木と漆の質感に着目したワイン専用漆器「テロワール」は、ワインを五感で楽しむための新たなワインウェアです。
漆器独特の口当たりや手触り、そしてこだわりの形状により、それぞれのワインがもつ、グラスで飲むときとはまた異なる味わいが引き出されます。

木製なので中のワインの色をクリアに見ることができません。だからこそ、味や香りそのものに集中する、テクスチャーを感じる、すなわち五感をフルに使ってワインの「感じ方」の変化を楽しむことができるのです。

忙しい生活の中で忘れがちな「目に見えない価値」を思い出させてくれる、唯一無二のワインウェアです。



今回の新作は、ブランドコンセプトを表現したコンセプトシリーズ、「輪廻 RINNE」

繊細な蒔絵で描かれているのは、崩れ落ちそうな骸骨(スカル)と、それに呼応するブドウの芽吹きのシーンです。

古来エジプトやギリシャでは、ワインは常に創造や再生の神と結びつき、死と再生を司る飲み物とされてきました。

ワイン発祥の国と言われるジョージアには、古来から、戦士たちは常に葡萄の枝を片手に戦地に向かったという伝説があります。戦いの中で倒れて身が滅びても、その場所から新しい葡萄の樹が芽生え、命をつなぎ、それが彼らの生きた証となるからだというのです。



人も自然の一部であり、いつかは朽ち果て、自然に還っていきます。
けれど、それは単なる終わりではなく、新たな始まりでもあります。
自然が脈々と命を紡いでいくように、私たちも、人々が築き上げてきた営みや文化を、時を超え、未来に繋がる価値として紡いでいきたい。

そんな想いを込めて誕生したのが、新作「輪廻 RINNE」です。


Terroir テロワールとは、ワイン用語として使われる、葡萄畑の自然条件や風土を指すフランス語。ワインも漆も、自然の木の恵みに人間の知恵と手仕事を重ね、日常に取り入れ、それを嗜好品として芸術の域にまで高めていく文化です。

ワインと漆との共通点「自然と人との繋がり」から生まれたブランドが「アール・ド・テロワール」。国境も世代も越えて共感し続けることができる、サステナブルなワインライフを提案しています。 



漆はウルシの木から採れる樹液。自然の恵みです。約1万年前からさまざまなかたちで日本の文化に溶け込み、育まれてきました。

年月を経るごとに増していく漆器の美しさは、多くの人々を魅了してきました。しかしこの100年ほどの間に暮らしの価値観は大きく変化して、便利で安価な石油化学製品が生みだされ、日本の漆や漆器の需要も生産も激減しています。

私たち「アール・ド・テロワール」は、自然の恵みと人の営みが生み出す文化を世界のワインを愛する人々とともに育て、次世代に繋ぐことを目標としています。





「テロワール」はワインを五感で楽しむために考案された専用漆器です。
漆塗り独特の口当たりや手触り、形状を生かすことにより、ワインの新しい楽しみ方を提案しています。


1. ワインを楽しむために最適な独自の形状

片手にほどよく収まる大きさで、手触りは独特な滑らかさ。持つ手の温度が伝わりにくい木の特性を生かし、ボウルの部分の手触りを楽しむことができる丸いステムレスの形。
ワインの香りを最大限に生かすチューリップ型で、飲み口は薄く上質な味わいが楽しめます。
内側のラインも香りが立ち、且つ液体がスムーズに流れるよう設計されています。


そして何と言っても漆の質感の美しさ。見た目の美しさにもとことんこだわりました。形状も、塗りも、ワインを飲むシチュエーションにふさわしい甘美な逸品です。

底の部分を丸く仕上げてあるので、テーブルの上で起き上がり小法師のようにコロコロと揺れる姿が愛おしく、ステムが無いので、手に持つと、まるでワインが掌に収まるようです。木と漆は手の温度を中のワインに伝えにくいという特徴があるため、掌で包み込むように、優しい漆の質感も楽しみながらワインを味わうことができます。



2.塗りの違いによって味わいの変化を楽しめる、上質な漆の質感

「テロワール」の醍醐味は、木と漆ならではの高級感のある口当たり。そして漆塗りの技法の違いによって触感が異なるので、同じワインを飲んでも、グラスとの違いはもちろんのこと、それぞれの「テロワール」によっても味わいが違って感じられます。

つるりと滑らかでしっとりと吸い付くような質感を持つ塗り、木の質感が残る‘拭き漆’技法など、それぞれのテロワールが個性的な質感を持ち、ワインの表現を豊かにしてくれます。

木製なので、中のワインの色をクリアに見ることはできません。だからこそ、味や香りそのものに感覚を集中させ、テクスチャーを感じ、五感をフルに使ってワインの「感じ方」の変化を楽しむことができます。


3.伝統工芸の一流の職人により、ひとつひとつ手作業で作られる

「テロワール」の繊細な質感と形状は、日本でも有数の卓越した技術を持つ職人たちだからこそ実現できた、究極の、そして革新的な漆器です。木を削り出して美しい形を作る「木地師(きじし)」。漆の美しさを最大限に引き出す「塗師(ぬし)」。自然の素材を操る伝統の技と新たな挑戦を融合させながら、ひとつひとつ丁寧に作り上げています。 





「テロワール」には、ブランドコンセプトを表現した「コンセプトシリーズ」と、質感を楽しむ「ベーシックシリーズ」があります。



● 煌 KIRAMEKI (限定生産品)
アール・ド・テロワール立ち上げの出発点でもある作品。
この塗り色は、この煌きを楽しむために試行錯誤を重ねて考案しました。まるで夜が明けるころの日の光のような美しさです。上塗りには国産漆を使用しています。年月を経るごとに透明度が増して、より明るさを増していくことでしょう。
最高の仕上がりを追求するため梅雨どきのほんの短い期間しか制作しない、限定生産品です。

「煌」はぜひ、ソーテルヌなどの上質な甘口ワインを楽しんでみてください。
とろりとした貴腐ワインのテクスチャーが漆の艶やかな質感と重なり合い、至福の一口に。黄金色の液体を注いだときの、器の中の美しい煌きもまた格別です。


● 艶 TSUYA
特有のしっとりとした質感と、艶やかな口当たりを実現した玉虫塗。
玉虫塗は、紅色でメタリックな光沢を見せる東北地方発祥の塗り。上塗りは国産漆を使用。何年も使い込むほどに漆の透け感が増して、より明るい色味に変化していきます。漆器は育てる器。それを実感することのできる塗りです。

あらゆるタイプのワインを、滑らかで艶のある印象に変えてくれる魔法の器です。特に厚みのある濃厚な赤ワインや樽熟したコクのある白ワインに。


● 宙 SORA
独特なメタリックな風合いは、まるで金属や石器のように見えるのに、持つと軽くて優しい手触りに驚きます。
木地に漆を塗り重ね、仕上げに錫粉と炭粉を蒔いて、金属的な風合いを表現しているのです。

ひとつひとつ模様が異なることも、この作品の大きな魅力。
何年も使い続けることで、色調がほのかに明るくなっていく、経年変化を楽しむこともできます。

飲み口は適度にマットな質感。スパークリングワインを注ぐと泡立ちがよく、メタリックな輝きが泡の姿を美しく際立たせてくれます。
泡が少し落ち着いたとき、なお一層魅惑的に静かに輝く「宙 SORA」の内面は、まるで掌に収まる宇宙のようです。
*新作「RINNNE 輪廻」のベースとなるテロワールです。


● 然 ZEN
木の質感と美しい杢目を生かした拭き漆仕上げ。
艷やかな黒とナチュラルな質感が人気の、「テロワール」の定番です。

飲み口にも木製ならではの触感があり、スッキリとした白ワインはもちろん、軽やかな赤ワインの酸味と相性は抜群です。



1.木材加工・成形| 木地師  畑尾勘太氏

木地(漆器に漆を塗る前の木の素地)は、国産のミズメザクラ。木目が美しい木です。上質な木材がとれる季節(=冬)にまでこだわり、日本で最も高い轆轤(ろくろ)挽きの技術を持つ石川県加賀市山中で修業した、金沢の若手木地師 畑尾幹太氏が「テロワール」の木地を挽いています。ユニークで美しい形状は、畑尾氏の卓越した技術とあくなき追究心によって実現しています。


2.漆塗り|工房 塗師一富 冨樫孝男氏

木地に、漆を塗り重ねて作品を仕上げていく職人を塗師(ぬし)といいます。

冨樫孝男氏は、漆を知り尽くし、使いこなし、漆の美しさを最大限に引き出すことのできる、極めて高い技術を持つ塗師です。新しい技法や伝統がありながら廃れつつある技法にも積極的に取り組むチャレンジ精神を持ち、個性ある作品を制作しています。ひとつひとつ手作業で、並外れた集中力で塗りあげています。

使っているのは天然漆。その中でも「艶 TSUYA」と「煌 KIRAMEKI」の仕上げには、日本の腕のいい漆掻き職人が掻いた漆にこだわります。しかも季節は、春から夏の時期に限定しています。 漆が美しく硬化するためには、特定の湿度と温度が揃った環境が必要です。優れた塗師は、日本の湿潤な気候と自然の力を読み取って高品質なモノづくりをしています。


3.蒔絵『蒔絵 MAKI-E』|工房 蒔絵工房てるい 照井克弘氏 

祖父の代から続く蒔絵工房の跡継ぎ。

蒔絵とは、漆で絵を描き、金粉や貝などを用いて繊細な装飾をする伝統技法。日本で1200年以上の歴史があります。
照井克弘氏は多様な技法を駆使し、大胆かつ繊細な深みのある装飾を得意としています。


4.蒔絵『輪廻 RINNE』|うるしアートはりや 針谷崇之氏 

石川県加賀市の山中漆器の産地の若手蒔絵師。山中は日本一の木地の産地であることが有名ですが、実は茶道具などの美しい蒔絵もその特徴のひとつ。

針谷崇之氏の非常に精緻な筆のタッチはもちろんのこと、正当な古典柄をモダンに描くセンスが秀逸なのです。




左:加藤 千晶 (Chiaki KATO)
FEEL J 株式会社 代表 / ウルシスト®
漆の魅力を伝える’ウルシスト®’として活動。人と漆、異分野と漆を繋ぐキッカケづくりを展開している。漆にまつわる学びと交流が生まれるショールーム&ワークショップ・スペース「漆文化醸造LAB」のオーナー。産学連携「ウルシの木の活用プロジェクト」主宰。

右:蜂須賀 紀子 (Kiko Hachisuka)
株式会社マリアージュ代表 / ソムリエ、ワイン文化講師/一般社団法人ワインアロマセラピー協会会長。
食関連の仏語通訳、飲食コンサル、執筆、イベントプロデュースなど、「ワインは文化である」という観点から、異分野とのコラボレーション企画を含め多彩な活動を展開している。


<プロダクトに込めた思い>

ワイン専用漆器「テロワール」は、古くからの友人であるソムリエの蜂須賀 紀子とウルシストの加藤 千晶が、漆器でワインを飲んでみよう!思い立ったことから始まりました。

「テロワール」はもちろん存在していなかったので、既存の漆塗りのお猪口を使っていろいろなワインを試飲してみましたが、
最初に衝撃を受けたのは、極甘口の貴腐ワインを飲んだときでした。

つるりとした質感の漆器(現「KIRAMEKI 煌」と同様の塗り)で飲むと、貴腐ワインの滑らかな質感、芳醇な甘み、まろやかさ…そのどれもが、驚くほど豊かに感じられたのです。

そのあまりの美味しさと味わいの変化に、「これはワイン専用の器を作らなければもったいない!」という二人の情熱から生まれたのが、ワイン専用漆器「テロワール」です。


ソムリエ 蜂須賀紀子

「ワインをもっと楽しく、自由にー」
そんなコンセプトを掲げつつ、ワインという液体の魅力を様々な角度から伝える活動を長年続けてきました。
ワインの魅力を、よりよい形で次世代に伝えていくにはどうしたらいいのか、ワインという世界共通の伝統文化を通じて、日本から何を発信できるのかー。
そんな未来を模索していく中で出会ったのが、「漆器」という日本の伝統文化でした。

「自然と人とのつながり」という、ワインと漆の共通点に胸を打たれたことはもちろん、漆器で飲むワインの味わいの変化に衝撃を受けたことこそが、今回のプロジェクトの発端です。

漆器でワインを楽しむことは、決して奇をてらったものではありません。
ヨーロッパという石の文化で生まれ育まれたワインが、木の文化という異なる「テロワール」に出会った時、全く別の楽しみ方が生まれるのはごく自然なこと。
漆器の独特な質感は、無意識のうちに私たちの五感を研ぎすませ、そっとワインの声を聞くように、ワインの香りやテクスチャーに心を寄せることができるのです。
もしかすると遥か昔のご先祖様たちは、ワインに似たような飲み物を、こうして漆器で楽しんでいたのかもしれません。

日本の文化だからこそ伝えられる、ワインの新しい味わい方。
その良さを最大限に感じつつ、ワインを美味しく味わって頂けるよう、漆器の形状や質感にはとことんこだわって開発しました。
ぜひこの『テロワール』を手に取り、口に触れて、そこから続くワインの新しい味わいを、じっくりと感じて頂ければ嬉しいです。


ウルシスト 加藤 千晶

私が漆器の魅力に気づいたのは、フランスの銀食器ブランドで仕事をしていた頃でした。その艶。質感。光。それは濡れているかように艶やかで、軟らかいかのようにふっくらと、気と光を放つかのように神々しい。そして手に包み込んだ時のしっとりと人肌に触れたような安心感。こんなにも美しく魅力的なものが日本にあったのか。まさに人生の原点と言える衝撃でした。

