1.ごあいさつ

ごアクセス頂きましてありがとうございます。宮城県、石巻市を拠点に活動するパーティ集団「寿 DANCE HALL」の支配人、「楽団ひとり」こと小野寺敏哉と申します。

この度、寿 DANCE HALL主催のストリート系サブカル盆踊り「寿FES」の第4回目を東京と石巻における2日間にて開催するべく、またもクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げさせていただきました。

東北ローカルのさらにローカル、奥の細道の裏道を通ってきた路上文化の集大成を東京で爆発させられるよう、一人でも多くの方にご興味を持っていただけましたら幸いです。

2.寿 DANCE HALLと、寿FES、とは?

僕たちは、全てが瓦礫と泥に変わった港町・石巻市でダンスホールを常設することを目的とした集団「寿 DANCE HALL」として、日々頭のよろしくないサードプレイス・パーティで街中をハッキングしています。詳しくは、ちょっと長いですが前回の寿FES!!!開催にあたってのクラウドファンディング・プロジェクトページをご拝読いただければと存じます。

 我々のパーティに能書きはございません。ただ、「楽しみたいという理性」「踊りたいという本能」、そして「その両者を軽く凌駕するさらに上の衝動」に従い、笑いと涙と肝臓への深刻なダメージを提供させていただいております。

3.寿FES!!!2016のお礼

まずは、前回の寿FES!!!開催に際し、多くのご支援、ご協力、ご指導、ご鞭撻を賜りましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。

端的に申し上げますと、「おかげさまで大成功」でした。

主催者としての段取り不足、詰めの甘さ、パーティとしての粗が目立つ箇所も多かったのは事実です。多くの方にご迷惑もおかけしました。しかし、突貫工事の弾丸列車、「とりあえずやって、やった後に考える」のスタンスは間違っていなかったと確信しております。別れ際、多くの方から「じゃ、また来年!」とお声掛けいただいたのは僕にとって何よりの財産です。

ありがとうございました。

4.寿FES 2017へ至る道

前回の寿FES!!!で得たものは非常に多かったです。その刺激をどう還元していくか考えていたころ、とあるイベントの存在を知ります。

ポエトリー・スラム・ジャパン

めちゃめちゃ端折って言うと、「詩の朗読の大会」です。折りしも、世間ではフリースタイルラップによるMCバトルが空前のブームになっていました。が、ラッパーのしての僕は如何せんフリースタイル=即興というのがどうも苦手で、MCバトルを開催しても出場はせず司会に徹し、即興の才能と若さに溢れるMCの背中を押しながらも「ラッパーの本懐は楽曲、音源、製作物でしょうが!」と腹の底に爆弾を抱えていました。

そこに見つけたこのイベント、ルールはシンプル。一人3分で自作の詩をステージから放ち、それが客席から点数付で評価される。言わば「即興でなくても良いMCバトル」です。聞けば詩人のみならずポエトリー寄りのラッパーも多く参戦しており、楽団ひとりとしての自分を試すには絶好の機会だと感じ、即エントリーしました。

6人1組の予選ブロックから上位点数獲得者2名が準決勝以降に進出できるという中、僕は2位と0.6ptの差で初戦敗退。ポエトリーリーディングという土俵にラッパーが土足で乗り込むという挑戦は、非常に清々しくも悔しい結果となりました。

こいつ、全然寿FESの話をしないな、とか思いました?そうなんです。もうちょっと続きます。

悶々とした帰りの高速バス車内、どうしたら勝てたか、を考えていました。ある方からは「出る予選会場が違ったら勝てた」との提言をいただきました。事実、「これがライブコンテストだったらなぁ」と思ったのも事実です。

ポエトリー・スラム・ジャパンはあくまでも「詩の朗読」。小道具や音源の使用は認められません。例えば、バックトラック(音源)の使用も許されたルールだったら、僕はどう戦っていただろうか。持ち時間3分、一曲入魂もできれば、メドレー的に短く繋げて畳み掛ける戦法もありだな。他のMCバトルイベントみたいに、地方からいろんなMC達が集まって、即興じゃなく、製作物=構築されたステージングを披露し合うとか、面白そうだな。そういうの、俺だったら超出たいな。でもライブバトルみたいなイベントってあんまり東京でも聞いたことないな。あれ?じゃあ、それを俺らで開催すればよくね?

ようこそ、ここからが寿FES 2017です。

5.寿FES 2017 IN TOKYO「即興の許されないMCバトル」

端的に言ってしまえば「ライブバトル」です。即興ではなく、作りこまれた楽曲やパフォーマンスを競います。即興じゃなくても、見ず知らずのMCをDISらなくても、ピースフルに腕っ節ひとつで勝ちあがれる試みです。

昨今、フリースタイルMCバトルの全国大会では地方予選が組まれることももはや一般化してきています。各地のツワモノがシノギを削り、その土地を背負って東京などの全国大会に集まります。が、これは本当にほんの一握りのバトルMCのみが掴み取れるチャンスです。言い換えれば、僕のようにフリースタイルが苦手な所謂「製作志向のMC」にとっては対岸の火事もいいとこです。

では、そんな製作志向のMCたちが自らの活動域から飛び出して他所に侵略していくきっかけとは。これが本当に難しい。

インターネットやSNSが身近になったとはいえ、玉石混在の情報の坩堝で頭ひとつ飛びぬけるのは簡単なことではありません。たとえ良い物を作れたとしても、それを効率よくしっかりと伝播させる手段を確立しない限り、地方の表現者たちに日の目が当たることは先ずないと言っても過言ではないのかもしれません。それは人脈、チャンス、物理的な距離、本当にさまざまな理由からそうなっていると感じます。結論、やっぱり地方は不利です。

じゃあその侵略のきっかけを、寿FESが代行しようじゃないの。問答無用で一発、ステージに上がってブチかまして欲しい。そこから開ける世界や、繋がれる世界が絶対にある。半信半疑のオーディエンスに、同業者に、全国のライバルに、肉声と情熱をぶつけて欲しい。ノルマ、集客能力、なんだったらステージでの経験値、全て一切問いません。全ての地方表現者たちに平等なチャンスを。

そのためのお膳立てを、皆さんと一緒に整えたい。これが、今回のクラウドファンディング、ひいては寿FESの真意です。

~「即興の許されないMCバトル」企画概要~

・全12組のエントリーを一般に募集、内8組を「地方優先枠」として優先的に誘致。

・1組3分、4組×3ブロックの予選から上位1名ずつが決勝ブロックへ進出。決勝では1組10分のパフォーマンスにより勝敗を決する。

・フロアーからランダムに選ばれた5名のオーディエンスが10点満点で採点。身内びいきなどを抑制するため最高点をと最低点を付けた2名を抜いた3名分の合計点が得点となる。

・持ち時間をどのようなパフォーマンスに充てるかは全て出場者に委ねられる。音源の使用、小道具、小芝居、漫談、あるいは、フリースタイル。ルールがないのが唯一のルール。

6.寿FES 2017 IN I-CITY「ストリート系サブカル盆踊り」

とか何とか言って結局石巻はどうなる!?というのも当然のお話です。東京編はあくまでも「実験」であり「挑戦」です。僕たちには帰るべき街があります。石巻で培った熱量を東京で輻射し、また石巻を燃え上がらせます。

折りしも現在、石巻では「Reborn-Art Festival」というアートフェスが開催を控えています。51日間に及ぶお祭り騒ぎは、到底僕たちでは作れるものではありません。幸運にも、今年はその巨大な渦にJOINする形で寿FESを開催できることになりました。日程は8月26日、地域全体を会場に見立てた巨大祭事の片隅、路地の一角を借りて文字通りの「ブロックパーティ」を開催する予定です。ただし、飛びっきり頭の悪いやつをね。

僕がパーティを続ける理由は、この光景をまた観たい、と思うからです。

多分、都市部でイベントを開催すれば、比較的労力も少なく、かつ定期的に観られる光景かもしれません。しかし残念なことに、僕はこの街によって徹底的にマゾな調教を受けて育っています。

何度でも伝えますが、僕の街にはダンスホールがありません。それでも、僕はこの街でパーティに関わり始めて15年経ちます。その間も、この街を離れよう、捨てようと思ったことは一度もありません。ある時はカラオケボックスのVIPルームに機材を一式持ち込んだり、ある時は発電機を抱えて駐車場でブロックパーティを開催したり、ある時は地元の商店で使っている倉庫をお借りしたり、さまざまな方法で街の風景をダンスホール化しようとハッキングを続けた結果、「別に箱としてのダンスホールはなくても、自分たちで作れるな」という常軌を逸した思考に陥ってしまいました。もう、なんでもかんでも自分たちの手でやらないと気が済まないというか。

そして、この熱量が東京でも通用することを証明したい。東京のともだちにも自慢したい。

「石巻、チョーおもせっちゃ?!(超面白いでしょ?!)」って。

大丈夫、グラスをぶつけた瞬間に俺たちはともだちです。バーカウンター前でお待ちしています。

7.資金の用途

 今回ご賛同いただいた資金は以下の用途に当てさせていただきます。

・東京編での会場使用費、及び在石アーティストの交通費(約20万円)

・石巻編での会場準備費、及び機材レンタル費(約20万円)

・リターンアイテムの制作費(約10万円)

8.リターンについて

ご支援いただいた皆様には今回も微妙に頭の悪いアイテムをご用意いたしました。その中からいくつかをご紹介いたします。

1.当日の模様を撮影した写真データ

寿関連のパーティではいつもスチール撮影をお願いしている写真家・小田島 万里(おだじま まり)さん。アーティストだけではなく、スタッフ、オーディエンス、パーティ全体のうねりや微妙な表情の変化をファインダーで切り取る天才です。今回は半ば拉致に近い形で東京編にも同行していただきます。僕の中では「万里さんが仕事を忘れて遊んだら寿の勝ち」という暗黙のルールがあります。ので、東京編で万里さんを見かけた際はイェーガーショットをお見舞いしてあげてください。そんな万里さんがへべれけになりながら切り取りまくった当日の熱気を、厳選に厳選を重ねた上でデータでお送りいたします。

2.寿FES 2017 ロゴTEEシャツ

もはや石巻では夏のパーティフラッグとなりつつある寿DANCE HALLのロゴですが、今回は寿FES 2017のためだけに完全新規でのデザインを起こすことになりました。やったね。従来の寿ロゴTEEシャツは事在る毎にリカラーなどのバリエーションが生み出されてきましたが、今回は今年この一回限りの完全限定生産にします。このTEEシャツを装備しているとバーカン前でのA.T.フィールドが中和されます。

3.寿FES 2017 オリジナルデザイン ショットグラスネックレス

今回一番頭の悪いリターンアイテムです。というか、このアイテムがずば抜けて頭が悪いので他のリターンアイテムの平均偏差値を下げてくれています。

パーティとショットグラスは切っても切り離せない関係です。そこに目を付けた我々寿DANCE HALLは「じゃあショットグラスをいつでも携行していれば毎日がパーティじゃないか」という謎の結論を導き出すにいたりました。そうやって開発されたのが今回の「ショットグラスネックレス」です。

ショットグラスを首から提げておくことで、日常で不意に襲ってくる「とりあえずテキーラで乾杯」という悪夢を自ら引き寄せることができます。アクリル製なので耐久性もばっちり、しかも飲み残しを許さない「ある仕掛け」が施されています。最悪です。これさえあれば毎日がパーティです。

4.出演権

東京編の存在意義を根底から揺るがすリターンの登場です。ライブバトルをすっ飛ばしてステージに立つことができます。演目、パフォーマンス内容は問いません。手品、漫談、暗黒舞踏、モノマネ、演説、なんでもかかってきやがれ、です。

9.最後に

ここまで長文にお付き合いいただきましてありがとうございます。

途中途中に表現として不適切な箇所が散見されたかと思いますが、あんまり畏まったのは苦手なのでご了承くださいますれば。僕たちのパーティはどこまで行っても「マジメに不真面目」なのです。

連日に及ぶミーティングも、体ひとつで配り歩くポスターやフライヤーも、どこまでも手作りな一夜限りのダンスホールも、すべては「最高の二日酔い」のために繋がる布石です。石巻がどうのこうの、震災が、地方創生が、地域活性が、などというつもりは最初からありません。ただ、見たこともないパーティで、知らない友達と出会うのに、最高のロケーションが自分の街だった、というだけです。

そこで出会った新しい友達は口を揃えてこう言います。「これは石巻だからできたことだね」と。偶然が集まるとそれは奇跡と呼ばれます。僕たちは、僕たちの街で、偶然を集める方法を知っています。その偶然を、東京と石巻で同時多発に集めたい。その偶然を肴に、一緒に酔いつぶれてみませんか?よろしくお願いします。

  • 2017/06/27 22:01

    クラウドファンディング終了でございます。 ALL INである以上、結果がどうあれ開催は決めていたことです。7/22、東京でお会いできるのを楽しみにしています。YEAH!!!!   さて、表題の件ですが。 読んで頂いてその通りでございます。 ノルマなし、7/22 寿FESにて、ライブを...

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