"独立性"
この地図を作るにあたって、あまりにも自然に、そしてもっとも重視したのがそこだった。
勝手にやりたかった。好きにやりたかった。
なぜなら、そんな地図じゃないと面白くないから。
地域の地図という旧来からある王道的手法をとるにあたって、改めてまずは各地の参考例を集めた。
折りたたみ方とか基本構成要素とか参考になる部分もいくつかあった反面、見にくさとか退屈さ等の気をつけるべき点も目についた。
なぜ、退屈になるか。
それはたぶん、作り手側の事情のせいもある。その地図作成に名を連ねた商店街や加盟店の、それぞれの意見や価値観の総和から導き出された曖昧模糊な着地点。「この加盟店は入れないと」とか「ここはもっと目立たせないと」といった事情に左右され、その土地を初めて訪れる人が見たいような地図が作れなくなってる。
翻って、この #東京EASTSIDE マップはどうか。この地図は違う。
この町に10年いて、一個人の視点から見えたモノのみを記してる。美味しかった店、面白かった場所に焦点を合わせてある。バスケが出来る場所ももちろん載ってる。入ったことはなくともお奨めできる話題性は備えた店もたまに載ってる。コンビニや全国チェーンの店などは外してある。
具体的にこの地図は3人だけでつくった。うちの店BALL TONGUEで働く俺ら2人と、近所に住んでた大学生の仲間。だから自由に作れた。だからリアルに作れた。
店を長くやってるだけに顔見知りや仲のいい経営者とかもこの地域にいるけれど、そこへの配慮などからもこの地図は完全に無縁。単純にありとあらゆる路地を歩いた、俺らの散歩コースみたいな地図だ。
だからだ。だからこの地図、そしてこの地域 #東京EASTSIDE は愉しいと胸をはって云える。
MUЯ