はじめまして、高島聖也です。
1991年茨城県出身の26歳。
これまで、茨城県稲敷市の「地域おこし協力隊」第1期生として、このまちで「まちの課題を、まちの力で解決していく」ための活動に取り組んできました。


まちキッチン「あえる」普及委員会 給仕長 高島聖也

「まちおこし」というとお祭りやB級グルメの普及など、イベントを通してまちを「盛り上げる」というイメージがあります。
しかし、東京でのサラリーマン生活から一転、地域に「ヨソモノ」として入ってきた私が見たものは、この国の抱える大きな問題でした。
それは "お金が理由で満足に生活できない子どもたちがいる" ということです。

みなさんはこの「6人に1人」という数字についてどう感じますか?
恥ずかしい話、この数字を見た3年前の私は「そんなにいるものかな?」と思いました。

そんな私が、この問題を「ジブンゴト」として考えるようになったのは、ある少女との出会いがきっかけになっています。 

雨が降ると食事にありつけない環境とは? 

「地域おこし協力隊」として様々なまちの活動に参加するなかで、私はひとりの少女と出会いました。

ある催しに来ていた彼女、身なりも立ち振る舞いも他の小学生と何ら変わりません。
彼女がぽつりと放ったひと言は、今も忘れられずに憶えています。

 

 

この言葉の意味がわかりますか?
私はまったく見当がつかず、何を言っているんだろう、とすら思いました。

よく話を聞いてみると、実はこういう事情があったのです。

彼女の家は母子家庭で、お母さんは仕事で夜まで家に戻りません。
食事代はもらっているものの、最寄りのコンビニまではかなりの距離。
自転車でようやく往復できるその店も、この雨では行くことすらままならない。
ろくに料理もできない彼女は、ただ母親の帰りを待つしかない。
だから、「雨が降るとお腹が空く」という状況が発生するのです。

私はこの話を聞いて愕然としました。
いつか聞いた「子どもの貧困」という問題にようやく直面したのです。

そしてこの日から、ただ「お金がないからごはんが食べられない」というわけではない、この大きな社会問題の複雑性についても深く考えるようになりました。

 

今、様々なメディアで子どもの貧困が問題視されています。
この問題が大きなインパクトを与えるのは、単に今の時代だけではありません。

社会に生きる子どもの貧困を放置してしまうと、社会の支え手が減ると同時に、社会に支えられる人が増えてしまうため、めぐりめぐってそのコストを社会全体で負担しなければなりません。
日本財団の調査では、子どもの貧困を放置した場合、社会全体で約40兆円の損失があるとも出ています。

 

これだけ衝撃的な数字が世に好評されていながら、誰よりも私自身が「ジブンゴト」と思えなかった原因。
それは、じぶんと彼らとの関わりがこれまでなかったから。
私自身がこの小さなきっかけで私が社会に目を向けるようになったように、地域には他にも様々な社会問題が潜在しているのだと思います。

 

私は、これまでの活動のテーマとして掲げてきた「まちの課題を、まちの力で解決する」という視点で、まずはこうした社会問題に触れるきっかけづくりを行いたいと考えました。

もちろん、私だけの力ではこの大きな課題を解決するに至りません。
みんなで一緒になって、地域のことを考え、じぶんができることを見つける。
その解決策がまちキッチン「あえる」です。

まちキッチン「あえる」とは、地域の人材と食材をつなげることで、「食育」の観点から地域課題に住民主体でアプローチしていくプロジェクトです。
定期的に開かれる「まちキッチン」では、子どもからお年寄りまで幅広い世代が地域の拠点に集まり、その日のごはんを「いっしょにつくって、いっしょに食べる」。
大人たちが先生になりながら、子どもたちはじぶんの力でじぶんの食事をまかなうという「生きる力」を養います。
地域版の調理実習をイメージしてください。

また、お互いに顔の見える関係を構築し、地域の中で頼り合える関係性づくりのきっかけを生み出すことも目的です。
子どもの貧困や高齢者の孤独という問題は全国どこにでもあるものです。
しかし、多くの人たちはそれを「ジブンゴト」と思っておりません。
じぶんの生活とは無縁と思える人たちの存在に、気がつくきっかけすらないのが現状です。

