■はじめに・ご挨拶

はじめまして!カレー屋ヒゲめがね」店主の豊田陽介(とよだようすけ)と申します。
まずは、簡単に自己紹介をさせてください。
現在40歳、3児の父親です。

食べるのが好き、特にカレーが大好き、そんな単純な理由ながら、ご縁を頂き新卒でハウス食品に入社。入社後、業務の一環として、スパイスの魅力を広く世の中に伝える役割を担う「スパイスマスター(ハウス食品の社内資格)」に任命され、様々な場面でスパイスの啓発活動に従事してきました。

そんな活動を通して、徐々にスパイスカレーの奥深さにのめり込む様に。そこから、なんとも不思議なご縁が積み重なる中で、2020年3月末、17年間務めてきたハウス食品を退社、長野県佐久穂町にIターンして「カレー屋ヒゲめがね」の6月オープンに向けた準備を開始しました!

スパイスカレーを通じて、皆さんに笑顔をお届けします。

■今回のプロジェクトで実現したいこと

実現したいことは2つあります。

1つ目は「ご縁を頂いた佐久穂町の皆様に、拘りのスパイスカレーを通じて、笑顔をお届けしたい」ということ。

そしてもう1つが「Iターンして、カレー屋をやって、果たして生活が成り立つのか!?今回のプロジェクトを通じて検証を行い、同様の生き方を模索されている方を後押しできる事例を作りたい」と考えています。

以下、

1.佐久穂町とのご縁の始まり
2.なぜカレー屋をはじめるのか
3.Iターンでカレー屋が成り立つかの検証
4.どんなカレー屋を目指すのか?
5.リターン品
6.資金の使い道

7.最後に
(おまけ)店主の生い立ち

の順にご説明をさせて頂きます。


1.佐久穂町とのご縁の始まり

きっかけは、2つあります。

1つめ。3番目の子が産まれた時に、1年の育休を取得しました(なぜ育休1年も取ったかを話すと長くなるので割愛しますが、気になる方はページ最後の生い立ちをご覧ください)。
育休を取ったからこそ出来るチャレンジとして、自然豊かな環境への「短期移住」を計画。息子が大好きな虫捕りが出来て、妻が就農経験が可能といった条件で探していたところ、妻の友人からの紹介もあり、偶然にも佐久穂町にご縁を頂くことになりました。

佐久穂町は長野県東側にあり、練馬ICから車で2時間と、都心からもアクセスしやすい立地。

実際に1か月住んでみて、豊かな自然、たくさんの生物、魅力的な人達との出会い、そして新鮮で美味しいお野菜たち。豊かに生きるとは何かを考えさせられ、都会とはまた違った自然の中で暮らす良さにすっかり魅了されていきました。こういう生活ってありなんじゃないか、こういう町で暮らせたら最高じゃないかと考えるようになりました。
※佐久穂町の良さについては、ぜひ佐久穂町観光協会のホームページもご参照ください。

佐久穂の遊びの達人に教えて貰った安全に遊べる川。毎日のように出かけて、真っ黒くろすけに。

短期移住でお世話になった皆さんへのお礼のカレーパーティー。本当に魅力的な方ばかりで、皆さんに良くしてい頂いたことが、佐久穂町移住のきっかけになりました。


もう1つが、「大日向小学校」との出会い。
これも本当に偶然なのですが、たまたま短期移住した佐久穂町で、日本初のイエナプランスクール「大日向小学校」が翌春に向けて開校の準備を進めており、体験スクールがあるという話を聞きつけました。これも何かの縁だと思い、息子を連れて参加したのですが、そこで見せた息子のイキイキと楽しそうな顔に衝撃を受けるのでした。

体験スクールは、お気に入りの石を見つけて発表するという内容。独特の空間使いに息子の個性が滲みでるが、このような書き方を修正することなく、受け入れ、認めてくれる学校でした。

大日向小の「一人一人が持つ個性に寄り添い、その個性の良さを互いに受容しあい、自己決定する機会を作ることで、幸せになれる子を育てる」といった考え方に非常に共感し、また実際に息子が伸び伸びとしている姿を目の当たりにしたことで、こんな学校に通わせてあげたい、この学校で育つ息子を見てみたいと思うようになりました。

大日向小学校のホームページはこちら。是非、ご参照ください!

