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開業わずか4か月にして休業、能登全体の逆境に『一 能登島』にできることを

能登の幸リゾート『一 能登島』の代表・中永勇司と申します。
当館は北陸初の鮨のオーベルジュ(食事を主目的とする宿泊施設)として2023年9月、能登半島七尾湾に浮かぶ自然豊かな能登島に新しく開業しました。元日の能登半島地震により、当館及び周辺一帯の道路及び水道も被害を受け、以来営業を休止しております。

当館のような小規模資本で運営を行っている事業者にとって、開業後わずか4か月での先が見えない休業という事態は資金ショートが起こりかねない経営上の危機ですが、七尾から珠洲に至る各地の被災状況や失われた多くの観光資源を見れば、これは「能登全体の危機」に違いなく、自分たちの生き残りに焦燥感を募らせながらも、もっと困っているはずの方々や地域のためにも何とか貢献しなければという気持ちも押し寄せ、かつて経験したことのない困難な状況とやり場のない複雑な感情に日々翻弄され続けています。

それでもいつまでもこの状況を嘆き、立ち止まっているわけにはいきません。私たち『一 能登島』も、『一 能登島』自身とこの能登全体の逆境に対し、この先の未来も能登が能登らしくありつづけるために少しでも役に立てるよう、『一 能登島』にできることに取り組んでいきます。そのため今回初めてのクラウドファンディングを行うことにしました。ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

『一 能登島』から望む日の出。皮肉なことに発災翌日の1月2日もとても美しい朝でした。

『一 能登島』と地場産業

『一 能登島』は、波穏やかな七尾湾や美しい日の出、対岸には立山連峰を望むことのできる絶好のロケーションに位置する、全8室のゲストルームを備えたオーベルジュです。バーラウンジや貸切りのスパ・サウナも併設し、夕食には食材の宝庫とも呼ばれる能登の食材を活かした地産地消の鮨コースをご提供していました。

能登ならでは、オーベルジュならではの鮨コースを探求していました。

『一 能登島』のバーラウンジ

オーシャンビューの薪サウナも備えた貸切りスパ

開業4か月にして今回の被災となりましたが、その間にお越しいただいたゲストの皆さまのなかには、能登はもちろん石川県にも初めて来られたという方も少なくなく、当館の営業を通して微力ながらも能登のファンを増やすことに貢献できていたのではないかと思っております。このような事態になって改めて感じることですが、当館がそのように営業できていたのは、能登の美しい風景や漁業・酒造業などの地場産業を能登の先人たちが長い年月をかけて守り続けてきてくださったおかげです。

漁業に関しては、輪島や珠洲では地盤が4メートル近くも隆起、漁船が出入りできなくなった漁港が多数あり、港を整備し直すには何年もかかってしまうため、これを機に漁師を廃業する人も多いのではないかとも言われています。また、奥能登には11の酒蔵があり、当館でもほとんどの酒蔵のお酒を扱っておりましたが、いずれも建物や設備に大きな被害があり、そのうち8の酒蔵は今期の酒造りが絶望的とのことです。

このように今回の震災では、漁業などの一次産業、酒造りなどの二次産業、観光業などの三次産業とあらゆる産業が甚大な被害を受けています。私たち三次産業の復興のためには一次、二次産業の復興も欠かせません。一方で三次産業に元気がなければ、一次、二次産業も先細りしてしまうでしょう。だからこそ、私たち『一 能登島』もできるだけ早く営業を再開し、漁業や酒造業などに従事する方々を少しでも下支えできるように努力していきたいと思っています。

漁業・酒造業など能登の地場産業あってこその『一 能登島』

大地震当日と翌日のこと

大地震があったのは『一 能登島』開業後、記念すべき初めての元旦でした。ゲストの皆さまがチェックインも済まされ、それぞれにお部屋で寛いでおられた16時過ぎ、立て続けに震度5強、震度7と大きな地震が襲いました。建物が倒壊するのではないかとさえ思うほどのミシミシ、ガタガタという大きな音と揺れで、自力ではとても立っていることができませんでした。
一旦落ち着いたタイミングで、各スタッフから被害状況の報告があり、通常営業の継続は不可能と判断。ゲストの皆さまの安全確保のため、まずは館外へと誘導し、さらに避難所への移動を促しました。ゲストのなかにはすぐさま金沢へ車で向かいますという方、自力で避難所へ行きますという方もおられました。お車がなくスタッフが避難所へご案内した方もいらっしゃいました。

