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      支援者:0人

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