はじめに

凶悪な犯罪が起こり、センセーショナルな報道を観るたびに、加害者へ相応の罰が与えられて当然だと思うことがあると思います。相応の罰とは、厳しければ厳しいほどよいのでしょうか?長期間の拘禁や厳しい生活条件を科しても、出所後に再び犯罪を繰り返してしまうのでは、社会が犯罪に十分に対応できているとは言えないのではないでしょうか?

プリズンヨガサポートセンターのパーソナルサポート事業は、瞑想を含むヨガ実践者が自分の状態に気付き、ありのままの自分自身を受容することで、受刑に至る直接的な原因とその背景との関わりの変容を促し、犯罪となる手段を経ることなく、生きる歓びを感じられることを目指しています。

具体的には、刑務所内でのヨガ実践のために準備した「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」を希望する受刑者にお送りします。その後、お手紙のやり取りを通して、受刑中の方々が瞑想を含むヨガの練習を始めて、難しいと感じることや迷いを感じることを手紙に書いて送っていただきます。社会福祉士の資格を持つヨガインストラクターを中心に、ヨガ、マインドフルネスや犯罪学の知見に基づき継続的にアドバイスをします。

刑務所内での瞑想を含むヨガの実践を推進することで、犯罪に関わった人々がより前向きに生きることをサポートします。彼/彼女らがより良く生きることをサポートすることが、結果として犯罪の少ない社会にも繋がります。




解決したい社会課題

受刑中の人々は、受刑に至るまでの過程で、子どもの頃に虐待を受けたり、教育過程や社会生活の中で不遇なことを経験したり、一筋縄ではいかない困難を経験していることが多くあります。そのため、彼/彼女らは自尊心が低くなりがちです。さらに様々な要因が絡まり合い、時の運も重なり、結果として犯罪への関与という最悪の結果が起こることがあります。悪いことをしたから厳しい罰を与えるというだけでは、そもそもの犯罪の背景にある問題に適切にアプローチすることはできません。その結果、再び、幾度となく犯罪が繰り返されてしまうという悲しい連鎖が起こります。

最新の犯罪白書*では、刑務所を出所した後に5年以内に再び刑務所に入所する人が平均して37.5%と報告されています。入所回数ごとにみると、はじめての入所後の再入所率は20.5%であるのに対し、2度めの入所後は40.6%、3度目以上では53.3%となっています。犯罪に関わり刑務所に入る回数が増えれば増えるほど再び刑務所に戻ってくる確率が高くなる傾向にあります。

プリズンヨガサポートセンターでは、どのような形で刑罰が科されたとしても、再び社会に戻った時に、心身の状態を整えて、きちんとした生活基盤を築き、犯罪に二度と関わることがなくなることが重要だと考えます。

*:"第3節2出所受刑者の再入所状況".犯罪白書令和2年版:薬物犯罪.法務総合研究所,2020,p.222-224.
  http://www.moj.go.jp/content/001333078.pdf,(参照 2020-11-25).

英国の刑務所

課題への問題意識のきっかけ

代表の松浦は大学卒業後に民間企業に勤務した後に、当時ボランティアとして関わっていた人権NGOの事務局に入職し、刑事人権をテーマに取り組みました。その後、より専門性の高い、刑務所の人権擁護をミッションとする団体に移りました。全国の受刑者から受け取る手紙と接するなかで、松浦がライフワークとして行っていたヨガの恩恵が、受刑者にこそ必要なのではないかと感じました。

松浦はヨガをすると、その時々のありのままの自分自身に温かく接することができると感じていました。無理に頑張らなくても、そのままでいいのだよと自分自身に思え、自尊心が育まれる体験をしました。このような体験が、受刑中の方にとっても有意義なのではないかと考えました。 刑務所から届く手紙の行間からは、筆者の低い自尊感情が垣間見られることが多くありました。罪を犯すことはいけないことだけれど、必要以上に自身を卑下することは、かえって社会復帰を阻害してしまうのではないか、そんな疑問を感じました。上述の人権NGOのボランティア仲間だった副代表の井上もヨガの実践をしており、このころから「プリズンヨガ」の構想を温めはじめました。

