TAGBOAT SUPPORT 第3弾!

株式会社タグボートが株式会社CAMPFIREと連携したアートのクラウドファンディングプロジェクト「TAGBOAT SUPPORT」の第3弾は、アーティストとしての実力やその将来性などを審査した上で、シムラヒデミさんのプロジェクトを行うことを決定しました。

第3弾プロジェクトは、すでに国内外で活躍しているシムラヒデミが、今年3月に滞在制作する上海、蘇州での滞在コストと制作費用を支援頂くことで、次の大きなステップにつなげていきます。

シムラヒデミは武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科ファッションデザイン専攻を卒業後、3DCG制作者として数年働き、その後本格的に作家活動を始め、2007年より、上海に拠点を移し2013年12月まで滞在しました。

当初そんなに長く留まる予定ではなかたったものの、もともと好きだった街というのもあり、気づけば7年近くを上海で過ごす事になりました。

人と人の関係やそれを取り巻く世界を主なテーマとして制作しているシムラにとって、その場の空気を感じ、そこで出会った人たちとの関係を大事に”今”を生き、そして制作をするという流れが、作品により深みとリアリティーを与える事につながっていったのかもしれません。

上海滞在中から積極的に発表の場を設けていたシムラは、日本や上海はもとより、ヨーロッパ・アメリカ各都市など、海外の様々な場所でも多く作品を展示しております。

作品に対する真摯な姿勢が高い評価を生み、次から次へと活躍の場を更に広げていっております。

TAGBOATでも年々高く注目されるようになり、今では海外のコレクターからも注文が入るほどの人気作家の1人です。
作品の良さだけでなく、これからの更なる活躍が期待されているからと言ってもよいでしょう。

 

▼なぜ上海と蘇州に行かなければならないのか?

そもそもの事の始まりは、シムラの元に4月に開催される個展の依頼が2件入ったことから起こりました。

シムラの作品は刺繍糸を1本1本手で巻くという手法で制作されているため、作品を作るのに非常に時間がかかります。今も個展に向けて毎日一生懸命糸を巻いて作品を作っています。

しかし、作品の材料である中国蘇州産のシルクの刺繍糸が足りなくなってきたため、蘇州に買いだしに行かなくてはならないことになりました!

しかも横浜での展示で大型のインスタレーション* 作品を制作することになったため、さらにたくさんの刺繍糸が必要です。しかも、日本のほとんどのアーティストがそうであるように、シムラも現在狭いスペースで制作しているので大きな作品を作る場所がありません。
さらに、どれくらいの糸が必要なのかは作品を作りながらでないと予測がつかないため、糸を買ってきても途中でまた足りなくなってしまうかもしれません。そのため、現地で滞在制作をする事がベストであるという結論に達しました。

そこで、3月の蘇州への刺繍糸の買い出しとアーティストインレジデンス(滞在制作)、4月の2つの個展完了まで一つの流れとして捉え、2国間をまたがるアートプロジェクトとして遂行する事にしました。

制作する作品の模型のムービー

シルクの刺繍糸、透明フィルムを使用したモビールから成る作品。空気の対流により動くモビールにライトが当たる事により、フィルムに印刷された画像がランダムなアニメーションとして床や壁や糸に投影されます。

作品のテーマは「パラレルワールド」であり、パラレルワールドの可変性を表現しています。
パーツごとに分解して持ち運べるようにし、一度だけの使い捨てではなく、複数回の展示にも対応可能な作品として制作します。

▼急速に盛り上がる中国のアートマーケット

新しい美術館が次々とオープンし、中国人コレクターが全世界の美術品オークション市場の30%を占める等、中国のアートマーケットは今とても盛り上がっています。それなのに、中国で作品を発表している日本人アーティストは非常に少ないのが現状です。
その原因はおそらく、日中関係の現況から中国への進出をためらっている日本人アーティストが多いのではないかと思います。
そこで、シムラの現地からのレポートを見てもらい、中国のアートはこんなに盛り上がってるよという事が分かってもらえれば、日本のアーティストたちの中国進出を促すきっかけにもなるのではないかと思います。

