2016/12/09 19:46

こんばんは。私達のこのプロジェクトも残り12日。70%まで来ました。

これも皆様のおかげです。ありがとうございます。

 

今回は現場での意思決定をアシスト、サポートするイメージについて簡単にご紹介致します。

 

虐待対応の現場では、誰にも未来は予測できないという不確定性の前提に立つことが大切です。

これはどんなに素晴らしいベテランの専門職でも、常時100%正しい未来予測はできません。

 

現場判断のアシストとしてのAI

今回のプロジェクトで開発を進めるAIは、これまで現場の人達が苦労して対応してきた様々な事例データを元に、似たようなリスク事例のデータを参照しながら、危険率を算出します(AI開発#1及びAI開発#2)。

 

同時に、AIはどのような対応をしたら子どもの安全が効果的に守られたのか、または上手く対応ができなかったのかという過去の結果も参照します。

 

その結果、最新の科学的知見、そして子どもの安全を守るガイドラインの内容を統合し、次に何をしたら良いのか、AIが現場支援者の方々をアシストします。

例えば、家庭訪問で子どもに会い、子どもの安全に関するデータが得られれば、その場でAIがデータ分析をします。


その結果、虐待のリスクが重傷だと判断されれば、これまでのデータ、最新の科学的知見、そして対応のガイドラインに沿って以下のような対応方法を提案します。

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あくまで例です

・児童相談所による保護が必要

・警察の関与が大切

・目の前の子どもを不安にさせないように今後の見通しを伝えることが大切

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その他機能も!

子どもに関わる支援者の方が、児童相談所に電話する・データを送信することであったり、とても重篤な事例であれば最寄りの警察署に電話したり・データを送信するといった機能もあります。

 

同時に、目の前の子どもに何をしたら良いかを提案する機能もついています(アプリ開発#2など)。

 

新人の支援者の方でも、先輩達が現場で対応してきた経験を、データを通して、”今、何を、どのようにしたら良いのか”というリアルタイム・スーパービジョン(指導)として参照することができるので、判断の迷いを少なくできます。

  

 

目の前の子どもの安全を守るためにAIというアシストを活用する:"One for All, all for one"

 

このプロジェクトで開発するAIは、あくまで現場の方々を支えるためのアシスト役です。

 

現場では、ケースバイケースの判断があると思いますので、最終的な意思決定は現場の方々や管理職の合議的判断です。

 

しかしながら、虐待対応には高度な専門性が必要であり、様々な知見を参照しながら、判断をする必要があります。ただし、支援者全員が研修会に出たり、論文や分厚い教科書を一から読み直すという時間は現場にはありません。

 

そのため、現場のケースバイケースの判断を尊重し、その判断結果をデータ化し、その後の様々な事例に対して活用することが重要なのです。

  

ドラマや映画にもなったジャンプ野球マンガ『Rookies』に、”One for all, all for one”という言葉が作中に紹介されています。

 

主人公の教師が、高校生ピッチャーに”一人はみんなのために、みんなは一人のために”というチームプレイ(連携)の精神を伝えるシーンです。

 

虐待対応でも、一人の支援者が経験した事例の知見は、あらゆる事例で活用されるべきものです。

 

子どもの死や子どもが傷ついてきた事例、そして多くの現場の人達が積み重ねてきた知見から、私達は学び、より良い行動をしていくことが求められています。

 

そのためにAIはアシスト役として、子どもの安全につながる対応のアイデアを提案します。

 

何卒引き続きご支援の程、宜しくお願い申し上げます。