目次:①はじめに ②猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気について ③治療の経緯について ④資金の使いみち ⑤クラウドファンディングの目標額の算出について ⑥スケジュールについて ⑦MUTIANについて ⑧リターンについて ⑨かぎおのことについて


1.はじめに

はじめまして。数多くあるクラウドファンディングの中から、こちらのページを見ていただき、誠にありがとうございます。

長野県在住のhironaと申します。現在は、元保護猫のかぎお(茶白、♂、2才)、こまち(三毛、♀、2才)、よもぎ(キジトラ、♀、半年)の3匹の猫たちと夫といっしょに暮らしています。

左から、よもぎ、かぎお、こまち

今回、飼い猫のかぎおが猫伝染性腹膜炎(以下FIP)という難病を発症したことをきっかけに、こちらのプロジェクトを立ち上げました。


FIPはながらく不治の病と言われており、有効な治療法がない非常に恐ろしい病気です。また、発症からの進行が非常に早いことも特徴のひとつで、発見から10日ほどで急死してしまうことも多いそうです。

しかし、日本では未承認の薬ではありますが「MUTIAN」という海外の薬がこのFIPに一定の効果があるということが分かってきました。

その一方で、このMUTIANという薬は非常に高価であり、また未承認の薬であるためペット保険等も適用されません。


けれども、経済状況を理由にかぎおの命を諦めることも、どうしてもできません。

どうかわたしたちの飼い猫かぎおの命を助けるためのご支援をしていただけないでしょうか。



2.猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気について

猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気は、生後6か月ごろから3歳ぐらいにかけて起こる珍しい病気で、有効な治療法もなく極めて致死率が高いことが特徴です。


【FIPの原因について】

ねこの体内にある特に害のないウイルス(猫腸コロナウイルス)が原因不明の突然変異を起こし強毒性のFIPウイルスになると言われています。


【FIPの症状について】

FIPの症状は、「ウェットタイプ」「ドライタイプ」の 2 つの症状に分類されます。


「ウェットタイプ」の症状は、体重減少・元気減退・発熱等の症状とともにお腹や胸に水が溜まり、腹水や胸水が肺を圧迫することにより呼吸困難などの症状を起こします。

「ドライタイプ」では、体重減少・元気減退・発熱等の症状とともに眼にぶどう膜炎や虹彩炎などの症状を起こしたり脳内に炎症を起こし神経症状を起こします。その他、腎臓や肝臓・腸にも異常が現れることがあります。


どちらのタイプも、初期症状は発熱や食欲低下等が主なため、発見しにくい病気の一つとのことです。

かかりつけ医の診断では、かぎおは「ドライタイプ」に分類されるとのことです。

症状が進むことで神経症状により「頭が破壊される」というショッキングな表現での説明がありました。


【FIPの治療法について】

現在、日本においてFIPには有効な治療法はありません(※)。

病気は治りませんが、溜まっている水を抜いたり、炎症を抑えるステロイド薬を飲んだりなど、苦しみを和らげる方法を獣医さんと相談しながら決めていくことになります。

※日本では未承認の薬、MUTIANで高い効果が確認されています。ただし、このMUTIANは保険適用外かつ輸入品となるため、非常に高価な薬です。こちらについてはまた後述します。


【FIPの予防について】

FIPのワクチンは、まだ日本にはありません。海外にはワクチンがありますが、その有効性ははっきりわかっていません。そのため、猫腸コロナウィルスの感染から守るためには、「完全に室内外にして、感染している猫との接触を避ける」ことしか方法がないそうです。

今回FIPを発症したかぎおをはじめ、我が家の3匹の猫はすべて保護猫出身です。そのため、おそらくは子猫の時代に猫腸コロナウィルスに感染し、いま運悪くそれが発症してしまったのだろう、と言われました。