想いは募り、2019年の春より、神奈川県から長野県佐久市に移住。子供は大日向小学校に、自分は平日は都心に働きに出て、週末は長野に帰る2拠点生活をスタートさせました。


2.なぜカレー屋を始めるのか

次に、なぜカレー屋をはじめようと思ったのかについて。

元々カレーが好きだったということもありますが、業務としてスパイスマスターに任命をされたことをきっかけに、スパイスカレーの探求が始まります。一口にカレーといっても、スパイスの配合の仕方はもちろん、スパイスへの火の入れ方、素材との合わせ方等々、様々な要素の掛け合わせで出来るカレーは、まさに無限の可能性を秘めており、そのカレーの美味しさを追求することに面白みを感じるようになっていきました。

何百とあるスパイスをどうブレンドするかセンスが問われる。だからこそスパイスは面白い!

身に付けたスパイスの知見は、皆さまに少しでも還元すべく、プライベートでもスパイスカレー教室を主宰するように。回を重ねていくうちに、色々な方から教室をやって欲しい、イベントでカレー出して欲しいとの嬉しいお声掛けも頂くようになりました。実際、そのような場で、スパイスカレーの魅力をお伝えし、多くの方々に喜んで頂ける姿を直に見ることが出来ると、自分自身本当に嬉しくて、楽しくて。

更なる決め手は、息子の一言。ある日カレーイベントを手伝ってくれていた息子が唐突に「お父さんのカレーで、こんなに多くの人が喜んでくれるなんて凄いね!」と嬉しそうに話してくれたことも後押しとなり、「お客さまと直接触れ合えるカレー屋をやっていく人生も面白いのでは!」と考えるようになりました。

親子で学ぶスパイスカレー講座のワンシーン。子供でも作れる、なのに本格的なスパイスカレーが学べると、好評を頂いています。

そんなカレーへの思いが募り、実際に、カレー屋をやろうと思ってることを口に出してみると、本当に色々なご縁が驚くほど繋がっていくように。これはもう何かの天啓だな、やるしかないな!と思えるようになりました。

例えば、妻が働かせて頂いている「いそベジ農場」さんとのご縁。拘りの有機野菜を作られている農家さんなのですが、ここの本当に美味しいお野菜をカレーの材料として提供頂けることも、カレー屋をやってみようと思うきっかけになりました。

いそベジ農場さんのホームページ


例えば、佐久穂町にある素敵なドーナツカフェ「mikko」さんとのご縁。お店を借りての間借りカレーイベントを2回やらせていただき、地元の方にも「また食べたい!」とご評価を頂けたことも、一歩踏み出す勇気になりました。

mikkoさんのホームページ

例えば、神奈川県日吉にあるカレー屋「HI HOW ARE YOU」 さんとのご縁。自分が日本で一番美味しいと思っているカレー屋さん、長野に引っ越す前は頻繁に通わせて頂いてたんですが、今回のカレー屋オープンを面白がってくれて、修行を受け入れてくれたことも、大きな後押しになりました。

ハイハワユーさんのホームページ

更には、「住居兼居ぬき店舗物件」との偶然の出会い。もともと違う物件に目星をつけて内覧に出かけたのですが、規模感が合わず断念。どうしたものかと思っていたら、その物件のすぐそばに、ネット上は「住居」という形で売りに出ていたが「店舗付き」だった住居物件と遭遇。低コストで住居も店舗も持つことが出来たことも、一歩を踏み出す機会となりました。

元スナックニューウェイ。ここを改修して、カレー屋ヒゲめがねを作っていきます

言霊という言葉がありますが、やはり口に出して宣言するというのは大きいんだなと身を持って実感しつつ、人のご縁に感謝しまくりの今日この頃です。


3.Iターンでカレー屋が成り立つかの検証

なぜそんなことをしたいと思ったのか。

「Iターンしてカレー屋を始めることにしました!」という話をすると、たいてい2パターンの反応が返ってきます。

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パターン①
Iターンでカレー屋?正気?生活できるの!?

パターン②
まじか!凄い!いいな、羨ましい・・・!

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この2パターン、カレー屋やることに対する賛否としては真逆の反応ですが、そこには共通の視点があります。それは「地方にIターンして、カレー屋をやって、本当に飯が食えるのか?」ということ。確かにそうですよね、自分も本当に飯が食えるのか、子供3人もいるのに。めっちゃ心配です(笑)。

ですが、この周囲が示す反応や、自分自身の心配の裏を返せば、これは検証するに値する実験になりうるのではないか!?と思ったわけです。地方にIターンして、何か事業をしてみたい・・・と思いつつも、何となく不安が付きまとって、一歩踏み出せない方々にとって、何よりも知りたいのは、実際にやってみてどうなのか?の先行事例ではないか。さらにストレートに言えば、具体的に売り上げってどれぐらい上がるのか、なのではないかと思うのです。

自分自身「カレー屋ヒゲめがね」をトライするにあたり、グーグル先生に「地方、Iターン、カレー、売上」と尋ねてみたものの、欲しい情報は見当たらず。であれば、自分がそのデータの提供者になれたら良いんじゃないかと考えました。

地方への移住・Iターン起業するような方は、まだまだ少数かもしれませんが、人生100年時代と言われ、生き方も大きく変わってくる中で、今回のコロナ禍が発生。都心・地方といった概念も根底から見直され、地方に拠点を移した生き方を選択される方も加速度的に増えて行くと思われます。そう考えると、今回の「カレー屋ヒゲめがね」の取り組みを先行事例として発信することは、きっと意味があるのではないかと思います。

なので、今回のプロジェクトは、ご支援いただいた方に対する1つのリターンとして「オープンしてからの経営のリアルをお伝えする」ことでお返しする、それが皆様の一歩を踏み出すきっかけづくりになるのではないか。やりたいと思ってたことをやれる人が一人でも増えれば、世の中がまたちょっと面白くなっていくのではないか!?と思っていますし、このリターンがこのプロジェクトのユニークなところではないかと思っています。


4.カレー屋ヒゲめがねとは、どんなカレー屋なのか

何系のカレーを出すんですか?とよく聞かれるのですが、この問いへの答えはいつも迷ってしまいます。強いていえば「スパイスカレー」になるんだと思いますが、大阪発で流行っているようなスパイスがやたらジャリジャリするようなカレーではありません。

1つ1つのスパイスの特徴をじっくりと引き出し、スパイスが持つ各々の香味をしっかりと感じて頂くことで、食べ終えた時にジワジワっと身体の内側から元気が湧き出るような、「ハァぁぁァー」といった嘆息が自然と漏れ出るような、そんな『細胞から元気になるカレー』を目指しています。
って、伝わりますでしょうか??ウーン、言葉で伝えるのは難しい。ので、ぜひ、一度食べに来て下さい(笑)

スパイスの香味を油にうつすテンパりングの様子。カレーは1つ1つスパイスから手作りしています。

クローブとカルダモンをキリリと効かせたスパイスキーマ。食べ終わると胃がスーっとスッキリしつつ、また食べたくなる。そんなヤミツキになるカレーです

店頭で出すカレーはこんなイメージです。1種類盛り900円、2種類盛り1100円を予定しています。ニンジンとタマネギのアチャール付き。

また、どんなお店の雰囲気にするんですか?これも良く聞かれる質問ですが「北欧レトロ」な雰囲気のお店づくりを目指しています。少々説明を。

まず北欧。佐久穂町には八千穂高原という素敵な景勝地があり、そこがどこか北欧っぽい雰囲気があるなーと感じてまして。更には、我が家が北欧系のデザインや雰囲気が好きなこともあり、北欧っぽい雰囲気はお店に取り入れられたらと思っています。

雰囲気最高の八千穂レイク。どことなく北欧の雰囲気を感じませんか?

