ローカルジャーナリストとして

FAAVOをご覧のみなさま、はじめまして。田中輝美と申します。島根県浜田市出身で、島根県の地元紙・山陰中央新報社で記者として15年間勤めた後、2014年秋に独立し、今は「ローカルジャーナリスト」として活動しています。「ローカルジャーナリストって何?」と思われたでしょうか。ローカルを拠点にローカルを発信するジャーナリストのことで、私が自分で名付けました。 ▲シマブロ!メンバーと島根の形をしたテーブル なぜ、こう名乗ることにしたのか。独立したと言うと、多くの人に「東京に出るの?」と聞かれます。ジャーナリストが、想像以上に、都会での職業と思われていることに驚き、悔しくもなりました。島根で生まれ育った私は、島根を拠点に、島根を記録、発信していきたいのです。地方でも、いいジャーナリズム活動はできる。いいジャーナリストは育つ。それを生き方として示したいと思い、ローカルジャーナリストという肩書きにしました。 ローカルジャーナリストとして、島根の面白さを伝える本の制作費の一部を、今回FAAVOで支援をお願いしたいと思っています。ぜひ、応援していただけませんか。

島根の面白さは人!

これまで新聞記者をしながら、プライベートで島根を発信する「シマブロ!」という団体を仲間とつくり、交流会などを開催してきました。昨年末には、100人規模で島根の未来を考えるワールドカフェを開催し、こんなに島根を想う人がいるなんて、と、熱気とパワーに圧倒されながら、涙が出そうになりました。「いま島根が面白い!」。私自身、そして、ともに活動する仲間も、実感しています。何が、どう、そんなに面白いのか。出雲大社や世界遺産・石見銀山もありますが、島根を面白くしているのは、人だと思います。 ▲100人の集いでの集合写真。みんなの手のポーズは、島根で流行っている島根県の形をイメージした「島根のポーズ」です ▲100人の集いで実施した、島根の未来を考えるワールドカフェの様子。笑顔がたくさんでした 例えば、10年間で400人以上のIターン者が訪れ、最先端の地域づくりで知られる離島の海士町。この島で高校の魅力化に取り組む岩本悠さんは、離島では珍しいクラス増を実現しました。田舎の地代の安さを武器に古本屋を川本町で経営する尾野寛明さんは、会社経営だけでなく、島根発の創業支援や人材育成のプログラムを開発し、全国へ展開しています。また、雲南市では、365日毎日公演する無謀とも言えるプロジェクトを始めた劇団ハタチ族の活動も注目です。人と人がつながり、多くのチャレンジが生まれ、地域にうねりが起きています。

島根の面白さを記録し発信するために本にする

こうして、チャレンジが生まれる様子を見ていると、地域づくりにおける「土の人」と「風の人」の存在を感じます。「土の人」とは、その土地に根付いて、受け継いでゆく人。「風の人」は、地域に新しい風を吹き込む人。「土の人」はもちろん地域を支える大切な存在ですが「土の人」ばかりでは、どうしても新しい発想や視点が生まれにくい面があります。実際に、先ほど挙げた尾野さんや岩本さん、ハタチ族も「風の人」。日本全体が人口減少に直面する中、これからの地域づくりのカギとなるであろう「風の人」の役割に、もっと、フォーカスを当てていきたいと考えています。 ▲365日毎日公演をするという前代未聞のチャレンジをしている劇団ハタチ族。終演後には毎回、観客と記念撮影します 私は、島根県の形のテーブルを特注してしまうくらい、島根が大好きです。島根というより、島根を舞台にチャレンジしている人たちが大好きです。これまでの取材活動を通じても、たくさん出会ってきました。でも、人はモノと違い、伝わりにくいところがあります。そこで、本という形にして、記録し、発信したいのです。その本が、多くの人をさらにつなげ、新しいチャレンジを生むきっかけになると信じています。本の完成後には、出版記念イベントを島根と東京で開催し、応援してくださった皆さまと一緒に、今の島根の盛り上がりを共有したいと思います。

ローカルからの新しい情報発信のカタチ

普段、ローカルからの情報発信を目にすることが少ない、という問題意識もあります。島根は全国で2番目に人口が少なく、もっとも知名度の低い県です。数年間、東京支社で勤務した経験があり、県外の人を招いた交流会「島根をメジャーにする会」や、自分たちの島根愛を表現する展示会「We Love 島根!」展を東京で開催したりもしましたが、島根の存在は、ほとんど知られておらず、隣の鳥取県と間違えられることも一度や二度ではありません。 ▲「We Love 島根!」展。"むき出しの島根愛"を伝える30点近くが集まりました なかなか伝わらない状況に「こんなに面白いのに!」と悔しく、もどかしい思いをしてきました。一方、島根の話題が報じられるときは、表層的な「いい話」か、暗く苦しい側面が強調されている記事が多いように感じられ、地元に暮らすからこそわかるリアルな島根の姿を記録し、発信していきたいとも思っています。 今回、私が旗を立て、島根を想ったり、ローカルからの情報発信に共感してくれたりする皆さまから応援してもらって、島根の面白さを発信する本ができれば、新しい地域からの情報発信のカタチになります。さらに、これらを東京の大学生たちに手伝ってもらって取り組むことを考えています。 そして、これは、島根だけではない、他の地域でも実践できるモデルになります。全国各地で、こうしたローカルからの情報発信が広がれば、もっともっとニッポンは面白くなると信じています。

取材日程など

2015/2 取材開始 2015/3〜2015/4 取材、執筆、印刷 2015/4~2015/5 イベント開催 ※イベント開催日程につきましては、決定次第レポートにてお知らせ致します!

集まった支援の用途とその内訳

取材費、出版費など

最後に

島根は人口が少ない県ですが、島根の課題を自分事として考え、動き、チャレンジする人たちがたくさんいます。その人たちがつながった熱量は、どこにも負けないと感じています。その島根の面白さを伝えるのが、ローカルジャーナリストとしての私の仕事です。 私のチャレンジをぜひ、応援してください。それが、島根をさらに元気にすることにつながります。どうぞよろしくお願いいたします!

起案者情報

【代表者】田中輝美 【facebook】https://www.facebook.com/terumi.tanaka.77 【Twitter】https://twitter.com/terumism 【Blog】http://d.hatena.ne.jp/terumism/
  • 2015/08/13 18:28

    ご支援いただいた本が刷り上がり、届きました!『地域ではたらく 「風の人」という新しい選択』。手に持つとずしりと重みが…感無量です!!!早く皆さまにお届けしたいです。どんな感想をお持ちになるかな…とドキドキします。 早速、発送準備に取りかかっています。順次発送いたしますので、全員の...

  • 2015/08/04 20:44

    ご支援いただいた本が『地域ではたらく 「風の人」という新しい選択』というタイトルで、8月18日に発売されることが決まりました!!!出版社は、ハーベスト出版(松江市)です。 取り組みがスタートしてから早いもので7ヶ月が過ぎました。ずいぶんお待たせしてしまいました。ようやく、...

  • 2015/07/21 11:55

    田中輝美さんと一緒にこのプロジェクトに取り組ませていただいている、法政大学社会学部藤代ゼミの大谷和佳子と申します。 昨日は、夜から、藤代先生と、駆けつけてくれたゼミ生と3人で、原稿の確認作業をしました。朝日が登る1時間ほど前に終わりました!わー! 今週末は全体の校正作業をまとめてい...