はじめに・ご挨拶

はじめまして。

プロジェクトをご覧いただき、ありがとうございます。

東西に長い島根県の東端、中海を望む松江市大井町で、

中1、小3、保育園年長の三人の子供を育てながら、老齢の父と共に、私が主となって

お茶を栽培、製造、直売している個人茶農家の錦峰園製茶場、三代目・野津稚茶登です。


[子供達と茶畑にて]

1965年(昭和40年)に初代野津茂登が創業。

山や畑を開墾し、少しずつお茶の木を植え、茶畑の栽培面積を広げ、

茶工場で製茶技術を磨いてきた二代目野津公男。

[今から34年前。二人用茶摘機械で茶摘み]

そして、三人姉妹の長女である私は、

小さな頃から農業の手伝いをして育ちました。

[今は、子供達が手伝いをしてくれています]

“何でもやってみろ”という父の教えの下、

小さい頃から畑の手伝いをしていた私は、

商業高校を卒業後、県外の短大で経営情報学を学んだ後に、

地元の事務・光学機器メーカーに就職。若い頃は会社勤めをしていました。

ある年のゴールデンウィーク、新茶シーズンに茶摘みを手伝った時の

懸命に働く両親の姿を見て、

「自分にしかできない仕事をするのって良いな」、

「作ったものをお客様に喜んでもらえたり、やりがいのある仕事だな」、

「自然の中で、風を感じながら作物を作るのって良いな」と感じて、就農を決めました。

「この仕事を繋げていきたい!」

「松江産のお茶を守り続けていきたい!」

「ちいさな自園茶工場を続けていきたい!」

そう思って20代から農業をしてきて、今は3人の子供を育てながら、日々奮闘中です。

私たちの住む松江市大井町

私達の住んでいる“大井町”は、島根の名水“大井の池”・”目無水”がある

きれいな水の湧き出る土地です。

[島根名水百選・大井の池を眺める子供たち]

四方を山に囲まれ、田園風景が広がっています。

[スクスクと稲が育っています]

茶畑からは中海が見え、遠くに大山を望むことができます。

〔この場所が一番好きで、お気に入りの場所〕

時間がゆったりと流れるような“大井町”は、

バスが1時間に1本だったり、時に不便な事もありますが、

子供達が、自然の中で遊びを工夫してのびのびと遊んでいる姿を見られる事は、

親としてとても嬉しい事だなぁと思います。

[コスモス等、野の花摘みに夢中]


[田植えが終わった頃。畑でイチゴの収穫(ご近所の)]

私たちの住む松江市とお茶の伝統

私達の住む松江は、

江戸時代の松江藩藩主“松平治郷”(不昧公)が茶人であったという歴史的な背景から、

お茶を飲む文化が発達しているのが特徴です。

島根県は文化的な側面から茶の消費量が多いものの、

県内の茶商で取り扱われている茶葉の多くは県外から購入されたものです。

お茶を飲む文化と、和菓子が発達してきたこの松江で、

松江産のお茶”は年々減り続けている現実

「祖父や父が育ててきた茶畑を守り続けていきたい!」

大好きな、この松江で育った、渋みと旨みのある浅蒸しのお茶を作り続けながら、

三人の子供達を育てていきたいと思っています。

[雪が多く積もり、雪解けを待つ]

〔新茶シーズン前。寒冷紗を掛けてかぶせ茶栽培をする前に、落ち葉拾い〕

プロジェクトを立ち上げた背景

私達の作っている煎茶は、昔から”浅蒸し”の製造方法で、

今主流となっている”深蒸し”とは異なる、

“渋みがあって、後から旨みがジワ〜ッとくるような、

和菓子に合う、少々クセの強い、澄んだ黄緑色のお茶”だと思います。


まろやかで渋みの少ない、深緑色の“深蒸し茶”も好きですが、

この地の土壌や気候で育つ、この香りや味わいのお茶を、

生まれてからずっと飲んで親しんできたこのお茶を、絶やしたくないと思っています。


お茶作りをしながら、子供達を育て、茶畑と茶工場、錦峰園を守り続けていきたいです。

[うちの茶工場]

我が家は、茶畑の栽培〜製造〜販売までを家族で行ってきましたが、

コロナ禍で売上減が続き、

地元の産直市場での売り場も限られた小さなスペースの中でしか販売できず、

年々、経営は厳しさを増してきました。

そのような厳しい状況が続く中で、

令和3年7月豪雨による土砂崩れによって、

茶畑も大きな被害を受けました。

〔上の畑の柿の木もろとも崩れ落ち、大量の土砂が茶の木の上に覆いかぶさってしまいました〕

この茶畑は、数年前に茶畑を改植して、新しい品種“つゆひかり”を植えた山間にある茶畑です。

ようやく茶の木が一人前になり、昨年春からお茶が摘めるようになったところで、

「これから良いお茶ができるぞ…」と思っていた矢先でした。

山間の茶畑へと続く、軽トラ一台がやっと通れる位の細い道も、

土砂崩れによって何箇所も道が塞がれてしまいました。

〔歩いて向こうへ行くこともできなくなってしまいました〕

その被害の大きさから、今もまだ復旧には時間がかかる状況です。


近年、山間の茶畑でもイノシシが出没して、

茶畑を掘り起こしたり、茶の木の上を横断して、折ったり裂けたりする被害が出てきました。

〔うちの幼木園の周り。度々イノシシが侵入して、土を掘り起こし、だんだん畑が荒れつつあります〕

私は、この地が大好きで、小さな頃から山や茶畑で遊んだりしていました。

ここ松江でも、農業をやる人が減ってきていて、農家さんの高齢化も進み、

作り手がいなくなった畑は荒れていき、徐々に荒れていく里山も増え、

とても悲しく、寂しく思っています。

[1月〜2月、大きな杉の木や雑木を伐採して、里山を守ろうとしています]