もう一方のレトロ。今回のカレー屋は、長年地元の皆さまから愛されていたスナックの居抜きで始めます。譲って頂いたスナックが持つ古き良きレトロな雰囲気は、お店の特徴として引き継いで行きたいと思っています。

レトロな雰囲気を持つライトはそのまま活用

っと、「北欧」×「レトロ」とコンセプトを置いてみたものの、果たしてどんなイメージになるのか、正に模索中です。イメージ図があればここでお示したいところですが、そのようなものも無いため、また内装が出来上がってきましたら、活動報告の中で共有させて頂ければと思います。


5.リターンのご紹介

①ヒゲめがね経営リアルの共有
・こちらをご支援頂いた方は、フェイスブックの非公開グループにご招待します。
・非公開グループの中で、1か月毎に、営業状況(1ヵ月の活動概要と売上状況等)を報告させて頂きます。
・参加メンバーは、ヒゲめがね店主と双方向のやりとりが可能です。色々ご質問下さい。
・非公開グループへの招待は登録頂いたメールアドレス宛に、招待リンクをお送りします。
・ご参加には、フェイスブックのアカウントが必用になります。
・期間は、開業後1年間とさせて頂きます。
・支援金 30,000円

②ヒゲめがね特性カレーレシピ&スパイスセット
・お店で出そうと思っているメニューの1つ「スパイスキーマカレー」のレシピと、レシピを作る上で必要なスパイスをセットにしてご自宅に送付します。
・スパイスは店主がお世話になっていたハウス食品の「GABAN」でお届け!GABANのクオリティーも併せて体感頂けたらと思います。
・6月お届け予定です
・支援金 10,000円

③ヒゲめがね・お得な回数券
・通常店頭価格よりお得にカレーが食べられる回数券です。
・6回分の回数券になります
・回数券は、1種盛り(900円予定)・2種盛り(1100円予定)、どちらにもお使いいただけます。
・テイクアウトにもお使い頂けます(テイクアウトは1種盛りのみとなります)
・有効期限は開店から1年間とさせて頂きます。
・支援金 5,000円

④ヒゲめがね割引定期券(本人限定)
・ヒゲめがね特性カレーが、200円引きでご注文頂けます。
・割引定期券をご支援頂いたご本人様のみお使い頂けます。
・使用は1日1回まで、有効期間は開店から1年とさせて頂きます
・支援金 5,000円

⑤ヒゲめがね割引定期券(ファミリーカード)
・ヒゲめがね特性カレーが、200円引きでご注文頂けます。
・申し込み頂いたご家族、及びそのご家族がお連れ頂いたご友人にもお使い頂けます。(テイクアウトの場合は、5個までお値引き致します)
・また貸しでの利用はご遠慮下さい。
・使用は1日1回まで、有効期間は開店から1年とさせて頂きます
・支援金 10,000円

⑥レンタルヒゲめがねオヤジ
・ヒゲめがね店主がご指定の場所に伺います。
・ご希望のカレー作り or カレー教室を行います。
・詳細は、ご支援者と相談の上、決定させて頂きます(交通費・材料費は別途実費を頂戴します)
・対象エリアは国内とさせて頂きます
・レンタルの際には相互の安全のために、複数人の参加、または公共の場での実施にご協力下さい。
・支援金 50,000円

⑦ヒゲめがねホームページでの名前掲載
・ご支援への御礼メールと合わせて、ヒゲめがねホームページ(現在作成中)の支援者一覧に名前を記載します。
・支援時に、ホームページに掲載するご希望のお名前を必ず備考欄にご記入下さい。
・支援金 2,000円


6.資金の使い道

皆様からの頂いたご支援金については、お客様にお店を認知を頂くための素敵な「看板作り」に活用させて頂きたいと思います。

この看板を「カレー屋ヒゲめがね」に変えさせて頂きます!

もし、ありがたいことに想定を上回るご支援を頂いた場合には、コロナによる影響で厳しい立ち上がりになるであろことも踏まえて、開店後の運転資金とさせて頂ければと思います。


7.最後に

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
ここに至るまでには、紆余曲折のスッタモンダがありました。安定したサラリーマンの方が良いんじゃないか、何度そう思ったか分かりません。それでもこうして一歩を踏み出すことが出来たのは、ここでは書ききれない、多くの仲間たちからの心温まる応援があったからこそ。こういうチャレンジをしようと思った時に、ドリームキラーではない仲間がいるというのは大きくて、そのような繋がりを培ってこれて、本当に良かったと思います。ここまで来れたのは、本当に皆様からの支援があってこそ、改めて感謝申し上げます!

未曾有のコロナを前に、皆さま大変な日々をお過ごしだと思います。そんな状況だからこそ、カレー屋ヒゲめがね拘りのスパイスカレーで佐久穂町に笑顔を、そして今回のプロジェクトを通じて、少しでも日本に元気をお届けできるよう頑張っていきたいと思いますので、皆様の温かいご支援、宜しくお願いします。

●カレー屋ヒゲめがね
・住所:長野県南佐久郡佐久穂町大字高野町2950-8
・営業予定:火、水、金、土曜日 11:00~15:00予定
※実際の営業日は後々作成しますホームページ・SNS等でご確認下さい。

皆さまのご来店、心よりお待ちしています!


本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


(おまけ)店主の生い立ち

ここからはおまけです。

小さな子供が3人居ながら、安定したサラリーマンを辞め、Iターンして、カレー屋を始めるのは、自分の中でもかなり葛藤がある選択でした。にも関わらず、なぜそんな道に踏み出したのか。その背景を知っていただくのも、皆さんが一歩を踏み出す際の何かの参考になるかもしれないと思って書き連ねてみます。何分、半生を振り返っているので長いです。ご容赦下さい。もしご興味があれば、ご笑覧頂ければと思います。

●荒れた中学時代に形成された価値観

だいぶ遡りますが、中学時代のお話から。父親の浮気が本気となって、家に帰ってこなくなり、突如母子家庭に。この出来事が自身の反抗期ともぶつかって、荒れました。授業をボイコットして学級委員長を首になったり、三軒先まで聞こえるような大音量でZARDの「負けないで」を流してみたり(笑)。なんとも幼い抵抗で、お恥ずかしい限りですが、当時はそれなりに悩んでまして、今思えば、この時に、人生を大きく方向付ける2つの価値観が生まれたように思います。1つは「人から嫌われたくない」、もう1つは「自分が父親になったら暖かい家庭を築きたい」と強く思うようになりました。


●期待ハンターからの猛烈サラリーマン

そんな中学暗黒時代も経て、人に嫌われないための方法論を自分の中で自然と模索するようになりました。たどり着いた答えは「周りの期待がどこにあるのかを探り、その期待から外れないように、自分の言動を寄せていく」こと。

こうやって文字に起こすと、なんとなく卑屈な生き方のような気もしますが、人の期待に応えようと努力をすることで、自身の成長にもつながり、成果も出るようになり、人にも喜んでもらえ、自分の価値も感じられる。成果が出ると更に期待値があがってそれに応えるために、もっと努力をするという「成長スパイラル」に入ることができました。この生き方が自身の成功体験として積み上がり、自分の生き方の軸となっていきました。

ハウス食品の一員になって以降も、会社からの期待に応えるべく、24時間タタカエマスモード全開、仕事の報酬は仕事のスタンスで爆走、順調にキャリアを積み上げていきました。


●脱・井の中の蛙。流産からの育休取得

そんな順調なサラリーマン生活を送る中で変化が生まれます。

きっかけは、新規事業担当となり、盛んに社外との交流を持つようになったこと。そこは、自分が何をしたいのか、常に主語が自分にある世界でした。いつもの癖で、そんな熱い皆さんに合わせて、自分も熱いフリをしながら、自分を主語にして考えようとするも、上手く言葉が紡げない。そのことに焦りも感じつつ、このまま誰かの期待に沿って生きていくので良いのか、いったい自分は何がしたいのか、どうありたいのかを考えるようになりました。

そして、同時期に立て続けに流産を経験。子供が無事に生まれてくるのは決して当たり前ではない、奇跡的なことなのだと痛感させられました。と同時に「自分は暖かい家庭を作る」と強く思っていたにも関わらず、仕事一辺倒だった自分にハタと気が付き、愕然とし、自分の根っこにある価値観を改めて思い返すのでした。

そんな経験も重なって、3人目の子供が無事に生まれた時に、思い切って1年間の育休取得に踏み切りました。仕事大好き人間が、突如1年の育休取得をするということで、少なからず会社をザワツカセ、職場にご迷惑もおかけしましたが、育休取得を後押ししてくれた、会社・上司・メンバーには、今でも本当に感謝しています。


●佐久穂町との出会い。ご縁の始まり。

1年の育休生活は、大変なことも多々ありましたが、本当に素晴らしい経験になりました。子供の劇的な変化を間近で見られる、世の中には子育てよりも楽しいことはないんではないか、なんなら専業主夫になりたい!と思ったぐらいです。

※育休取得体験に関しては、KOKUYOさんのオウンドメディアWorMoさんにて記事にして頂いていますので、良かったらご参照ください。記事はこちら

そんな1年の育休生活の中でも、大きなチャレンジとなったのが、長野県佐久穂町への一か月の短期移住でした。

佐久穂町という自然豊かな環境で暮らしてみる中で、また偶然にも大日向小学校と出逢う中で、豊かさとは何か、子育てする上でのより良い環境とは何かを考えさせられたのは、上述した通りです。

思いは募り、2019年の春に、神奈川県から長野県佐久市に移住。子供は大日向小学校に、自分は平日は都心に働きに出て、週末は長野に帰る2拠点生活をスタートさせました。


●復職後の落とし穴。その先で気付いた本心

1年の育休取得は、自分で取りたいと思って取ったわけですが、これが本当に良かった。誰かの期待に応えるのでもなく、自らの意思で決定することで自己効力感はこんなにも高まるのか!?と、新しい世界が開ける感じがして、人生にはこんな生き方もあったことを、恥ずかしながら40歳になって初めて、実感することができました。

ただそのような実感を持って、職場復帰すると、困った問題が起きました。それは、今までのように周りから寄せられる期待が、自分自身のやる気の源にならず、かえって重荷に感じるように。自分が本当にやりたいことでないと、出力が上がらないような状態に陥ってしまいました。

そんな思いが産まれたことに、自分自身、大いに戸惑いました。そんな思いを持つこと自体「育休で1年も休みを貰っておきながら、なんて身勝手な・・・」と自分を責めるようになりました。そうやって自分で自分をダメな奴だと思うようになると、あらゆるシーンで出来ない自分に目が行くようになり、どんどん自信を失い、自信が無いので発言にも力がこもらず、成果も出ない。仕事で成果を出せない自分には価値がないと思い込み、さらに自己嫌悪に陥るという「負のスパイラル」にはまっていきました。

誰かの期待に応えることを起点に、成長し、成果を出し、感謝され、自分の価値を感じるという、長年に渡って積み上げてきた「自分の生き方の軸」が、ここにきて完全に崩壊してしまいました。

会社からしたら「そんなの知るか!育休取った分も働け!」となるのが一般的だと思うのですが、ハウス食品というのは本当に良い会社でして、上司との1on1の中で「何か悩んでることある?もっと喜怒哀楽を表に出せると良いのでは。豊田さんには、本心に素直に生きて欲しい。豊田さんはどう生きたい?」と、鬱々として、ふさぎ込みがちな自分に対して、丁寧に、時間をかけて、ゆっくりと問いかけてくれました。

そんな問いかけも頂き、改めて自分自身どう生きたいかを考える中で、

「家族の近くで、自然豊かな環境で、大好きなカレーを通じて、周囲の方に笑顔を届けると同時に、自分のような生き方もあるという選択肢を示すことで、一歩踏み出せずにいる人が一歩踏み出すきっかけを提供する」

