はじめに
皆さんご存知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大抑止を目的とする非常事態宣言の発出を受けて、各地でネットカフェなどを含む仮眠可能な滞在施設の多くが営業を取りやめました。
これに伴い、多くの人々が行き場を失い、住居喪失者として路上での起居を余儀なくされています。
大阪における支援の現状
首都圏では、従来から「東京アンブレラ基金」をはじめとする民間団体が精力的に支援活動を展開しており、また東京都もビジネスホテルを借り上げるなど公的支援を実施しています。
その一方、首都圏に次いでネットカフェ人口の多い関西圏においては、従来の住居喪失者への対応に追われており、感染拡大抑止の観点から新規に顕在化した住居喪失者の受け入れに対し極めて慎重になっています。また、大阪府は現在(4月20日)のところ、安価な宿泊施設の情報をホームページで紹介する程度の施策にとどまっており、東京都のように大規模な財政措置を伴う支援がおこなわれることを直ちに期待できる状況にはありません。従って、現在相当数の住居喪失者が路上で夜を明かす事態になっています。
ネットカフェ等に起居する人々の多くは、安定した住居を失ってもなお、ギリギリ生活できる稼ぎを求めて働き、命をつないできました。今回の事態で、路上に押し出されてしまえば、そのギリギリの仕事すら失い、いよいよ行き詰ってしまうおそれが多分にあります。
また、現在話題になっている「一律給付」についても、居住が不安定な彼ら/彼女らの手に直ちに届くことが見込めないのです。
困窮者がたどり着く街―大阪
27歳のAさん(上の写真)は、中部地方のとある工場に勤めていましたが、操業縮小により失職し、社員寮からも出ざるを得なくなってしまいました。その後は学生時代を過ごした関西に戻り、ネットカフェでしばらく起居していましたが、ネットカフェからも出ることになり、炊き出しなどの支援や日雇い仕事がある「大阪・西成」にたどり着きました。
私たちが彼に出会ったのは、道端で歩き疲れててしゃがみ込んでいるところでした。出会った当初は「僕はもういいです、僕が悪いんです」と泣きじゃくりながら私たちの支援を拒んでいましたが、しばらくお話しをつづけてようやく屋内に移動してくれ、カップ麺を口にしてくれました(ボカシを入れることを条件に、ネットでの掲載を許可していただいています)。
先週、私たちの連携団体がおこなった夜回りでは、大阪市北区の繁華街(いわゆる「キタ」)において、声掛けアプローチできた人の数だけでも緊急事態宣言前に比べて約2.5倍の人が路上での起居に迫られていることが判明しました。目視確認できなかった人を考慮すると、やはり相当なボリュームでネットカフェ等から大阪の路上へ押し出されている人が増えている、そして今後さらに増えてくる、と私たちは感じています。
一丸となって支援にあたる体制をつくります
このような事態を踏まえ、私たちは、大阪およびその近隣地域で活動するホームレス支援・生活困窮者支援団体が連携し、それぞれの強みを持ち寄って全力で対応にあたることにいたしました。
取り急ぎ、繁華街エリアにおける夜回り・昼回りを通じたアウトリーチ、ネットからSOSをキャッチできる体制づくり、オンライン・オフラインでの相談会の実施、宿泊施設・即入居可能な居宅の確保、法律・医療をはじめとする課題解決支援チームの構築等、取り組むべきタスクは山のようにありますが、それぞれが強みを持ち寄り、「いま・ここ」でしかできない支援をおこないます。
彼ら/彼女らの宿泊先・居住先を確保して先ずはあたたかいベッドで心身を休めてもらうとともに、医療や就労、生活全般に関する支援をおこなうことで、多くの人が生活苦に陥らない環境をつくっていきたいと考えています。今だからこそ、オンラインで支援の輪を広げ、誰一人として望まない路上での生活をしなくて済むような体制をつくるときです。そして、「いま・ここ」で結ばれる支援の輪は、この危機を乗り越えたあとも私たちの社会の財産として、有効に機能していくと信じています。
観光業の支援にもつながります
大阪およびその近隣地域は観光地が多く、そのためホテルやゲストハウスなどが多い街でもあります。これらホテルやゲストハウスもまた、今回の事態に大きな打撃を受けている人々です。今回のプロジェクトで住居喪失者のための一時的な受け皿を設けることが、住居喪失者だけでなくこの地のホテル・ゲストハウスがこの苦境を生き抜くための一助にもなれば、とも願っています。
最後に
いま、これを読んでくださっているあなたも、ひょっとしたら苦しい状況にあるかもしれません。こんなときに、誰かに救いを求めるのは本当に心苦しいです。申し訳ありません。
初めから終わりまで助けのいる「人」、というのはあんまりいないのではないかと思っています。ただ、その人そのひとにとって助けがいる「とき」、があるだけだ、と。
いま住居を失い困っている人は、いつかのあなたの姿かもしれません。いま困っている人は、みんな「自分がこんなふうになるなんて思っていなかった」と思っています。いま、たまたま「そのとき」がやってきているだけなのです。今回ご支援をいただけるとしたら、それはあなたのために、あなたの大切な人のためにも、まわりまわって役立つことだと思っています。どうかご協力をお願いいたします。
資金の使い道
目標額:5,726,950円
宿泊支援費:2,700,000円
(約60人の住居喪失者が15日間、5000円のホテルや2500円の簡易宿所・ゲストハウスに泊まることができる金額を目標としています)
生活支援費:1,350,000円
(約60人が一時宿泊している間の食費等として、1日1500円×60人×15日分を考えています)
居宅移行費:300,000円
(被支援者のうち、生活保護申請を希望する人に対し、保護開始決定が出るまでの間の生活費として30,000円×10人分を考えています)
支援費: 285,000円
(相談支援およびアウトリーチ活動、事務をおこなうスタッフの活動経費、スタッフと被支援者の移動交通費です。人件費・日額8,000円×2名×15日分、移動交通費・3,000円×15日分を考えています)
広報費: 210,000円
(アウトリーチのための媒体作成費用です)
手数料:801,773円 (手数料14%)
消費税:80,177円(手数料にかかる消費税分です)
※当プロジェクトは「寄付型クラウドファンディング」です。
なお、当プロジェクト主催団体であるNPO法人釜ヶ崎支援機構は、NPO法人として認定されていますが、税制優遇の対象として認定を受けていないため、このクラウドファンディングを支援することで支援者の皆さまが税制優遇を受けることはありません。申し訳ありませんが、ご了承いただきますようお願いいたします。
協働団体について
幹事団体
NPO法人 釜ヶ崎支援機構
http://www.npokama.org/
協働団体(50音順)
大阪いちょうの会
http://ichounokai.jp
釜ヶ崎講座
http://cwoweb2.bai.ne.jp/kamakouza/
釜ヶ崎日雇労働組合
NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)
http://cocoroom.org/
子ども・若者・シングルマザー応援基金
https://mylifefp.com/kikinn/
NPO法人サポーティブハウス連絡協議会
http://supportivehouse.jp/
山王訪問看護ステーション
歯科保健研究会
http://sikahoken1.blog.bai.ne.jp/
西成若手会
萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社
https://www.hagimachi.com/
反失業連絡会
認定NPO法人ビッグイシュー基金
https://bigissue.or.jp/
NPO法人HEALTH SUPPORT HINATA
http://www.airin-hinata.com/index.html
認定NPO法人Homedoor
https://www.homedoor.org/
ホテル来山
http://www.chuogroup.jp/raizan/ja/
ホテルみかど
http://www.chuogroup.jp/mikado/ja/
NPO法人 ライフサポート路木
https://life-supportrogi.wixsite.com/lifesupportrogi
わたなべ往診歯科
http://www.watanabe-ousinsika.com
※今後、協働団体が増えるごとに随時追記更新していきます。
実施スケジュール
4月23日 プロジェクト公開・ご支援受付開始 宿泊支援活動開始
5月31日 ご支援受付終了 宿泊支援活動は継続
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターン
いずれも、お礼メールと本プロジェクトの実施結果(PDF)をお送りいたします。
最後に