3.治療の経緯について

【異変の気付き】

今年の10月末ごろから、かぎおの食欲が減退していきました。猫たち同士で遊ぶこともなくなり、気がつけば人間の膝や猫ちぐらでじっと寝ていることが増えました。

しかし、嘔吐や下痢などの目立った症状はなく、少し体調が悪いのかな?という程度の認識でした。


【最初の受診】

2020.11.3

かぎおの元気が戻らないので、近所の動物病院に行きました。

脱水症状はありましたが、発熱や嘔吐や下痢の症状がなく、毛並みも肛門も綺麗なので、

「精神的な理由から食べなくなっているだけでは?しばらく様子を見ましょう。」

と言われ、その日は水分を補うための注射だけを打ってもらいました。

【2度目の受診】

2020.11.7

かぎおの体調が改善しないので、別の動物病院へ行きました。

血液検査の結果、ウイルス性の感染症である可能性が高いこと、かつFIPの可能性が高いと告げられました。

FIPかどうかの検査のため、入院してレントゲン検査と、外注のウイルス検査をすることになりました。

【診断】

2020.11.9

動物病院から検査結果についての電話がかかってきました。

結果は猫コロナウイルス抗体に陽性反応があり、この検査結果やかぎおの様子から、FIPのドライタイプでほぼ間違いないだろうとのことでした。

そして症状が進むことで神経症状により「頭が破壊される」というショッキングな表現での説明がありました。


2020.11.11

動物病院を受診し、改めて今後の方針などを話し合いました。

そして、端的に言うと、余命の宣告がありました。

余命は2週間から、約1か月程度とのことです。


病院側から最初に提案していただいた治療方法は3つありました。

1.ステロイド

2.インターフェロン(免疫活性剤)

3.イトラコナゾール(抗真菌剤)

ただ、この3つの治療法のどれも予後が悪く、命が助かる確率はせいぜい10%程度とのことでした。


2度目の受診の際にFIPの可能性があると告げられてから、この恐ろしいFIPという病気について調べ続け、そして調べれば調べるほどに、なんと運が悪く恐ろしい病気にかかってしまったのかと絶望感に打ちのめされました。

どこを調べてみても、致死率が高いこと、治療法は無いこと、発症からの進行が早いこと、猫が苦しまないよう安楽死を進められるケースが多くあること…など絶望的な情報ばかりでした。


それでもなにか助かる方法はないものかと藁にもすがる思いで情報を集めていたところ、日本では未承認の薬ではありますが「MUTIAN」という海外の薬がこのFIPに一定の効果があるということを知りました。この薬は2019年頃から一般利用が可能になってきた新薬でもあります。


MUTIANを処方してくれる病院(MUTIAN協力動物病院)は、日本国内には8か所(2020年11月現在)しかありませんでしたが、そのうちの1か所になんとか予約を取り付け、診ていただくことになりました。



【MUTIAN協力動物病院の受診】

2020.11.13

家から片道5時間の距離にある、MUTIAN協力動物病院を受診しました。

そして検査の結果、やはりFIPのドライタイプの末期の可能性が高いと告げられました。

すぐにでも治療を開始した方が良いとのことで、9日分の薬を処方していただきました。

MUTIANの費用については、かぎおの体重と症状から計算して、最低でも二百万円以上かかるだろうと言われました。

この日の受診では、9日分の薬の処方と検査などで32万円がかかりました。


【今後の予定について】

この文章を書いている11月16日現在、かぎおに3回目の投薬を終えたところです。

3回目の投薬を終えたころから、急激に回復の兆しを見せ始め、毛づくろいをしたり、爪とぎをしたり、身体を伸ばしてゆっくりと眠ることができるようになってきました。

また、今日の朝には3週間ぶりに自力でキャットフードを食べることができ、かかりつけの動物病院では「この病気で食欲が回復するとは…」と大変驚かれました。

とはいえ、まだまだ完全な回復には程遠く、予断を許さない状況ではあります。このまま慎重に様子を見ながら84日間の投薬を続け、病気を寛解させたいと考えています。


4.資金の使いみち

すべて猫の薬代として使用します。

※計算の内訳は下記をご覧ください。
 また、活動報告などで最終的な収支のご報告をする予定です。


5.クラウドファンディングの目標額の算出について

すべてMUTIAN(薬)の代金となります

かぎおはドライタイプの末期のため、200mg/kg/日が必要です。

かぎおの体重は現在4.2㎏なので、1日あたり850㎎の処方です。

薬の代金は100mgあたり2,640円(税込)なので1日にかかる薬の代金は22,440円です。

「病気にかかる前の体重である5.0kgまで戻してほしい」と病院から指示されていますので、最終的には26,400円が1日あたりの薬代として必要となる見込みです。(もちろんこれ以上に体重が増加する可能性があるので、その場合はさらに費用が上乗せされます。)

