自己紹介

 藤井商店は、千葉県船橋市の本中山の国道14号(千葉街道)沿いに店舗があり、昭和30年から69年間続く老舗の米穀専門販売店です。全国各地の米産地の農家が丹精込めて栽培されたお米、特に品種や産地、栽培方法を見極めた品質の高いものを、農家さんからの直接仕入れにより、適正価格で販売しています。また、「お米マイスターがいるお米屋さん」として、美味しい炊き方のアドバイスや、お客様のお好みに合った銘柄のご紹介など、専門店ならではのサービスも行っております。さらに、ご飯をより美味しく、楽しく味わってもらいたいという想いから、お茶碗やお箸の販売も行っております。

 地元千葉県は、全国第9位の米どころ、当店の藤井社長は、長年、千葉県米穀小売商業組合の役員として「米どころ千葉のおいしいお米」とその産地支援を行ってきました。

 この度、「千葉県立農業大学校」の先生からお声がかかり、太平洋・九十九里浜に近い東金市の田んぼや水路に生息する「絶滅危惧種『トウキョウサンショウウオ』を守る活動を一緒にやりませんか。」とのお誘いに「是非、やりましょう!」と二つ返事で「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」に参加しました。

 藤井商店は、この「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」の一員として、「トウキョウサンショウウオ米」を消費者に販売するための取り組みを行ってきました。丹精込めて作られたお米は、生き物を保護しながら生産されている日本各地の生き物ブランド米を参考に、「トウキョウサンショウウオ米」という名称で、千葉県立農業大学校の学園祭「社稷祭(しゃしょくさい)」において試験的に研究会が販売いたしました。精米900gで1,000円という価格でしたが、この取り組みに御理解、御賛同いただき、50個のお米がすぐに完売しました。

小峰書店様から応援いただいております!

 環境にやさしい米づくりを行い、トウキョウサンショウウオの保護活動を兼ね、そのお米を消費者が購入していただくことにより、その売上げの一部がトウキョウサンショウウオの保護活動に役立てられる「コーズマーケティング」で社会貢献できるという新しい価値観を提案することができました。さらにお米の購入により、農家の収入を大幅にアップすることが可能となり、「田んぼをやめたい」という方はいなくなりました。この取組を、栽培研究会の会長である千葉県立農業大学校の岩澤裕来さんが令和4年度全国農業大学校等プロジェクト発表会で発表し、最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞しました。また、令和5年度関東農政局みどり戦略学生チャレンジでも最高位のグランプリ賞を受賞しています。

令和4年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・最優秀賞の動画(岩澤裕来さん)

関東農政局みどり戦略学生チャレンジ・グランプリ賞の動画(病害虫専攻教室の研究紹介)


このプロジェクトで実現したいこと

1 環境に優しい農業を実践する。

2 トウキョウサンショウウオをはじめ、ヘイケボタルやニホンアカガエルなどの貴重な生きものを保護する。

3 トウキョウサンショウウオを地域のシンボル的な存在として、地域活性化を図る。

4 活動に協力いただいた農家の所得向上を実現する。

5 生きものブランド米として、「トウキョウサンショウウオ米」の価値(信頼と知名度)を高める。

6 活動の内容を書籍化し、活動内容や取組を広く情報発信する。

★★★ すべて必ず実現いたします ★★★

プロジェクト立ち上げの背景

[プロジェクトのきっかけ]

 千葉県立農業大学校 病害虫専攻教室のグループは、ジャンボタニシによるイネへの被害を減らすため、 東金市内の田んぼで研究を行うことにしました。 令和 2 年 5 月 11 日、 田んぼに隣接した農業水路にトウキョウサンショウウオを偶然発見。トウキョウサンショウウオに詳しい専門の先生に伺うと「県内有数といえる非常に貴重な生息地」であることが判明しました。このことがきっかけとなり、トウキョウサンショウウオの保護活動とともに環境に優しいトウキョウサンショウウオ米の栽培が始まりました。 

 このプロジェクトは、農家の方々から「ジャンボタニシに稲を食べられ てしまったら赤字になる。被害がひどければ田んぼはやめてしまいたい。」、そんな声が聞かれるようになりました。ジャンボタニシは農家を困らせる厄介な存在になっています。 ジャンボタニシの防除を徹底する一方で、トウキョウサンショウウオをはじめとした野生生物や環境に影響を与えるといった悪循環が続いていました。

