プロジェクトについて

◆目次

 ◆ご挨拶
 ◆被災状況と復興状況
 ◆募集の背景 -珠洲で酪農を続ける意義-
 ◆支援金の使い道
 ◆スケジュール
 ◆リターンについて
 ◆最後に

◆ご挨拶

本ページをご覧いただき、ありがとうございます。松田牧場の松田徹郎と申します。石川県奥能登の珠洲市で酪農と和牛の繁殖を主とした牧場を経営しています。

珠洲市は能登半島の先端に位置し三方向を海に囲まれた、人口約13,000人の自然豊かな街です。松田牧場は珠洲市唐笠町の八ケ山にあり、晴れていれば富山湾越しに北アルプスを望める雄大な土地に牧場を構えています。

私はもともと牧場を営む家系の生まれではありません。獣医師の父の影響で牛に興味を持ったことがきっかけで、石川県と長野県の酪農家の元で経験を積んだ後、珠洲市にて2014年に起業しました。

広大なこの地を選んだ理由は、景観もさることながら牛や馬を「放牧できること」が決め手でした。

放牧は、天然の草を食べさせるため低コストかつ自給自足が可能で、牛の運動量や筋肉量も増えアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からも優れた飼育方法です。酪農先進国であるニュージーランドやスイス、アイルランドで積極的に採用されています。国土の狭い日本においては、牛舎で一生の殆どを終える牛が少なくなく、放牧ができる牧場は日本においてはごくわずかです。


珠洲市においては山地・丘陵地が大部分を占めており、放牧可能な牧草地面積を確保できること、また世界農業遺産であることも後押しし、この地での起業を決意しました。

後継者がおらず廃業せざるを得ない酪農家から牧場を買い取る形で約10頭から牧場を始め、現在130頭の規模まで拡大してきました。牧草地を追加で取得し、従業員も5人まで増やし会社として軌道に乗ってきた矢先に、先般の能登半島震災が起きました。

◆被災状況と復興状況

松田牧場のわずか数キロの地点を震源地とした震災により、各施設・自宅・インフラ等に甚大な被害が出ました。幸い、従業員ともに命に別状はありませんでしたが、生乳の出荷量は1/4まで減少し、経営に大きな打撃を受けました。

◎牛舎
4棟ある牛舎のうち、2棟が全壊しました。

木材を打ち付けて補強しましたが 大きく傾いています◎その他 施設
堆肥を入れていた堆肥舎や、機械を入れる格納庫等の施設も全壊しました。

◎自宅
牧場敷地内にある自宅も全壊しました。
隙間からイタチ等の小動物が入り込み 中を荒らしています現在 事務所(コンテナハウス)の中で生活をしています◎インフラ
電気については復旧しましたが、半年経った6月中旬の時点でも、震災の影響による断水は続いています。1日6トンの水を 自分たちで3時間かけて運搬しています半年後の現在でも街全体の復旧の目処が経っていません

◎その他
5人いた従業員は2次避難等で2人になりました。

また、牧場の皆で可愛がっていたオーロラちゃんは震災後に病気になり、地震の影響による交通状況の悪さから、治療を受けられぬまま亡くなりました。とても穏やかな性格の牛でした。

◆募集の背景 -珠洲で酪農を続ける意義-

◎日本の酪農を守らなければいけない
国内の食料自給率は令和4年度で38%、畜産物に至ってはその83%を輸入および輸入飼料に頼っており、日本の食の安全が危ぶまれています。

高齢化や後継者不足を背景に全国で一定の経営離脱が続いている中、ウクライナ情勢による輸入物価や光熱費の高騰の影響で、飼料費については直近の4〜5年で1.5倍にまで膨れ上がっています。石川県においてもかつて250戸ほどいた酪農家は令和6年度には30戸と88%も減ってしまいました。
令和5年 農林水産省「畜産統計」より
日本における人口一人当たりの農地面積は主要国の中でも非常に低く、その理由として山地・丘陵地の多い日本では土地の有効活用率が低いことが挙げられます。

放牧であれば、作物を育てることが困難なほどの傾斜に生えた草も、牛が牛乳に変えてくれます。松田牧場がこの広大な珠洲の土地を活用した持続可能な酪農を実現することで、日本酪農の一つのモデルケースとして酪農業界に貢献したいと考えています。

◎また心から笑って暮らせる街をつくりたい
また、酪農の多面的な付加価値を生み出していくことも大事です。生乳だけではなく、牛の餌やりや乗馬、ホースセラピー、動物や牧場そのものが作り出す牧歌的な景色など、この地この牧場ならではの「体験」を提供していきたいです。

能登半島地震によって、能登は壊滅的なダメージを受けました。家を失くし、仕事を失くし、大切な人の命を亡くした人たちがいます。奥能登に住む人が、自然と共生していく喜びや癒しの体験を通じて、“ここに住んでいて良かった”、心からそう思えるような街づくりの一端を担いたいと思っています。

100年先の復興を見据えたとき、子どもたちの教育も非常に大切です。震災前には、地元の幼稚園児から高校生までの子供たちを招き、牛や馬と触れ合う機会を作っていました。ここでのきっかけが、原体験の一つとなり、子どもたちの可能性を広げていくと考えています。その積み重ねの一つひとつが町の未来を作っていくと信じています。