そして、最低でも84日間は継続して投薬しなければならないため、薬代だけでも2,106,720円が必要となってきます。(※詳しい計算内訳は後述します)

また、MUTIANを処方してくれる病院が日本国内には8か所(2020年11月現在)しかありません。そのため、遠方の病院に赴くための交通費もかかってきます。もちろん、診療費自体も必要です。MUTIANを処方していただける遠方の動物病院と、近くのかかりつけ動物病院との両方に頻繁に通院し、経過を慎重に診ていただく必要があるためです。


【薬代の計算内訳】

薬の代金は100mgあたり2,640円(税込)かつ、最小単位が50mgなので、以下の通りの費用がかかります。

1~2週目:体重4.2kg  薬の量 850mg/日   費用(税込)22,440円/日

3~4週目:体重4.2kg  薬の量 900mg/日   費用(税込)23,760円/日

5~6週目:体重4.6kg   薬の量 950mg/日   費用(税込)25,080円/日

7~8週目:体重4.8kg   薬の量 1,000mg/日   費用(税込)26,400円/日

9~10週目:体重5.0kg   薬の量 1,000mg/日   費用(税込)26,400円/日

11~12週目:体重5.0kg   薬の量 1,000mg/日   費用(税込)26,400円/日


これらを合計すると、84日間の薬の費用は2,106,720円になります。

また、クラウドファンディングのサイトの手数料が17%引かれるので、実際にこの金額を集めるためには2,464,862円が必要という試算になります。

※上記には、通院のための交通費や診察代金などのその他の経費は含めていません。


薬の使用量は病気の進行具合や体重の増加に応じて増加するため、FIPドライタイプ末期かつ成猫のかぎおにかかる薬の費用は、子猫よりも多く必要です。

(例えば、生後6か月、平均体重2.5kgの子猫がウエットタイプにかかった場合と比較すると、かぎおの薬代は実に約4倍の金額となります。)

そのため、同じ病気の猫ちゃんよりも、達成額が比較的高額となっています。

自分たちで用意できる額は捻出しますが、どうしても足りない分についてご支援いただければと思います。


≪経費概算≫
  薬の費用:2,125,200円 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・①
  CAMPFIRE掲載手数料・決済手数料・税額:565,156円 ・・・・②
  リターン発送経費:197,895円 ・・・・・・・・・・・・・・・③
  薬以外の費用(※診療費、交通費など):1,032,495円 ・・・・・ ④
  費用合計:3,722,851円 ・・・・・・・・・・・⑤(①+②+③+④)


6.スケジュールについて


治療およびクラウドファンディングの具体的なスケジュールは下記のとおりです。

2020年11月13日 MUTIAN投薬開始
2020年11月中旬 クラウドファンディング開始
2021年1月  クラウドファンディング終了
2021年2月  リターン発送
2021年2月4日 MUTIAN投薬終了
※治療期間は猫の状況により延びる可能性があります。



7.MUTIANについて

MUTIANはまだ日本では認可されていないため、この薬についてはペット保険で適用されません

また、このお薬は最短でも84日間(12週間)毎日同じ時間に投薬をしなくてはなりません。

(血液検査の結果によっては、さらに投薬の期間が延びる可能性があります。)