 ジャンボタニシは、別名スクミリンゴガイと呼ばれ、1983年12月に農林水産省が有害動物に指定しています。体内には広東住血線虫などの寄生虫がいる可能性もあることから素手で触ることは控えたほうがよいとされています。繁殖力も非常に高く、雌1頭の年間総産卵数は2,400~8,600個と言われています。

 今回、クラウドファンディングを実施し、トウキョウサンショウウオ米の知名度を上げ、ジャンボタニシの駆除トラップや外来小動物の侵入防止用の電気柵の設置、水路の維持など、地域が一体となった取組を強化したいと考えています。すでに学校関係・地域住民・NPO法人・学識経験者・行政・企業などと連携が始まり、定期的に情報交換会も開催しています。これらの取り組みの母体となる「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」の活動を強固にする必要があり、今回のクラウドファンディングに取り組むことに致しました。

[トウキョウサンショウウオ、どんな生きもの?]

 トウキョウサンショウウオは、日本固有の両生類で、体の大きさ は 8~10cm(成体)です。環境省のレッドリスト 2020 では、絶滅危惧Ⅱ類(VU)であり、特定第二種国内希少野生 動植物にも指定され、商業目的の捕獲や販売が禁じられています。トウキョウサンショウウオの生息地は、栃木県南部、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県となっています。とくに千葉県九十九里平野に生息する「山武・東金地域個体群」は、保護しなければ5年以内に消滅すると専門の先生から指摘されています。千葉県南部の房総半島に生息する個体群とは遺伝子的に異なり、固有の遺伝形質を持つ個体群であることが学会等で報告されています。

 この子が小さいときに水路の水がなくなり、弱っていた個体(幼体)を保護しました。現在は3才になります。学生の皆さんが中心となってお世話しているそうです。この時の経験が、現在の保護活動に活かされています。

[トウキョウサンショウウオ米栽培研究会について]

 トウキョウサンショウウオの山武・東金地域個体群を守るため、千葉県立農業大学校 病害虫専攻教室の学生が中心となり、令和4年11月に任意団体「トウキョウサンショウウオ米栽培研究会」を立ち上げ、以下のような活動を行ってきました。

(1)ジャンボタニシ駆除トラップの開発

 農薬を使わないでジャンボタニシを駆除する「駆除トラップ」(令和5年2月15日特許取得)を開発しました。駆除トラップを10アールあたり6個設置したところジャンボタニシを948頭捕獲することができ、環境にやさしい水稲栽培を実現することができました。さらに近々、ジャンボタニシの駆除トラップを「商品名:ジャンタニトラップ」として、1個 2,500~3,000円で企業と連携して販売する予定となっています。これにより、必要とされる全国の農家の皆さんにジャンボタニシの駆除トラップを供給する道筋が確保され、環境にやさしい水稲栽培が広がることが期待されます。

☆ジャンタニトラップの特徴☆

 ジャンボタニシの体内には広東住血線虫が寄生している可能性も高く、人が感染した場合、死んでしまうこともあるため、酸欠により駆除する方法を考えました。トラップ内に入ったジャンボタニシやアメリカザリガニを駆除することができます。ドジョウなどの魚類やオタマジャクシなどの両生類、ゲンゴロウなどの昆虫類などは1cm以下の穴を上面に2箇所開けることにより脱出可能となり、他の生きものに配慮したトラップになっています。ジャンボタニシは1cm以上になるとイネを食害し大きな被害がでるとされていますので、脱出口は1cm以下としました。トラップは、田んぼに埋め込んで設置します。誘引餌として「ドッグフード粉末」を使用しました。ドッグフードにはジャンボタニシの貝殻の形成に必要なカルシウムが豊富に含まれており、イネよりも好んで食べることから誘引餌として優れています。田植えから約1ヶ月間トラップを設置すれば、多くのジャンボタニシを駆除することが可能です。1ヶ月経過すると稲の茎が硬くなりジャンボタニシが食べられなくなります。駆除トラップを導入することにより環境保全型農業を実現できる体制が整いました。

(2)生息地の水稲栽培農家への支援

 トウキョウサンショウウオの保護活動に賛同し、環境にやさしい米づくりに御協力いただける農家が栽培を継続できるように、玄米1俵2万円という高価格で研究会が買い上げ、生息地維持のために必要な費用(水稲の苗を食害するジャンボタニシのトラップの設置やアライグマなどの外来小動物侵入防止柵の設置、水路の除草作業などの経費)を含めた価格で支援いただける消費者へ「トウキョウサンショウウオ米」を販売するシステムを構築しました。御協力いただいた農家からは、米の買取価格が通常の約2倍の価格となることから「こんなに高い金額で買い取ってもらってもいいんですか?」「ぜひ協力させてください」「話を聞いてみたい」など、高い関心を寄せていただきました。

