▼ご挨拶とiGEMについて

はじめまして、私たちは東京農業大学のiGEMチーム「iGEM Tokyo Agri」です。

このプロジェクトに興味を持っていただきありがとうございます。

まずiGEMについて説明させていただきます。iGEMとはマサチューセッツ工科大学が主催する、年一回行われる合成生物学の国際大会です。2003年から始まったこの大会は今まで、46の国から約3600のチーム、約7万人が参加していました。その規模は年々拡大しており、2022年では45ヵ国から346チーム、6500人以上が参加する世界最大規模の合成生物学の大会です。チームごとに社会問題を解決するプロジェクトを立ち上げ、問題を解決するアイデアを練り、ライフサイエンスツールを開発し、その方法を説明するWikiページを作成し、最後に作品を発表して他のチームと競います。

そこに私たちは東京農業大学として初めての出場を目指し、日々活動しています。

私たちのテーマは「養殖が抱える赤潮問題の解決」です。

そのテーマに対して

・「原因プランクトンの種同定」

・「原因プランクトンの生育阻害」

・「富栄養化の防止のためフィチン酸分解酵素の改良」

の3つのアプローチで研究を進めています。

実験の様子

▼このプロジェクトで実現したいこと

天然魚の漁獲量は2015年時点で養殖魚の生産量を下回っており、その差は年々拡大しております。魚の養殖は畜産業よりはるかに二酸化炭素排出量が少なく、エコなタンパク源の確保としても注目されています。しかし、養殖業が抱える問題の一つとして赤潮があり、その被害は年々増加しています。その赤潮に対して何かアプローチできないかと考え、私たちはこのプロジェクトを進めております。

赤潮は海水中の特定の種類の藻類が大量に増殖する現象であり、赤褐色や緑色などの海水の色が変わることがあります。赤潮による被害は、以下のようなものがあります。

漁業被害

赤潮が発生すると藻類が増殖するため、海中に酸素が少なくなることがあります。これによって、漁業資源である魚や貝などが大量に死滅することがあります。また、赤潮が発生した海域で漁獲された魚や貝が毒素を含んでいる場合もあります。このため漁業者は漁獲量が減少し、収入が減少することがあります。2021年には赤潮の北上化に伴い北海道で赤潮が発生し、ウニやサケが死滅する約80億円の被害が出ました。2022年には熊本県八代で赤潮が発生し19億円を超える被害が出たように、赤潮は日本各地で被害を出しています。

観光業被害

赤潮が発生すると海水の色が変わり、海岸線に赤褐色や緑色の藻類が打ち寄せることがあります。これによって、ビーチや海水浴場の利用者が減少することがあります。また、赤潮が発生した海域では海水中の酸素が少なくなるため、海中での水産物の飼育が困難になることがあります。これにより、観光業に関連する水族館などでの展示や飼育が困難になることがあります。

健康被害

赤潮が発生すると、藻類が放出する毒素が海水中に増加することがあります。この影響を受けた魚や貝を摂取すると、健康被害を受けることがあります。健康被害には、食中毒、呼吸器系の問題、皮膚刺激などがあります。そのため、健康被害を防ぐためにも赤潮対策に乗り出さなければなりません。

赤潮原因プランクトン
Karenia mikimotoi

赤潮原因プランクトン
Heterocapsa circularisquama

▼ iGEMに参加する意義、目的

iGEMに参加することで、 wikiやweb、PV、ポスター発表などにより、私たちの取り組みや成果を世界中に発信することができ、問題解決に貢献できます。また、私たちが共有した遺伝子パーツは今後のiGEMでの研究に役立てられ、将来、漁業以外の研究にも影響を与える可能性を秘めています。

さらに、iGEMにおいて研究を発表することは、実用化へのきっかけにもなります。実際にiGEMをきっかけに多くの企業が誕生し、実用化へと歩みを進めています。

iGEM発の企業 

今までに東京農業大学からiGEMに参加した前例はありません。

私たちがiGEMに出場することで、東京農業大学が来年以降のiGEMに継続的に参加していく先駆けとなることも目標の一つです。

2019年iGEMの様子

▼資金の使い道

iGEMには登録費があり、4月に5500USD(約742,500円※)、9月にチーム登録費3000USD(約405,000円※)と個人登録費500USD(約67,500円※)が必要になります。

※1ドル135円想定

今回は手数料を加味して4月の登録料 991,000円をご支援いただきたいと考えております。この金額を達成できた暁にはiGEMに参加するとともに赤潮対策手法をブラッシュアップし、赤潮の被害阻止に貢献したいと思います。

目標金額を超えるご支援をいただいた場合、9月のチーム登録費と個人登録費として使用させていただきます。

内訳

4月の登録料:約750,000円

リターンにかかる費用:約30,000円

CAMPFIRE決済手数料・掲載手数料、その他手数料:約210,000円

<募集方式について>本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。未達成となった場合、支援額は全額返金されます。

▼ iGEMの開催時期・場所・スケジュール

開催時期、場所:2023年11月2日-5日、フランス(パリ)

大会までのスケジュール

2022年7月-   プロジェクト考案

2022年11月-   実験

2023年4月末    チーム参加登録

2023年10月中旬 Wiki、パーツ登録(実験結果提出〆切)

普段の活動(twitter)

 0からiGEMに出場することは、険しい道のりですが、私たちはこの大会に出場することに大きなメリットがあると確信しています。

私たちは、このプロジェクトを通じて赤潮被害の拡大を防ぐことを目指しています。皆様のご支援が私たちのプロジェクトに新たな可能性を与え、持続可能な未来への第一歩となります。

ご支援、ご協力のほどよろしくお願い致します。

▼応援コメント

東京農業大学 生命科学部長 坂田洋一

このプロジェクトが目指すiGEMへの出場は、東京農業大学にとって新たな挑戦となります。本学学生が、日頃の研究の成果を大舞台で発揮できるよう、このプロジェクトを応援しています。


ウミトロン株式会社 代表取締役 藤原謙

私たちウミトロンは、持続可能な水産養殖を目指しています。そのためにも、赤潮による漁業被害は乗り越えなければならない大きな問題です。水産業の未来のために、私たちもこのプロジェクトを応援しています。

▼プロジェクト協力

本プロジェクトは、東京農業大学のアントレプレナーシップ教育の一環として、株式会社農大サポート(東京農業大学の100%出資会社)によるサポートを受けているプロジェクトです。 


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