松浦は、その後30年以上のプリズンヨガの実践がある英国にある大学院課程で犯罪学を専攻しました。英国等でプリズンヨガのサポート活動をしている団体のご協力を得て、受刑者の更生とヨガ・瞑想などのマインドフルネスを用いた実践の関係を研究し、グッドライフモデルという犯罪からの更生理論に基づき、ヨガ・瞑想が受刑者の社会復帰に有益であるとの認識を得ました。帰国後の2019年5月20日に井上と再会し、受刑中の方々にヨガ・瞑想の実践のサポートを行う団体として、プリズンヨガサポートセンター(PYSC)を結成しました。プリズンヨガサポートセンター では、受刑中の方々がより前向きに生きることが、結果として犯罪からの更生を促すと考えています。


このプロジェクトで実現したいこと

プリズンヨガサポートセンターが行うパーソナルサポート事業では、刑務所等に拘禁されている状況でもヨガ、瞑想の練習を始め、継続するための情報提供やアドバイスを文通を通じて行います。日本では刑務所内での対面でのヨガ指導は現時点では実現は難しい状況がありますが、文通という手段を用いることで、全国の刑務所等の受刑者を対象にすることができます。

全国にある188カ所の刑務所、拘置所(支所を含む)に在所する受刑者を対象にパーソナルサポートを行います。プリズンヨガサポートセンターが発信する情報を受けて資料請求をしていただく受刑者の方を対象に資料提供、文通によるパーソナルサポートの実施対象とします。刑務所等に在所する受刑者との文通(手紙によるやり取り)は刑事施設被収容者処遇法126条により認められているため、パーソナルサポートを実施することが可能です。現在も、2020年10月のパーソナルサポート開始以降、17施設に在所する19名の受刑者等へのパーソナルサポートが始まっています。

このサポートを通じて、実践者の心理的な変化を促します。例えば、受刑中に困難な状況に直面した際の対処がより適切にできるようになったり、人間関係の改善、ストレスや不安が軽減することにより、精神的なゆとりがうまれたり、自尊感情の向上が期待されます。ヨガ・瞑想を通じて、受刑中の方々がより前向きに生きることをサポートします。その結果、彼/彼女らが本来の力に気づき、真に在りたい自分に近づくことが、彼/彼女らが犯罪から縁遠い生活を送る一助となればと考えています。

実践者の心理的な変化を測定するための心理アンケート調査票を準備し、定期的な効果測定の結果をプロジェクトの改善に活かしていく仕組を作りたいと考えています。さらに、近い将来、インストラクターによる刑務所内での対面でのヨガ指導の実施を目指しています。また、メンバーの増加やリモートワークによる柔軟かつ効果的な活動を支えるためのツールの活用にも力を入れていきたいと考えています。



応援メッセージ

臨床心理士
(一社)日本プロセスワークセンター教員
松村憲
 本当に素晴らしい活動をしてくださっています。ありがとうございます。「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」に拙著『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想』も参考にしてくださったと聞きました。
 心理療法の現場もそうですが、矯正領域などで出会う人々は、環境の影響も大きい。もし自分がそのような人生を生きていたなら…と思います。それでも、自分の人生は自分で引き受けるしかない。
 その時自分を支えてくれるものは何か?私とはだれか?という問いに向き合う人を救うのは、身体に他ならないと思います。身体は誰にも代えられず、自分だけの住処だから。身体に根ざして目覚めていくことは新しい人生のスタートになるはずだし、希望がたくさんある。そんな体験をより多くの方ができることを願います。 


資金の使い道

印刷製本費 :約7万円(「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」印刷)
図書資料費 :約2万円(ヨガ、瞑想実践の効果測定手法開発のための情報収集 )
委 託 費 :約7万円(専門家へのアドバイザーの依頼等)
広 報 費 :約2万円(新規WEBサイト構築等)
通 信 費 :約6万円(送料、事業データ管理システム、会議システムの料金等)
消耗品費  :約2万円(封筒等事務用品購入)
手 数 料 :約5万円(グッドモーニングの手数料)


実施スケジュール

2021年1月  :「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」改訂

2021年2月  :「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」増刷

2021年3月上旬:リターンとしての「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」発送

2021年3月下旬:効果測定のためのアンケート調査票完成

2021年4月上旬:2020年度活動報告メルマガ発行、以降不定期で発行予定

2021年4月上旬:アンケート調査票の使用開始

2021年5月  : ホームページ開設

2021年8月頃: オンラインイベント開催(予定)

※パーソナルサポートは継続的に実施する予定です



リターン

★3,000円のご支援で、活動報告&メールマガジンをメールで受け取ることができます!

★ 5, 000円のご支援で、 活動報告&メールマガジンに加えて
 「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」1冊ご提供!

★ 10, 000円のご支援で、活動報告&メールマガジン 、「受刑者のためのヨガ・瞑想
 ガイド」 に加えて有料オンラインイベントへの無料参加権(1回)ご提供 !

※メールマガジンは3か月に1回以上、活動報告は年1回以上の頻度で発行します。
※オンラインイベントは2021年8月頃開催予定(人数制限なし)です。ご参加が難しい場合には、次回以降のイベントへ1年間に限りご参加いただけます。本イベント開催費用は自己資金より拠出予定です。

<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド左:代表松浦、右:副代表井上

最後に

2019年5月のプリズンヨガサポートセンター結成以来、最初の受刑者への提供資料となる「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」の発行準備を進めてきました。ガイドの初版も完成し、具体的なパーソナルサポートが始まりました。まだまだ小さな活動ですが、この活動をより力強いものにしていくためにご支援をお願いいたします。クラウドファンディングという手段を用いることで、より多くの方にプリズンヨガサポートセンターの活動を知っていただき、共感してくださる方が増えることが、この活動を力強く前進させます。温かいご支援をよろしくお願いいたします。また、より多くの方へ情報を届けていただくことも、活動への温かい応援となります。情報拡散にも是非ご協力いただければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願い致します。

自己紹介

松浦亮輔 プリズンヨガサポートセンター代表

国際人権NGO事務局にて刑事人権に関するキャンペーンを担当後、受刑者の人権擁護をミッションとするNPOの事務局で受刑者等への情報提供、相談対応等に従事。その後、英国レスター大学犯罪学部にて受刑者の社会復帰へのヨガ・瞑想の実践の影響について調査研究を行い修士号を取得。2019年5月にプリズンヨガサポートセンターを結成。

井上さゆり プリズンヨガサポートセンター副代表

社会福祉士 / ヨガインストラクター
国際人権NGOで数年間子どもの権利チームコーディネーターを担当。永山子ども基金スタッフ。ソーシャルワーカーとして公共の相談業務や生きづらさを抱える少女/女性支援団体のLINE相談に携わる。
2007年、心身の不調からヨガに出会い、不調が改善しただけでなく人生が大きく変化する。以降、様々な角度からヨガや瞑想を学ぶ。マクロビオティック・ヨガ教室のアシスタント、チャレンジド・ヨガサポーターを経てヨガインストラクターとなる。

  • 2020/12/22 23:40

    12月21日付の東京新聞(朝刊)「こちら特報部」の欄に、プリズンヨガサポートセンター(PYSC)の活動を、「受刑者にヨガを 心を満たす→再犯防止に」という記事で紹介していただきました!!担当記者さんに、「受刑者のためのヨガ・瞑想ガイド」やパーソナルサポート事業を始めとした活動の詳細、代表の松浦...

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