ずっと一緒に生きてきた同性パートナーに「在留特別許可」を!

集まった支援総額
¥1,637,000
パトロン数
165人
募集終了まで残り
終了

現在109%/ 目標金額1,500,000円

このプロジェクトは、2018/04/26に募集を開始し、165人の支援により1,637,000円の資金を集め、2018/07/14 23:59に募集を終了しました

同性パートナーに「在留特別許可」を求める裁判の支援プロジェクトです。日本で長く同性パートナーと暮らしていた台湾籍のGさんが、オーバーステイ発覚により退去強制処分が出されました。異性同士なら通常在留特別許可が認められるのに、なぜ同性同士は認められないのか。国を相手に裁判を闘うGさんを応援してください!

 "異性カップルには認められるものが 同性カップルには認められない"

はじめまして。私は明治大学法学部教授の鈴木賢と申します。中国法・台湾法を研究、教育しています。現在は台湾の婚姻平等化に関心をもって研究しているのですが、その中で、大変な窮地に陥っているある男同士の同性カップルに出会い、支援活動をしています。台湾人Gさんと日本人という国際カップルで、2人は約25年間もの長い同居生活を日本で続けていたのですが、Gさんがオーバーステイ状態だったことから入国管理局から国外退去強制処分を受けたのです。通常、異性カップルにはオーバーステイでも「在留特別許可」が認められるケースが多いですが、なぜ同性カップルにはそれが認められないのかと、Gさんはその取り消しを求めて、昨年3月に国を提訴。裁判で闘っています。

プロジェクトをやろうと思った理由

私がGさんと知り合ったのは、昨年夏のことでした。知り合いの紹介でGさんとパートナーBさんと会ったとき、お互いをあうんの呼吸で察して気遣う姿を見て、熟年夫婦のような成熟した関係に感じました。と同時に、「家族」として一緒に暮らしていけないのはおかしいと違和感を持ちました。自分も、同じく台湾人の同性パートナーと暮らして18年になりますが、ビザの不安は、もしもの失業や病気を考えるといつもつきまといます。同性カップルは法的保障がないために、たまたま危機に陥ってしまったGさんたちを人ごとと思えず、自分に出来る支援を始めました。

Gさんは、1992年に日本語を勉強するために「留学」という在留資格で来日、その後1993年に「短期滞在」という在留資格で再来日した際に、日本人男性Bさんと出会いました。惹かれあった二人は間もなく同居を開始しますが、在留期限が来てもGさんは日本を離れることができず、やむを得ずオーバーステイになってしまいました。Gさんは過去に台湾での兵役を「同性愛」を理由に停役となったことがあり、今更台湾へは帰れないと感じていたといいます。生活のために、二人は日雇いなどの仕事を続けました。

GさんがHIV陽性となり病状が悪化した際には、BさんがGさんを献身的に支えました。HIVに感染したことで、当時はHIVに対する偏見が日本以上に強かった台湾へ帰国することをためらわせる事情ともなりました。その後、逆にBさんが仕事を辞めて抑うつ状態になったときには、GさんがBさんを経済的に支えました。このように、二人はお互いに助け合いながら、長年の間、厳しい生活を乗り切ってきました。その意味では二人は成熟した”夫夫”(ふうふ)です。

Gさんが続けてきたオーバーステイは、たしかに法律に違反しています。しかし、もしGさんたちが異性カップルだったら、オーバーステイになる前に結婚して、Gさんは「日本人の配偶者等」という在留資格を得ることができたでしょう。また、オーバーステイになった後でも、もしGさんたちが異性カップルであれば、結婚することによって、Gさんは「在留特別許可」を得て、「日本人の配偶者等」という在留資格を得ることができたでしょう。日本人パートナーが異性ではなく同性であるGさんは、在留資格を得ることができませんでした。