という、心からのやりたいことに気が付くことが出来ました。結果として、ここまでお世話になり、育てて頂いた会社を離れることになってしまったことは、大変申し訳なく思いますが、新たな道を進むことを心から応援してくれたハウス食品には、本当に感謝しかありません。本当に良い会社に入れたと思っています。


●カレー屋ヒゲめがねの名前の由来。

最後に、店名の由来についてお伝えして終わりたいと思います。

唐突ですが、皆さん「千と千尋の神隠し」で出てくる「カオナシ」というキャラクターを御存じでしょうか。あの映画を見ている中で、カオナシとは何を表しているかにハタと気付くことがありました。
カオナシは、相手の期待を探り、相手の期待に応えられると、その期待を飲み込み、成長します。ところが、千と対峙した時に、取り乱します。なぜなら、何が欲しいかを尋ねても、何も要らないと答えるから。そんな人と出会ったことはない、そんな反応をされたらどうして良いか分からない。分からないから過去の経験則から人が喜ぶ「金」を与えようとするが拒絶され、パニックになる・・・。そんなキャラクターに「カオナシ」と名付けたのは、誰かの期待に応えてばかりで自分自身が無い、それは顔が無いのと一緒ではないかとの想いが込められていたのではないでしょうか。そしてこの映画のタイトルは「千と千尋の神隠し」。自分の名前を神隠しに合って忘れてしまったのなら、千回でも自分に尋ねなさい、そんな意図が込められているのではないでしょうか。真実は分かりません、あくまでも個人の推測です。

ここまで店主の生い立ちをお読みいただいた方は、お気づきかもしれませんが、正に自分自身「カオナシ」であり、そのことに悩み、自分は何者かを千回尋ね、ようやく今、このステージに立つまでに至りました。そんな自分が自分らしさを取り戻す大きなきっかけになったのが育休であり、育休中の「ヒゲめがね」の姿こそが自分らしい象徴だと思うようになりました。

これから先の人生も、自分基準ではなく他人基準で物事を考えてしまうことが多々あるかもしれません。そんな時にも、カオナシにならないよう、自分の名前を呼び覚ましやすいよう「ヒゲめがね」という名前を、カレー屋の屋号とすることにしました。この名前、個人的に結構気に入っていますが、皆さまいかがでしょうか!?

長々と、個人的な想いの変遷を最後までお読み頂きありがとうございました。何か1つでも皆さんがご自身の人生を考えるきっかけになれば嬉しいです。

そしていつか皆さんがお店に遊びに来て頂いた際に、カオナシの話などなど、直接お話し出来る日が来ることを楽しみにしています。

カレー屋ヒゲめがね店主
豊田陽介

  • 2020/06/09 23:54

    ご報告が遅くなりましたが、皆様からご支援頂いたお金を使わせて頂きまして、カレー屋ヒゲめがねの「看板」を創りましたのでご報告です!!地元の雄「佐々木工業」さんに無理をお願いしまして、かたーい鉄板を、ギュィンギュィン削ってもらい、お店のロゴでありカオである「ヒゲめがね」が表裏どちらから見ても見事に...

  • 2020/05/22 10:12

    5月20日をもって、クラウドファンディング終了しました。最終的に「213名」「2,449,110円」ものご支援を頂き、目標500,000円に対して、約500%の達成となりました!いやまさか、こんなにも多くのご支援を頂けるとは思っておらず、驚愕してます。なんて表現して良いか分かりませんが、ただた...

  • 2020/05/20 21:57

    カレー屋ヒゲめがね6月中にオープン予定としてましたが、内装工事・厨房設置工事もほぼ終わり、今は、家族総出で、壁塗りしています!そして、ようやく終わりが見えてきました!カウンターの足元塗装するべく、家族総出でクッションシートを剥がしていますステイホーム中の息子は即戦力!お店の開店準備を一緒に経験...

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