活動報告では、釜石ローカルベンチャーコミュニティ(http://opencitykamaishi.jp/)で、地域資源を生かした事業の創出に挑戦する6人の若者を紹介していきます
今回紹介するのは、自然保育に取り組む深澤鮎美さんです。深澤さんの生まれは茨城県石岡市、埼玉県の保育園に就職後、そこに9年間勤めていました。埼玉在中はNPO法人モンキーマジックが主催する、視覚障害者と健常者がクライミングを通じて交流するイベントに月で参加していました。モンキーマジックが釜石の「コスモス公園」にクライミングウォール壁を作る活動で、定期的に訪問するようになったのが釜石との出会いでした。
釜石に何度も訪れる中で、「自分のやりたいことや手伝えることがいっぱいある」と感じた深澤さん、2015年4月に移住を選択します。移住してからは、釜石が数年前からブランド化を進めている甲子柿かっしがきのプロジェクトに1年間携わったそうです。
「甲子柿を用いた商品開発や地域活性化に携わる中で、子どもと触れ合う機会もあり、『やっぱり子どもに関わる仕事がしたい』という気持ちが強くなりました(深澤さん)
コスモス公園はデザインに「パーマカルチャー」を採用していて、自然や身の回りの資源を活用する設計が施されています。しかし時間とともに遊具が老朽化で使えなくなってきてしまい、今後のコスモス公園の行方について議論が交わされたそうです。
せっかくの素敵な環境だから、ここで保育に取り組みたいと思った深澤さんは、釜石ローカルベンチャーコミュニティを通じて“自然保育”に取り組むという、自身の人生を大きく左右する決断をしました。「子供が育つ環境として何が良いのか、多くの人に知ってもらいたいです。自然の中で私たちは生かされています。自然と一緒に生活するとか、その中で人間が適応して生きることを子供たちに伝えたいです」と抱負を語ります。
深澤さんによると、釜石は自然が近くて豊富なのに生かせていない現状があるそうです。川も海も山も近くにあるのに、保育園は限られた範囲内でしか遊ぶことができません。子供たちが自然保育で自由にやりたいことを見つけ、挑戦できる環境の実現を目指します。
「寺子屋プロジェクトでは自然保育に一緒に取り組みたい人、食に関して知識を持っている方に参加してもらうと心強いです。また親子向けのワークショップも開催しようと思っているので、企画の提案などもしてくれる方だとより嬉しいです」(深澤さん)