これまでの活動

これまで私たちは、1~6の活動をおこなってきました。

1 トウキョウサンショウウオの生息区域内の除草管理(生物多様性を考慮した維持管理)

2 生息地域の水路の深掘り(産卵場所を確保する)

3 トウキョウサンショウウオの個体数調査(保護活動の成果を確認)

4 トラップの設置によるジャンボタニシやアメリカザリガニの駆除(侵略的外来生物の駆除)

5 トウキョウサンショウウオの情報交換会を通した交流(情報を共有して保護活動に活用)

6 展示会を開催し、活動の成果を報告(一般の方々に情報発信)

新たな脅威、トウキョウサンショウウオが大ピンチ!!

 3月22日、産卵のため水路に現れたトウキョウサンショウウオが外来生物のアライグマによって食べられてしまいました。昨年から東金市内でアライグマが大繁殖し、多くのトウキョウサンショウウオが捕食され、農作物にも被害が出ています。トウキョウサンショウウオを守るために電気柵の設置が必要です。すべての生息地に電気柵を設置するには台数が不足しています。しかし、なるべく多くのトウキョウサンショウウオを守るため、近日中に数台の電気柵を設置する予定です。

トウキョウサンショウウオ米の販売方法について

 トウキョウサンショウウオ米は精米または玄米で5kg 5,000円で販売します。購入していただいた方には、お米と一緒にトウキョウサンショウウオの保護の取組の証しとしてトウキョウサンショウウオの「ポストカード」と「クリアファイル」をお送りします。さらに寄附のみの受付も行っております。

 トウキョウサンショウウオの生息地を維持し、活動を継続するために6月にアンケートを実施する予定です。ご回答いただいた内容につきましては、今後の活動に反映させていただきます。引き続き、よろしく御協力お願いいたします。

 今後、多くの方々の御協力をいただきながら、貴重な生物を絶滅から守るだけではなく、活動を通して地域農業の活性化や自然環境を守る機運を盛り上げて行きたいと考えます。是非、多くの皆様に知っていただき、御支援いただければ幸いです。

スケジュール

3月下旬~ クラウドファンディング開始

4月下旬 クラウドファンディング終了

6月~  リターン発送

資金の使い道

 皆様にご支援いただきました資金は、ジャンボタニシ駆除トラップと獣害対策用電気柵の購入、トウキョウサンショウウオの保護活動、農家の皆様の支援、リターン品の梱包及び配送費、販売手数料、クラウドファンディング手数料等に使用させていただきます。

最後に

 環境負荷の少ない農業で作られた「トウキョウサンショウウオ米」を食べていただくことにより、支援者の皆様もトウキョウサンショウウオをはじめとしたヘイケボタルやニホンアカガエルなど絶滅の危機に瀕する私たちの仲間を守ることができます。さらにブランド米の相乗効果により、環境に優しい農業を実践する農家の皆様を応援することに参加していただくことができます。

 この豊かな自然を未来に引き継いでいくために、今すぐ行動を起こす必要があります。多くの生きものを守るために皆様の力をお貸しください。

      ↑ 長さ100m以上ある水路の溝掘り作業  ↑ 水が入ると産卵が始まる

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2024/04/27 22:55

    4月26日に水田圃場に発生したジャンボタニシを駆除するためにトラップを設置しました!しかし、以前は写真のようにアライグマやタヌキによってトラップを破壊されました。今回は、獣害に強いトラップを開発し、設置しました。金網をトラップの上からかぶせることで、アライグマやタヌキによって壊されることはなく...

  • 2024/04/25 23:16

    トウキョウサンショウウオの環境を整備するために、城西国際大学の学生の皆さんや千葉県立農業大学校の病害虫専攻教室の皆さん、地域の方々のご協力をいただき、作業をおこなっています。ボランティア活動として取り組んでいただき、感謝いたします。新聞に掲載されました!日本農業新聞[2024年3月22日掲載]...

  • 2024/04/25 15:28

    53匹の幼体を確認しました。共食いの可能性があるため、1容器に1頭ずつ分けて飼育をすることにしました。多くの個体が成体になれるように飼育管理したいと思います。千葉県立農業大学校 病害虫専攻教室にて

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