岩手県西和賀町の《西和賀町文化創造館 銀河ホール》で、劇作家書き下ろし新作台本による高校演劇の大会「いわて銀河ホール高校演劇アワード」を立ち上げます。初回は範宙遊泳の山本卓卓さん(台本)、イラストレーターのたなかみさきさん(メインビジュアル)、黒太剛亮さん(照明兼舞台監督)にご参加いただきます!

プロジェクト本文

9/14追記

10,000円のリターンのバリエーションが増えました!
成城石井などの各スーパーで大人気の西和賀産ヨーグルト「プレミアム湯田ヨーグルト(加糖・無糖セット)」と、テレビでも度々取り上げられている西和賀産本わらび粉100%の本物のわらび餅「西わらび餅」を追加しました!
「支援したいけど、正直演劇には興味がなくてリターンを選べずにいました……」というみなさん、西和賀町ならではの《おいしいもの》をお楽しみください!!

▼はじめにご挨拶

こんにちは!今回のプロジェクトを主催するギンガク実行委員会事務局の小堀陽平です。
前回は「ブナの森自然塾さそう館」としてプロジェクトを立ち上げましたが、今回は「ギンガク実行委員会」としてのプロジェクトになります)

▲関係者からのご指摘を受けてフルネームに修正しました。ついでなので追記しておくと、結婚して姓が小堀になりましたが以前は森陽平でした。知り合いの方で「あれ、森さんじゃないの……?」と思った方、混乱させてすみません。


まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。

東京都出身で、現在は岩手県西和賀町という山奥のちいさな町に暮らしています。
高校で演劇部を立ち上げたところから演劇に関わりはじめ、日本大学芸術学部で劇作と演出を学び、同大大学院を終えてから京都に移住し、龍谷大学でゲスト講師として演劇の授業をさせてもらったりNPO劇研で働かせてもらったりしながら2年を過ごしたのち、2014年に西和賀町の地域おこし協力隊として移住しました。


西和賀町との関わりは、大学院を修了した2012年に「ギンガク」というプロジェクトを立ち上げたことからスタートしました。ギンガクについてはあとで詳しく説明をしますが、簡単にいうと、

銀河ホールと温泉旅館を拠点として、まだ実績を持たない《これから》の若い世代を対象に、演劇や美術の制作合宿の機会を提供する

という事業です。
旅館経営者の方から相談を受けたことをきっかけに事業の立ち上げに関わり、以降、合宿中のプログラムを企画したり、参加者を募ったり、フライヤーやポスターをつくったり、自分でも作品をつくったり……といったことをしてきました。
そんな流れから西和賀町に移住し、協力隊としての3年を経て、西和賀町文化創造館の「アートコーディネーター」という立場になりました。

 

 

▼このプロジェクトで実現したいこと

さて、自己紹介が長くなりました。
今回のプロジェクト「いわて銀河ホール高校演劇アワード」のお話をします。

まず大会の概要をシンプルにまとめると、以下のような流れになります。


1.全国から5校の演劇部の参加を募り、

2.「劇作家の書き下ろし戯曲」を共通の上演台本として稽古・練習してもらい、

3.宿泊費の補助付きで西和賀町の温泉旅館に滞在しながら、

4.「西和賀町文化創造館 銀河ホール」で公開リハーサル(場当たり)を行い、

5.上演発表会を実施し、

6.審査により団体賞・個人賞を授与する!!

7.2018年2月の最後の週末(2/23〜2/25)に開催予定


いろんな要素を詰め込んでいますが、僕がこの企画を通じて本当に実現したいのは、

「高校演劇部員が、学校や家庭に《結果》を持って帰れるチャンス(大会)を増やす」

ということです。

もちろん「銀河ホールをもっと高校演劇に使ってもらう」とか「高校演劇のファンを増やす」とか「全国の高校生同士、あるいは町内の中高生たちとの交流の機会をつくる」とか、いろいろ考えていることはありますが、どれが一番の目的かといえば、やっぱりこれかなと思っています。

少し大きなことをいえば、同じような大会が各地の地方公共劇場主催で広がっていくといいなあ……なんてことも思い描いたりもしていますが、「とりあえずは自分のところから始めてみよう!」ということでプロジェクトを立ち上げてみました。
(あ、でも今回達成できずに終わって別の劇場が同じ内容で実施したら悔しいので、ぜひご支援を!笑) 

