読了時間:約5~6分
そんな時間ないよ…という方は下記要約をご覧下さい。
*****【要約】**********************************
●「乳牛」=「個性的」は酪農家さんの常識
●でも消費者の方々は知らない
●この初歩的なズレは誤解も広まりやすい環境を作る
(牛乳は毒だ…とか)
●放置すると、別に牛乳は国産でなくても…と言われかねない
●それは地域の産業衰退も意味する
●ただ、生産牧場を一般開放するには課題も多い
●その一方で牛の「個性」は、一般人の興味を引きやすい
●ならば1枚の絵に表現してはどうか?
●日本人の親しみやすい浮世絵で
●そして同じ絵を眺めるように
●生産者と消費者とがフラットな関係で
●お互いの理解を深めてほしい
●それが持続可能への第1歩だと思うから
【リターン】
クリアファイル・手ぬぐい・版画体験などをご用意
【スケジュール】
6月 版板の製作開始
7月 本摺りを開始
8月 浮世絵版画完成
リターン品の製作開始
9月 〃 発送
**********************************************
今回のプロジェクトは
浮世絵の復刻版を作るのではなく、
新たに描いた絵を浮世絵に仕立てるため
製作費用一部ご負担へのご協力をお願いするものです。
以下、本文となります。
●はじめに
数ある中から、このプロジェクトをご覧頂きありがとうございます。
この絵に目が留まったということは
あなたは乳牛が普段見せる仕草や行動に詳しい方だとお察しいたします。
乳生産をしている彼女たちは、
エサの時間には、みんなで熱い視線を送ってくれたり
搾乳後には腰を下ろしてフゥーッと、ひと息ついたり
隣りの子のご飯をチョイと味見してみたり
オフタイムには足を投げ出して寝そべったりもする
個性豊かなその行動の1つ1つが
どこか人間らしくもあり
そして愛らしい
乳牛って、そんな感じの生き物ですよね。
初めまして。
私は企画責任者であり、この絵の作者でもある伊達政幸と申します。
生まれも育ちも東京ですが、動物好きということもあり
●地元の高校卒業後、帯広畜産大別科に入学
●卒業後は北海道十勝の肉牛牧場や
●徳島県で酪農家として働く
(搾乳バイトでも、牧場スタッフでもなく…です)
という経歴があり、牛がする仕草や行動はよく見て参りました。
9年前、父の急死をきっかけに実家の米穀小売店を継承し現在に至りますが
また牛と関わりを持ちたい!
みんなに生産現場のこと、もっと知って欲しい!
との願いから、2014年より酪農について深く学べる、大人限定の体験企画も始め、家畜市場や屠場などの関係先も含めた見学・体験なども行っています。
大人向け体験について詳しく知りたい方はコチラ↓↓↓
https://www.facebook.com/otorakutai
それとは別に趣味で絵を描くこともあります。
動物画が多いですが、断トツで多いのが「牛」
その表情や仕草を良く知っていて愛着があるから…というのが理由です。。。多分。
ここに表示されている牛たちはすべて私が描いたものです。
さて。
乳牛たちが個性豊かな行動を見せるのは酪農関係者、特に牛舎作業をしている方にとっては、もう言うまでもなく当たり前のことですが。。。
実は、一般消費者の方に、ほとんど知られていない事実をご存じでしょうか?
これ、私も意外だったのですが、大人向け酪農体験の「お客様の感想」を整理していた時
乳牛の「個性」
を挙げる声が多いことに気付きました。
全くの未経験者だけでなく、もともと酪農や牛が好き、で参加された方も同様の感想を寄せたので、一般消費者の方々が手にする酪農に関する情報の中に「牛は個性豊かな動物」という紹介がない、または伝わっていないことが想像に難くないと思います。
それに対し、畜産業の環境への影響・飼育密度などは詳しかったりします。
と、言うことは。。。
せっかくの交流イベントで酪農家さんと消費者の方々がお話する機会があるとしても、お互いが全く違う牛をイメージしている中での会話であり、説明であり、
それが誤解の元になる…とも考えられます。
牛乳は毒である、というデマが拡散しやすいのは、この辺りも一因かと。
かと思えば、
生産者団体主催の交流イベントでは
消費者の皆さんが牧場アイスや乳飲料を購入し、召し上がっている、その傍で
「もっと牛乳を飲んで下さい!」
と連呼する酪農家さんたちの映像が流れる。。。
今、消費している人に対し「もっと消費を!」と言うのは感じ悪いです。
他の会場では、乳牛という生き物は「胃が4つあって、蹄は2つ…」
の話の続きには
「2才で初産を迎え、3~4回お産をしたら肉用として売ります」
との説明が…
ち、違う!
そうじゃ、そうじゃな~~~~~い!