◆支援金の使い道

震災直後には、石川県酪農業協同組合が災害義援金の受付を主導し、当牧場も生乳を出荷できなかった43日分の乳代の補填をいただきました。
停電の中搾乳しましたが 破棄せざるを得ませんでした一方で、震災が半年経過し国や県の復興支援内容が固まっていく中で、牧場再建には多額の費用を自己負担しなければならないことが明らかになりました。

再建にあたって復旧しなければならない施設・設備は多数ありますが、牛舎再建だけでも自己負担額が6,400万円超となり、今後経営を継続していくことが困難です。

 <牛舎再建 概算費用>
  成牛舎        :    2億円
  付帯設備       :4,400万円
  行政機関からの補助金 : -1.8億円
  ————————————————————
  自己負担額      :6,400万円

  ※R5,6年度公社営事業における
   牛舎の事業費を参考に専門家により算出
  ※別途、基盤改良費と設計監理料が必要

上記に今回のクラウドファンディングに伴う諸経費を踏まえ、7,000万円を最終目標金額とし、まずは第一段階として3,000万円を目指したいと考えています。

◆スケジュール

行政の公費解体やインフラ再整備の見通しも立たず、建築関連の業者も殆どいません。概算のスケジュールをご提示することすら、困難な状況です。

少なくとも、今年度中に補助金申請ができるよう、手探りながら準備を進めています。

 <今後の対応予定>
 ・概算図面・見積確定
 ・建築業者選定
 ・補助金申請
 ・採択可否決定
 ・助成割合・金額確定
 ・実施図面作成・工程策定
 ・公費解体・造成
 ・建物着工・完工
 ・付帯設備搬入・設置

進捗があり次第、本ページの「活動報告」で随時ご報告いたします。

◆リターンについて

奥能登の酪農家・肉牛農家の想いが詰まった返礼品をご用意しました。
①②は当牧場で育てた牛の生乳が使用されています。能登の素晴らしさを、食を通して感じていただければと思います。

また、地震の影響で宿泊施設がなく確約できないためリターン内容としていませんが、各インフラ・施設が整備された暁には、ぜひ牧場見学にお越しください。

①のとそだち 牛乳・のむヨーグルト

下記の特長を持ったこだわり抜いた牛乳です。

 1.飼料
  自家製の完熟堆肥による
  健全な牧草地の自産牧草です。

 2.酪農家
  大きな牧草地を持ち、
  牛にやさしい管理をしている
  奥能登の酪農家を採用しています。

 3.製造
  上記 酪農家からの生乳だけを別集荷しています。
  工場の中では専用タンクで分別管理のもと
  鮮度を重視し翌日までに製造しています。

のむヨーグルトは、牛乳の持つ自然の風味をそこなわないよう、安定剤、香料を一切使用せず、新鮮で良質な能登産の生乳を100%使用して、はっ酵させたものです。

②マルガージェラート

石川県能登町出身の世界的なジェラート職人が率いるジェラートショップです。
2017年にイタリアで開かれた大会で、アジア人で初めて「世界一」に輝いたジェラートマエストロの柴野大造さんが、「五感で感じるジェラート」を追求しています。

当牧場の生乳も使用していただいています。

③能登牛 能登牛は、石川の美しい自然と潮風が吹く素朴な風土で丹誠込めて育てられています。

肉質はきめ細やかで上品な脂が特徴です。牛肉のやわらかさや香りは脂肪の中に含まれる「オレイン酸」の含有率で変わります。この値が高いほど、とろけるような食感が味わえるとされています。能登牛は和牛のオリンピックとも呼ばれる「第9回全国和牛能力共進会」で、このオレイン酸の含有率が最も多く、脂肪の質に優れていたので「特別賞」を受賞しました。

当牧場でも、能登牛として育つ子牛を販売しています。

今回は、石川県金沢市の精肉店、中谷精肉店に返礼品をお願いしています。

霜降りのサシ(脂身)はきれいに入っているか、赤身はイキイキした色をしているかなど、いいものだけを厳選、専門店ならではの目利きと取扱い部位の豊富さで“お肉屋さんでお肉を買う愉しみ” をお届けしていただいています。

④支援者銘板
10万円以上ご支援頂いた方のご芳名を掲げ、顕彰するための銘板を、新設された牛舎に設置いたします。

◆最後に

プロジェクトページを最後までご覧いただきありがとうございます。
インスタグラムでも情報を発信しています。是非ご覧ください。
また、CAMPFIRE様 令和6年能登半島地震特別枠を設け、ご配慮いただきましたことに改めて心からの感謝を申し上げます。

支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • 広報/宣伝費

  • リターン仕入れ費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

  • 2024/06/25 10:00

    ご支援ありがとうございます!皆さまのおかげで、牛舎再建のクラウドファンディング初日にして、目標金額の10%以上を達成することができました。心から感謝申し上げます。珠洲市の自然豊かなこの地で、未来へとつながる酪農を続けるため、そして被災した牛舎の再建に向けて、皆さまの温かいご支援が大きな力となっ...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください