国際協力NGO風の会について
弊会はすべての子供たちが未来への希望を持てる社会を目指し、現在はカンボジアとラオスへの教育支援や日本の学生との異文化交流を中心に活動しています。
弊会の中でも総合教育事業部ではカンボジア、ラオスの小中学校の建設・増築、事後支援を行っています。
1年に2回、実際に現地の学校を訪問し、子どもたちへのセミナーと交流、先生へのヒアリングを実施しています。
支援の対象と選定理由について
今回の支援の対象者は、カンボジアバッタンバン州ロムチェック村に住む3~5歳の子どもたちとその家族です。
ロムチェック小学校は現地ニーズの収集を担当する開発系NGO・BFDと建設候補地を視察した際に最も学校建設のニーズが高かったロムチェック村を建設地として決定し、大和ハウス株式会社様のご協力のもと、建設いたしました。
ロムチェック小学校が建設された後、子どもたちが教育を受けられるようになっただけではなく、ロムチェック村民との協力関係が築かれました。さらに村を超えた協力体制の形成をロムチェック村が中心となって行っているため、小学校建設後も継続してこの村への支援を行っています。
ロムチェック村の3つの課題
1つ目が「子どもたちが集団生活に馴染めない」ということです。小学校入学前は家庭内で過ごしてきた子どもたちにとって、集団行動が求められる小学校に通うことはストレスであり、学校を途中退学するドロップアウトの要因の1つとして考えられています。
2つ目は「子どもたちの間に学力差が生まれている」ということです。小学校入学前に読み書きが教えられない家庭があり、小学校入学時点で、読み書きを教わった子どもとそうでない子どもとの間に学力差が生まれています。
3つ目は「保護者の共働きの選択肢が失われている」ということです。子育てにより、保護者の共働きの機会が失われることで、所得の向上・女性の社会進出に影響が出ています。
このような問題について実際のデータをもとにさらに詳しく説明させていただきます。
こちらはカンボジアの幼稚園に通う子どもの割合と小学校に通う子どもの割合をそれぞれ表したものです。これらの円グラフから、カンボジアの小学校に通う子どもの割合が97%であるのに対して幼稚園に通う子どもは約半数であることが分かります。カンボジアの幼児教育は全体に行き届いておらず、小学校入学前に、幼稚園に通う子どもとそうでない子どもの間に学力や人間関係構築のスキルの差が生まれてしまうことが考えられます。子どもが幼稚園に通っていない家庭は子育てにより共働きの機会が失われることで、子供が幼稚園に通っている家庭に比べて所得が低くなることも考えられます。
続いて、カンボジアの子どもたちの小学校入学後の留年・卒業の有無と幼児教育の有無の相関関係を表すデータをもとに、幼児教育の大切さについてお伝えできればと存じます。
ロムチェック村の現状
現地の人達のニーズ
問題を解決するにあたって、ロムチェック村で実際に子育てをしている住民の方、カンボジアバッタンバン州の教育省、早稲田大学の教授や弊会OB、協賛していただいた企業の方にも本チャレンジに対する想いを伺いました。
カンボジアバッタンバン州の教育省の方からは、「バッタンバン州教育省のビジョンである”次期教育者の育成に欠かせない道徳教育を広めること”が叶うという期待の声をいただきました。また、保護者が共働きしやすい環境を作れるという点についても、貧困の削減につながる」と期待していただいています。
弊会の他のプロジェクトにも多く助言をいただいている早稲田大学の教授からも幼稚園建設について、「現地の幼児の学習機会の少なさと適切な保育の欠如、子供の面倒を見るために退職しなければならない人がいることが問題であり、これらのことを解決するためにも発展途上国への幼稚園建設という活動を展開していってほしい」と応援の声をいただきました。
弊会のOBからは、「幼稚園に通う子どもたちにとっても、親御さんたちにとっても未来への可能性を広げるきっかけにはなる。どのように世界が広がっていくのかを教育し、教育を受けた上で彼らの選択肢を広げてあげるサポートをしてあげられるようなプロジェクトを期待している」との声をいただきました。
本チャレンジに賛同し、協力してくださった企業の方からは、「幼稚園建設を通じて広範な社会課題の解決に貢献し、初期の投資が長期的な価値を持つ素晴らしい機会を作り出すものであると確信している。組織としては活気にあふれ、熱心なメンバーが協賛イベントやミーティングで活動に取り組んでおり、将来も協力したいと思わせてくれる」と嬉しい声をいただきました。
今回様々な関係者の方から「私たちのチャレンジに対して本当に求めていることは何か」「このチャレンジに何を期待しているか」を伺い、改めて私たちのこのチャレンジが周りの人に応援していただけるものであると確信しました。
上記の三つの問題を解決するために様々な案を考えましたが、どの案も懸念点が多いものばかりでした。
そこで、今回私たちが取り組むのは幼稚園建設です!!
幼稚園建設の具体的なプラン
今回はロムチェック幼稚園建設の第一ゴールとして、20万円を目標とします。
その後、次の目標を50万円、100万円と設定し、最終的には300万円を目標としています。
今回の20万円は工事施工費の一部として使用される予定です。
スケジュール
建設後について
NGOが建設した教育施設は国から公立の教育施設として認定されます。したがって幼稚園建設後、幼稚園の維持費や教師の採用・派遣については教育省の管轄であり、自立的な形になるため、建設直後の数年だけでなく、数十年にわたって継続的に子どもとその保護者をサポートできると言えます。
幼稚園建設後の支援として弊会は、日本の幼稚園・学校との交流事業、定期的な支援の効果測定、教育機材の寄付や幼児教育関連のNGOと協力した支援など、幼稚園の自立に向けた支援を継続して進めていくことを予定しています。
その後の未来
私たちはこのチャレンジがカンボジア国内、日本国内、風の会内に次のような効果を生みだすと考えています。
まず、私たちの考えるカンボジア国内への効果についてです。直接的には:
【幼児期に必要な道徳教育の機会を提供できること】
【集団行動への耐性をつける機会を提供できること】
【これまで子守を理由に働きに出られなかった親御さんが安心して働きに出られる環境を提供できること】
間接的な効果としては:
【小学校のドロップアウト率の低下】
【女性の社会進出の後押し】
【家計が苦しい家庭を減らせる・サポートできること】
【カンボジアにおける幼児教育のロールモデルとなり、幼児教育が広まること、さらに成功体験が波及すること】
が考えられます。
次に、日本国内に与えられるであろう効果についてです。
直接的効果としては、
【幼稚園建設を主題とした中高生向けの講演会・出張授業・交流によって中高生に国際協力への意識を高めることができること】
【支援によるデータの国内への提供により 次なる課題や研究へ貢献できること】
が挙げられます。
間接的効果としては、
【国際協力に関わる人が増えて国際協力が充実すること】
【成功例として国内でその認知が広まること】
【国際協力の知識や経験が増え、効果的な支援が可能になること】
などの効果を与えられると考えています。
最後に弊会、国際協力NGO風の会内への効果についてです。村として初めての幼稚園建設が与える影響・効果を測定してデータを得ることで、効果的な支援手段の検討をするために役立てたいと考えております。また、建設後に事後支援を行う過程で幼児教育における知見を得ることにより、これまで小学生以上の子どもたちを支援してきた弊会の支援の幅を広げることができます。
最後に
「すべての子どもたちが未来への希望を持てる社会」の実現を目指して、私たちは着実に歩んでいきます。ご協力をお願いいたします。
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