という場面があったりもする。
酪農家さんが負担する乳代賦課金*が投入されているイベントなのに。。。
(*出荷乳量に応じて源泉徴収される協力金のこと)
残念なことですが、伝える側も酪農のこと、そして消費者の気持ちを理解できていない場面が散見されます。
ちなみに酪農家さんの本音として、牛さんには10回でも20回でもお産をし、健康で長生きして欲しいと思っています。
ただ、いろいろな制約があり平均すれば3~4回という数字になる、というだけなのです。
これ、言いにくいことですが
この認識のズレを解消しないと
●酪農への理解は進まず
●お客様がそっと離れて行く
のも無理はない状態に思えるのです。
私のような小売、接客業の立場から見れば、交流イベントでのお客様の表情や体の動きは、あまり「楽しそう」とは言えません。
消費者を取り巻く環境が大きく変化し、食品産業そのものが「ブラックボックス化」していること、身近に農業従事者が少なくなり、その背景が見えないのも一因かもしれません。
そして防疫上の理由で、牧場への立ち入り制限や、交流イベントに生きた牛を連れてくることさえ難しくなっています。
この環境で、BSE並みの事件が起きてしまった場合、消費者側から牛乳は国産でなくても…という意見が出かねないと思っています。
そして最近の長期保存可能牛乳の味の良さを考えれば、何かのきっかけで海外の牛乳が参入してくることも十分にあり得ます。
それは地方(特にへき地と呼ばれるところ)の産業衰退を意味し、過疎化に一層の拍車がかかるでしょう。酪農専業の開拓地域など、他の作物への転換ができない場所では大打撃となる訳です。
こんな状況は良くない。
お互いの立場を理解し、支え合う関係でなければ、このつながりは破綻しかねない。
可能であれば同じイメージを共有しながら相互理解を深めて欲しい。
1枚の絵を並んで鑑賞するように。。。
そんな願いを込めて、
●乳牛たちの「個性」を前面に出し
●酪農家が目にする牛って
●こんなのだよ~と
●会話が弾むような
●浮世絵版画「乳牛づくし」を作りたい
と思って立ち上げたのが今回のプロジェクトです。
●浮世絵「乳牛づくし」とは
江戸時代、動物が主人公の浮世絵が実際にありました。
馬づくし、猫づくし、金魚づくし…
どれもユーモアたっぷりに様々なポーズを1枚の絵の中にいっぱい詰め込んだ、その動物が好きな方にはたまらないものだったと想像できます。
…で。
今回製作するのは、その「乳牛」版です。
牛の浮世絵だってあるだろう~と探しましたが見つからず。。。
自分で作りました。
作者(私のこと)の気持ちとしては、酪農への理解につなげて欲しいというのもありますが。。。
乳牛好きが、まず楽しめなければならない!
という大前提があります。
江戸の浮世絵師の心意気を汲むなら。
これはまだ下絵の段階ですが、全12頭の牛たちが、いろんな仕草をしています。
乳牛を好きな方なら思わずニヤッと
…します
よね。
今回のプロジェクトは、この絵を江戸時代の浮世絵と同じく
多色刷りの版画で製作しよう!
というものです。
サイズはA4、使う色数は10色程度。
色の重なりや滲み、擦れ、そして微妙なズレなど、手摺りならではの味を出したいと考えています。
そのほうが時間を掛けて、見て頂ける可能性が高いからです。
彩色すると、こんな感じになる予定です↓↓↓
このイラスト自体は4年前に、私が筆ペンとクーピーで描いたものです。
既にご覧になった方もいるかもしれませんが、絵としては少し粗が目立つので、今回は版画にてチャレンジする次第です。
●なぜ浮世絵なのか?
浮世絵の大きな特徴として
●パッと見て、関心を惹きやすく
●じっくり見て頂ける
●リアリティを追求しながらも
●どこかユーモラスで感情移入しやすく
●見ていて楽しい気分になる。
つまり視覚に訴える宣伝効果抜群なのです。
今回のプロジェクトの特徴として
●費用を抑えるためレーザーカッターを使用し版板を彫り
●版板にはPEフォームという新素材を採用
●そして版画の摺りは自力で仕上げる
(結局、これが一番安い)
というもの。
当初は伝統江戸木版画の技法で製作しようと考えていましたが、100万円超の見積金額、その他諸々の制約にあえなく断念。
代替の手法を探していたところ、レーザー加工+専用素材で版板を作ると格段に安くできることが判明しました。
そして…最後の仕上げ、自分で摺り上げます。
専門的に習ったことはありませんが、版画は作ることができます。
過去に私が製作したゴム版の多色刷り版画をご覧下さい。
いかがでしょうか?