さらに、途中で中断してしまったりすると、また始めからやり直しをしないといけない、たいへん難しいお薬です。



8.リターンについて

お礼のメール、お手紙、かぎおの状況が分かる画像や動画など。

また、お気持ち程度のものしかご用意できませんが…かぎおの写真を使用したポストカードやグッズなどを作成し、お礼としてお送りさせていただきます。

※リターンの発送は2021年2月を予定しています。


また、「活動報告」で随時かぎおの様子をご報告しますので、ご覧頂ければと思います。



9.かぎおのことについて

最後に、わたしたちの大切な家族「かぎお」について紹介させてください。

かぎおという名前は「かぎしっぽ」状の「尾」をもっていることから命名しました。

2018年5月生まれの、2歳半の男の子です。

病気にかかる前のかぎおは、やんちゃで甘えん坊な性格の猫でした。

人懐っこくて好奇心旺盛で、家に遊びに来た人全員に挨拶をしにいく、社交的なかわいい猫でした。家の空調の検査に来たおじさんにつきまとい、仕事の邪魔をして迷惑そうにされていた、お邪魔なかわいい猫でした。


戸棚からチュールを取り出す音を家のどこにいても聞き逃さない、賢くて食い意地のはった猫でした。


夏に新入りの子猫の「よもぎ」が来た時には、少しだけうなったあと、すぐに受け入れて、一緒に添い寝したり、せっせと毛づくろいをしてはよもぎの毛をベトベトにしていた優しい猫でした。


あんなに甘えん坊だったのに、子猫のよもぎが家に来てからは一歩引いたところから、わたしたちとよもぎが遊ぶ様子を見守るようになった、優しい優しい猫でした。

かぎおは賢くて可愛くて優しい猫ですが、それでもやっぱり猫なので、いたずらもたくさんしました。布をかじってしまう癖があり、ソファー、ベッド、ベッドカバー、かけぶとん、クッション、ブランケット、カーペット、じゅうたん、カーテンのヒモ、そしてわたしの服(何十着と破られてだめにしました・・・)などなど、たくさんのものを買い替えました。でもそんなことは全く気にしないから、また全部破られて買い替えてもいいから、かぎおには元通り元気でやんちゃな猫になってほしいです。


かぎおは元保護猫で、愛知県の譲渡会で私たち夫婦に出会い、三毛猫の「こまち」と一緒に我が家にきてくれました。

そして今年の夏からは、同じく保護猫出身の片目の子猫「よもぎ」も加わり、我が家で3匹と2人、穏やかに暮らしていました。

かぎおが保護されたのは子猫のころですが、厳しい環境の中で生まれたため、他の兄弟猫たちはすべて亡くなってしまい、かぎお1匹だけがなんとか生き残ったのだそうです。

亡くなった他の兄弟猫の分まで長生きしてほしい、幸せに暮らしてほしいと願って大切に育ててきました。

たったひとり生き残ったかぎおはとても強い猫なので、この難病にも負けず、きっと元気を取り戻してくれるものと信じています。

かぎおは2歳半、人間の年齢で換算すると約26歳です。命を終えてしまうには、まだまだ若すぎる年齢です。



 本来ならば、かぎおの治療費を用意することは、飼い主である私たち夫婦の責任です。

しかし、大変お恥ずかしい話ですが、これからのMUTIANの費用を全額支払うのは、私達の経済状況ではとても厳しい状況です。

昨年、家を建てて引っ越しをしたこと、また、転居に際して今まで勤めていた会社を辞めたあと、再就職までの失業期間が長く続いたことなどから、この高額な薬の費用を短期間で捻出することが困難です。

しかし、経済状況を理由にかぎおの命を諦めることも、どうしてもできません。

 ただでさえ世の中が大変な状況であるなか、自身の飼い猫のための資金集めとは大変申し訳なく恥ずかしいことであると重々承知ですが、恥を忍んでお願い申し上げます。

 わたしたちの大切な大切な家族である猫のかぎおを救うため、どうかお力を貸していただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


※「MUTIAN」は日本において動物医療品として承認されていません。

かぎおの飼い主として、個人的な自己責任と判断の上でかぎおにとって投与が必要と考えていますが、全てのFIPの猫に「MUTIAN」が有効であるという趣旨ではありません。

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    ご支援者の皆様ご無沙汰しております。最近はすっかり暖かくなり、初夏の陽射しに包まれながら猫たちが目いっぱい伸ばした体で日向ぼっこをしている姿を見かけるようになりました。時折、日向ぼっこのついでに庭に現れた鳥に威嚇することもあります。さて、実は先程、かぎおの診察で協力動物病院から帰宅したところで...

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