皆様、こんにちは。石川県珠洲市で炭やきをしています、「大野製炭工場」代表の大野長一郎です。専業炭やき工場として、先代の築いた独自の炭やき法を継承し、珠洲市の山奥を拠点に、代々炭やきを生業にしています。

この土地で炭を焼く職人として、私たちには『ミッション』があります。

このミッションに向けて、「炭やきビレッジ構想」を掲げ、2017年にはじめてクラウドファンディングに挑戦し、皆様からいただいたサポートのおかげで、少しずつ挑戦の成果を形にすることができています。

そして、それらが今回、2回目の挑戦へと繋がったことをご報告すると共に、再び皆様に、想いを届けたいと思います。ようやく、炭やきビレッジの次なる進展に向けて、職人の育成をする段階にまで来ました。
長文となりますが、ぜひお読みいただけましたら幸いです。


4年前のクラウドファンディングは、
大野製炭工場が描いた「炭やきビレッジ構想」に向けた、最初の挑戦でした。
前回の内容は、こちらをご覧ください。

炭やきビレッジ構想とは、炭やきという生業をテーマにした村づくりの実現を通して、
地元が直面する「3つの存続危機」を解決することが出来るのではないかという構想です。

深刻な過疎化により、集落の維持存続が非常に厳しくなっていることや、それまで山林の管理を担っていた炭やきをはじめとする土地に根ざした生業が、時代の流れとともに衰退し、人が山に入り資源を適度に利用する機会が減ったことで、手入れが行き届かず、豊かな里山や農村風景が失われていくこと。

炭やきビレッジ構想は、それらの危機に対して、もう一度、”炭やき”という生業を、この地で”食べていける産業”として根付かせることが出来れば、人が住み、里山を守る人が増え、豊かな自然や文化を守りつなげることが出来るのではないか?という仮説に基づいた挑戦です。


この4年間での炭やきビレッジ構想の進捗として、3つの成果がありました。

炭の原料となるクヌギは、植樹から8年間で生育し伐採できるようになります。炭やきを生業とするためには、1年間に1,500本のクヌギを必要とするため、常に12,000本のクヌギの木の植樹~育成~伐採のサイクルの維持が必要となります。

残りの5,300本の植林については、集落の有志で構成された東山中同志会や、地元のNPO法人が引き継いでくれることとなり、目標本数が達成できれば、当工場で必要となるサイクルは作ることができます。植林については今後、他の動きも期待できることから、随時レポートで進捗をお知らせします!

お茶炭の一大産地となるために、大野製炭工場のある東中山集落に必要となる炭焼き職人の数は7名と考えています。現在、当工場には、将来的に職人を目指して修行をしている弟子が1名と、従業員が1名在籍しており、大野を含めると現在3名の炭やき職人が活動しています。今後も順次、研修生を受け入れ、2040年までに大野を除く6名の職人を、「独立」もしくは「就業」させることが目標です。

当工場は、この4月に法人化を予定しており「株式会社ノトハハソ」として活動をしていきます。炭やきビレッジを目指していくにあたり、職人を育てていくためにも、より事業を大きくしていくためにも、法人化というステージ移行が、社会的に信用を獲得していく第一歩と考えたためです。

社名にある「ハハソ」は、ずっと昔から日本人が、繰り返し自然の恵みをもたらしてくれる森を「柞(ははそ)」と呼び、大切に守りつないできたところに肖っています。株式会社ノトハハソでは、柞の森の恵みを活かし、炭製品を通じて持続可能なライフスタイルを提供します。

前回のクラウドファンディングで皆様にいただいたご支援が、このような大きな成果につながっていることを、ここでご報告できることを本当に嬉しく思います。


ここまでの進捗を受けて、私たちは次のステップへと進みたいと思っています。
現在育成中の職人をはじめ、今後も職人を増やしていくためには、これまでよりも生産力を上げて売上を確保し、安定した雇用体制を構築する必要があります。

そこで、今回のクラウドファンディングでは

4号窯の修繕は、生産力の向上だけではなく、職人たちに窯づくりを学んでもらうための貴重な機会にもなります。彼らの学びの場をつくるためにも、この挑戦が不可欠だと考えています。

当工場には、4つの炭やき窯があり、現在「1号窯・2号窯」の2基が生産を担っています。
残りの「3号窯・4号窯」はそれぞれ修繕が必要な状態にあり、稼働できません。
3号窯は、窯の天井部分が落ちてしまっており、今まさに自分の手で修理しています。4号窯は、窯のほとんどを作り直す必要があり、大規模な工事となるため、今回ご支援いただくお金はすべて、4号窯の修繕費用に充てさせていただきます。

4号窯が出来た暁には、今後の生産体制として、常時3基の窯で生産を行う計画です。
残りの1基は、3基のメンテナンスが必要な時に、代わりに稼働を担う予備窯として、生産力の安定を下支えする窯となります。

【 4号窯復活までのスケジュール 】
▼ 3月~  : クラウドファンディングに挑戦!
▼ 4月~6月: 修繕工事&窯づくり研修
▼ 7月~8月: 試し焼きなど調整作業
▼ 10月 ~ : 炭やきシーズンと共に本格稼働!


ここまでお読みいただいた皆さま、ありがとうございます。
5年前に炭やきビレッジ構想を世に送り出し、そこからまた、さらに多くの方々にご支援ご協力を頂きながら、ここまでやってこれました。

決して平たんな道のりではなく、出会いもあれば別れもあり、自分の未熟さを痛感させられ、落ち込むこともありました。

それでも、これまでのご恩に報いるためには、諦めるわけにはいかない!と、進み続けていたら、また新たな出会いが訪れ、担い手候補が現れました。その担い手は、ご夫婦でこの集落に移住をされ、新年早々、約7年ぶりに、集落で新しい命も誕生しました。(前回は私の末っ子でした。)
目指している炭やきビレッジ構想の実現に向けて、確実に大きな一歩となる出来事でした。

春になったら、集落の皆さんを集め、花見をしながら新たな命の誕生を祝おう!と、同級生で幼馴染である区長と話をしています。さらにその後も、仲間は増え、いよいよその新たな仲間と共に、次のフェーズへの挑戦が始まります!

しかし、相変わらず、掲げた課題の壁は高く、困難な道のりが予想されます。まずは、せっかく誕生した担い手、新しい命が、この地でしっかり生きていけるよう、生業を発展させていかなければなりません。

どうか、この挑戦を応援していただけないでしょうか!!!私もこれまで同様、命を燃やしながらこの炭やきビレッジ構想の実現に向けて邁進していきます。

何卒、多くの皆さまのご支援、ご協力を宜しくお願い致します!!

大野長一郎

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2022/10/29 11:05

    やっと、本当にやっと、3号窯稼働開始出来ました!。この窯は、どんな特徴を持っているのか?初窯となる今回は、特に問題なく、炭化に移れました。次回からはクヌギを焼いていきますが、すんなり言うことを聞いてくれるか!やって見ないとわかりませんが、向き合って対話していきたいと思います。ご協力頂いた皆様、...

  • 2022/07/29 20:21

    4号窯づくりは、左官職人さんたちによる作業が完了しました。暑いなか、本当にありがとうございました。同時に、スタッフ一丸となって3号窯づくりに向けて木型用木材の伐採・搬出・加工の作業を進めております。3号窯づくりが完了次第、8月中には4号窯づくりの続きに入る予定です。スタッフ一同、みなさまからの...

  • 2022/07/14 10:32

    現在、4号窯づくりが進んでおります!お手伝いに来ていただいた友人とともにスタッフ一丸となって、もともとあった古い窯を全て取り除きました。現在は、左官職人さんたちによる炭窯小木石加工積の作業が進んでおります。今後、7月中には3号窯の修繕にも取り掛かり始める予定です。また、作業が進み次第、進捗のご...

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