そして、今年7月12日に線状降水帯の影響で短時間に大雨が降り、

50年振りに自宅と茶工場の近くにある河川が氾濫し、床下浸水に遭ってしまいました。

茶摘機や草刈機、生葉コンテナ等、

お茶を作るために必要不可欠な機械や道具が、何台も水没してしまいました。

〔水が引いた後、堆積した泥の撤去や汚れてしまった機械類の洗浄作業に追われた日々〕

激甚災害に認定されたものの、

我が家の浸水した機械や道具は、島根県の災害補助に対して、金額的に満たないものばかり…。

全て自己負担で買い替えが必要になってしまい、

水没で壊れて使えなくなった数々のものを合わせると、

個人経営の農家としては、来年以降お茶を作り続けていくことが、金銭的にとても厳しい状況です。


このプロジェクトで実現したいこと

2021年の新茶シーズン(4月上旬~5月下旬)は、

低温や長雨による天候不良によって、せっかく出た新芽が生育不良になったり、

霜害を受けて、大幅な減産・減収という厳しい状況となりました。

今まで“お茶”を事業の柱としてきましたが、

お茶の委託加工が年々減り続け、“お米”“蕎麦”の栽培を増やすようになってきています。

私は幼い頃から飲み続けてきた“うちのお茶”を守り続け、

新しい事にもチャレンジしながら、三人の子供達を育てていきたいと思っています。

〔お米の種まきに備えて、育苗箱に育苗マットを敷くお手伝い〕

今年は、度重なる大雨や高潮で、育てている田んぼの稲が沈んでしまう被害が多発しました。

〔冠水した稲。負けずに立ち上がってほしいと願っています〕

年々厳しさを増す気象条件、温暖化で、作物を育てる事が難しくなってきましたが、

私は、弥生時代より稲作の伝統のあるこの地で、お茶やお米を作っていきたいと思っています。

子供達が笑顔になれるような、そんな働き方をしながら、

この地で農業を作り続けていきたいです。

[トラクターで耕している側で、子供達見守り隊]

〔新米で作った塩むすびがとっても大好き〕

うちの茶工場(錦峰園製茶場)は、新茶シーズンになると、近隣の市区町村から

摘み取ったお茶の葉を持ってこられ、委託加工をしています。

うちは、生葉を60kgずつ細かく区分けし、ひと釜ずつ製造していく方法をとっていて、

手間がかかり、時間もかかりますが、大きな共同工場にはない、

”小さな茶工場だからできること”をしています。

摘んだ茶葉を委託加工で持ってこられた方からは、

“自分の所のお茶が飲めるから嬉しい”と、毎年喜んでいただいています。

この製造方法だと、人出が必要なのですが、創業以来、この方法を続けてきました。

昔に比べると、畑の境に茶の木を植えたり、家の近くでお茶を育てている方は減り、

10年前の半分以下になっていますが、お願いしたいと言われる方がある限り、

続けていきたいと思っています。

茶工場を動かす為の燃料費高騰や、人材不足等、

ちいさな茶工場の経営は非常に厳しいですが、

「錦峰園さんがあるから、こうして自分ところのお茶が飲めるわ。ありがとう。」と、

生葉を持って来られた高齢の農家さんに言われると、

この仕事は大変だけれど、

「守っていきたい」「次世代に繋げていけるような農業をしていきたい」と、

強く思っています。

〔小型焙じ機でほうじ番茶作り。時折、子供も手伝ってくれています〕

このプロジェクトの目標

島根県松江市は、“お茶処松江”と言われていますが、松江産のお茶の生産は、年々減少しています。

祖父の代からお茶の栽培と茶工場を始め、父が大きくしてきて、私が錦峰園・三代目です。

松江市内で茶工場を持つ個人農家は、我が家一軒を残すのみとなりました。

直売がメインでしたが、年々減少の一途で、市内の産直売り場も規模が小さくなり、

コロナ禍で取引先も大幅に減少しています。

今回のクラウドファンディングでご支援をいただき、土砂災害にあった茶畑を復旧させ、

浸水被害に遭った機械類を買い替え、来年以降もお茶作りを続けていけたらと思っています。


資金の使い道・実施スケジュール

土砂崩れの復旧に、20万円。

水没して壊れた機械の買い替えに、30万円。

第一目標として、50万円を考えています。

もし第一目標が達成された折には、

第二目標として、未来に向けて新しい機械を導入する費用として、

80万円を考えています。

その他、資金用途にはCAMPFIRE手数料に使用されます。


リターンのご紹介

真心込めて育てたお茶の葉と、大井町で育った元気な稲から精米したお米を組み合わせてお送り致します。


最後に

皆様の温かなご協力をいただいて、松江茶生産の伝統を守っていきますので、是非ご援助をお願い致します。


<プロジェクトオーナーについて(特商法上の表記)>

■特定商取引法に関する記載
 ●販売事業者名:錦峰園製茶場
 ●代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名:請求があり次第提供致しますので、必要な方はメッセージ機能にてご連絡ください。
 ●事業者の住所/所在地:〒690-0832 島根県松江市大井町626
 ●事業者の電話番号:Tel: 0852-39-0055
 ●送料:送料込み(離島価格など例外がある場合には記載)
 ●対価以外に必要な費用:プロジェクトページ、リターンに記載のとおり。
 ●ソフトウェアに係る取引である場合のソフトウェアの動作環境:該当なし
 ●その他記載事項:プロジェクトページ、リターン記載欄、共通記載欄(https://camp-fire.jp/legal)をご確認ください。


<募集方式について>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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