美濃和紙とオーガニックウールのデニムパンツ

生地の特長をストレートに体感してもらえるようにシンプルなパンツに仕立てました。
形としてはベーシックな5ポケットのストレートデニムです。
生地に適度なハリコシがありながらもウールのドレープ感により、
立体的でストンと落ちるシルエットになっています。


デニムパンツ_表面

デニムパンツ_背面
三甲テキスタイルについて

三甲テキスタイル_工場

私たち三甲テキスタイルはスーツやパンツ、コート用のウール生地を作っているテキ
スタイルメーカーです。100年以上の歴史を持ち、国内では珍しい、糸から生地まで
を一貫で生産している会社です。ウールには様々な種類・キャラクターがありそれぞ
れの個性、特長を最大限に引き出す生地作りをモットーとしています。

大垣_地下天然水

私たちの工場は地下天然水が豊富な「水の都」と呼ばれる大垣市にあります。ウールは水と
深いかかわりを持つ繊維で、水質が生地の仕上がりに大きく影響します。この大垣の地下天然水を
使用することでウールのもつ独特の ヌメリ感や柔らかさ、光沢感を最大限に引き出すことが
できます。それがここ大垣でのものづくりにこだわり続けている理由です。

SANKOFABRICについて

三甲ファブリック

私たち三甲テキスタイルは、昨年の春から「SANKO FABRIC」の名で、開発生地や当
社のものづくりの様子をインスタグラムを通じて発信しています。工場や営業の若手
を中心に運営しており、それぞれの視点から日常の仕事風景や私たちがどういった思
いでものづくりしているかなどを投稿しています。
この度のプロジェクトは、SANKO FABRICが主体となりものづくりをしています。

開発の経緯

私は生地の開発設計をしている後藤です。
学生時代から服が好きで、服の良し悪しは素材の良し悪しで決まると考えていました。
ファッション業界でも素材に関わりたいと思い、この会社の商品開発部に入りました。
「ウール素材の良さをもっと知ってもらいたい」「当社だからこそできるオリジナル
素材を追求したい」そういう思いを持って、日々ものづくりに取り組んでいます。

美濃和紙糸

一年程前、同じく岐阜県美濃市の「松久永助紙店」さんに美濃和紙からできた糸があ
るということを知りました。美濃和紙といえば、本美濃紙の技術がユネスコ無形文化
財に認定されていることで有名ですが、同じ岐阜県に住んでいながら和紙糸の存在は
知りませんでした。
どんなものができるかわからないけれど、この和紙糸を使って自社のウールと掛け合
わせたら面白いものができるのではないかと思いました。

ウールと美濃和紙布

何度も試作を繰り返し、ようやく形になったのがこのデニム風の生地です。コットン
で織ったデニムのように、しっかりとハリ感や硬さを持たせながらも、ウール特有の
艶感やぬめり、和紙特有の軽さと優しい肌触りを持った生地に仕上がっています。

素材選びからこだわったこの生地で、どうしてもパンツを作ってみたいと思い、同じ
くこの岐阜県でボトムスを主に縫製をされている「honest」様にお願いして縫製して
もらいました。Made in GIFUをというこだわりを持ち、生地、シルエットともに申し
分ない出来で、かっこいいデニムができました。

デニムパンツ試着イメージ_背面※実際の製品にはバックポケットのリベットは付属しません

自社はテキスタイルメーカーであり、製品販売は行っていませんが、このパンツをた
くさんの方に履いていただきたいという思いと、今後自分たちがものづくりをしていく
にあたり直接消費者の皆様の意見を聞いてみたいということから、このプロジェクト
に申し込むことにしました。

美濃和紙由来の紙糸

松久永助紙店

岐阜県は美濃市に店舗を構える「松久永助紙店」の和紙糸を使用させて頂きました。
こちらは明治9年(1876年)に創業した和紙の卸店です。実際に店舗に足を運び、美
濃和紙の歴史や和紙糸の特長、製造工程などを教えていただきました。

会話シーン

また、実際に和紙糸を製造している工場を見学させていただきました。見たことのな
い機械や工程がとても新鮮で、驚きの連続でした。

和紙_製造工程1

                      和紙の原料となるマニラ麻をパルプにする工程

今回使用させて頂く和紙糸は、本来の手漉きではなく機械漉きと呼ばれるものに分類
されます。
和紙は日本だけではなく世界的にも有名で、たくさんの用途があり、様々な分野で使
用されています。そのため、手漉きだと量産が難しく高値になってしまうため、多く
は機械漉きでの生産を行っているそうです。

和紙_製造工程12

                       機械で漉いた和紙をスリット状にする工程

和紙糸_完成品

美濃和紙の原料は主に楮や三椏とされていますが、今回使用した紙糸の原料は主にマ
ニラ麻という植物です。このマニラ麻はとても強靭で水にも強いという性質がありま
す。また、成長が早く無農薬栽培し2~3年もすれば再収穫が可能です。植物からで
きているので土に還る生分解性を持っています。
和紙糸は「自然の中から作られ自然に戻り、また再利用できる」循環型の素材です。

南米のオーガニックウール

今回、美濃和紙と交織する相手に選んだウールは、アルゼンチンのオーガニックウールです。
南米大陸のアルゼンチンを含むパタゴニア地方は、年間を通じて気温が低く、
アンデス山脈から吹き降ろす風は最大風速60ⅿ/sにもなる風の大地です。
厳しい自然環境で育った羊は逞しく、その毛(ウール)も弾力があり、しなやかです。

サスティナブルウール_1

羊たちは農薬を一切使わないオーガニック牧場で飼育されています。
広大な牧場で、自由気ままに動き回り自然の草を食べています。
また、風が強いところですので、羊に害をなすクロ蝿がおらずミュールジング
(病気にならないよう羊の肛門周辺の肉を削ぐ作業)する必要がありません。
地球にも羊にも優しいサスティナブル・ウールです。

サスティナブルウール_2

羊と戯れる現地の方の様子です。愛情を注ぎ、羊たちに少しでもストレスを与えない
ということも良い羊毛を生む一つの要素かもしれません。

サスティナブルウール_32020年2月(新型コロナウイルス流行前)に、当社営業マンが現地に原料の買い付け
に行きました。日本から約18500Km。最高の羊毛を手に入れるためならどこへでも
行きます。

生地について

混率 ウール:62% 美濃和紙:38%

ウール/美濃和紙_生地1

タテ糸にウールを使用しているので、独特なふくらみがあり、綿100%のデニムより
しわになりにくいという特長があります。見た目も普通のデニムくらべ上品な光沢
あります。また、肌に接する裏面は和紙糸があたるように設計しているので、履くと
さらっとしています。汗をかいたときは紙糸が汗を吸い取り、吸い取った水分はウー
ルを通して気化され放出されるため、衣服内環境も優れています。
見た目はかなり本格的なデニムですが、ウールと美濃和紙で仕立てたこのパンツであ
れば、年中通してオンでもオフでも履いていただくことができると思います。

ウール/美濃和紙生地_縫製後

また、生地に特殊なウォッシュ加工を施したことにより、色はリジッドのままで
カジュアル感を出すとともに履き心地の向上を目指しました。ウールを使用して
いながらも、様々なシーンでラフに履いていただけます。


着用イメージ

サイズ表

身長169cm 体重56kg Sサイズ着用

着用イメージ_表

着用イメージ_背面

着用イメージ_側面

リターンの紹介とスケジュール

デニムパンツ_拡大

価格は1着29,000円で提供いたします。※価格には送料も含まれています。


2022年 9月:プロジェクト開始
2022年10月:プロジェクト終了
2021年12月:リターン開始(お申込み順)

※製造工程上の都合などにより、出荷時期が遅れる場合がございます。その際は早急
 にご連絡いたします。
※お使いのモニターの発色具合によって、実物と色が異なる場合がございます。

資金の使い道

・CAMPFIRE手数料
・リターン商品の製作費
・次回商品開発費用

一般的な綿のデニムとは一味違った、ウールと和紙からできたデニム。
岐阜とアルゼンチンのコラボレーションから生まれた生地を、岐阜の縫製工場で仕上げた
Made in Gifuの特別なパンツです。
他にはない唯一無二のデニムを、より多くの皆さんに履いていただきたいです。
ぜひ、お力を貸してください。


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