慌ただしい日常のなかで、漆器を使う食事はふと肩の力を抜いてくれる優しい時間となりました。

一方で、知れば知るほど、日本の漆を取り巻く環境は厳しいものでした。電子レンジや食器洗浄機を使えないなど、現代のライフスタイルに合わないことも多く、当然ながら需要も生産量も激減しています。さらには、漆器の原料である漆もいまや9割以上を中国からの輸入に頼り、このままでは国産漆は絶滅しかねない状況です。

需要のないものが廃れていくのは当然のこと。しかし漆は1万年続いてきた、自然と共存し循環させる日本の生活文化そのものです。縄文時代から紡がれてきた文化が、このたった80年ほどの環境の変化で失われる。これは漆だけの問題ではないと感じ、以来、今のライフスタイルに生かせる木と漆の魅力を見つけ、伝え、繋ぐべく、ウルシスト®として活動を始めました。

ある日、漆器で貴腐ワインを飲みました。その衝撃は、漆器の魅力に出会ったときと同じでした。この滑らかで豊かな口当たり。グラスで飲むのとは全く異なる甘美な世界が広がっていたのです。漆器が醸す新しいマリアージュ。この幸福感を多くの人に知ってもらいたい!

この日から「アール・ド・テロワール」の取り組みが始まりました。

どうぞ皆さんも、この感動を一緒に楽しんでください。



新作「輪廻 RINNE」の発表を記念して、CAMPFIREのための特別セットをご用意しました。

なお、9月1日からは原料高騰などのため、やむを得ず価格改定を予定しています。
今回は、改定前価格からさらに割引したCAMPFIRE特別価格にてご提供します。

詳細は各リターンのサムネイルからご覧ください。


製品情報・仕様

<サイズ>  口径63mm x 最大径83mm x 高79mm  

※手仕事のため個体により多少の差異があります。

<素材> 素地:天然木(ミズメザクラ) 

    塗り:天然漆(MAKI-EおよびZENは拭き漆)

    蒔絵:『輪廻 RINNE』銀・黒蒔絵

       『蒔絵 MAKI-E』 金・銀・螺鈿


漆器のお手入れ

漆器は仕舞い込まず、ときどき使っては洗うことで湿度が保たれ、長持ちします。

温かい飲み物を入れることもできますが、沸騰したての熱湯はお避け下さい。変色する場合があります。

洗うときは長時間の浸水を避け、やわらかいスポンジ等を使ってください。台所用の中性洗剤を使用しても問題ありません。洗った後はすぐに拭くと、カルキ滲みを防ぐことができます。拭き上げには手ぬぐいのような柔らかい布をお勧めしています。

食器洗い機、電子レンジは使用しないでください。


塗り上がりから間もない漆器は漆の匂いがすることがありますが、ご使用いただいても問題はございません。早めに匂いを消すためには箱の中にしまい込まずにお使いください。使わないときも箱から出しておくことをお勧めします。温かい飲み物やアルコール度数の高いお酒を入れると匂いを強く感じる場合がございますのでご留意ください。

漆器は乾燥と紫外線に弱いです。保管はエアコンの直風や直射日光が当たらないところにお願いします。

可能な限りお直しも承ります。お気軽にお問合せください。


メディア掲載

婦人画報 2023年5月 『初夏の“泡”支度』

Webマガジン J-PRIME 2022年8月 『LIFE STYLE』

WINE WHAT 2020年6月 『Hors d'oeuvre』

ワイナート 2019年12月 『今月のグッズ』



募集方式について

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2023/09/06 18:20

    プロジェクトが終了して約1週間が経ちました。改めてご支援をありがとうございました!品物はただいま制作を進めています。お届けまでもうしばらくお待ちくださいませ。また、気になるけれどやっぱり実際に見てみないと決められないなぁという方もいらっしゃると思います。そんな方々におすすめしたいスペシャルなイ...

  • 2023/08/31 21:18

    一ヶ月間にわたるクラウドファンディングも、終了まであと2時間となりました!ご支援いただいた皆様、ご覧にただいた皆様、本当にありがとうございます。最後まで、皆様のご支援をお待ちしておりますので、ぜひこれを機会に、「テロワール」のある生活を始めていただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします!

  • 2023/08/29 09:23

    プロジェクト終了まであとわずかになりました。いつも応援してくださりありがとうございます!今晩8月29日(火) 21時15分頃から、アール・ド・テロワールのインスタライブをやります!プランドプロデューサーのソムリエ 蜂須賀紀子 & ウルシスト®︎ 加藤千晶の2人がワイン専用漆器「テロワー...

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