▼プロジェクトをやろうと思った理由

「演劇部員に《結果》を!」なんて言うと、「演劇は結果とか勝ち負けじゃない!」という反応をされる方もいらっしゃるかと思います。
というか僕自身もどちらかといえばそういうタイプで、自分でつくるにせよ観るにせよ、正直上手いか下手かよりもユニークさや発想力の面白さを楽しんでいる気がします。

にもかかわらず、今回このプロジェクトを立ち上げたのは、西和賀町の高校生と話していたときにこんな言葉を聞いたことがきっかけでした。


「美大や芸大への進学希望したいけど、自分にそんな資格があるのかよくわからなくて、学校や親を説得できない」

 

僕自身は東京の出身なので、岩手・西和賀の高校生たちとは比べ物にならないほど母校の日本大学芸術学部もその他の美大・芸大も「近い」存在でしたが、思い返せば「日芸で演劇を学ぶ」という決断にはそれなりの覚悟が必要だったし、それを親や学校に伝えるには勇気も必要だったし、まずは高校生なりに自分の覚悟を自分に対して裏付ける「何か」が必要でした。

 

高校演劇には、運動部でいうところの「公式戦」は年に一度しかありません。しかも地区大会から全国大会にいたるまでに年度を跨いだりもするため、初演のメンバーが全国大会の舞台には立てないということもあったりします。

地域によっては顧問の先生方や高校演劇連盟の方々が合同公演や発表会を開催している場合もありますが、そこで審査員を招いて表彰までするのは予算的にも難しかったりして(予算的には会場を押さえるので精一杯ということも多いそうです)、高校演劇部員たちが「自分たちのしていることがどんなことに繋がっているのか」を周囲に納得してもらう材料を得る機会は決して多くはありません。

たしかに純粋に部活動や表現活動として演劇をするのなら、誰かと競い合ったり、評価を求めたりするのは本質的なことではないかもしれませんし、それを目的にするのは僕も違う気がします。ただ、かといって何らかの《結果》が得られる機会がそもそも極端に限られているとしたら、それはそれで救いがない気もします。

また、コンクールや大会は《出会い》の場でもあります。自分の近くにいるひとたちからは「よくわからない」と言われた作品が、審査員に支持してもらえたり、他校の演劇部員から思わぬ共感を得たりすることはしばしばあります。

僕自身も高校時代、地区大会で劇作家の古城十忍さんに「君には書き続けてほしい」と応援していただいたこと、その先の都大会でやはり劇作家の坂手洋二さんに「この戯曲にはアンサーがない」と厳しく批評していただいたことは忘れられない財産です。そしてもっと大きな財産は、たくさんの他校の演劇部員と知り合うことができ、高校時代もその後もたくさんの作品を一緒につくるきっかけを得たことです。

これが仮に人口6,000人を下回る西和賀町のような、《出会い》の機会の少ない地域の高校生の体験であれば、その意味はより大きなものになるでしょう。


こういうことは演劇に限ったことではないとは思いますが、それにしても全国の高校演劇部員にとって、自分の進路に自分で可能性を与える、その自分に対する「裏付け」として、《結果》や《出会い》を残せるような機会はもっとたくさんあっていいはずだと僕は思います。

そして、そういう体験を持つことは、本人が演劇を続けるかどうかに関わらず、本人にとっても社会にとっても間違いなくプラスになるだろうとも思います。

今回の大会はそんな思いから、ひとまず僕にできそうなこととして立ち上げてみました。 

▼このプロジェクトのポイント

さて、思いを語っていたら、またしても長くなりました。
でもまだ長くなります!(笑)


今回のプロジェクト、ズバリ注目してもらいたいポイントは「劇作家が書き下ろす共通の上演台本」「プロの舞台スタッフによるアドバイス付き公開リハーサル」「西和賀町の温泉旅館に宿泊」の3つです!


1.劇作家が書き下ろす共通の上演台本

「いわて銀河ホール高校演劇アワード」は、大会ごとに劇作家さんから共通の上演台本として新作を書き下ろしていただく大会として開催します。
つまり、参加する高校生にとっては「劇作家の新作を自分たちが初演できる」大会であり、書き下ろす劇作家にとっては「自分の新作が高校生たちによって参加校数分のバージョンで上演される」大会であるということになります。

こういう大会、少なくとも僕は前例を聞いたことがないので、結果間違ってるかもしれませんが、とりあえず「前代未聞の大会です!」と言っておきます(前例あったら教えてください)。

そして、今回台本を書き下ろしてくれるのは、この方!