一応ここまでは自力で出来ますので、信用して頂けたら嬉しいです。
自費で製作スタートしてしまおうかとも考えましたが
応援してくれるお客様がいるのか先に確かめられる
そして酪農業界の方々に伝えたいこともある
の2つが可能なクラウドファンディングに挑戦することを決めました。
今回はその版板等の製作費をファンディングしたいと考えております。
●資金の使い道
伝統江戸木版画でなく、レーザー加工+新素材で製作する今回のプロジェクト。
下記のような使い途を予定しております。
●PEフォーム(版板素材)10色分 15,000円
●レーザー加工 データ作成 5,500円
加工賃 10色分 50,000円
●クラウドファンディング手数料(10%+税 ) 8,800円
※上記以外の版画用和紙・顔料・道具等は自費で賄います。
●リターンについて
プロジェクトご支援のリターン品には
・オリジナル・クリアファイル
・オリジナル・手ぬぐい(今回のみ限定生産)
・版画体験
などをご用意いたします。
●実施スケジュール
2021年5月 クラウドファンディング終了
6月 版板製作開始
7月 本摺り作業開始
8月 浮世絵版画完成・リターン品の製作開始
9月 リターン品の発送
●最後に
私、酪農・畜産に関わりを持って22年が経過しました。
その生産現場で働いたことにより、人間が利用できない資源を家畜の体を使い利用できる資源に変える素晴らしさ、人間よりはるかに短いサイクルで命をつないでゆく尊さ、そして地域の人々の生活を支える大切な産業であることも学んできました。
またBSE問題発生時には、消費者の方から必要とされなければ市場価格が大暴落し、産業全体が大打撃を受けることも経験しました。
国内での資源循環に果たす畜産業の役割は不可欠と思いますし、その存続のためには消費者の方々の理解だけでなく、生産者側も適切に情報発信することもまた不可欠なものと思っております。
既に体験受入れや、交流イベントに積極的に参加されている酪農家さんもたくさんいらっしゃいます。
ですが、まだまだ接点の「量」が足りない、そんな状況だと思います。
たかが浮世絵1枚がそれらの課題を解決する訳ではありませんが、この絵が生産者と消費者を結ぶ架け橋になってくれたら…という思いです。
もし今回のプロジェクトが成功しましたら続編も作る予定です。
製作の趣旨と作者の考えにご賛同、またはコレ面白そうだと思って頂けましたなら、どうぞご支援、そして情報の拡散にご協力頂きますようお願い申し上げます。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
●商品引渡しまたは役務提供の時期:
プロジェクトが募集期間内に成立した場合のみ、支援金の決済が行われ、約定されたリターンを得る権利が発生します。
なお、リターン毎の発送(履行)時期は各ページの記載・連絡に準じます。
諸般の事情により遅延・遅配が生じる場合は、プロジェクトオーナーより連絡されるものとします。
●キャンセル・返品:
利用規約記載のとおり、お客様都合による返品・キャンセルはできませんのでご注意ください。
尚、製品到着後に破損や初期不良がある場合は交換させて頂きますので「メッセージで意見や問い合わせを送る」からお問合わせ下さい。
※このプロジェクトで使用しているすべての画像は、著作者の許可を得て掲載しております。
<All-or-Nothing方式の場合>
本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。
最新の活動報告
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2021/05/04 14:31企画責任者の伊達です。今回プロジェクト、浮世絵を「版画」で作ります。その版板(はんいた)に使うPEフォームについて質問を頂いたので、補足説明ということで書かせて頂きます。PEフォーム、正式名称「ポリエチレンフォーム」ポリ袋などに使われるポリエチレンを発砲させた素材で、吸水性が無く、断熱・遮音に優れているため、家の壁や床などの建築素材として利用されています。また水泳の練習で使うビート板も、この素材で出来ています。とても身近な素材なんですね。製作テスト中のPEフォーム版そんな建築素材のPEフォームで、なぜ版画を作ろうとしているのか?最大の理由として、浮世絵の伝統的手法である木版画は、版板製作費が非常に高価なこと。その額、ウン十万円。。。1枚、1枚、手彫りなので当然ですが。ただ今回の目的は伝統技術を守ることでないので、もっと安価で上手く表現できるものを…と探したところ、レーザー加工+PEフォームの組み合わせで版画を作る手法を知り、これを取り入れることに決定しました。ちなみにその手法を紹介していたサイトはコチラ↓↓↓https://note.com/kuralab/n/n07e98ec06ac3今回、浮世絵製版の実績がある印刷屋さんにご協力頂き、レーザー加工を依頼する予定です。現在、打ち合わせ中これが業務用レーザーカッター。さすがに大きい既にレーザーの強さ・スピードを決定する試し彫り、インク乗りを確かめるべく試し刷りまでは済ませております。スポンジ状の版板なので木版ともゴム版とも感触は違いますが、試し刷りをした感じでは何回か練習すれば使いこなせそうです。どんな仕上がりになるのか、どうぞお楽しみに。 もっと見る
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