▼プロジェクトの流れ

3月
蘇州にシルクの刺繍糸の買い出しに行く
蘇州のギャラリー Pantocrator Gallery http://pantocratorgallery.com/ にて1か月間レジデンスアーティストとして滞在制作・発表
滞在制作完了後、作品を日本に持ち帰る
※Pantocrator Gallery:蘇州にあるスペイン人オーナーのギャラリー。バルセロナにも支店があり、若手の現代美術作家を中心に取り扱い、アジアとヨーロッパの懸け橋となるようなプロジェクトを展開している。

4月3日(火)~8日(日) 
個展「開花宣言 Vol.2」開催 
場所:JINEN GALLERY http://jinen-gallery.com/
住所:東京都中央区日本橋小伝馬町7-8 久保ビル3F
※JINEN GALLERY : オーナーのかんの自然氏のチョイスによる才能あふれる若手アーティストを取り扱う現代美術画廊。展示作品について質問すると丁寧に解説してくれるため、現代美術初心者の方にもオススメな画廊です。
作品についてのアドバイスも的確で、アーティストにとっては頼りになる存在でもあります。


4月24日(火)~5月6日(日)
個展「パラレルワールド」開催
gallery fu http://galleryfu.com/ 
神奈川県横浜市中区石川町1-31-9
※gallery fu : オーナーの鈴木智恵氏企画による現代社会に一石を投じるようなテーマの展示、映像作品やインスタレーション作品の展示、子供向けのワークショップも頻繁に開催する等、チャレンジ精神溢れる画廊です。
カフェコーナーもあるため、コーヒーやビールを飲みながらゆっくり作品を見ることが出来ます。

▼シムラヒデミ略歴と中国とのかかわり

静岡県出身。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションデザイン専攻卒業。卒業後東京にて3DCG制作者として数年間働き、その後本格的にアーティスト活動を始め、東京、上海、ヨーロッパ・アメリカ各都市などさまざまな都市での展示を通して活動の場を世界に広げる。
2003年に初めて上海を訪れてから上海の街並みや雰囲気が好きになり、その後上海でも作品を展示発表するようになり、上海を度々訪問するようになる。2007年に上海へ移住、上海にて本格的に現代美術作家としての活動を始める。

移住当初はほとんど中国語も話せず、「あなたの作品は中国には早すぎる。」や「現代美術ならアメリカやヨーロッパに行けば良いのになぜ中国に来てしまったんだ?」などと言われつつも、めげずに活動を続け、上海のギャラリーのみならず、アートフェア・カフェ・バー・デパート・企業オフィス等様々な場所で作品を発表する。

2010年には蘇州の美術館「本色美術館 true color museum」に半年間レジデンスアーティストとして滞在し、作品を制作、終了時に個展を開催する。蘇州滞在時に蘇州の特産であるシルクの刺繍糸と出会い、質感の美しさと色数の多さに魅了され、その後蘇州産の刺繍糸も作品の材料として使用するようになった。

2013年12月に日本帰国、帰国後もアーティスト活動を継続的に行う。

一番の代表作は刺繍糸をストライプ状に巻きつけたカラフルな作品「サイレントインベーダー」シリーズであり、既に200点以上制作している。         

Website : http://hidemishimura.com/
Facebook : https://www.facebook.com/HidemiShimuraNetfolio/

2010年蘇州滞在時の本色美術館での個展の様子



▼リターンについて

下記のリンク先に大きい画像付きの各リターンの紹介を載せていますので、そちらもご参考にしてみて下さい。http://hidemishimura.com/portfolio-category/return/

▼資金の使い道

●レジデンスの滞在費用 150,000円
●交通費(上海までの航空券・上海から蘇州までの交通費) 50,000円
●作品制作費の一部(刺繍糸・アクリル板・アクリル棒等材料費、額縁代) 200,000円

もしこれを超える資金が集まった場合には、作品の材料費、額縁購入費用、作品の運搬費用、展示の広報費用等に使わせていただきたいと思っています。

▼蘇州の刺繍について

蘇州の刺繍は2500年の歴史があると言われます。使用される糸はシルク製で非常に美しい光沢があり、その色数は約1400色と非常に多いです。日本で通常刺繍に使用されるコットンの刺繍糸は約450色程度です。1400色もあるとほとんど肉眼では分からないくらいの色の違いのものもありますが、この色数の豊富さがどんなモチーフでも刺繍で再現できる蘇州刺繍の強みとなっています。

蘇州の「繍品街」という通りにある刺繍糸問屋の様子
 

▼蘇州ってどんなところ?

上海から高速鉄道で30分の位置にある運河が網目状に流れる水郷の街。世界遺産にも指定され「東洋のベニス」と呼ばれる。蘇州政府の規定により古い街並みを保護しているため、昔ながらの中国の姿を垣間見ることが出来る。生粋の蘇州っ子は蘇州の文化を愛しており、古い家を大切に保存して住んでいることを誇りにしている。

せわしない上海とはうってかわって、のんびりとした時間が流れており、人々もゆったりと生活している。細い路地裏が無数にあり、散歩をすると面白い建物など蘇州ならではの面白い風景に出会うことが出来る。

シムラが前回蘇州滞在時に撮影した写真

▼上海ってどんなところ?

今ではだいぶ少なくなってしまったが、租界時代の名残で西洋式の洋館が多数残存する西洋と東洋が入り混じった不思議な街である。日本人を含め、外国人の居住者が多い非常に国際的な街で、「東洋のパリ」と呼ばれる。上海は商業の街であり人々は忙しく、変化が非常に速く、住んでいると自分が明日どこで何をしているかも予測がつかない感じがするのが「魔都上海」とも呼ばれる所以ではないかと思われる。

近年、美術館やギャラリーが多数オープンする等、現代美術が非常に盛んになってきている。

▼アーティストインレジデンスとは?

アーティスト・イン・レジデンス(英: Artist-in-residence program)は、各種の芸術制作を行う人物を一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のことである。 By Wikipedia

アーティストインレジデンスは世界各地で行われており、制作に使用するスタジオ・居住スペース・滞在中に制作した作品の展示スペースが施設内にあり、アーティストが滞在して作品制作・発表を行います。

 

*インスタレーション (英語: Installation art) とは:1970年代以降一般化した、絵画・彫刻・映像・写真などと並ぶ現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術。ビデオ映像を上映して空間を構成することもあれば(ビデオ・インスタレーション)、音響などを用いて空間を構成する(サウンド・インスタレーション)こともある。 by Wikipedia

  • 2018/04/03 15:36

    期日終了後のご挨拶が遅れましてすみません。 飛行機がキャンセルになり帰国が遅れるというアクシデントがありましたが、何とか間に合いました。 JINEN GALLERY での個展が本日から開始です、是非来て下さい!シムラ在廊日: 4/6(金) 17:00-20:00、4/7(土) 終日、4/8...

  • 2018/03/25 12:53

    蘇州でのアーティストインレジデンスでの終わりに300㎡はある展示スペースで個展を開くことになり、作品制作に追われていました。どうにか無事にインスタレーション作品の制作を終え、日本から持ってきた作品と合わせて昨日から無事に展示を始めることが出来ました。 作品に使っている蘇州の糸はシルクなのでとて...

  • 2018/03/09 14:26

    活動報告が地味で申し訳ないのですが、蘇州のアーティストインレジデンスでの制作は順調に進んでいます。広いアトリエがやっと散らかってきました。 現時点で布に直径2mmほどの極小のハトメを2000個ほど打ちました。そして、材料の丸く切ったアクリル板に直径2mmの穴をたくさん空けました。指に...

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