全米一のホームブルーイング賞を受賞したブリュワー(ビール職人)藤浦一理さんと、西池袋で「ロ ーカル」に根ざしまちづくりを続けるシーナタウン。“ビール”と“ローカル”でタッグを組み、築45年の木造マーケット「西池袋マート」跡地に「ドリンクローカル」文化拠点を作ります

プロジェクト本文

みなさん、「ドリンクローカル」という言葉をご存知でしょうか?
クラフトビールの文化がいち早く芽生えたアメリカでは、クラフトビールは地域に根差すことが大事だと考えられています。その考えを一言で表す言葉が「ドリンクローカル」です。
さて、今日本ではクラフトビールはある意味ブームを迎えています。
大小様々なブリュワリーが誕生し、クラフトビールを気軽に楽しむことができる場所は増えました。しかし、まだまだクラフトビール文化が「ドリンクローカル」という概念ごと定着しているとは言い切れないと、日本のクラフトビール文化の立役者のひとり、藤浦一理さんは話します。


【株式会社シーナタウンのこと】

ところで、申し遅れましたが、
初めまして!池袋から一駅、椎名町を拠点にまちづくり会社を運営している、株式会社シーナタウン代表の日神山(ひかみやま)と申します。このプロジェクトの主催者です。
まちづくりの活動をしてきたわたしがなぜ、このプロジェクトを立ち上げたかをお話ししていきます。

わたしは、椎名町で内装会社を運営していたのですが「事業を通じて町全体が良くなるような仕事がしたい」と、わたしを含めた4人の仲間と共に株式会社シーナタウンを立ち上げました。
商店街のとんかつ屋をリノベーションしたまちやど「シーナと一平」を運営したり、女性を中心に活動をするケータリングチーム「アホウドリ」の経営サポートをしています。「この町で、事業を続けたい」「この町で、何かを始めたい」そんな想いを持つ人と「建物を想いのある人に貸したい」という大家さんをつなぐことで、地域に根ざした事業を生み出すサポートをしているのです。


(お店が抜けた、解体前の西池袋マート内部)

西池袋マートも、そうした活動の中で出会った建物でした。もともと町の台所として活気あふれたマーケットは、時代の変化の中でその役目を終え、建物だけがその場所に残っていました。開発の話が持ち込まれることがあっても、大手デベロッパーの推し進める話には魅力を感じなかったと大家さんは語ります。「この町にとって、良い場所に生まれ変わるのであれば。」そんな大家さんの想いを受け、シーナタウンが西池袋マートの運営を託されることになったのです。


【まずは空き家からイベントスペースへ】

大家さんから西池袋マートを託されたあと、まず僕たちは自分たちの手で掃除をすることから始めました。しかし、5人の力だけではなかなか作業もすすみません。
そんな中、地域の主婦の方を中心にイベントを開催している「要町ご近所フェスティバル」のメンバーから、イベントスペースとして使えないか?という相談を受けました。「西池袋マートを片付けて、一緒にイベントを開催したい」
そこから片付けはどんどん進んでいきました。夏休みには、イラストレーターに壁に大きなスイカの絵を描いてもらい、壁のスイカを割るという「スイカ割り」を開催しました。
片付けが単なる作業から、子供たちと一緒に楽しめるイベントに変わったのです。



イベント当日には近所の学生や子供たちがたくさんやってきて、たくさんの世代が思い思いに楽しんでいる姿を見ることができました。「世代を超えてたくさんの人が気軽に集まることができて、一緒に楽しめる場所になると良い。」そんな想いが生まれたのもこのころです。






【天才ブリュワー藤浦一理さんとの出逢い】

「クラフトビール醸造所とパブのできる場所を、都内で探している人がいるらしい」そんな話を聞いたのは、まさにシーナタウンが西池袋マートの話を大家さんから聞いたばかりの頃でした

代々木にて世界のクラフトビールが飲める人気パブ「ウォータリングホール」を運営し、アメリカ在住時に全米一のホームブルーイング賞『American Homebrewer of the year』を受賞した藤浦一理さん。
クラフトビールを醸造し、飲める場所をつくりたいと、5年もの間候補地を探していたと言うのです。


「25年ほど前にクラフトビールに出会いました。それまで、ビールの世界は文京区くらいの大きさだと思っていたのに、天の川銀河くらいの広さだと知ったのです。その衝撃はまるで、天動説を信じ、世界が宇宙の中心でしかも平面だと思っていた人が、宇宙船に乗って外から地球を見たような衝撃でした。
それからわたしの人生は大きく変わっていったのです。ビールの勉強を通じて、友達がどんどん増えていきました。自分のすべきことが見つかったのです。ビールはあらゆる可能性を秘めた地球最強のバラエティを誇る醸造酒であり、アートとテクノロジーが融合したすばらしい飲み物です。
わたしは、自分の人生を変えたビールという飲み物と、それを取り巻く文化のすばらしさを、多くの人たちとシェアしたいと思ったのです。」
と藤浦さんは語ります。


(藤浦一理さんと『American Homebrewer of the year』のトロフィーを前に)

「ドリンクローカル」という考え方。その土地に根ざしたビールを作ることができる、ビールという飲み物の自由さ。お店で飲むだけでなく、グラウラー(自宅で飲む詰め替えボトル)で持ち帰って自宅で晩酌するスタイル。藤浦さんから、世界の様々な場所で楽しまれている「ドリンクローカル」なビールの楽しみ方の話を聞くうちに、いつの間にかお互いに「このまちなりのビール文化をつくりたい」という気持ちが生まれていたのです。

西池袋マートの大家さんに話をしたところ、心よく理解していただけました。シーナタウンが建物をお借りして建物全体を整え、藤浦さんは新しく「Snark Liquidworks」を立ち上げました。こうして計画は動き始めたのです。


【なぜビール×アートなのか】

「ドリンクローカル」を実現するために、藤浦さんと共に西池袋エリアの文化を紐解いていくことから始めました。
実は西池袋エリアには「池袋モンパルナス」という芸術文化活動が栄えたという歴史があります。

池袋モンパルナスに夜が来た
学生、無頼漢、芸術家が街に出る
彼女のために、神経をつかへ
あまり太くもなく、細くもない
ありあはせの神経を――。

この詩は詩人、小熊秀雄による一節です。当時の芸術家たちはこの詩のように夜な夜な街に繰り出し、御酒を飲み交わしながら日夜芸術談義に花を咲かせていたと言います。また少し足を延ばすと、手塚治虫や藤子不二雄などの有名な漫画家たちが住み、日本の漫画文化の歴史として語られる「トキワ荘」もあります。

この町には昔から、アーティストやクリエイターが集まる歴史がある。
ビールを中心に集まり、表現したり議論を交わしたりできる場所ができれば。ビールを飲みながら、作品や表現を楽しむことができるサロンのような場所ができれば。この町ならではの「ドリンクローカル」を作ることができる!

何より、アートはすべての世代に開いている。ビールとアートが組み合わさることで、大人がビールを楽しみ、芸術を学ぶ学生やアーティストが自由に表現し、こどもたちはアートに触れる。そんな町の風景を藤浦さんと一緒に作ってみたい!!

方針が決まり、僕たちは工事に乗り出したのです。


【リノベーション工事の落とし穴】


(解体中の西池袋マート内部)

長らく空き家状態となっていた西池袋マートは、建物の補修やインフラを整備するところからの再建となりました。リノベーションは、計画は立てるものの、実際には壁を剥がしてみないと、中を見てみないとどこまで老朽化が進んでいるかわからないことが多くあります。西池袋マートも場合も、実際に工事を進めてから、思った以上に補強が必要なことがわかり、最初に計画した以上にコストがかかってしまいました。

それでもなんとか工面をして、基礎工事は終了し、ビールを作る場所を作ることはできました。しかし、優先度の低い補強箇所や、塗装店舗サインなど、手が回っていない部分も出てきてしまっているのが現状です。そこで、最後の仕上げのところを、みなさんに支援をお願いしたいとクラウドファンディングに踏み切りました。

支援いただいた資金は、建物の補修・塗装、外部看板・サイン、壁面アート及びギャラリー整備の資金とさせていただきます。

スケジュールは
2018 年12月 パブプレオープン
2019 年1月 醸造開始・グランドオープン
を予定しています

「この場所にもう一度笑顔を取り戻してほしい」という想いをオーナーさんから引き継いで、ぜひこのプロジェクトを成功させたいと思っています。みなさんと一緒に、クリエイターやアーティストと一緒に、藤浦さんの作る美味しいビールを飲みたいです!!

応援よろしくお願いします!!!!!

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