はじめに

 現代の医療ではX線、超音波、内視鏡などの画像診断は、正しい診断や治療のために不可欠な手段ですが、正確に診断するためには高度な専門知識と熟練が必要です。しかし新型コロナウィルスによる院内感染を恐れて、研修医や学生の臨床研修・病院実習の機会が奪われています。

 医師になるためには6年間の医学部教育を経て医師免許を取得した後に、「研修医」としてさらに5年間の「臨床研修」を経てから臨床現場に赴任することになります。一般の医師にとって画像診断のスキルは「臨床研修」の期間に習得する必要があります。

 一方、画像診断について体系的に 学習して専門医の資格を取得するためには、「臨床研修」が終了してからさらに5年以上の臨床経験を経て試験に合格する必要があり、一人前になるのは30歳代半ばです。したがって育成に膨大な時間と費用がかかる専門医は不足し、大学病院や大病院にしか常駐していないのが実態です。その結果、「臨床研修」で「研修医」に十分な指導を行うことができる医療機関は、十分な症例と指導体制を有している大学病院や大病院に限られることから、平時でも十分な臨床経験を積むことができすに臨床現場に配属されるケースが生じます。圧倒的多数を占める中小病院や診療所では、医師や患者は見逃しによる治療の遅れや医療過誤のリスクにさらされています。表面化する例は少ないですが、以下に画像診断の見逃しによる死亡例を例示します。

 2018年 杉並区の肺がん検診において見落とし続出、死亡者も!
  日経2018/11/15
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37778090V11C18A1CC0000/

 2017年 東京慈恵会医大にて肺癌見落とし、 72歳男性死亡
  朝日新聞デジタル2017年2月17日
  https://www.asahi.com/articles/ASK2K468ZK2KULBJ00F.html

 2014年 名古屋大学にて肺癌見落とし、男性死亡
  朝日新聞デジタル2019年3月12日
  https://www.asahi.com/articles/ASM3D45CYM3DUBQU001.html

 厚生労働省ではこの問題に対応すべく「チーム医療の推進」(医政発0430第1号  各都道府県知事宛)として、専門医以外の医師が画像診断を実施することを想定し、技師も加えた「チーム医療の推進」を実施することを各都道府県知事に通知しています。しかし、すべての医師や技師が、10年の月日が必要な専門医のレベルに容易に到達できるわけではありません。そこで画像診断をサポートするためのコンテンツやサービスが必要となります。

 以下に、医師、技師、教育、臨床の各ユースケースにおける、各医療従事者の配置および人数について示します。新型コロナウィルスにより臨床研修・病院実習が制限されている今、臨床経験の習得をサポートするためのコンテンツやサービスの普及が必要です。


解決したい社会課題とその方法

 メディカル指南車では、画像診断における社会課題に早くから着目し、大学病院が保有する豊富な知識・経験をコンピュータに覚え込ませて、専門医が不在で症例が不足している施設でも効率的に画像診断のサポートができるサービスを開発してきました。

 具体的には、大学病院の膨大なデータを分析し、知識情報処理技術を応用して「画像診断知識ベース」として画像診断に必要な要素(語彙)の関係からコンピュータに画像診断の知識と経験を教え込ませることに成功しました。すなわち何万通りの「データ」からコンピュータが理解できる「知識」への進化が実現できました。同時に大学病院の診断価値の高い症例を抽出し、患者属性、確定診断、「画像診断知識ベース」との相互関係を定義することにより、症例をコンピュータに理解させることに成功しました。

 これらの「画像診断知識ベース」「症例データベース」から知識(ナレッジ)を的確に取り出すことを目的とし、“画像診断ナビゲーター(Doc.navi)” と “画像診断シミュレーター(simu.Doc)” を開発しました(下図参照)。その結果、”画像診断ナレッジサービス「読影指南」”は初学者から専門医を目指す医療従事者に対して以下の機能が提供できます。
 ①  エビデンスに基づく画像診断ナビゲーション
 ②  的確な「診断」に有用な画像症例と専門医の解説
 ③  簡易操作により診療録作成支援
 ④  患者さまへの的確な疾患説明
 ⑤    効果的な学習手段の提供

 新型コロナウィルスにより臨床研修・病院実習が制限されている今、メディカル指南車では、将来にわたって患者がどの医療機関でも安心して診察を受けることができるように ”画像診断ナレッジサービス「読影指南」” の普及促進に取り組んでいます。


このプロジェクトで実現したいこと

 現在、医療現場では新型コロナウィルスによる院内感染リスク低減のために「研修医」の臨床研修や、診療放射線技師を目指す学生の病院実習に大きな制約が生じています。患者に接することにより院内感染が発生することを恐れて、研修医や学生の臨床経験の機会が奪われています。十分な臨床経験を積まずに臨床現場に配属されることにより、未熟な医療を提供することが懸念されます。

 すでに「読影指南」を導入している兵庫県立加古川医療センターでは、研修医の臨床経験を補うべくアカウントを増やして研修医が利用する端末すべてに「読影指南」へのショートカットを設定しました。一方、診療放射線技師を養成している鈴鹿医療科学大学では、3,4年生225名全員に「読影指南」のアカウントを提供しています。

 この機会に多くの研修機関や教育機関に「読影指南」を広く提供して、研修医や学生の臨床経験を補うと共に、新型コロナウィルスにより院内感染の防止や医療従事者の負担軽減に役立てていただきたいと考えています。しかし、これまで画像診断の習得は指導する立場の専門医や指導医が臨床現場で直接指導するのが主流でした。テレワークでの指導の必要性が叫ばれている昨今でも、従来の指導方法にこだわりwebサービスでの指導には否定的な意見があります。その理由の一つに、これまで提案されているようなe-learningは指導側にとって不十分であったことがあげられます。”画像診断ナレッジサービス「読影指南」”は、コンピュータが指導者に代わって指導を行い、その成果を客観的なデータで把握することができるこれまでにはないサービスです(下図)。しかしその知名度は十分ではありません。そこでシステムの維持管理と並行して、知名度を向上させるための活動を強化するためにプロモート活動と人材面の補強が必要となります。そこでまずは皆様のご支援により、システムの維持費と人件費、広報費の一部をご支援いただきたいと考えています。

応援メッセージ


資金の使い道

委託費:約 30万円(システム維持費用)
人件費:約 50万円
広報費:約 5万円
手数料:約 15万円 (14%+税)

実施スケジュール

4月から教育機関へのプロモート強化:
全国約50校ある診療放射線技師を養成している教育機関への案内送付と訪問など

7月から研修機関へのプロモート強化:
販売提携しているメディカル・プリンシプル社(民間医局)と協働して首都圏、中部、関西を中心に研修機関への案内送付と訪問など

10月から 新規ユーザ追加

10月下旬 リターン発送


リターン

3,000円
画像診断ナレッジサービス「読影指南」文字入りボールペン+お礼状


10,000円
集英社コミック「ラジエーションハウス」最新巻+お礼状


50,000円
医療従事者の方には画像診断ナレッジサービス「読影指南」利用権(ご希望の1モダリティー半年間(2020.11.1~2021.4.30))+お礼状。
医療従事者でない方には集英社コミック「ラジエーションハウス」第1巻から最新巻まで1セット+お礼状


100,000円
医療従事者の方には画像診断ナレッジサービス「読影指南」利用権(全モダリティー半年間(2020.11.1~2021.4.30))+お礼状とホームページへのお名前掲載

医療従事者でない方には集英社コミック「ラジエーションハウス」第1巻から最新巻まで1セット+お礼状とホームページへのお名前掲載


最後に

 大学病院における患者の診療データは、患者自身のものであると同時に個人情報以外は国民が共有すべき資産です。したがってそれらから得られる知識・経験を特定の企業が営利目的に利用することは望ましくありません。そこで大学病院の先生方と情報処理の研究者・技術者、弁護士等が専門性とガバナンス体制を構築した上で実務が実行できる場として、NPO法人メディカル指南車として取り組みます。

 NPO法人ですのでお客様からいただいた収入は、”画像診断ナレッジサービス「読影指南」”の維持発展や法人の固定費に利用し、いわゆる株式会社のように株主など特定の個人の「利益」に配分することはありません。しかし一方では、資本金を持たないので金融機関から融資を受けて事業を拡大するという方法はなじみません。

 皆様のご支援により、目の前に迫っている第2波に備えて、新型コロナウィルスの院内感染の防止や医療従事者の負担軽減による社会貢献を行うことができれば幸いです。

 皆様のご支援をいただき、NPO法人という体制を維持してこのサービスを多くの医療従事者に提供したいと思っています。ご支援よろしくお願いします。

チーム/団体/自己紹介・活動実績など

 NPO法人メディカル指南車は、大学病院が保有している豊富な知識・経験を広く一般の医療従事者に提供したり、患者や家族に対して健康維持の為の知識提供などを通じて地域医療に貢献することを目的に設立しました。下図に示すように大学病院に所属する専門医・指導医の先生方や知識情報処理の研究者・技術者が、大学病院や企業と協働しながら地域医療に貢献しています。

 以下に示すように、医療、情報処理それぞれの専門性を担保しながら、ガバナンスと実務においてバランスの取れたプロジェクト体制を構築しています。

専門性
・宮本正喜:理事長、代表者。医学の専門知識提供
     (兵庫医科大学名誉教授 サニーピアクリニック院長 専門医 医学博士)
・笹井浩介:副理事長、代表者、事業責任者。知識情報処理の専門知識提
     (博士(工学))
・真田 茂:理事。医学の専門知識提供
     (公立小松大学 保健医療学部臨床工学科 学科長 教授 医学博士)
・松村泰志:理事。医学の専門知識提供
     (大阪大学医学部付属病院 教授 専門医 医学博士)
・石垣恭子:理事。医療情報学の専門知識提供
     (兵庫県立大学大学院 教授 医学博士)
・竹村匡正:理事。医療情報学の専門知識提供
     (兵庫県立大学大学院 教授 博士(保健学))
・打田佐和子:理事。医学の専門知識提供
     (大阪市立大学大学院 講師 専門医 医学博士)
・仲野俊成:監修者、運営委員。医学の専門知識提供
     (関西医科大学 准教授 専門医 医学博士)
・仲島信也:監修者。医学の専門知識提供
     (仲島クリニック院長 専門医 医学博士)
・三原直樹:監修者。医学の専門知識提供
     (前大阪大学医学部付属病院 准教授 専門医 医学博士)

ガバナンス
・松藤隆則:監事(弁護士)
・玉川裕夫:監事(日本歯科医師会 歯学博士)

実務体制
・松岡真巧:理事。Web運用責任者(株式会社BlueMeme 代表取締役)
・加藤正彦:理事。事業アドバイザー
     (株式会社インテグレート アズ 代表取締役)
・松井隆司:運営委員。Web運用の専門知識提供(ITコンサルタント)
・高梨謙治:運営委員。Webサービスメンテナンス
     (株式会社HLウィル 代表取締役)
・情報処理およびデータベースに専門性を有する職員2名

主な活動実績
”画像診断ナレッジサービス「読影指南」”のこれまでの主な実績を紹介します。
2016. 8~ 以下の施設でモニターを実施し、要望事項のフィードバックと
      効果確認
      ・教育機関(群馬県立県民健康科学大学、金沢大学、等)
      ・大学病院(兵庫医科大学、大阪市立大学、等)
      ・一般病院(甲南会 甲南病院、兵庫県立淡路医療センター、
            医療法人汐先会 井野病院、兵庫県立西宮病院、等)
      ・診療所(高島循環器内科、辻病院、等約20施設)
2017. 10  CSOアワード2017大阪市長賞
2018. 4~  兵庫県立加古川医療センターにて採用
2018. 6   日本医療情報学会において優秀発表賞受賞
2019年度   社会福祉振興助成事業、大阪市民活動推進助成事業に採択
2019. 10~ 鈴鹿医療科学大学で診療放射線技師の教育に採用
2019. 11  英語版 ” Diagnostic Imaging Tutor ” をフィリピン行政機関、
      フィリピン各学会の専門医等に提供し、研修プログラム実施
2020. 7  ”日本一”明るい経済新聞の取材を受け7月号に記事掲載
 このようにこれまでに教育効果についてはすでに大学等で実証済みで、多くの施設でのモニター評価を経て開発を行っており、学会や行政機関においても評価していただいています。また国内にとどまらず海外においても高評価を受けています。


  • 2020/08/19 16:11

     臨床研修が思うように実施できないことに関する動向を調査していたら、厚生労働省の医道審議会 医師分科会 医師臨床研修部会でその対応を審議されていることがわかりました。(厚労省ホームページ 令和2年度第1回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会 審議結果 https://www.mhlw.go.j...

  • 2020/08/19 15:22

     教育施設や研修施設にプロモーションを行ってきました。 これまで、e-learningと称して数多くの電子教材が提案されてきました。しかし指導側から見ると、学習効果を正しく計ることができる教材はなかなか存在しませんでした。このような先入観から指導側に、画像診断ナレッジサービス「読影指南」も同程...

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