思えば5年前はフードトラックの上で和牛を売っていた。食好きの二人、堀江貴文と浜田寿人が立ち上げたブランドユニットが、このWAGYUMAFIA。それは2016年の3月のことだった。


常に世界にチャレンジしつづけた4年間

ワールドツアー85都市、ラスベガスでのショー、サウジアラビア・リアド宮殿でのワンマン5デイズ。この4年間で、数々のグローバルセンセーションを巻き起こしてきたWAGYUMAFIA。レストランというダイニング体験を凌駕する、完全なるショーのスタイルを確立し、ラスベガスのMGM GRANDの舞台にも立った。その勢いは加速し、今年もワールドツアー2020をロンドン3デイズで口火を切ったそのタイミングに、そうこのコロナが津波のようなディープインパクトで襲ってきたのだった。


そしてコロナはある日突然現れた

ロンドンツアーを終えて、日本に帰国した2020年3月上旬、予想以上に深刻な状況が待っていた。今後予定されていた世界ツアー30箇所がオールキャンセル、東京と香港にある8つのレストランもすべての予約がゼロとなる未曾有の危機に。全レストランでのキャンセル総数は1000件を超えた。


諦めないという勇気

それでも僕らWAGYUMAFIAは諦めなかった。「乗り越えろ」という意味の「RIDE IT OUT」、この言葉をタグラインに「RIDE IT OUT WAGYUMAFIA」プロジェクトを始動。西麻布にあるWAGYUMAFIA THE BUTCHER’S KITCHENのみを休みなしで全日稼働させて、他の店はすべて休業をさせた。誰よりも今一番大変なのは生産者だ、まず生産者を支援しよう、このピンチを乗り越えていこう。行き場を失った生産者の和牛を購入し、ライブブッチャーをスタート。来店が難しいゲストに、ソーシャルメディアを通じて、インタクラティブに対話していく。とにかくやるべきことはすべてやる、それは5年前に何もなかったフードトラックに立っていた時から変わらない精神だった。


日本を探そう、生産者を巡ろう

そしてチャレンジも忘れない、日本にこれだけ長く滞在できるのであれば、日本の全国をまわろう。堀江・浜田にとって初となるJAPAN TOURをスタート。全国の各地を周り、新たな生産者との出会いを創出してきた。NEVER GIVE UP, RIDE IT OUT TOGETHER。意思と行動を伴ったチームは必ずこの難局を突破するはずだ、チームWAGYUMAFIAの信念はどこまでも強かった。


そして5年の集大成となる過去最大のプロジェクト

そして悪夢のようなコロナ禍から半年、ついにWAGYUMAFIAのあの凍結していた幻のプロジェクトが再始動する。

「WAGYUMAFIA DISTRICT」

和訳するとWAGYUMAFIA地区。それは一体何を意味するのだろうか?5年目を迎えたWAGYUMAFIAが放つのは、この5年の集大成。そしてこの半年に渡るコロナ禍の戦いの中で生まれた全く新しい魂の叫びだ。


青山にデビューするDISTRICT構想とは

新国立競技場から徒歩圏に存在する青山キラー通り。英語で”THAT’S KILLER!!!”と言えば、褒め言葉になるスラングだ。東京オリンピック直後に青山にブティックを移したコシノジュンコさんが当時流行っていた「ピンキーとキラーズ」から名付けたあの伝説の通りだ。コロナ禍のスタートを支えた僕らの西麻布の道から直線で少し北にあがるとみえてくるのがスイス人マリオ・ボッタが建築したワタリウム美術館。数々の青山らしい文化を発信してきたのがこのキラー通りだ。

そのワタリウム美術館の隣に小さな脇道がある。中華の名店シャンウェイ、日本有数の海外写真集をあつめた小さな書店シェルフ。そのどん突きに漆黒のビルが生まれた。ひとつの細い赤いラインが、そのファサードに輝いている。このTHE THIN RED LINEがWAGYUMAFIA DISTRICTだ。この半年、沈んではいけないWAGYUMAFIAという船とともに大きな構想を描き続けてきた、それがDISTRICT構想だ。

この新しいDISTRICT構想には、このWAGYUMAFIAの5年の歴史のすべてを結集させる。構想の根底にあるのはコミュニティだ。それは竣工までの最後の半年で生まれた。唯一開けていた西麻布のWAGYUMAFIA、朝からの通し営業で僕らスタッフが出会えたのはゲストの皆さんの笑顔だった。それが僕らの明日への希望を作ってくれた。


会員制を貫く意味とは?