異性カップルであれ、同性カップルであれ、愛し合いお互いに助け合って生活している二人が、これからも一緒に暮らしていきたいという思いは同じです。日本国憲法も、お互い愛し合い助け合って生きようとする二人の関係を保護するという考え方に立っています。それにも関わらず、日本人の異性パートナーである外国人には在留資格が認められ、日本人の同性パートナーであるGさんにはそれが認められないとすれば、それは明らかに「同性愛者への差別」であり、憲法の保障する「法の下の平等」に反していると考えます。異性間で認められる家族の形を、同性間でも認められる世の中にするために、一人でも多くの人にこの裁判を知ってもらい、応援していただきたいです。

 これまでの活動

裁判は、2017年3月に提訴してから、およそ2か月に1度のペースで口頭弁論期日が続いています。私は、友人とともに「外国人同性パートナー在留資格訴訟を支援する会」を結成。裁判にまつわる費用を集めるために、2017年7月と10月に、友人らに呼びかけて「Gさんたちを励ます集い」を開きました。2回で、のべ約150人が参加。裁判の支援をスタートさせました。

また、2017年12月10日には、同性パートナーシップ・ネット(当時の名称はパートナー法ネット)と明治大学現代中国研究所の共催で、シンポジウム「同性国際カップルの在留資格をめぐって〜ふたりを引き裂く日本の法制度のゆくえ〜」を開催。原告のGさんや、弁護団長の永野靖さん、さらに多くの日本人と外国人の同性カップルも参加して、社会の内外にこの問題に関心を持ってもらう活動を続けてきました。

参考記事:ハフィントンポスト「「兄弟を装い24年間一緒に生きてきた」日本人と外国人のゲイカップルに立ちはだかる在留資格の壁」

裁判は回を追うごとに傍聴席の人が増え、満席近くになる回もあるほど、徐々に大きな関心を集めつつあります。ただ、現在進んでいる一審でどのような判決が出たとしても、国側・弁護側のいずれかが上告し、戦いは最高裁まで続くことも予想されます。そこで、この裁判の意義を理解し、応援してくださる方々に、ぜひ支援をお願いしたいと思い、このプロジェクトを立ち上げることになりました。 

 このプロジェクトで実現したいこと

現在、日本では同性カップルは、異性カップルと同様の権利が認められないケースが多数存在します。たとえば、パートナーを健康保険に入れられない、税の控除を受けられない、一緒に住宅ローンを組めない、公営住宅に入居できない、相続権がない、遺族年金が受け取れないなどです。もしこの訴訟に勝ち、Gさんに在留資格が認められれば、日本でも同性カップルを事実上の家族として法的に承認する「最初の事例」になります。その意味でこの裁判は日本の同性カップル全体にかかわる重大な意義をもつリーディングケースです。これがきっかけとなり、このような「差別」に対して見直そうという議論が巻き起こることが予想されます。日本では現在認められていない「同性婚」を法制化しようという議論も加速するでしょう。同性カップルであっても、異性カップルと同様に、大切な家族とともに暮らす権利があります。その「当たり前」の社会を、このプロジェクトを通じて実現したいと思います。

資金の使い道

この裁判では、弁護団はこれまでのところ、ほとんど無償で弁護活動を行っています。しかし、弁護活動には相当な経費(書面のコピー代、交通費、調査費、研究者・専門家に支払う報酬、翻訳費用など)がかかります。前例のないテーマであるため、憲法・国際人権法など、さまざまな分野の研究者と議論を重ね、この裁判のために意見書も書いていただいています。例えば海外では「同性パートナー」はどう考えられ、在留許可に関してどのような事例があるのかを調査する必要もあります。これから、一審、控訴審、そして最高裁での弁護活動を続けていくためには、さらに活動費用が必要となります。さらに、裁判の当事者や担当する弁護士にとっては、広く社会から経済的な支援が得られれば、とても大きな力になりますし、裁判を続けるうえでの精神的な支えにもなります。

また、現在Gさんは「仮放免」となり自宅でパートナーと暮らしていますが、仮放免中は働くことができないため、それまであった収入を断たれ、経済的に困窮しています。Gさんたちが裁判期間中、生活を続けていくための支援も同時に行いたいと思います。