今このタイミングでクラウドファンディングなんて泥縄すぎる、と恥ずかしい思いではありますが、恥ずかしがったところで誰も救われませんので、開き直ってお願いいたします。
おそらくですが、これから夏に向けてどんどん困窮者が顕在化してきます。今回の試みが、私たちの社会における助け合いの輪を広げていくだけでなく、制度的支援・公的支援を充実させていくきっかけのひとつにできるよう、全力でやります。よろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る年末年始緊急相談会開催
2020/12/30 23:35みなさんご無沙汰しております。例年、年末年始は仕事が減少することと役所が閉庁していることなどが影響して、住まいを失い野宿生活をする人が増えてしまいます。そして、新型コロナウイルスによる混乱は未だに続いております。我々もこの年末年始がどのような状況になるのか全く予測ができていない中で、大阪市西成区で12/30〜1/3までの間緊急相談対応窓口を開設いたしました。詳細は下記の通りとなっております。必要としている方にこの情報が届いて欲しいと思っております。情報の拡散にご協力いただければとても嬉しいです。・Twitterでの情報発信https://twitter.com/soudanosaka/status/1343844626336083968?s=20・Web相談フォームhttps://peraichi.com/landing_pages/view/coronasoudan?fbclid=IwAR1phdnDjhrBXqeJ043nBb17qlOfW5zfXW9Udqj3oRUbqS8__HfF45C8BeYこちらの活動で実施する宿泊支援や食料支援は、今年4〜5月にみなさまよりいただいたご寄付で実施させていただいております。引き続き見守っていただければ幸いです。 もっと見る
7月11日、大阪西成にて相談会を開催します!
2020/07/09 21:58新型コロナ・くらしとしごと緊急相談会を開催します!2020年7月11日(土)10:00~15:00相談会場:ドリーム22(大阪市西成区太子1-4-5)Webでの相談:https://peraichi.com/landing_pages/view/coronasoudan・ネットカフェで生活していた・コロナで仕事がなくなった・飯場や寮から出ざるをえなくなった・住むところがなくなった・お金がない・寝場所がない・支援制度をどう使ったらいいかわからないそんな場合に、専門の相談員がいっしょに考え、動きます。いちど相談にいらっしゃいませんか。協力団体:いちょうの会、NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)、NPO法人サポーティブハウス連絡協議会、NPO法人バリアフリーサービスつばさ、NPO法人HEALTH SUPPORT HINATA、NPO法人ライフサポート路木、釜ヶ崎キリスト教協友会、釜ヶ崎講座、釜ヶ崎日雇労働組合、公益財団法人⻄成労働福祉センター、歯科保健研究会、山王訪問看護ステーション、西成若手会、認定NPO法人ビッグイシュー基金、認定NPO法人Homedoor、萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社、反失業連絡会、ホテル来山、ホテルみかど、有限会社CRーASSIST、わたなべ往診⻭科 もっと見る
【メディア出演情報(7/3)】NHK総合(関西限定)かんさい熱視線 19:30〜
2020/07/03 12:31本日 7/3 NHK総合(近畿限定)「かんさい熱視線」番組放送時間:19:30〜19:55(19:45頃に放送されるとのこと)https://www4.nhk.or.jp/P2852/今回のプロジェクトを通じて出会った、新型コロナウイルスの影響で住まいを失った方、支援を通じて新たな住まいを見つけることができた人のその後について放送される予定です。※関西地域限定での放送となります※報道番組のため、急な変更で放送されない場合もあります もっと見る
本日、憲法記念日 憲法 第25条 (1) すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 (2) 国は、すべての生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
世界人口の半分・最貧層35億人分の富 = 富豪388人→62人分の富
SDGs 貧困に終止符を打ち、すべての人が平和と豊かさを享受できるように、目の前の、この課題に、まず取り組もう!!