そう、範宙遊泳の山本卓卓(やまもと・すぐる)さんです!(撮影|amemiyayukitaka)

今年3月に銀河ホールで代表作『幼女X』の国内凱旋公演をしてもらったご縁から、今回も快諾していただきました。
次世代を担う日本人劇作家として、バンコクシアターフェスティバル2014で最優秀作品賞と最優秀脚本賞を受賞するなど、アジアを中心に国際的にも注目を集める山本卓卓さんの新作が今回の共通台本となります!

 

2.プロの舞台スタッフによるアドバイス付き公開リハーサル

切実なのにあんまり知られていない高校演劇の制約に「リハーサルの短さ」があります。コンクールであれば「舞台上への舞台装置の搬入から撤去も含めて30分以内」という場合もあり、その時間内で照明や音響の確認をしなくてはなりません(参考までに、1日で搬入・上演・搬出をするツアー公演は別として、一般的な演劇公演では、仕込みやリハーサルのために数日間スケジュールを確保します)。
こうした事情もあって「裏方の仕事をもっと学びたい」という高校生は少なくありません。

そこで、この大会では「プロの舞台スタッフによるアドバイス付き公開リハーサル」というスタイルでそのニーズに対応したいと考えています。

リハーサルの時間を長めに確保し、指導力のある舞台監督からのアドバイスを受けながら場当たりを行い、さらにそれをお互いに見ることができる「公開リハーサル」というかたちで実施します。
ノウハウや知識だけを教わる舞台技術講習ではなく、これから上演する舞台への事前アドバイスですから、話は具体的になるし、すぐに実践できる。しかも台本は同じだから、お互いに見ていて、どの場面でどんな工夫をしたのかがちゃんと分かる。
これ、何気に結構得るものが大きいんじゃないかと思っています。

そして、そのリハーサルを取り仕切っていただくのは、舞台スタッフチーム「黒猿」の黒太剛亮(くろた・たかあき)さん
黒太さんは、東京・こまばアゴラ劇場で開催されている「高校演劇サミット」でも照明兼舞台監督として活躍されている照明家です。ちなみに銀河ホールで舞台照明講座をしてもらったこともあります。

 

3.西和賀町の温泉旅館に宿泊

こちらは次項のギンガクの紹介で代えさせていただきます。
ちなみに「温泉」は大きなセールスポイントですが、今回プッシュしたいポイントはちょっと違います。

先述の通り、西和賀町の温泉旅館では《これから》の若者たちの合宿の受け入れを続けてきました。しかし、ただ泊めるだけでなく、合宿参加者みんなが「また西和賀に来たい!」と言い残してくれるような受け入れ方をしてきたのです。

というわけで、そんなギンガクのご紹介から「西和賀町の温泉旅館での合宿」がどんなものであるか、少しでもイメージしていただければと思います。 

▼ギンガク=西和賀町での合宿について(これまでの活動)


ギンガクは、2012年にスタートした文化芸術分野の合宿事業です。

町や国からの補助金で滞在中の宿泊費を補助して、西和賀町の温泉旅館に安く泊まってもらいながら、銀河ホールや西和賀町内で作品制作やワークショップなどをしてもらう、という合宿です。

現在は演劇・美術・デザインといったジャンルでいくつかの企画が実施されていますが、他のジャンルの企画をやっていたこともありますし、これから立ち上げることも可能です。

開催時期としては夏季(8月)と冬季(2〜3月)に10日〜2週間の合宿をしていますが、中・長期的に取り組む必要のあるものなら通年で臨むこともあります。夏は10〜15人、冬は30人前後が全国各地から参加していて、延べ宿泊数は年間400泊くらいになります。



最近はすっかりおなじみになったリピーターもいて、西和賀町は結構居心地がいいようですが、それは西和賀町の温泉旅館が新しくて綺麗でサービスの行き届いた施設だからではありません(もちろんそういう旅館もちゃんとありますが)。むしろ正直に言って、建物自体は年季が入っているところも多いし、経営者の高齢化などにより時代のニーズに対応しきれていない部分も見受けられます。