原告Gさんからのメッセージ

こんにちは。今回の裁判の原告Gと申します。物心ついた頃から、気になる相手は同性ばかりでした。しかし、罪悪感から自分を責める時期が続きました。家族に自分が同性愛者だと気づかれ、「おまえは病気だ、早く同性愛という病気を治せ」と言われたこともあります。1992年に日本語を学ぶために来日し、いまのパートナーに出会いました。二人の生い立ちや考え方もよく似ていて、自然に付き合うようになりました。その後、観光ビザを2回とりましたが、結局、就労ビザを取得できるような職を見つけることができず、オーバーステイになってしまいました。それから25年間、世間を気にしながら、パートナーと互いに支え合いながら、人生を送ってきました。隣人の前では、顔は似ていないのに「兄弟」を装っていました。でも、本当はパートナーは、私の人生に欠かせない「家族」です。在留特別許可は、異性カップルには適用されるのに、なぜ同性カップルには適応されないのでしょうか。これからもパートナーとの当たり前の生活を送れるように、何とか私の在留資格を認めていただきたいと思っています。どうかこの裁判を多くの人に応援していただきたいと思います。よろしくお願いします。

永野靖弁護団長よりメッセージ

私がGさんとパートナーさんに初めてお目にかかったのは2013年のことです。HIV陽性者支援団体や医師に勧められ、オーバーステイという不安定な状態を何とかできないだろうかというご相談でした。お二人がとても不安そうな表情でした。私たち弁護士はこうお答えしました。「残念ながら、確実な手段はありません。しかし、入管へ出頭して在留特別許可を得ることができないかチャレンジするという選択肢はあります」と。お二人は話し合い、悩んだ末に、入管に出頭するという途を選択されました。もし在留特別許可が出なければ、Gさんは台湾に帰らなければなりません。Gさんカップルにとって難しい選択でした。

しかし、Gさんはすぐに入管に出頭することはできませんでした。なぜなら、入管は出頭後仮放免中の就労を禁止しているので、出頭後の生活費を貯金しておかなければならないからです。そこで、GさんとBさんは生活を切り詰め、毎日家計簿をつけて、爪に火をともすようにして生活し、出頭後の二人の生活費を少しずつ貯金していました。そんな最中、2016年6月、Gさんは運悪く職務質問を受けオーバーステイで逮捕されてしまったのです。Gさんは入管に在留特別許可を求めましたが、同年11月、入管は在留特別許可を出さず、退去強制令書の発付処分等を下したため、2017年3月、退去強制令書発付処分の取消等を国に対し求めて提訴した次第です。

一旦下された「在留特別許可を付与しない」との判断を取り消すのはなかなか容易ではありません。しかし、愛し合いお互いに助け合って生活している二人の関係は、言うまでもなく「家族」です。そうであれば、異性カップルであれ、同性カップルであれ、愛し合いお互いに助け合って生活している二人の関係は保護されなければなりません。GさんとBさんの関係を積極要素として考慮せず、Gさんに在留特別許可を付与しなかった入管の判断は憲法13条に違反し、また、愛し合いお互いに助け合って生活しているという点では同じであるにも関わらず、異性カップルとは異なる取扱いをしたことは、平等権を保障する憲法14条にも違反しており、裁量権の逸脱濫用があるというのが私たち弁護団の主張です。

GさんとBさんの、これからも一緒に静かに暮らしていきたいというささやかな思いを実現するため、弁護団としても全力を尽くしていく所存です。

呼びかけ団体・賛同人

◆同性パートナーシップ・ネット(同性パートナーシップの法的保障を求める全国ネットワーク)

婚姻の平等、地方自治体のパートナーシップ制度等、同性カップルの関係性の法的保障を求め、性的指向に関わりなく誰もが尊重される社会を目指す全国ネットワークです。  

※旧団体名「パートナー法ネット」より改名しました

外国人同性パートナー在留資格訴訟を支援する会メンバー

鈴木 賢(大学教員)、生島 嗣(特定NPO法人ぷれいす東京)

永易 至文(NPO法人パープルハンズ)、岡部 芳広(大学教員)