本来そうした問題をともに解決していくプラットフォームとなるべき地縁ネットワークは、都市化していくコミュニティの変遷により希薄化しつつあります。
私たちのミッションは、子どもの「食育」をきっかけに、地域が一丸となってそのまちの課題に向き合う基礎体力をつくっていくことです。

まずはそれぞれのまちの未来を担うべき子どもたちの「生きる力」をみなさんの手で育み、そこで生まれたネットワークにより「じぶんのまちの課題を、じぶんたちで解決していく」風潮をつくり出したいのです。

「あえる」の取り組みを簡単にまとめると、

1.皆様からいただいた支援金を元手に、

2.地域の大人から子どもまでを募った調理実習を行います。

3.子どもたちの、じぶんの食事をまかなえるだけの「生きる力」を地域全体で育みながら、

4.身近な人たちのことを気にかけあえる関係性を築いていきます。

まずは「あえる」の第1弾として、私の住む稲敷市で「あえる江戸崎」を来春オープンします。
これは、私がいちばん身近な人たちと一緒に、いちばん身近な子どもたちの「生きる力」を育んでいきたいからです。

「あえる江戸崎」で培ったノウハウは、この志に共感いただいた人や地域へと展開していきます。
まちキッチン「あえる」の基本は「一緒に作って、一緒に食べる」というシンプルな食卓シェアリングの仕組みです。
これだけを志ざせば、誰でも、どこでもまちキッチン「あえる」は実現可能です。
地域の公民館で、空きスペースで、飲食店で、だれかの自宅でだって実施できます。

ひとりでも多くの人に、ひとつでも多くの地域に、こうした「地域課題」に目を向けてほしい。
ぜひ、これを読んでいただいているあなたと、あなたのいちばん身近な人たちと、あなたのまちを良くしていけたら。

まちキッチン「あえる」の発起人として、こんなに嬉しいことはありません。

支援金の用途

皆様からいただいた支援金は、まちキッチン「あえる」の事業立ち上げ資金および普及にかかる諸経費に利用させていただきます。
具体的には、「あえる」の運営にかかる食材費、人件費、備品、調査研究費などです。
また、他地域への展開を目的とした運営マニュアルの作成を予定しています。

私たちが変えたいのは「まちの意識」です

今回、私たちは単に事業資金のためだけにクラウドファンディングを行うわけではありません。
クラウドファンディングという仕組みを通じて、多くの人と一緒に地域課題について考えていきたい。
そして、共通の課題について向き合うための、地域の基礎体力を高めていきたい。
私たちが打破したいのは「地域課題への無関心」です。

まず第一に目指すゴールは、100人のパトロン。
私たちが変えたいのは「まちを良くする大人たちの意識」です。

すべての子どもたちに、チャンスがあるまちを目指して。
まずは、いちばん身近な人たちと、いちばん身近な誰かの困り事を考えるために、まちキッチン「あえる」の理想を実現していきます。

応援どうぞよろしくお願いいたします!

お問い合わせ

本件に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
まちキッチン「あえる」普及委員会
MAIL:aeru.machikitchen@gmail.com
FB:https://www.facebook.com/aeru.machikitchen/

  • 2021/03/31 23:14

    まちキッチン「あえる」をご支援いただいた皆さまへ本プロジェクトを企画しております高島です。日頃我々の取り組みを応援していただき、誠にありがとうございます。まずはじめに、本プロジェクトの活動報告が遅れてしまったことを深くお詫び申し上げます。単刀直入に申しますと、ひとえに我々の不徳の致すところです...

  • 2018/01/30 19:35

    ここまで応援いただき、本当にありがとうございます! 本プロジェクト終了まで残り数時間となりましたが、これから新たにネクストゴールとして下記の目標を設定することに決めました。 パトロン:100名目標金額:600,000円 当初からお伝えしていた通り、私たちはこの「あえる」を通じて「まちの課...

  • 2018/01/30 11:25

    まちキッチン「あえる」給仕長の高島です いよいよ本日23:59を持って、本プロジェクトが終了いたします。残り13時間となった現在、ご支援状況はこのようになっております。   支援金額:274,000円(91%)パトロン:48名(48%)   正直「厳しいかな」と感じることも多々ありま...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください