▼企画者 白濱雅也です。
この展覧会の企画者である私、白濱雅也は岩手県釜石市出身で現代美術の作家です。これまで首都圏を中心に展示や展覧会企画などの活動をしてきました。清澄白河では妻とともにアートでのまちづくりを手がけ、2006年からは深川いっぷく、深川ラボというアート&コミュニティスペースを運営しました。震災後はライフスタイルを見直し、思うところがあって北海道に移住、これまでにない田園の中のギャラリーを運営しながら制作、北海道、首都圏、海外などで活動をしています。
https://www.youtube.com/watch?v=sImcykLGWTc
▼このプロジェクトで実現したいこと
震災後の日本と日本人の状況をアートを通じて海外に伝えたいと思い、実践したメキシコでの展示をきっかけに、奇跡のような縁と偶然により中国大連のXギャラリーと出会い展示の機会を得ました。
https://boyangxia.com/x-gallery
https://www.funfunchina.net/dailian-cafe/
私のプロジェクトプランに力を貸してくれる4人の美術作家/写真家、まずは福島在住で現地の複雑な状況を踏まえつつ、明快なメッセージを3DCG作品で表現する片平仁さんです。
仙台在住で震災を境に自然との関わりを見つめ直し、東北人らしい繊細さで描く越後しのさん。
http://www.onyx.dti.ne.jp/geg/GALLERY_ECHIGO/GALLERY_ECHIGO.html
何度も被災地に通い、その姿を大画面にモノクロームで克明に描く金原寿浩さん。
https://www.facebook.com/people/金原寿浩/100010378356985
東京を撮り続けながら、震災後の微細な変化を追うベテランで日本を代表するカメラマンの一人である大西みつぐさん。
そして美術に鎮魂と慰霊を取り戻そうとして、死者や無名の作家とのコラボレーション、リノベーションにより再生のプロセスを探る私を加えて5人で開催します。
近くて遠い中国の中でも歴史的に最も日本と縁があり、現在でも親日的な町でもある大連でこの展覧会することは、とても意義深いことと感じます。
ギャラリーとしては割と規模大きい会場での5人での展覧会を是非実現させたいと思っています。そして作家が現地に赴き、現地の方と言葉を交わして、被災のこと、その後の状況について伝えたいと思います。
▼なぜこのプロジェクトをするのか
東日本大震災(3.11)で、私の家族は釜石に住んでおらず無事でしたが、親戚が被災して自宅兼店舗が全壊、となり町の大槌に嫁いでいたいとこは親子4代、生後まもない女の子を含む女性ばかり5人が行方不明になりました。このいとこは私の幼少時には姉のような存在でした。(↓親戚が入手した自宅が流される画像)
当時、東京在住であった私は、原発の恐怖も加わり自分たちのことで手一杯で、震災直後は何も手助けができない状況でした。落ち着いてからは、当事者と部外者の間を揺れながら、釜石や大槌など被災地のボランティアやアートによるチャリティ活動などをしていました。それは得ることが多い体験でしたが同時に支援することの難しさも痛感しました。
状況が落ち着いて行く中で、そうした実際的な支援のほかに美術作家は何をするのか、美術はどんな役割を果たせるのかを考えるようになり、それを実践する作家を探しつつPOST3.11という企画展を企画しました。その一連の展示を開催する中で、国内だけではなく海外でも展示したいと思うようになりました。震災を機にその後日本が直面したことは日本国内にとどまらないことであり、より多くの人に伝え、より多く人の叡智が必要なのではと考えるようになったからです。
メキシコではその助走のような2つの展覧会ができました。規模は小さかったものの、ここでの手応えは想像を超えるものでした。私たちが認識している以上に日本に関心があり、そして親身に心配しています。これが私が海外での展示の意義を確信した点です。このプロジェクトはより規模も大きくなり、海外に向けての入り口なのです。
▼これまで
東京都美術館の企画公募セレクショングループ展に私が企画したPOST3.11の企画が入選し、2014年に東京都美術館で安藤栄作、石塚雅子、半谷学、横湯久美とともに「祭、炎上、沈黙、そして...POST3.11」を開催し3000人を動員、好評を博しました。
(撮影:佐々木敏晴)
翌年、原爆の図丸木美術館にキュレーションで招聘され同じメンバーで続編となる「光明の種〜POST3.11」を開催、こちらも不便な場所にもかかわらず800人を動員し好評を博しました。
(撮影:佐々木敏晴)
2017年には5人の作家の小作品による海外展を計画し、メキシコ、コスメルのCasa de la cultura Xichel、続いてメリダのGaleria Meridaでのグループ展を開催し想像以上の反響を得ました。
https://www.pressreader.com/mexico/diario-de-yucatán/20171021/282840781288647
今回はこのPOST3.11を海外向けプロジェクトとしてメンバーも一新、Japanese Art after Tsunamiと題して計画を進めています。今、開催目前までたどり着きつつあります。
▼資金の使い道
使途のうち大きく占めるのが渡航費と輸送費です。搬入時の他、搬出時にも作品管理上の安全のために2名が再渡航します。手持ちで運べない作品は送りますので、その費用もかかります。
渡航費 ¥490000 (@¥70000x7)
作品輸送費 ¥100000
リーフレット印刷 ¥30000
郵送費 ¥40000
これらは実質参加作家の自己負担です。参加作家はゆとりがないギリギリの生計の中、費用を捻出してくださってます。この費用のサポートに充させていただきます。
▼リターンについて
各作家の作品を中心にリターンします。低額で複数用意しているものもあります。最後まで御覧ください。
作家より開催の様子を伝えるメールまたは直筆の礼状を添えます。また現地配布用に製作予定のリーフレットはパトロン全員に贈呈予定です。
▼実施スケジュール
12月中 配布用リーフレット制作 作品荷物現地到着
2019年1月5日、6日 現地での搬入設置
1月7日開幕 アーティストトーク
1月8〜9日 出品作家帰国
3月9日頃 搬出のため再渡航
3月11日 最終日
3月12日 搬出作業
3月13日 発送、帰国
▼最後に
震災によって私たちが見たもの、感じたもの、目覚めたもの、そういったものが優れたアート作品にはパッケージされています。それをより多くの人に見せていきたい。そんな気持ちで始めようと思った海外展、しかし何も手がかりのないなか、メキシコの友人を訪ねるところから始まった私たちの旅は、導かれるような縁と奇跡のような偶然のリレーにより、メキシコのオアハカ、コスメル、メリダ、ドイツのカッセル、シュトゥットガルト、そして大連へとたどり着きました。私たちの動きがこのチャンスを与えてくれたのだと思います。
このチャレンジそのものが震災以後、私たちが追い求めていた答えのひとつなのかもしれないと思っています。それがどこまで続くのか、皆様の力を借りて実践し確かめていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいいたします。
なお、このプロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るリーフレット
2019/02/10 11:40パトロンの皆様遅くなりましたが、展覧会リーフレットできてきました。リターンの品に同封か別送でお送りします。もう少々お待ちください。 もっと見る
手
2019/01/24 08:09余談ですが、現地のカメラマンさんの視点が興味深かったです。私がスマホで会場を撮っている画面を後ろから撮影したり、展示作業中の方の手のクローズアップもありました。現地の皆さんは写真をドラマティックに演出するのがとても上手でした。私もいつも思うのですが、アーティストの方って手が細かったり美しかったり、なにより明らかに器用そうな方が多い気がします。そんな手によって、あらゆるミラクルが生み出されるのですよね。 もっと見る
大西さんの展示、越後さん展示替え
2019/01/24 07:56いよいよ当クラウドファンディングも残り4日となりました。たくさんの皆様のご支援に心から感謝いたします。さて、オープニング後、私たちが帰国した後にも展示修正は続いておりました。再度大連に送った越後しのさんの作品が昨日無事届いたようです。よかった!ギャラリーの方の手で展示替え予定です。越後さん曰く、ある作品に描かれている子がすこしたくましい顔になったような気が、と。そして、私たちの帰国時には暫定展示だった大西さんの展示がとうとう完成しました。ギャラリーの方がラージプリントを手配し差し替えてくださり、バランスのよい見事な展示になりました。本当によくしていただいてXギャラリーさんには感謝しています!!ありがとうございます。会期そのものはあと一ヶ月以上続きます。おひとりでも多くの方にご覧いただければ幸いです。 もっと見る
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