ファンキー末吉による「日本の音楽が危ない」プロジェクトの第2弾。

前回のプロジェクトでは、法廷での争いにまでなったJASRACとの関わりをつぶさに記録した本として出版することで、現在のJASRACが日本の音楽をいかに縛り付けているか警鐘しました。

今回は「そもそも、自作の楽曲をJASRACに権利を預ける必要があるのか?!!」という視点からスタートしたプロジェクト。CDの売り上げは右肩下がりに激減し、JASRACに権利を預けてメジャーで活動をしても音楽だけで食べていけるミュージシャン、アーティストはほんのひと握りというのが現状です。

しかもJASRACに権利を預けてしまうと、自分の作品ですら自由に演奏できずに縛られてしまいます。それならば、JASRACを介さないほうがミュージシャンやアーティストはより自由に活動でき、さらに還元されるお金も増えるのではないか? 実際、Runnerという楽曲は、出版社の意向により収入の一番大きなCMでの使用料はJASRACの管理から外されております。何も実働をせずに、来た許諾依頼を出版社に流すだけで数百万の手数料を取られるぐらいなら、「出版社に直接許諾の連絡を下さい」のほうがいいと判断されたのでしょう。

ITの進んだ現在、「いちいち個別に許諾を取るのはめんどうなので、JASRACが全部管理します」という世の中でしょうか?

また、権利ビジネスと無縁だった中国の音楽ビジネスは、JASRACのような組織を通さずとも回してゆけるシステムが既に確立されております。インターネットの進んだ現在、世界的にどちらが標準になってゆくかは未知数です。

このプロジェクトは今までになかった全く新しいビジネスモデルを確立するための実験的なプロジェクトです。

「ある愛の唄」

これはファンキー末吉が1990年に作ったコンセプトアルバム。このコンセプトアルバムが今回のリターンのメインとなります。このアルバム「ある愛の唄」はクラウドファンディングでのリリース後、しばらくの間は「著作権フリー」として、支援して購入されたかたすべてが自由に使えるようにいたします。

前回のプロジェクトでもリターンとして、「オリジナルの作曲」を用意しましたが、音楽プロダクションのかたが私に作曲を依頼して下さいました。今回はそれより一歩進んで、支援をして下さったかたは、自身の所属歌手に自由にこの楽曲を歌わせて発売することができます。

録音印税、原盤使用料などを支払う必要は一切ありません(原盤使用料を購入して頂くという意味合いでもあります)。

もちろんアマチュアの歌手のかたは、このカラオケを使ってご自身のライブでアルバムに収録された楽曲を自由にお歌い下さい。そのままご自身のアルバムに収録して頂いても構いません。販売の際にはぜひご一報下さい。こちらでもプロモーションさせて頂きます。

「アルバムに込められたファンキー末吉の想い」

今回世に出すコンセプトアルバム「ある愛の唄」は、生みの親であるファンキー末吉自身、深い想いがある作品です。以下はファンキー末吉からのアルバム詳細についてです


【絵/そうだゆうこ】

<製作当時の状況>

1988年春、その1年後に爆風スランプから江川ほーじんが脱退することが決まり、「それまでにヒット曲を生み出せなければバンドを終わる」という状況の中、私は苦しみ抜いて「Runner」を生み出す。

同年のNHK紅白歌合戦にこの曲で出場し、願い通りこの曲はヒットするものの、「ヒット曲が続かねばバンドは一発屋として終わる」と言われ、また苦しみ抜いて「リゾ・ラバ」を生み出す。

その苦しみの果て頭の中でぽんと何かが弾けた私は、1990年5月に初めて中国北京を訪れ、偶然地下クラブで演奏するロックバンドのライブを見ることとなる。

「中国で本物のロックを見つけた!!」

インターネットもeメールも普及していなかった時代、興奮した私は所属事務所にそのレポートをFAXで毎日送りつけるが、所属事務所はそれを無視していた。その後、アジアブームが訪れ、アジアに進出したい所属事務所は私ではなく、別の歌手を北京に行かせて「彼が北京でロックを見つけた」という取材企画を組むこととなる。

爆風スランプがその事務所に移籍した時のトップとのミーティング。議題は末吉の個人活動について。社長は私にはっきりとこう宣言した。

「当社は爆風スランプの末吉くんとビジネスをしたいのであって、末吉くんの個人活動には興味がない」

つまり「お前は爆風スランプにだけ曲を書いとけ。ほかの曲には興味がない」ということ。爆風スランプっぽくない楽曲を生み出しても誰からも必要とされてない状況が続いていた。

「楽曲は生み出した自分の子供と同じである」と考える私は、爆風スランプの楽曲としては必要なしとされてしまった、膨大な数の生み出した楽曲をなんとか形に残そうとして、この「ある愛の唄」というコンセプトアルバムのデモ音源を作成した。