館に残ったスタッフが火元の確認やゲストの荷物をまとめたりしていたところに大津波警報が発令され、スタッフも慌てて高台へと避難しました。その後、高台からゲストの皆さまが向かった避難所に合流するため車で移動しましたが、途中、津波による道路の浸水を確認、慌てて引き返し、別ルートで避難所に辿り着きました。
避難所は非常に寒く、横になるスペースもなく、飲料や食べ物もなく、断水のためトイレなどの衛生環境も悪化し、電波も途切れがちで連絡しようにもつながらず、そんななかでも余震が続き、地震警報のアラートや緊急車両のサイレンが絶え間なく鳴り響き、依然として大津波警報も解除されず、これ以上ない不安のなか眠れぬ夜を過ごしました。

翌日明け方、ようやく大津波警報が解除となり、避難所のゲスト2組と一緒に一旦館に戻りました。避難所では横にさえなれなかったため、客室のベッドで休んでいただき、その間、割れずに残ったお釜で米を炊き、おにぎりなどをご提供させていただきました。このとき、実は能登島にかかる2本の橋がいずれも通行止めとなっており、島は孤立状態でした。
ゲストに安全に島外へと避難いただくため、車が無理なら船はどうかなどと相談していた10時半頃、能登島大橋の片側通行許可の情報が出たため、ゲストにもお伝えし、ゲスト・スタッフ全員、ひとまず島から出る決断をしました。
2組のゲストのうち1組はご自分のお車でしたが、もう1組はお車がなかったため私たちでお送りすることにしました。通常の倍以上の4時間近くの時間をかけ、新年にわざわざ沖縄から当館までお越しいただいたゲストを小松空港に無事に送り届けたあとは溢れる涙が止まらなくなりました。

数日後、皆さまからご無事にご自宅に到着されたとのご連絡をいただき、とにかくお怪我がなかったことだけがせめてもの救いでした。

『一 能登島』と周辺の被災状況、水道復旧は4月以降...

地震当初、金沢・富山方面や能登空港から当館へと至る道路は崩落や隆起が目立ち、通行止めの箇所もあちこちにありましたが、工事関係者の皆さまのおかげで交通状況は日々改善しています。しかし、道路内を通る水道管の損傷が激しく、2024年1月21日の報道によると能登島の水道復旧は4月以降との石川県の見解が示されています。現在、当館でも井水利用などの別の手立てによる早期営業再開の道を探ってはいますが、現状ではハードルが高く、このままでいくと営業再開は早くても5月頃になってしまうのではないかと思っております。

当館の800メートルほど手前の道路の崩落状況。分断した水道管が見えます。

一方、当館の被災状況ですが、一部の壁仕上げや外構の舗装に亀裂などが生じているものの、思いのほか損傷は小さく、適切に修繕を行った上で、営業再開に備えたいと考えています。能登全域の宿泊施設で比較的早期に営業再開できるところはそれほど多くはないかもしれません。しかし、私たちは当館の営業そのものが微力ながらも能登の復興につながると信じ、水道復旧次第の営業再開を目指します。ただし、壁や床の仕上げ内に隠蔽されている配管の損傷については、水道の復旧なしには確認が取れないため、場合によっては営業再開の時期が後ろ倒しになることもあり得ます。

比較的軽微だった当館の被災状況

クラウドファンディングの目的と資金使途

繰り返しになりますが、私たちは当館の営業再開そのものが能登の復興につながるものと信じています。そのためにも『一 能登島』そのものを従業員の雇用も含めて守らなければなりません。しかし、半年近くもの営業休止とせっかくいただいていた多くのご予約のキャンセルという現実は、当館のような小さな宿泊施設にとってはあまりにも厳しいものです。どうかお力添えのほどお願い致します。

資金使途の内訳は以下のように考えています。

リターン品原価(約50%):約500万円
営業休止中の運転資金(約35%):約345万円
破損した食器・グラス・備品などの再購入費(約10%):約100万円
決済手数料(5%+税):約55万円

リターンについて

リターン品には、当館営業再開後にお使いいただける宿泊チケットと当館でのサービスに使用している器などをご用意しました。
宿泊チケットにお申し込みいただくことは、ご宿泊のお客様がいずれこの『一 能登島』に戻ってきてくださるということの証のようなものです。その証を励みに、この長期に渡る営業休止の苦しい時期を乗り越えたいと思っています。

スケジュール

当館の営業再開時期は、水道の復旧がいつ完了するか次第ですが、1月21日時点の報道では能登島の水道復旧は4月以降とされているため、現在のところ5月1日の営業再開を想定しています。状況により早まったり、遅くなってしまうこともありえると思っております。

1月1日 令和6年能登半島地震
1月2日 以降『一 能登島』営業休止
1月26日 クラウドファンディング開始
3月31日 クラウドファンディング終了
4月以降 水道復旧(予定)
5月1日 『一 能登島』営業再開(予定)
9月1日 リターン品発送
9月4日 『一 能登島』開業1周年

『一 能登島』の開業時メンバーの一部にて

運営者からのメッセージ

『一 能登島』代表(株式会社ナカエ・アーキテクツ 代表取締役)/中永勇司より
私が代表を務める株式会社ナカエ・アーキテクツは建築設計を本業とする創業20年の会社ですが、この『一 能登島』の開業にあたってリゾート事業部を立ち上げ、能登の活性化の一役を担おうという意気込みで取り組んでまいりました。
開業にあたってのストーリーはこちらのPR TIMES STORYにて詳細に配信しておりますので、ぜひご一読いただければと思います。昨年末、つまり地震の前に配信したため今後考えを改めなければいけないこともありますが、こちらでも触れているとおり、いずれは『一 輪島』や『一 珠洲』もつくりたいと考えています。このような震災の後では、無謀なことにしか思えないかもしれませんが、能登がこのような危機に陥ってしまったからこそ、能登の素晴らしさを伝えることのできる宿泊施設が各地に必要なのではという思いが一層強くなっています。
能登全体、そして私たち『一 能登島』にも、今後長い苦難の道のりが待ち構えています。どうか皆さまのお力をお貸しください。よろしくお願いします。

『一 能登島』支配人/麻里より
皆さまのお力添えのもと昨年秋の開業以来、多くの方々にご来館賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
元日の大地震以来、今までにご来館くださいましたゲストの皆さま、またこれからご来館をいただくご予定だった皆さま、関係各社の皆さまからも安否を気づかうメッセージやお電話をたくさんいただきました。「再開後には必ず伺います、頑張ってください」と大変心強い励ましをいただき、心が折れそうななか大きな支えとなりました。感謝の気持ちでいっぱいでございます、本当にありがとうございます。
水道などが復旧するまでの期間、休業とさせていただくことになってしまいました。楽しみにしていただいていた皆さまには本当に申し訳なく、ご迷惑をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。しっかりと安全確認を行い、笑顔でお迎えができるように準備してまいりたいと思っておりますので、どうか今しばらくお待ちいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。震災の後も当館からは穏やかな七尾湾が望め、輝いてさえ見える日もあり、思わず涙が溢れます。ここだからと選んだこの場所を守り、再びこの景色を皆さまに見ていただきたい、1日でも早く皆さまをお迎えしたいと強く願っております。
本来の自然豊かで穏やかな優しい能登が忘れられてしまわないよう、伝え続けていくことが私たちの使命です。微力ながらも精一杯、復興につながる仕事をしていきたいと思っております。どうかお力添えいただきたく、心よりお願い申し上げます。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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  • 2024/03/06 11:29

    一能登島支配人の麻里です。今回のクラウドファンディングにおきましては、皆さまに多大なるご支援と心温まるメッセージを賜り、心より感謝申し上げます。震災後の先の見えない不安が続くなか、皆さまのお気持ちにどれほど助けていただいたか、感謝してもしきれないほどでございます。本当にありがとうございます。皆...

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