活動報告

シン・ラジオ開発日記 その3

こんにちは。Cerevo開発チームによる開発日記、その3です。

きょうは、HintがスマートフォンへURLを通知する際に発する「DTMF音」について解説します。DTMFとは「Dual Tone Multi Frequency」の略で、電話をかけるときに鳴る「ピポパ」のような音のことです。

Hintは、ラジオのFM波で流れたDTMF音を受信すると、DTMFに含まれるデータを解析。さらに解析したデータを、Googleが開発した「Eddystone-URL」という仕組みを用いて、BLEビーコンとしてスマートフォンへ伝送する機能を備えています。

DTMF音をより詳しく説明すると、規格で決められた低音と高音が同時に鳴る音のことです。低音側4種類、高音側4種類を組み合わせることで、合計16種類の音を作ることができます。

 

Hintは、このDTMF音を使ってURLを取得します。実際にURLを取得するには、DTMF音から作られる4~5個の音の組み合わせにより生成される信号をスマートフォンに送信。スマートフォンではこの信号をHintの専用サーバーに送信し、サーバーは送られた信号ごとに割り当てられたURLをスマートフォンへ返すことで、スマートフォンにURLが表示される仕組みです。

 

現在、Hintで想定しているDTMF音の長さは、4~5個の音の組み合わせです。16種類の音から4ヶの音をならべると、4万を超える組み合わせがあります。そのため、いきなり音の種類が重なってしまう心配はありません。
(技術としては、4~5音という長さの縛りは無く、情報量に合わせて長くすることができます。)

 

Hintは、なぜURLをFM波から取得するために、DTMF音を使うのかというと、多くのメリットがあるからです。

・耳で聞くことができる音だから、URLが配布されたことがその場でわかる。
・ジングル(ラジオコマーシャルや番組の節目に流れる短い音)などに自然と混ぜることができる。
などなど。
・電話をかけるときに聞いている音だから、緊急事態のアラートではないことが世界共通で認識されている。


また、放送法という法律を守るためでもあります。放送法には、「中波放送(一般的なAMやFM放送)が流すことができる音は人間の耳で聞いて理解できるものに限る」※1という項目があり、これを守るためにDTMF音を採用しました。
つまり、耳で聞くことが出来ない音を流すと、法律違反になってしまうということです。


※1 放送法第一章 第二条 十六 「中波放送」とは、五百二十六.五キロヘルツから千六百六.五キロヘルツまでの周波数を使用して音声その他の音響を送る放送をいう。


写真は初期のDTMFのICチップを使った原理試作品です。DTMF音を認識すると、LEDが光るようになっています。


ラジオから“URLを放送できる”これまでにない仕組みを持った新しいラジオとして、Hintを開発中です。みなさまのご支援何卒宜しくお願いします。

コメント