人は一人では生きていけない。だから心地よく群れたい。大切な生産者が育てた牛だからこそ、名前と顔がわかるゲストの方々に料理としてお出ししたい。そこで生まれた会話そのものがショーになる。WAGYUMAFIAでは常に会員制にこだわってきた。カウンターの向こうもこちらも、それは隔たりがなくイーブンの世界だ。美味しいものと仕事を忘れた大人たちが今日という一日を盛大に謳歌する。そういう場所だ。


ハンバーガーを世界で一番ポップなものに

全米最大のBBQショーで一際目立つブースで登場したのがWAGYUMAFIAだ。僕らはストリートフードで遊ぶことを良くする。それはアンディー・ウォーホールがキャンベル・スープをアートにしたのと同じような遊びだ。誰もが食べたことがあるあのストリート・フードをポップアートにしていく。シカゴのマクドナルドのお膝元でゲリラ的に出したのが、ビックマックをスクラッチから作り直して、神戸ビーフでパティを作り、ソースとバンズを一から設計しなおして生まれたのがBIG WAGだ。ハンバーガーの聖地でシカゴのバーガーファンを熱狂させたのがこのバーガーだ。


世界で熱狂されたBIG WAG!

すぐさまバイラルして、ロンドンで再びゲリラ的にこのBIG WAGを提供した。西麻布のWAGYUMAFIAにふらっと息子ブルックリンと遊びにきてくれたあの盟友デビッド・ベッカムが、まずは手をあげてくれた。彼のプライベートパーティで出されたBIG WAG、ベッカムは満面の笑みで頬ぼってくれた。東京では3年に一度しか出さなかった、そうあの伝説のバーガー、BIG WAG。そう、今回のメインはWAGYUMAFIAが初めて常設店として出すバーガースタンド、それがWAGYUMAFIA THE BURGERだ。


DISTRICT構想、それはWAGYUMAFIAファミリーの秘密基地だ

WAGYUMAFIA DISTRICTの重厚な重さのガラス扉をあけると飛び込んでくるのがこの秘密基地だ。提供されるメニューはあの伝説のBIG WAGのみ。フランス人DJ、ALEX FROM TOKYOがベルリンでミックスしたライブミックスとともに、心踊りながら食べてもらいたい。

このWAGYUMAFIA DISTRICT、3階構造となっており、地下1階がキッチンと肉の倉庫。1FがこのWAGYUMAFIA THE BUGER、そして秘密の倉庫をあがると、2Fのオープンスペースに広がるのが、このコロナ禍で生まれた最大のヒットとなった、和牛版ジンギスカンことWAGYUJISUKANだ。今までの和牛の焼き肉の概念を根底から変えてしまったこのメニューは、選びぬかれたトップクラスの和牛とその和牛から滴る牛脂で、トップレストランのみが手に入れられるあのハイエンド野菜たちをグリルする、最後は牛脂と野菜で生まれたベーススープに牛骨のみで炊いたスープを注ぎ込み麺をすする・・・そう大人にだけ許された大人の遊びだ