<デモ制作>

そのデモ音源は、当時近所に住んでいた歌手の卵である「キョンマ」こと岸恭子(現眞辺恭子)がアルバムの全編を歌って制作した。しかし私自身その後、日本に失望して中国に渡ってしまうことになり、いつしかこのアルバムのこと自体もすべて忘れ去ってしまっていた。

<コンセプト>

当時サンプラザ中野以外の詞が採用される状況ではなかったなか、このアルバムの詞は全曲私の手によって書かれた。ある女性が生まれる前から伴侶が死ぬ前までを組曲にしたコンセプトアルバムである。

のちに、池川明さんが「おぼえているよ。ママのおなかにいたときのこと」という本を出版されて、私もその本を読むことになるが、そのもっと前から私は「赤ちゃんが自分で母親を選んで生まれてくる」という考えを持っていて、それがこのアルバムのコンセプトの中心となっている。

<天安門にロックが響く>

さらに同時期、私は中国で出会ったロックの話を元に「天安門にロックが響く」という小説を書いた。この小説が「小説現代」に掲載され文壇デビューとなった。実は、この小説のモデルとなった中国の女性シンガーと、天安門事件で人民解放軍に殺される恋人との話が、アルバムに収録されている「ママの初恋」という曲になっている。

また、このコンセプトアルバムの主人公は、いくつかの大恋愛を経て最終的に中国に嫁いでゆき安住の地を手に入れるところなど、この小説とリンクされている部分も多い。

<キョンマとの再会>

私は長くこのアルバムのことを忘れていたが、デモですべての楽曲を歌っていたキョンマがこれを大切に保管してくれていた。

これを末吉に渡した時に彼女はこう言った。

「よかった。やっとこのアルバムを末ちゃんにお返しできた。この楽曲たちはあなたの生み出した大切な子供たちです。どの子もとってもいい子です。私もライブで時々歌うけど、聞いた人はみんな涙するんだもの」

私はまるで忘れていたこのアルバムを「初めて」に近い気持ちで聞くことになり、これを聞いて自分でも涙した。

その後、前回のクラウドファンディングでキョンマ自身が「出張ライブ」の出資者となり、このアルバムの楽曲をライブで再現しようということにもなった。

▲そのライブの様子

約30年ぶりに再会した想い入れの深いアルバム。今はインディーズなどでCDにしてリリースするだけなら簡単ではあるが、JASRACとの一件もありこのアルバムこそ、何者にも縛られず、自由に聴いて、自由に歌って、自由に演奏してもらいたいと考えた。

「日本の音楽が危ない」プロジェクトの第2弾として、この「ある愛の唄」へ皆様の支援お願いしたい。

ファンキー末吉

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リターンについて

リターンの内容は下記になります。

リターン1:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚 3000円

リターン2:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚、アルバムリリース記念ライブ招待(2019年5月以降国内数ヵ所で開催予定)×1人(1回) 5000円

リターン3:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×5枚 アルバムリリース記念ライブ招待(2019年5月以降国内数ヵ所で開催予定)×5人(1回) 2万5000円

リターン4:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚、「ある愛の唄」全編カラオケバージョン×1枚 6000円(このカラオケにご自身の歌を入れて自由に販売することができます)

リターン5:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚、「ある愛の唄」全編カラオケバージョン×1枚、アルバムリリース記念ライブ招待(2019年5月以降国内数ヵ所で開催予定)×1人(1回) 8000円

リターン6:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×5枚、「ある愛の唄」全編カラオケバージョン×5枚、アルバムリリース記念ライブ招待(2019年5月以降国内数ヵ所で開催予定)×5人(1回) 4万円

リターン7:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚、ミックスやアレンジを変更できるマルチトラック付きデータ 5万円

リターン8:コンセプトアルバム「ある愛の唄」×1枚、ファンキー末吉出張ライブ(この音源の演奏など。メンバーが揃わないかたは、もちろんご自身の曲など何でもドラム以外をマルチトラックから音源を出してご自身がファンキー末吉の伴奏によって歌える。交通費等別途応談。出張ライブスケジュールは2019年5月以降になります) 5万円

コンセプトアルバム「ある愛の唄」は、通常のアルバムとしてお聞き下さい。イベントなどのBGMなどにも使用していただいて結構です。もちろん今問題となっている結婚式でも自由にお使い頂けます。(仮タイトル「娘の嫁ぐ日」YouTube映像43分より)

「ある愛の唄」全編カラオケバージョンは、歌の入っていないバージョンですので、ご自身でライブなどをなさる際にご使用いただいて構いません。また通常版と同じようにBGMなどにも使用可能です。

ミックスやアレンジを変更できるマルチトラック付きデータは、録音時に使用したデータをそのままお譲りいたしますので、自由にリアレンジして再配布可能です。

なお、このアルバムは各国語バージョンが作られ、現在ベトナム語、中国語、英語バージョンの制作が決まっております。最新ニュースとしては、カンボジアの「くっくま孤児院」の子供達がクメール語で歌ってくれることになりました。カンボジアで大ヒットして彼らがカンボジアの大スターになることを願ってやみません。関連記事

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