ではなぜ居心地がいいかといえば、ひとえにどの旅館も驚くほど「ひと」が良く、変に気取らず、泊まるひとたちを家族のように大切にしてくれるからです。



これまでの合宿参加者たちはほぼ100%が「また西和賀町に来たい」と言って帰っていき、そしてまたギンガクに参加したり、劇団として公演しに来たり、ふらっと旅行に来たり、移住したりしています(これまで僕以外に3人が移住しています)。


地方創生という号令のもと、アートプロジェクトや各種フェスティバルなどの「地域アート」が各地で盛んに行われている昨今ですが、西和賀町/ギンガクの場合、良くも悪くもそういった旗印に乗っかるでもなく、かなり自然体で素朴に、そしてとてもマイペースにこうした交流を展開してきました。それはある意味では下手くそでダサいことなのかもしれませんが、ひととひとがちゃんと出会うための最もシンプルな方法のような気がします。


西和賀町の温泉旅館とギンガクにとって、今回のプロジェクトは「合宿の対象を高校生にも広げてみよう」というものでもあります。意味合いとして「地域のために若者を呼び込みたい」ということはあるわけですが、個人的には「若い人たちに《使えそうな場所》と《応援してくれるひと》をどんどん見つけてほしい」と強く思います。


そんな思いをもって西和賀町の温泉旅館と銀河ホールはギンガクという取り組みを続けてきて、今回のプロジェクトにも臨んでいます。 

 

▼リターンについて

今回は3,000円〜50,000円という金額の幅で、12種類のリターンをご用意しました。
どれも今回の大会に関連するものではありますが、大きく分けると、

・ギンガク実行委員会のグッズ

・範宙遊泳さんの限定グッズ

・イラストレーターたなかみさきさん(学生時代にギンガクに参加していたご縁で特別協力!)の限定グッズ

の3種類となります。

上演台本(上演前の入手も可能!)公演記録DVD(今回は最大5校分!)特別席でのご招待券たなかみさきさん描き下ろしイラストによる大会オリジナルポスターといった本大会の関連グッズのほか、ギンガクからは年間招待券復刻オリジナル手ぬぐいセット(たなかさんが学生時代につくったものもあります!)をご用意しました。
そして、なんと範宙遊泳さんからは1年間有効の観劇招待券を合計25名分ご提供していただきました。

数量限定のものもありますが、上演台本や公演DVDには数量制限を設けていません。
またしても自分の話で恐縮ですが、僕自身これまでに入手した台本やDVDは今でも結構重宝しているので、ずっと使えそうなものについてはなるべくたくさんの方にご提供したいと考えているためです。
(もちろん上演に関する手続き等についてはその都度よろしくお願いします)

というわけで各リターンの金額など、詳しくはページの右側のリターン一覧をご覧ください!

▼資金の使い道
実施にかかる一切の経費(参加団体への宿泊補助、原稿料、謝金、交通費、印刷費、送料…etc)と、リターンにかかる一切の経費が、みなさんからのご支援の使途となります。
なお、今回の開催に必要な金額を上回る資金が集まった場合は、来年度の開催資金とさせていただきます。 
▼最後に

最後に……っていうか、銀河ホールの説明をするのをすっかり忘れていましたね……。

ええと、銀河ホールについては……今年から無料サービスでつくったものですが、ウェブサイトを立ち上げたので、ぜひアクセスしてみてください!(そしてなぜ無料サービスのウェブサイトなのかは、僕や西和賀町のネットリテラシーのレベルを察してください……!)

ウェブサイトはともかく、銀河ホール自体はとても素敵な劇場です。
客席数は300席と控えめですが、客席数と不釣り合いなほど包容力のある舞台空間を備えています。
高校演劇に限らず、地元の方々にも舞台芸術関係者にも、もっともっと使ってもらい、様々な作品や表現やコミュニティを生み出してもらいたいと願っています。



そういった諸々のことを含めて、いろんな《これから》に繋がるプロジェクトとして、この「いわて銀河ホール高校演劇アワード」を立ち上げたいと思っています。 

ご賛同いただけるみなさん、ぜひ一緒に西和賀町の劇場をつかって、高校生たちの《これから》をつくっていきましょう!

 

 

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