こだわり続けること、終わらないこだわりがWAGYUMAFIAだ

至高を追い求めたDISTRICT構想はこれだけでは終わらない。今回なんとWAGYUMAFIAは、このWAGYUJISUKANの鍋をオリジナル開発するという。それもあの「下町ロケット」を地で行く由紀精密が開発パートナーだ。無人補給船「こうのとり」で有名になった同社は、ビジネスの半分を飛行機のジェットエンジンのパーツ供給でなりたっている。三代目社長の大坪氏と話していたところ、今回のコロナ禍で大打撃になったのはこの航空部品部門。そこで依頼したのが宇宙・航空のトップ加工技術を使ってこのWAGYUJISUKANの鍋を共同開発できないか?ということだった。堀江貴文のロケットエンジンの開発よろしく、このWAGYUJISUKANの鍋も金属素材選び、最終加工の調整、そして数々の燃焼実験とおそろしいほどのコストと時間を使って、ようやくお披露目ができると思う。そう世界一の和牛を、世界唯一の食べ方で焼く、それも世界がみたことのない徹底的に燃焼効率を考えられた超精密加工鍋で焼く。


初の会員制となるYAKINIKUMAFIAとは?

そうDISTRICTの2FにはYAKINIKUMAFIA史上初となる会員専用店舗が生まれる、それがYAKINIKUMAFIA FOR MEMBERS ONLYだ。

WAGYUMAFIAといえば、ストリートフードからアイディアをもらい、彼らなりの徹底的なブラッシュアップで新しいレイヤーの食事に変えることで有名だ。代表するのはカツサンド、本来豚のカツサンドであった、カツサンドを神戸牛、それもフィレのシャトーブリアンで究極のカツサンドを生み出す。こだわりはソースそのものの開発、パン粉の製造、そして揚げる油に至るまで徹底的な分析をして、庶民のカツサンドをハレの日の食事へと消化させた。彼らが面白かったのは、その専門店を作ってしまい中目黒にデビューさせてしまったことだ。これがグローバルなセンセーションとなった。それはそうだ、カツサンド1つ、一番高いものが5万円もするのだから。プライベートジェットで飛んできて、そのサンドのみをテイクアウトしてまた戻るというファンも出現。最近ではラーメン二郎にインスパイアされて作ってしまった和牛版二郎ラーメンことWAGYUJIROをプロデュースしたことも記憶に新しい。一杯一万円、世界のラーメンシーンで話題となり、香港からスタートした同ブランドは、ついには六本木に専門店まで作ってしまった。


あの下町ホルモンが和牛バージョンで登場する!

そのWAGYUMAFIAが今回バーガーとジンギスカンの次に注目したのが、そう和牛のホルモンだ。大阪下町ストリートフードを愛する僕らにとって、WAGYUJISUKANのソースも下町インスパイアなレシピとなっているぐらい、大阪ストリートカルチャーが好きだと公言してはばからない。今回登場するのは、ホルモン専門の鉄板焼肉だ。そしてそこに大の広島通を自認する堀江のこだわり、広島のお好み焼きとソース焼きそばがペアリングされる。実はこのお店、WAGYUMAFIA会員限定のシークレット店舗となる。ホルモンは一頭買いだからこそ指定できる尾崎牛と神戸牛のホルモン。そして今回この和牛の鉄板ホルモンに、参画してくれたのがあの「こてっちゃん」だ。ご存知こてっちゃんがアメリカの牛肉のホルモンで作られており、今まで和牛のホルモンで作られたことはない。最高の和牛のホルモンで作られる究極のこてっちゃん。テーマはTHE昭和スタンディング。このシークレット店舗がDISTRICTのどこかに隠れている、小さな小さな小部屋だ。ぜひWAGYUMAFIAの会員権をゲットして、探し当てて欲しい。店名も含めてシークレットとなる幻の店舗だ。


大切なのはいかにゲストがファミリーになれるかどうかだ!

コロナ禍で徹底的にこだわったWAGYUMAFIAのコミュニティ感。ここまで生産者がこだわった食材を提供するのだからこそ、美味しいのは当たり前。ただし一番大事なことは、食は誰と食べるかが一番重要だということだ。そしてどうせ一度きりの人生だったら、徹底的に一緒に食べる人をこだわりたい。だからこそ、僕らはこのDISTRICTを作った。この5年の間、WAGYUMAFIAは常に戦ってきた。それは昨日僕らと戦ってきたはずだ。漆黒のファサードに繊細にもきらびやかに灯された僕らのシン・レッド・ラインをぜひ確かめに来てほしい。


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